2005年11月09日

皇位継承・・・その今後

皇位継承問題に関しては二回(一回は資料編なので実質一回)にわたって書きました。
そこで書き漏らしたこと・・・というか、最新動向(というほどでもないですが)を横目に見ながらの、今時点での私の感想を、最後にまとめておこうと思いました。

 意見編 → 【皇位継承・・・「双系VS男系」論の底
 資料編 → 【皇位継承・・・三笠宮殿下のコラム発言要旨
 Y染色体→ 【皇位継承・・・Y染色体の世代間連続性について】 (2005/12/4補記)

「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大学長)は七日、第十五回会合を開き、意見集約をしたそうです。
意見編とダブりますが、ここまでの流れを整理すると、憲法の理念、特に男女平等の理念に基づき女性及び女系天皇を容認する有識者会議に対し、三笠宮殿下など皇族方や民間団体「皇室典範問題研究会」(代表=小堀桂一郎東大名誉教授)に代表されるような男系維持派が必死にブレーキを掛けようとしている・・・のが現状と言えるでしょう。
男系維持派は、旧宮家復興などによる傍系継承の道を提唱していますが、有識者会議の結論が変わることはなさそうです。有識者会議での論点は、すでに、女性および女系天皇を認めたうえで、長子優先か男子優先か・・・を決めるところへ移っています。
政府内には、麻生氏(=三笠宮家と縁戚関係にある)や安倍氏など、女系天皇に慎重な意見もあるものの、報道を見る限り、首相の小泉氏は女系天皇容認の姿勢のようですね。

ここまでは現状のまとめです。そして以下が私見。

傍系継承を認めない・・・という方針が変わらないのであれば、皇位は直系へ継承されてゆくことになります。ここで問題となるのが女帝(即位前であれば内親王=皇太子)の配偶者選びです。現皇太子殿下を思い浮かべれば、その配偶者選びがいかに大変か、は誰でも容易に想像できるでしょう。

私は、第一皇位継承権を持つ内親王殿下・・・には、天皇家男系の婿が入ると思います
それが本当に実現するかどうかはわかりませんが、少なくとも、三笠宮殿下のように強力な男系維持論者がいるわけですから、皇族方・・・すなわち親戚縁者からの、男系男子を婿に選べ、というプレッシャーは相当なものになるでしょう。女性天皇(内親王)がどういう夫を選ぶか、までは憲法も皇室典範も関与できませんから、「彼女」が天皇家男系男子を「ご自分の意思で」夫に選ぶ分にはなんの問題もないわけです。また伝統格式など素養の点から見ても、天皇家にゆかりのない一般男子では、そこへ婿入りするのは大変難しいように思えます。

今上天皇ご一家のご意向は外へ漏れてきていませんが、こうした皇族方からのプレッシャー・・・つまり伝統の力と、それを打ち破ろうとする新しい勢力との争いが、これから将来にわたって天皇家内部の中で繰り広げられることになるのではないでしょうか。
その戦いの様子は、有識者会議や国会論議とは違い、国民に向けて公開されることはありません。見えない戦いの決着は、第一皇位継承権を持つ内親王の夫が内定した・・・という報道によってはじめて、我々一般市民の前に明かされることとなるでしょう。

現在有識者会議が検討しているのは、長子優先か、男子優先か・・・の問題です。
有識者会議の結論は長子優先に傾きつつあるようですが、もし長子優先なら、天皇家直系の第一子が女性である代ごとに、同じ戦いが繰り返されることとなるのかもしれません。

家の都合で配偶者が決められるというのは一般市民の感覚からすれば相当にむごいことのように思われますが、もともと選挙権も職業選択の自由もない皇室の方々には、人権など無縁のものです。
そしてまた見方を変えれば、こうした事態とは実は、皇位という家督を誰に譲るか・・・という天皇家の問題が、皇族方を含めた広い意味での天皇家内部に帰ってゆく・・・ことをも意味します。
男系維持が天皇家一族の意思であるならば、法律がどうあろうと、国民がなにを思おうと、天皇家男系男子が次代の天皇の父に選ばれるでしょう。その選択に口を挟むことは誰にもできません。

つまり・・・試されるのは天皇家である・・・とも言えそうです。
これまでのように法律で男系相続と定められていれば、自動的に男系は維持できますが、今後は彼ら自身が努力しなければ維持できなくなる・・・ということでしょう。
時代が課したこの困難に打ち勝てず、女性天皇の配偶者に男系男子を添わせることができなかった時・・・には、彼らの万世一系は崩れ去り、アマテラスがその子孫に与えた葦原の瑞穂の中つ国も、彼らの前から消え去る・・・ことになるのかもしれませんね。
posted by 水無月 at 03:59| Comment(8) | TrackBack(3) |   ◇皇位継承問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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