2005年11月20日

補記【拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問】

先にUPした【拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問】の中で、私は二度、「質問の意図がわからない」と書いています。
これだけでは私がそう書いた理由がわからず、不親切(またはぶっきらぼう)で、質問集への苦言、と読めてしまいますよね。
質問集作成に関係した立場の方々がこちらをご覧になることも想定し、なぜそのように思ったのか、説明しておきたいと思います。

まず質問8

◇8.日本人拉致被害者のみならず、その他外国人の拉致被害者、また、北朝鮮国内における人権問題の解決も併せて目指していくべきだ。(#自国以外における北朝鮮問題をどの様に捉えているか?)

 (1)当然である。自分達だけ助かれば良いという考えは、道徳的にも国際的にも、到底受け入れられる事ではない。
 (2)もちろん、これらの問題が解決するに越した事は無いし、日本政府も取り組んでいくべきだとは思うが、優先順位は考慮されて然るべき。
 (3)まずは自国の拉致被害者を救出する事が先決である。あれこれ手を広げた結果、拉致被害者救出に支障をきたしてしまっては本末転倒である。
 (4)その他。
◆設問の意図が不明です。
本心では(3)です。なぜなら、日本は自国民さえ救出できずにいるわけで、そのような国が他国民の人権まで配慮するのは分不相応で滑稽でさえあるでしょう。
ただし現実に日本だけでは自国民を救出できないからこそ、他国と連携を取っているのですから、そうである以上(つまり他国の協力を仰いでいる以上)、他国の拉致被害者の救出にも誠心誠意努力するのは当然のことです。
北朝鮮国内の人権問題に関しては、日本が考える必要はありません。他国民の人権を守るためという口実でイラクを攻撃したような愚をアジアで許してはなりません。もしもそうなった暁には、泥をかぶり、無限に近い経済的損失と歴史的怨恨を背負うことになるのは日本なのですから。


個人の本心としては(3)の自国主義ですが、対外的、外交的には(1)の国際協調も重視しなければならない、というのが、私の考えです。
そうであれば、そのように書けばよかったのですね。
そこを「設問の意図が不明」と最初に反応してしまったのは、「あなたはどのように考えるか」と「日本はどのようにすべきだとあなたは考えるか」の二つの質問を一度にされたように感じてしまったからです。

両者は多くの場合一致するものでしょうが、少し複雑な問題になると、個人としての意見・立場は○○だけれども、日本や政府の対応としては□□が妥当だと思う・・・のようにしか答えられない場合があります。個人としての意見を訊かれているのか、日本の対応について訊かれているのか、が掴めず、迷ってしまった気持ちが、「設問の意図が不明」という言葉になりました。

この質問集全体について感じたことですが、冒頭に回答者(この場合には私)への問いかけ文がないのですね。
「あなた自身の考えを記してください」「日本はどのようにすべきだと思いますか?」または「解決のための運動はどのような形であるべきだと思いますか?」というような言葉がある方が答えやすいのではないかと思います。



次に質問10

◇10.この運動をきっかけに日本の愛国心の高揚を図り、他の様々な問題に対しても応援に向かい団結していくべきである。(#「運動」のあり方に対する考え方、日本国においての拉致問題の位置付けをどの様に考えるか?)

 (1)その通り。拉致問題と他の国益に関する問題は直接は関係ないが間接的には関係している。問題は愛国心だ。
 (2)何とも言えない。
 (3)反対。政治的なイデオロギーを持ち込むと運動の方向性が拡散するし、敬遠する人も出てくる。むしろリベラルな人でもこの問題には賛同するし怒りを覚えるという立場が大事。
 (4)その他。

◆これもまったく意味不明・・・(苦笑
愛国心と拉致問題がなぜ、どのような必然性で繋がるのかわかりません。
愛国心に関係なく拉致問題は解決されるべきであり、そのほかの問題も同じです。たとえば、対中、対朝鮮、以外にも、対米、対露、対欧、対中近東、対オセアニア・アジア、対アフリカ、対南米・・・など、国益に直結する外交問題は山ほどありますが、それと拉致問題と愛国心とはどのような関係にあると設問者はお考えなのでしょう?
質問内容に愛国心の定義を加えるべきではないでしょうか。身内でだけ通じる文脈では、質問テンプレの広範な普及は望めないように思うのですが・・・。


私の回答自体から「愛国心」という言葉へのアレルギーが透けて見えるかと思います(笑
(なお、私が「愛国心」に懐疑的なのは、この語が奇妙にも、天皇制など特定分野の国内問題と、対中・対朝鮮との外交問題に際してのみ頻発し、それ以外の政治問題に関しては語られることがないからです。特定の分野・国家にのみ有効な「愛国心」・・・とはなんなのかと思うわけです)
回答で書いた通りなのですが、愛国心という言葉からなにを思い浮かべればよいのか、記述して欲しかった・・・です。たとえば、質問の冒頭に「最近では竹島問題や靖国問題、在日の人々への参政権付与問題、などもあるが、(この運動をきっかけに・・・)」というような一文を入れるだけでも、「国益」「愛国心」などのイメージが明確になるような気がしました。

回答例の中にある「国益」「イデオロギー」「リベラル」という語の用いられ方から推察するには、この質問集は非「リベラル」、おそらく「保守」系の人々が作成し、同じ「保守」系の人々に読まれることを想定しているのではないかと思いました。しかし「保守」系と自覚していない人々の意見を収集することこそが、実は運動にとっては有益なのではないかと思うのです(だから私は答えました)。
そうであれば、質問集の回答者が当然に「保守」系である、かのような作文は・・・どうなのでしょう? また、もし、回答者を特に「保守」系の人々に限らないつもりの質問であれば、少々不親切ではないかと(つまり、私のような立場の人間にとっては、意味が通じにくいということです)。
さらにまた、「むしろリベラルな人でもこの問題には賛同するし怒りを覚える」という回答例がありますが、ここには「非・リベラルな人でこの問題に無関心な人はいない」という前提が隠されています。そのように決め付ける態度・・・に、私はなんとはなしに危ういものを感じるのです。運動を自ら狭めたり、回答者を質問集が選んでしまう・・・というような。逆に、「保守」系の発想であっても、なんらかの理由でこの問題に心的距離をおく立場の人・・・の存在を、考慮しなくてよいのでしょうか? もしそうした人がこの質問集を目にしたら、やはり戸惑いを感じると思うのですが。
「リベラル」と名指しせず、「政治的立場にかかわらずこの問題には賛同するし怒りを覚える」とした場合にはどうなのか・・・。などと考えました。



以上です。
前回の私の回答を、質問集を作成した【著::善ポコのタコ部屋】さんがご覧になったことが確認できましたので、慌ててこの補記をUPしてみました(汗
「設問の意図が不明」とは、私の方こそ不親切で申し訳なかったと思います。
設問者の方の立場に立てば、回答者から「設問の意図が不明」と言われた場合、その意図を説明しなければならない・・・のようにお考えになるものでしょう。が、その際には、「意図が不明」と私が書いた裏に上記のような理由があったのだ、という事情まで斟酌くださった方が、双方にとって実りある方向へ進めるものと考えた次第です・・・。

posted by 水無月 at 02:20| Comment(0) | TrackBack(1) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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