2005年11月12日

東武鉄道へ抗議する感情豊かな人々

概要は↓へまとめておきましたが、感情に流されやすい日本人の心性を、良くも悪くも如実にあらわす出来事だなぁ・・・と思いました。

解雇という処分は確かに厳しすぎるように思いますが、この程度の「社会の不公平」は、言ってみればどこにでもあるもの。同じ「社会の不公平」で、より酷い辛酸を舐めている人はほかにも大勢いそうです・・・から、報道の力は偉大だ、ということかもしれません。


第一報に触れた時には、三歳の子供が実際に計器を操作して事故を起こす可能性があったかどうか・・・より、息子の泣き声を放置できず規律違反を犯した運転士の職業意識と、そうなるまで放置していた運転士家族側のモラルの低さ・・・の方が、私には気になりました。

はっきり言えば、乗車中に「父親」の顔を見せてしまう運転士の運転する電車には乗りたくない・・・ということ。
反射的にJR宝塚線の事故を思い起こしてしまいました。こういう運転士は、もし運転室内の子供が泣きすぎて「引き付け」でも起こしたら、動転して運転操作を誤ってしまいそう・・・と思えます。

そうした、私のように悪い方向へ考える乗客がいるだろうことを考慮して、鉄道会社はあえて厳しい判断をしたのでしょう。それは一種の経営判断でしょうね。実際、これを目撃した乗客の中から鉄道会社へ通報した人がいたわけですから、厳しい処分を下さねばならなかった・・・事情もわかります。


三歳の坊やが将来受けるだろう傷・・・を心配する声が多数あるようです。
きっと、思いやり深く心優しい人々なのでしょう。

こうした感情豊かな人々と、いったん悲惨な事故が起きてしまった際、ひときわ強く怒りの声を上げる人々・・・とが、なんだか重なっているような気がするのは、私の見方がひねくれているということなのでしょう・・・ね。
そういえば、ファミリーレストランや映画館などで騒ぐ子供を例に出し、近頃の親の躾はどうなっているのだ、と苦言を呈していた人々・・・は、今回どこへ消えてしまったのでしょう? それも不思議です。


       ◇       ◇       ◇


資料@【運転室に3歳の長男 東武野田線の運転士を解雇へ】朝日
http://www.asahi.com/national/update/1110/TKY200511090444.html


 埼玉県内の東武野田線の普通電車で今月1日、運転室に、30歳代の運転士の長男(3)が入り込んだのに、そのまま運転を続けていたことがわかった。東武鉄道は重大な規則違反だとして、運転士を懲戒解雇する方針だ。

 東武鉄道によると、1日午前の大宮発柏行き普通電車(6両編成)。先頭車両に運転士の妻が長男ら子供2人を連れて乗っていた。埼玉県春日部市内の南桜井駅に停車した際、運転士が客室側の扉を開けたところ、長男が入りこんだが、そのまま出発。隣駅の川間駅で、再び扉を開けて、長男を妻に戻したという。

 当時、先頭車両には約20人の乗客がいた。そのうちの1人が同社に知らせた。社内調査に、運転士は「長男が扉をたたいていたので、注意しようと扉を開けた。追い出そうとしたが、泣いてしゃがみ込んでしまった」と説明。運転装置には触らせていないという。

 東武鉄道の内規は、運転中に第三者を運転室に入れることを禁じており、運転士は自宅待機を命じられている。9日、事実関係を関東運輸局に報告した。同社は「重大な規則違反。厳しく対処する。今後は社員教育を徹底する」と話している。



資料A【「運転室に子供」懲戒解雇方針 東武鉄道に抗議1500件】産経
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/shakai/20051112/m20051112021.html


 東武鉄道の三十代の運転士が三歳の長男を約四分間、運転室に乗せて乗務し、同社が運転士を懲戒解雇する方針を決めたことに対し、十一日夕までに「処分は厳しすぎる」などの抗議が同社に千五百件近く殺到している。同社は「一つの案件でこんなに問い合わせがきたのは例がない」と当惑気味だ。

 東武鉄道は「同情論も多いが、安全運行が使命の鉄道会社で、第三者を運転室に入れることは危険を誘発しかねない規則違反」として懲戒解雇の方針を崩していない。運転士は現在、自宅謹慎中だという。

 同社への抗議は、十日午前中から電話や電子メールで寄せられ始め、同日夕までに四百八十四件。十一日夕には約九百八十件に達し、わずか二日間で累計千四百六十八件に上った。

 内容は「それなりの処分は理解できるが、解雇は厳しい」「成長した子供が自分のせいで親が失職したと知ればショックを受ける」などが大半。ただ、福知山線の事故など安全運行への意識も高いだけに「解雇は仕方ない」との賛成論も百件程度寄せられている。

 運転士の説明では、今月一日、勤務後に一緒に買い物に出かけようとして、妻と長男、長女の三人が春日部駅から先頭車両に乗車。長男がドアをたたいたため、列車の待ち合わせの際にドアを開けてしかったところ、泣き出して運転室に座り込んだ。列車を遅延させないためにそのまま発車し、次の駅で運転室から出したが、「運転装置などは触っていない」という。
posted by 水無月 at 22:49| Comment(6) | TrackBack(1) | 日記(時事) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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