2006年04月22日

太平の眠り覚めたか調査船

※竹島沖で日本が予定している海洋調査問題・・・。
 関心はあるのですが、しっかりまとめる時間まではなかなか取れそうにありませんので、まず自分の感想を。日記から。


◇     ◇     ◇



これまでの弱腰(って言葉は好きじゃないけども)外交の
ツケが半年複利で雪だるま式に膨れ上がった結果・・・と
いう意見に、私も同意します。
これは今に始まった問題ではないでしょうね。

戦争をしたくない、喧嘩をしたくない、という気持ちは
痛いほどわかるのですが
だからといって言うべき時に言うべきことを言わない
でおく・・・とはなにを意味するか、がよくわかる事例。

しかしどちらかというと私は、原則論よりまさに今回の
「この事態」に注目しています。
日の丸が焼かれるシーンをTVで目にするだけでショックを
受けるようなナイーヴな国民性は、この数年間でガラリと
変わりました。それが私の実感です。

いつかそのうちに、日本国内でも他国の国旗が焼かれ
それが電波に乗って他国でも放映される・・・事態になる
ような気がします。
世論は確実に変化しています・・・。
政府はそれをどこまで実感しているだろうか・・・という
疑問がまずあり、次に、政府(小泉政権)はそれをどう
認識しているのか・・・という疑問があります。
リベラル陣営の言うように、歓迎しているのか、それとも
保守陣営の言うように困った事態だと憂慮しているのか。

今回の海底調査は日本政府側が言い出したことです。
むろん、海底地形に韓国風の名前をつけようと国際会議に
提案する韓国の動きというのもありますが、それにしても
これまでは黙って見過ごしていた日本政府がついに動いた
ことは違いないでしょう。
動いて、そしてどうするのか・・・。
日本政府の覚悟の如何が、今後の対応でわかるような気が
します。


領土・・・ということに、日本はこれまで、あまりにも
のんびり構えすぎていたのではないでしょうか。
それはおそらく、四方を海に囲まれた地理的条件からくる
ものでしょう。つまり恵まれていたのです。これまでは。
元寇以来何百年も、日本は自主的に領土を守る努力をせず
来てしまいました。
それは素晴らしく恵まれたことだったと思います。
けれどもこの先も、それでいけると保証されているわけ
ではありません。

領土は、自分で守らねばなりません。

自分で守れぬ領土は、奪われるまでのことです。

喧嘩にも、奪われることにも、慣れていない日本ですが
今後どのように対応してゆけるでしょうね。


おそらく現代は、第二の明治期の始まりなのだと思います。

拉致事件では国民を奪われました。
国民も領土も守ることができないのなら
国家とは、政府とは、いったいなんなのでしょうか・・・。

そういうことを考え始める国民が、次第に増えてきている
ような気がします。



 
posted by 水無月 at 06:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

対中外交は変われるか?(日中中間線越え航行禁止海域問題)

竹島周辺の日本による海洋調査の問題もありますが、とりあえず今日は日中中間線の問題を・・・。

< 事態の推移 >

問題のサイトはこちら → 【中華人民共和国海事局 航行通告


2006年
3月1日 ・・・ 中国海事局が、同日から9月末まで東シナ海「平湖ガス田」
    工事のため、付近海域への立ち入り禁止をウェブサイト上で告示。

     指定海域は北緯27度7分、東経124度55分から
    北緯29度4分、東経124度54分までの帯状の海域で
    日中中間線をまたぐ形。南北200キロ、東西3.6キロに及ぶ。

3月6、7日・・・ガス田開発をめぐる日中政府間協議が北京で開催。
    中国側は連絡をせず、日本側は問題を把握していなかった。

3月28日・・・水産庁から外務省に、航行禁止の通知が行われている
    との連絡が入る。

この後 ・・・海上保安庁が中国海事局に事実関係の確認。
    中国側は「ガス田の拡張工事作業は行わない」と回答。

4月7日 ・・・中国海事局より再度連絡。「拡張工事作業は中止
    しているが、作業の期限(9月30日まで)内であれば
    いつでも作業と航行禁止を再開する」

4月14日・・・北京の日本大使館が中国外務省に事実関係の説明を求める

4月15日・・・共同通信が【北京15日共同】として22:44に事件を報道。
    【中間線付近の航行禁止 中国、東シナ海ガス田で
    これを受けて新聞各紙が一斉にネット上でこれを報道。

    保存画面は → 【こちら

4月16日・・・外務省が一連の経緯を安倍官房長官に報告。

4月17日・・・日本政府が外務省を通じ中国政府に懸念を伝える。
    安倍官房長官の説明=「わが国の主権的権利を侵害し、
    国連海洋法条約の関連規定にも反しうるとの懸念を伝え、
    詳細な事実関係を早急、明確に回答するよう申し入れを
    行った」(午前の定例記者会見)

    小泉首相=「冷静に対応したい」(昼、官邸で記者団に)

    深夜になって中国外務省が日本大使館に修正を説明。
    これによると中国海事局は航行禁止の対象範囲を
    「北緯29度7分から同29度4分」とするところを
    「北緯27度7分から同29度4分」と誤って掲載していた。

4月18日・・・安倍官房長官午前の記者会見にて「単純なミスとの印象」

    中国外務省の秦剛副報道局長が定例記者会見で、
    「技術的な誤りがあった」と釈明、内容を修正する方針を明らかに。
    (技術的な誤りの詳細には触れず)
    秦剛氏発言=「中国は日本が一方的に主張している『中間線』を
    認めていない。日本政府がこれを根拠に中国を責めていることに
    不満を覚える」

    ただし夜になっても中国海事局のサイトの誤りは修正されず。

4月19日・・・未明の時点でサイトの修正を確認。
    安倍氏定例会見で「問題があれば、お互いにすぐ通告して
    誤解を解くことが重要だ」と中国側秦剛氏発言に反論。

(各ソースは日本語配信記事)



事態としては上記の通りで、この件に関してはとりあえず一件落着なわけですが、ちょっと気になるのが心理戦(笑

日本側の代表として産経新聞に登場してもらいましょう。

【航行禁止に「技術的誤り」−中国、日本に「修正」伝える】
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200604/sha2006041904.html
2006年04月19日 更新

中国海事局がホームページ上で、同区域を3月1日から9月30日まで勝手に「航行禁止」と通告していることが15日に判明。中国はわが国主権侵害の既成事実化を狙ったとみられるが、わが国世論の反発が予想以上に強かったため「単純ミス」として処理したものともみられる。

安倍晋三官房長官は18日、中国側の姿勢について「単純ミスとの印象だ。今後は速やかな対応をお願いしたい」と指摘。しかし麻生太郎外相は「(海上保安庁が通告を見つけたのが)先月27日か28日で、その後外務省に連絡があった」と説明。「もめている水域で(航行禁止を)やろうとすれば、相手国に敬意を払って連絡するのが通常だ」と、中国の対応に改めて不快感を示した。


対して中国側メディアの反応。

【海事局サイトの船舶航行通告について 外交部】
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200604/sha2006041904.html
更新時間 :2006年04月19日10:22 (北京時間)

外交部の秦剛報道官は18日の定例記者会見で、海事局ウェブサイトに掲載された船舶航行通告について質問を受け、次のように答えた。

海事局が発表した航行通告は技術的なミスであり、中国側の実際の作業範囲は中日間の係・海域に及んでいないとのことだ。中国は日本が一方的に主張する中間線を認めておらず、いわゆる中間線を根拠に中国を非難し、誇張報道を行う日本側の行為には不満を表明する。
 この事がどのような影響をもたらすかだが、中国はこの問題について、すでに姿勢を説明している。つまり、技術的なミスだ。誰かがこれと異なる解釈をしたり、別の目的をもって誇張報道するとすれば、逆にそれにより生じる影響の方こそ考慮に値する。


単純な技術的ミスなのだから妙な詮索はやめなさい、というところでしょうか。
安倍官房長官の発言を見ても、日本政府も基本的にこれに沿った方針で事態収拾を図る見通しです。

安倍晋三官房長官は19日午前の記者会見で、東シナ海のガス田拡張工事のため中国海事局が航行禁止を通知した問題に関連し、日本側がガス田試掘に踏み切る可能性について「基本的に日本側は権利を有しているが、協議を行っていくことが両国の利益になるとしっかりお互いが認識することが大切だ」と述べ、政府間協議で問題解決を図る考えを強調した。
(共同通信) - 4月19日12時33分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060419-00000076-kyodo-pol


中国が既成事実化を着々と進める中、日本が珍しく「待った!」を掛け、これに中国が応じた・・・とはじめは見、今後は幾らか対中姿勢に変化が生じるかも? とも思ったのですが、どうもそれほど簡単な話でもないようです。

ただ、中国側の意図がどうあれ、もし、この件で日本側が騒がなかったら、どうなっていたでしょう? 抗議をしなければ受け入れたものと認識されるのが当然でしょう。気づかなかったから・・・などという間抜けな理由が通用するはずもありません。特に今回に関しては、ウェブ上で堂々と通知されていたわけですからね。

そう考えると、やはり日本側の情報収集能力や伝達の遅さが非常に気になります。
なにしろ、外務省が安倍官房長官に事態を説明したのは、共同通信による報道のあとなのです。このことから、ギリギリまでは情報を外務省内部にとどめておき(この場合、官邸・政治家は外部となる)、自分達(官僚)の手でなんとか事態収拾を図ろうと画策し、どうにもならないことが明らかになった時点ではじめて官邸に投げる(この段階で報道に伝える)という、外務省の体質が透けて見えるようです。
安倍氏が自体を把握してからの動きは、非常にわかりやすいものでした。

対中外交を官僚(いわゆるチャイナスクール?)の手から、せめて政治家の手に取り戻す・・・。これこそが、今、日本に求められていることなのでしょうね。



 
posted by 水無月 at 01:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月13日

警察の腐敗が招いた死(栃木リンチ殺人事件)

 
政治と直接には関係ないですが、たまには。


【リンチ殺人:父「心の中で、やったな!」…妻の遺影前に】
(毎日新聞 2006年4月12日 12時43分 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060412k0000e040058000c.html

 「生きたまま埋められるのかな。残酷だな」。正和さんの最後の言葉を須藤さんは裁判で知り、「ふびんでしょうがなかった」と読み上げると、これまで、判決を聞いた後も崩さなかった冷静さを失い、言葉を詰まらせ、涙声を抑えることができなかった。

 判決に対しては「裁判所は県に対し、私たちの要求を認める判断をして感謝している。親については納得いかないが、5年間の思いが通じた」と評価。「この事件をこれからの捜査改革の礎にしてほしい」と述べた。



記事の全引用はしませんが、19歳の若者が同僚ら少年四人に拉致され、二ヶ月間にわたり監禁され、凄惨な暴行を受け、親や友人、サラ金などに700万円を超える借金をさせられた末に殺害され、山林に埋められた、という、いわゆる「栃木リンチ殺人事件」です。

被害者が拉致されていた二ヶ月もの間、両親は必死になって警察に事件捜査の依頼をしましたが、栃木県警石橋署はなぜか取り合いませんでした。両親が銀行の協力を得て「ビデオテープに写っていた預金を下ろす被害者の顔が暴行で腫れあがっていた」ことを伝えても、加害少年らの親と同行してさえも、石橋署の対応は鈍いままでした。

こうした経緯についてはこちらが詳しいです↓。
 【栃木リンチ殺人事件「わが子、正和よ」】
http://park17.wakwak.com/~tochigi-rinchi/

 【栃木リンチ殺人事件】(無限回廊)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/totigilynch.htm

今回の両親の提訴(民事)は国家賠償法に基づき、警察の不作為を訴えたものです。宇都宮地裁は原告の訴えた「捜査怠慢と被害者死亡の因果関係」をほぼ全面的に認め、県に9633万円(加害者と合計で1億1270万円)の損害賠償支払いを命じました。
両親の訴えが認められたのはなによりですが、しかしもちろん、いくら裁判で勝とうと被害者の命は返ってきません。被害者の父(母は裁判の途中で病死した)の胸中を思えば、遣る瀬ないばかりです。

ところで、なぜ石橋署の対応はここまで鈍かったのでしょうか。TVや新聞の報道では、ここにまったく触れられていません。NHKのニュースでは「なぜ県警の対応が鈍かったのか、裁判で掘り下げて欲しかった」などと通り一遍のコメントで終わっていました。
掘り下げること、こそが報道に期待される役割でしょうに。実に歯痒いことです。

ネット上では、もう少し詳しい情報が手に入ります。

・主犯Aの父親は事件当時、栃木県警氏家署勤務の警察官だった。

・被害者と従犯Bは当時日産自動車上三川工場に勤める同僚の関係だったが、日産自動車の総務には県警から天下ってきた元警察官が勤めていた(この人物が石橋署に捜索願いを出すように勧めた)。

以上は上で紹介した、被害者遺族のサイト【栃木リンチ殺人事件「わが子、正和よ」】で証言されている事実です。
(被害者の家族が危機を察し、必死に警察に助けを求めているにもかかわらず、結果的に見殺しにされた構図は桶川ストーカー事件と同じです)


警察という組織の内部がどうなっているのか、私は正確なことは知りません。大部分は正常に機能しているのだと信じています。しかし一部にせよ、腐敗があるのも事実だろうと思います。

ご遺族の訴えをメディアが取り上げないのであれば、せめて自分にできる範囲で、ひとりでも多くの人に伝えたいと思いました。

栃木リンチ殺人事件―警察はなぜ動かなかったのか』(黒木昭雄著) ←この書籍も参考になります。



 
posted by 水無月 at 03:19| Comment(9) | TrackBack(3) | 日記(時事) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月08日

国民にとって政権交代は目的でなく結果です

民主党の新代表が選出されましたね。

■小沢 一郎(おざわ・いちろう)
昭和17年5月24日生まれ。岩手4区。昭和44年12月、27歳で初当選。自民党中枢の田中派、竹下派に所属し、故田中角栄元首相の「秘蔵っ子」として頭角を現し、47歳で自民党幹事長を務めた。しかし政治改革実現を訴えて離党し、平成5年に新生党を結成、党代表幹事に就任。自民単独政権を崩壊させ、細川連立政権を樹立する立役者に。ほかにも新進党党首、自由党党首、民主党代表代行、同党副代表などを歴任。身長1メートル73、体重73キロ、血液B型。

【産経新聞】より(以下の白地引用もソースはすべて同じ)
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200604/sha2006040801.html

対立候補の菅元代表とは47票差の119票対72票・・・で、これは大差ということになるようです。

私は金曜夜のNHKで知ったのですが、確かにこれまでよりは表情も柔らかめ・・・時代に沿うメディア戦術を意識しているのだな、と感じました。
小沢氏自身も、投票前の政見演説で「民主党も変わらなくちゃいけない。私自身も変わらなくちゃいけない」と言ったらしいですし、ね(笑
ただ、この「変わる」は、あくまで外見・イメージに関してだけのことのようです。
「皆さん(報道陣)への態度をもうちょっと良くとか、ブスッとしてないでもうちょっと笑えとか。変身を心がけたい」

これはこれで良いことだと私は思いました。中身(政策)まで、そうそう気安く変わるようでは、有権者として困惑するほかありませんから。


それよりも私は、政見演説や代表選出後のインタビューでの小沢氏発言が、民主党建て直しのための抽象的な精神論ばかりに傾き、唯一出た具体的な目標(?)が「政権交代」だったことに拭いきれない違和感を抱きました。
「私のようなものが代表に選出され、身に余る光栄」
「全身全霊尽くして一生懸命頑張る」
「(WBCでは)1人1人が個性を発揮して世界一になった。民主党も全員が力を出し切れば、政権交代という金メダルを取れると確信している」
「民主党も変わらなくちゃいけない。私自身も変わらなくちゃいけない」


結局、代表就任前後の小沢氏発言からは、小沢氏がどんな政策を持ち、どういう日本をイメージしているのか・・・を、読み取ることができないのです。
まあこれは、民主党内部の党首選びですから、これでいいのかもしれません(ホント?)。なにしろ、この場合の有権者(選挙人)は民主党に所属する議員さん達です。彼らにとっては、とにかく「党を立て直し(イメージを向上させ)てくれて」「(党員が選挙で当選できるように)精一杯頑張ってくれ」そうな党首が、望ましいわけですからね。

けれども国政選挙の有権者にとっては、まったく事情が異なります。
当たり前のことをあえて書きますが、日本を、国民を、どういう方向へ引っ張ろうとしているのか・・・つまりは政策で、有権者は票を投じるのです。
 Q. 「どういう日本にしたいですか?」
 A. 「政権交代の起こる国にしたいです」
間違ってもそんな政党に票は集まらないでしょう(「政権交代をさせたい」という動機で票を投じる有権者の割合は、今回の民主党首選で河村たかし氏の推薦人に名を連ねた議員さん達の、全民主党議員に占める割合を上回ることはないと思います)。
政権交代は結果であって目的にはなりえないのです。
そこのところを、民主党議員さん達には是非、しっかり覚えておいてもらいたいものですね。

もっとも、民主党内部で、民主党党員の皆さんが政権交代を目標にするという分には、結構なことだと思います。
政権交代を目指し、それが現実味を帯びるほどまで政策を磨いてくれるというのなら、国民にとってこれほど喜ばしいことはありませんから。・・・とまで考えて、私は逆に、「政権交代」くらいしか具体的なことを口にできなかった小沢代表の立場が、理解できるような気がしました。
小沢氏の支持層には、護憲派の旧社民党系から、改憲容認の旧自民党(旧自由党)系の議員までがいます。そして民主党の中にはそのほかにも、前原前代表のような若手グループや、菅氏のような市民派グループまであって・・・。
こういう集団のTOPに選出されようと思えば、下手に政策論など出すわけにはいきません(苦笑
どの党員にとっても耳障りの良い「挙党体制」「政権交代」くらいしか口に出せないのは当然、と言うべきでしょう。

要するに、小沢氏の仕事はすべてが「これから」に掛かっているわけです。自民党以上に右から左まで幅広く個性豊か(笑)な党員達をいかにまとめ、それこそ「挙党体制で」の統一した政策を打ち出せるか、どうか・・・。
小沢氏の指導力が試されるでしょう。


ちなみに、小沢氏は嫌っているらしい「豪腕」という形容ですが、私は悪いイメージとは思いません。実績から見れば、かつて同じ釜の飯を食った仲間に公然と対立候補を送り込んでみせた小泉氏の方が、よほど「豪腕」でしょう。国民一般のレベルでは、かえって小沢氏の「豪腕」ぶりに期待を寄せている人も多かろうと思います。
つまり、「豪腕」がマイナスイメージなのは国民一般レベルではなく、永田町レベルでの話だということです。小泉氏も先の選挙では永田町のお仲間(自民党議員)からは、相当恨まれていましたね。それでも有権者が彼を支持したために、小泉氏は選挙に勝ち、選挙に勝ったことで永田町の不満分子の制圧に成功したのです。
そのあたりのカラクリも是非、小沢氏には正しく認識しておいていただきたいと思います。

なお今回の小沢氏は、事前の根回しによる勝算の目処が立つまで代表立候補の意思を示さず、若手が反発すれば勝ち方にも配慮してみせる(わざわざ選挙を行い、かつ菅氏の待遇も約束する)など、慎重さや丁寧さが目立ちました。
小泉氏との対比で言えば、小沢氏は小泉氏以上に旧来自民党的な選挙戦を戦った・・・と言えるでしょう。

自民党を壊す、ことを公約に党首選を戦い、結果として自民党も救ってみせた小泉氏でしたが、対して
民主党を救う、ことを公約にした小沢氏・・・。さて、今後どのように民主党を変えてくれるのでしょうか。楽しみです。


最後に・・・。小沢氏本人が語ってくれなかったので復習しておきましょう。


主な政治的主張

政党を変遷するその政治的行動を非難される事が多い。しかし政局判断に関しては柔軟に対応することに躊躇はしないが、政治理念、政治哲学に関しては一切の妥協をしない。

・靖国神社への公式参拝
  行く行かないは個人の自由。ただし公約をし、政治信念で行くのならば8月15日に公式参拝を行うべき。

・A級戦犯
  東京裁判は不当な報復裁判。ただし当時の国家指導者は敗戦責任があり、靖国神社から分祀すべき。

・自衛隊の海外派遣
  戦争には前線も後方支援も関係はない。
   ・「集団的自衛権」(イラク戦争型)の行使 ‐ 一部国家による有志連合の参加には反対。
   ・「集団安全保障」(湾岸戦争型)の行使 ‐ 各国が容認した国連軍、多国籍軍の参加には賛成。

・経済政策
  新自由主義的政策に基づく規制撤廃の実施。ただし社会的格差の是正、挫折した経営者、労働者の再起業、再就職の支援制度の拡充が前提。

・在日外国人の地方参政権
  旧植民地政策により日本に移住、戦後そのまま在住した外国人・その家族には歴史的事情を勘案し、限定的に容認。

・労働組合との関係
  未組織労働者や市民層からの支持を増やすことで協調的に労組との関係を維持する。

【Wikipedia】http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%B8%80%E9%83%8E


わざわざ政権交代せずとも自民党の中で十分やっていけそうですが(笑)、そこはそれ、彼はやはり「政権交代」を実現したいのでしょうね。

一党による与党独占が続けば当然に政官業の癒着・・・腐敗を招きます。
だから政権交代は確かに望ましい、と私も思います。しかしそのためにはやはり、政策の違いを前面に出すしかない・・・。

小沢氏は、権力闘争臭の漂う「政権交代」より、「政官業の癒着を斬る」ことをスローガンに掲げるべきだと思います。少なくとも国民には、その方がわかりやすく、受けも良いでしょう。


小沢民主党の前途・・・若干の期待を込めつつ冷静に、今後とも見守りたいと思います。

 
posted by 水無月 at 09:17| Comment(0) | TrackBack(4) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月06日

内部でなにが・・・?(外務省内部報告書漏洩事件)

ちょっと不思議な報道だったので気になりました。


【韓国:中央日報、半島情勢に関する日本の内部文書入手】
(毎日新聞 2006年4月5日 19時39分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060406k0000m030048000c.html

【ソウル中島哲夫】5日付の韓国紙・中央日報は日本の外務省が作成した朝鮮半島情勢に関する内部報告書を入手したと報じた。内容としては、▽韓国では反日政策が政権支持率を高める効果がある▽盧武鉉(ノムヒョン)大統領は残る任期中、反日強硬論を放棄しないだろう▽盧政権は竹島(韓国名・独島)への閣僚・国会議員の上陸など「過激な示威行為」で韓国の民族主義をあおり、反日強硬政策の効果を維持している−−などの分析が含まれていると同紙は指摘。これらは韓国への否定的な評価であり用語も刺激的だと、批判的に伝えた。

 この報道について潘基文(バンギムン)韓国外交通商相は5日の定例会見で、「もしも事実なら厳重に対応するしかない」と述べ、駐韓日本大使館に真偽確認を要請したことを明らかにした。文書の内容に対しては「韓日関係冷却の責任は日本の誤った歴史認識にあるにもかかわらず、まるで我々が韓日問題を国内政治用に利用しているように解釈しており遺憾だ」などと反発、特に竹島問題に関する記述には「憤怒を禁じえない」と強調した。

 中央日報はこの記事を文書の最初のページ上部の写真とともに5面に掲載。この写真によると、文書は「朝鮮半島をめぐる動き」と題され、「平成18年1月25日 北東アジア課調査班」「取扱注意」などの表記とともに「外部に対して発言される場合には注意願います」と、下線付きのただし書きがある。


私が気にした部分は青字で示した箇所です。

つまり、外務省が作成した内部報告書を、韓国紙である中央日報が入手し報道した、そしてこれに対し韓国政府が反発している、という流れなわけですが。

@ 韓国紙が手に入れた「内部文書」は極秘資料なのかどうか。
 (→ もしそうなら外務省に機密漏洩者がいることになる?)

A ここに報道されている報告書の内容は、私の感覚からすれば、日本のインターネット上などではすでに言い古されているような内容ばかりで、大して新鮮味もない。
 (→ べつに極秘扱いする必要はないのでは?)

B 韓国紙がスッパ抜き、それを、韓国政府が「もしも事実なら・・・」という仮定付きで反応するのは軽すぎないか? 事実かどうかを本気で確かめたければまず韓国紙へ確認するのが筋。日本へ直接確認しても、「確認できない」と返事があればそれで終わってしまう話。韓国側の徒労に終わるだけと思われる。
 (→ 韓国政府の、韓国国民向けポーズに過ぎないのでは?)

C そもそも、一国の外務省が他国をどう分析し、それを内部資料でいかに表現しようが、それは当局の自由であろう。公表資料でもないものを勝手に詮索した挙句、「あなた、私のことをこんなふうに思ってるんですか、それって失礼じゃないですか!」なんて・・・あまりにも(呆
 (→ いくらなんでも韓国政府はそこまで「??」ではないだろうから、報道自体が間違っている可能性もある?)

私は瞬時に以上のようなことを考えたのでした。
というわけで次は元ネタです。中央日報。


【盧大統領、レイムダック避けるため「反日」…日外務省資料】
(中央日報 2006.04.05 09:11:47 )
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=74397&servcode=200§code=200
ハングル版では 2006.04.05 05:02 入力 )

「盧政権は独島を素材としてナショナリズムをあおいでいる」−−。

独島(トクト、日本名竹島)、靖国神社参拝問題などに関する韓国政府の対日外交政策に対する日本政府の内部分析を掲載した報告書を本紙が単独入手した。

外務省の政治情勢分析資料「朝鮮半島をめぐる動き(1月25日付)」は韓国政府の対日政策を国内用にまとめ、独島観光開放を「過激なデモ行為」と表現するなど、否定的に評価している。対外秘資料であるだけに報告書に使われた用語も非常に刺激的だ。

・・・(中略)・・・

これに対して外交通商部当局者は「日本政府は歴史認識問題の重さをよく分かっていないようだ」とし「独島は日本国内の歴史学者の中でも日本の固有領土と主張する人がいないほど、無理な主張であり外交だ」としている。

「いくら内部文書とはいえ、外国の内定まで恣意的に分析するのは遺憾なことだ」とした。

◆日本外務省韓半島政治情勢報告書=日本外務省の韓半島担当部署である北東アジア課が定期的に作成する政治情勢報告書で「取り扱い注意」と分類される対外秘資料だ。6カ国協議と南北関係、北朝鮮政権の動向などが主要内容だ。報告書は首相秘書室と外相を含む外務省主要幹部、韓国、米国、中国など主要国に派遣された公館長たちが閲覧する。



ハングル版をYahooウェブ翻訳ページ(http://honyaku.yahoo.co.jp/url)で読んでみた結果もほぼ同じでした。確かに中央日報は批判的に伝えています。どうやら毎日の誤報ではなかったようですね。
ただし、翻訳ハングル版中央日報には同紙日本語版にはない以下の一文も見えました。
日本語訳 → 彼は "いくら内部文書とはしかし他の国の内政までクルオだ恣意的に分析することは残念な事"と言いながら "切ない"と付け加えた.

日本語記事部分は上記引用中青字で示した部分です。「クルオだ」の意味はハングルの素養ゼロの私にはわかりません(おわかりの方は教えて下さい)が、きっとプログラムによる機械的な翻訳過程で生じた悪戯なのではないかと思います。
しかしそんなことよりも、切ない・・・が消えたのはなぜでしょう? 不思議です(笑


最後に中央日報の続報。この続報までを併せ、毎日新聞は記事にしているようです。以下を読むと、韓国政府が正式に反応しているのも事実だ(なにしろ韓国紙が伝えているのですから)ということがわかります。


【潘外相「憤怒の念禁じ得ない」…日本外務省報告書に厳しく対応】
(中央日報 2006.04.05 16:50:03)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=74415&servcode=200§code=200

外交通商部(外交部)の潘基文(パン・キムン)長官は5日、日本外務省が「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権はレイムダック(任期終了を間近に控え、政治的影響力を失った大統領を比ゆ的にいう語)を避けるため反日強硬姿勢を崩さないだろう」という内容を盛り込んだ内部報告書を作成した、という報道について「万が一事実ならば、厳しく対応せざるをえない」と述べた。

潘長官は、外交部庁舎で行われた定例ブリーフィングで「李赫(イ・ヒョク)外交部アジア太平洋局長がきょう午前、韓国の日本公使を呼んで、事実関係の確認を正式に要請した」とし、こうした立場を示した。

・・・(中略)・・・

これに先んじ青瓦台(チョンワデ、大統領府)は、李炳浣(イ・ビョンワン)秘書室長が出席する一日状況点検会議で、日本外務省の報告書について協議し「事実である場合、厳しく取り組む」との立場を表明した。半面、谷口・外務副報道官は、報告書の存在・内容を尋ねる韓国特派員の質問に「ノーコメント」と答弁した。


該当するハングル版記事を探しましたが、似たような記事は幾つかあるものの、「これに先んじ」・・・以降の部分はハングル版記事には見当たりませんでした。谷口氏が韓国にいるとは考えられないので、これは中央日報の駐日特派員が質問したものでしょうか。


【 ま と め 】


引用ばかりしていたので長くなってしまいましたが、以下に私の感想をまとめておきます。

まず、この「内部報告書」の真贋についてはわかりませんが、仮に本物であったとしても、報道にあるように「『取扱注意』などの表記とともに『外部に対して発言される場合には注意願います』と、下線付きのただし書き」がある程度なら、極秘文書とまではいえないような気がします。
またその内容も、とうてい極秘にする必要を感じないものです。もしこれが日本政府の対外公式文書なら問題でしょうし、政府要人の発言であっても問題視されるのはわかりますが、内部文書であるなら、本来は問題にさえなりえない内容でしょう。

けれども現に韓国政府は反発し、「韓国の日本公使を呼んで、事実関係の確認を正式に要請」するなどの動きをしているようです。韓国国民向けに強気の姿勢を見せた、と解釈することもできるでしょうが、私は「なぜ韓国政府は中央日報報道の真贋を疑わないのか」が気になりました。自国のメディアだから疑わない(信頼している)ということでしょうか?
逆に、中央日報はどのようにして内部報告書を手に入れたのでしょう?
中央日報の第一報は、毎日の報道によれば「5日付」の報道。ウェブ上では、「2006.04.05 05:02 入力」となっています。しかしその記事中で、すでに「これに対して外交通商部当局者は・・・」以下の記述があるのは非常に興味深いですね(日本語判記事から「切ない」が抜けてる箇所です)。

案外、この韓国の「外交通商部当局者」が、日本の内部報告書を手に入れ、中央日報に流したのではないでしょうか?

中央日報はどのような経路でこの内部報告書を入手したか、一切触れていません。
とすれば、一見、記者に聞かれてコメントしたように読めるこの「当局者」が、実は情報の出所である可能性も十分にあるわけです。
そもそも、民間の一報道機関にすぎない中央日報が独力で日本外務省の内部報告書を手に入れたと考えるより、韓国政府が秘密外交活動の結果として入手した(もしくは捏造した? 可能性もゼロではない)文書を意図的に自国メディアへリークした・・・と考えた方が、自然でもあります。
もしかしたら中央日報へ情報を渡す時に、この当局者は「切ない」という、韓国の人には胸に迫ったに違いない心情を、(情報リークの動機として)口にしたのかもしれませんね。
もしそうだとすれば、この「切ない」は永田氏メール騒動で西澤氏が口にした「自己実現」と同じでしょう。つまり、情報の受け取り側を信用させるための、口実・・・。

外交のプロである当局者が、いくら個人的に切なくても、その切なさゆえに、二国間関係を悪化させるに違いないような情報をわざわざ報道機関へ流すとは考えられません。そこには必ず実利を伴った冷徹な計算があったはずです。

現在までの流れを見てみると、今回の内部報告書漏洩事件は、本来は問題にもなり得なかったはずの事件が、いわば「韓国民の心情を傷つけた」罪で外交問題にまで発展していきそうな雲行き・・・なわけです。これってなんだか見覚えのある構図じゃないですか?

私は本来、陰謀論は好みませんが、今回の事件に関しては、煙の出所も韓国紙、カッカと燃えているのも韓国国内・・・というわけで、なんだか韓国政府によるマッチポンプのような気がして仕方ありません。
では、もしこれが韓国政府による意図的リークなら、その狙いはなんでしょう? 「日本外務省の内部報告書」にある通りの、支持率回復策・・・? もしそうなら、まるで漫画のような顛末(オチ)となってしまうわけですが(苦笑

「砂の馬」のつぶやき 時事】(kanteさん)
↑こちらを見ると、単に政権維持のためだけではない、もっと大きな政策転換が韓国内部で起きようとしている・・・のかもしれません。
政権支持率のために自国内の反日感情を煽るくらいなら痴話喧嘩のうちですが、韓国が同族である北朝鮮に引き摺られ、本気で米軍と距離を置きはじめているとしたら・・・。そしてこの大きな流れの中で、反日という現象が引き起こされているのだとしたら・・・?

生き馬の目を抜くような外交の世界ですから、日本側は冷静に情勢を見極め、そして対応策を考えておかねばならないでしょうね。

 
posted by 水無月 at 08:06| Comment(2) | TrackBack(2) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月02日

なぜ報道されないのか(東シナ海ガス田問題)

なぜ全国紙で報道されないんでしょうかね。


【中国が中間線越え調査 東シナ海、航空機で】

 【ワシントン1日共同】日本と中国が対立している東シナ海のガス田開発に関連し、中国が今年に入り東シナ海の日中中間線を越えて複数回にわたり、目的を明かさないまま航空機を使った調査活動を行ったとして、日本政府が抗議していたことが1日、分かった。資源調査に向けた基礎的なデータ収集を行った可能性があるとみられている。日米関係筋が明らかにした。
 調査実施にあたり、中国は事前に通告した。日本は、調査の目的に関し情報提供を求めたが、そのまま調査を行った。日本は事態を放置すれば、自らの排他的経済水域(EEZ)内での中国の活動を黙認することになりかねないとして抗議に踏み切った。中国は回答していない。

(2006年(平成18年) 4月 2日 北国新聞 
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=HKK&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006040101004110


先に私も書きましたが教科書問題、これでは抗議を受けたことに関して大々的に報道がありました。
一方こちらは、日本政府が抗議をしているのです。しかもその内容は、先方にとっては他国である日本の教科書検定などという、誰がどう見たって不当かつ馬鹿馬鹿しい内政干渉以外の何物でもないようなテーマでなく、日本の排他的経済水域を脅かされる懸念にまで通じるような、つまりは国家主権に関わる問題なのです。

私がこの報道を知った【「砂の馬」のつぶやき 時事】でkanteさんが書かれている通り

「出来れば伏せておきたかったけどアメリカが情報を掴んでいて、
 しかもプレスに発表してしまうので仕方なく報道」


というのが実態だろうと私も思います。
政府が抗議した事実を、政府は国民に知らせていない
国内メディアもそれを積極的に調べ公表しようとしない

これはいったいどういうことなのでしょう・・・ね?

隣国と仲良くしたいと望むのは結構なことです。国民レベルでも官僚レベルでも政治家レベルでも。
しかし、自国の主権が(しかも原油1000億バレル以上、天然ガス2000億m3というエネルギー資源をも絡んで)危うくなる場においてまで、なあなあで済ますことなど許されません。国民レベルでも官僚レベルでも政治家レベルでも!

ガス田問題に関しては、一刻も早い試掘が最良の策であろうと思われます。日本政府の毅然とした対応を望みます。

ガス田問題に関してはまとめサイトがありました。 → 【【中国】日中境界海域で資源採掘施設 [05/28] まとめサイト


◇     ◇     ◇


ところで・・・。少し前に「中国は脅威か否か」という問題提起がありましたね。民主党前代表の前原氏がこの件で党内から反発を受けていました。
中国が日本海を越えて軍事的に攻めてくる・・・という想定となると、私も正直「??」と思います。しかし現実に中国の潜水艦や航空機はたびたび日本の領海や空域に入り込んできています。それを「脅威」と捉えるかどうかは、もはや用語上だけの問題のように、私には思えます。

隣国であるというだけで、現実に中国は日本にとって利害敵対国です。たとえばガス田の問題もそうですし、領土問題もあります。それは韓国もロシアも同じです。そしてこうした関係は、隣国との関係が良好であろうと険悪であろうと永遠に変わらない事実なのです。
我々はそういうシビアな認識を持たなければならないと思います。戦後六十年が過ぎ、今日本に求められているのは、政治家も官僚も国民ひとりひとりでもですが、こうしたシビアな認識に耐えられるだけの確固とした自立心、なのではないでしょうか。

暑苦しい愛国心や甘ったるい平和主義などではなく、冷静な事実認識に根ざしたシビアな自立心こそが、本当は最も必要とされているのだと私には思えるのです。


 
posted by 水無月 at 22:38| Comment(2) | TrackBack(1) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月01日

耐震強度偽装物件まとめ

先のエントリ【非・姉歯物件がいっぱい】に樺山構造研究所の中山明英一級建築士からコメントをいただきました。
このような歴史も浅いBLOGをご覧になり、反応をいただけたこと自体、非常に光栄なことと存じますが、それはともかく、中山氏コメントの真意は「早く最新物件をまとめなさい」ということではないかと想像しましたので、早速・・・(ソースは特に断りのない限り、国土交通省公表資料です http://www.mlit.go.jp/kozogiso/index.html)。


【 2006年3月末日時点での偽装物件 】

◇ 姉歯物件


   全調査対象件数・・・・205件


   調査済・・・・・・・・・・・・205件
     誤りあり・・・・・・・・ 99件
      (うち偽装・・・・・・ 98件)
      (うちミス・・・・・・・ 1件)

     誤りなし・・・・・・・・ 91件
     計画中止等・・・・・ 15件

   調査中・・・・・・・・・・・・ 0件


誤りを含む99件の詳細についてはこちち → 【姉歯偽装物件時系列一覧】 3/31現在)


◇ 非姉歯物件

 ○ 姉歯関連業者(木村建設・平成設計・ヒューザー・総研)が関与した物件

   全調査対象件数・・・・581件


   調査済・・・・・・・・・・・・458件
     誤りあり・・・・・・・・・ 6件
      (うち偽装・・・・・・ 3件)
      (うちミス・・・・・・・ 3件)

     誤りなし・・・・・・・・444件
     計画中止等・・・・・・ 8件

   調査中・・・・・・・・・・・・123件


(判明した偽装・ミスの詳細)

  @ サムシング梶i廃業済)による構造計算書の偽装3件

  A 鞄c中テル也構造計画研究所の関与した誤り1件

  B 鰍モなもと設計の関与した誤り1件

  C 本田建築デザイン事務所(廃業)の関与した誤り1件




 ○ 姉歯関連業者の関与していない物件

  D 浅沼良一二級建築士の関与した偽装5件



非・姉歯物件の詳細についてはこちち → 【非・姉歯物件一覧】 3/31現在)

サムシングと田中テル也構造計画研究所に関してはこちらが詳しいです → 【建築よろず相談



【 非姉歯物件をまとめて思うこと 】

◇ 偽装と誤りの境界は・・・?

偽装とされたのは姉歯氏とサムシング仲盛氏の二名です。姉歯氏は故意の偽装を認めていますが、仲盛氏は私の知る限りでは偽装を否定し、書類提出上の不備、と主張していたはずです(その後の報道をご存知の方はご一報ください)。
一方で田中氏もまた、偽装でなくミスと主張し、こちらはすんなりと認められています。国交省の公式発表では、田中テル也構造計画研究所の関与した「セントレジアス鶴見」は同研究所の設計ミスと日本ERIの審査ミス、二重の誤りによって耐震基準を満たさない、とされています。しかし田中テル也構造計画研究所の設計したものはQu/Qun値が0.64なのですよね・・・。サムシング物件の同値は0.85〜1.0以上です。しかも田中氏は現役の構造専門家・・・のはず。

住人や建築主の立場に立てば、それが故意の偽装であろうとミス(誤り)であろうと、受ける被害に変わりはありません。悪意のないミスだから許せる・・・なんてものではないでしょう。数字ばかりが一人歩きしている感のあるQu/Qun値ですが、やはりこれを目安にするしかないのが現状だと思います。そのQu/Qun値を見ると明らかに、偽装とされる仲盛氏より、田中氏の作品の方が「酷い」のです。
にもかかわらず、「酷い」設計をした構造建築士は「誤り」だからお咎めなし・・・? 報道によれば田中テル也構造計画研究所のほかの設計物件に関しては、国交省の要請で自治体による調査が進んでいるそうですから、今後の調査を待ちたいと思います。

なお、それが偽装であろうとミスであろうと、結果として重大な誤りを見逃した設計元各社にも、他物件に関しての厳正な調査が行われることを希望します。


◇ 誤りと設計思想の境界は・・・?

同じことは熊本県で「誤り」の発覚した、ふなもと設計、本田建築デザイン事務所についても言えます。二件とも「誤り」扱いですが、熊本県公式発表を見ると、「設計者と県の見解が分かれたため、構造評価委員会に工学的な見地からの意見を求めた(ところ、県の見解が正しいとされた)」とあるように、そもそも構造や設計の考え方のレベルでの問題のようです。

今回は県の見解が正しいとされた・・・では、ほかの場合は? となるのは当然の成り行きでしょう。設計が、設計者の考え方(設計思想)によって具体化されてゆくものである、ことはわかります。けれども、その設計思想がこれほど設計者個人に依存し、物件ごとに見解が検証者と真っ向から対立することもありうるような、あやふやなもの・・・だったとは知りませんでした。

なんとも怖い話ですね。
怖い・・・のは、本田建築デザイン事務所構造担当の「ベルメゾン・大津」が、Qu/Qun値=0.54とされているからです。現状では、同値が0.50を切ると一律に建て直しを迫られるわけですから、住人の方にとっては、0.54という数字は首の皮一枚で繋がったような気がするはずです。そういう数字が、設計者の考え方ひとつで出てしまう・・・ということ。これが怖いと思うのです。

本田建築デザイン事務所が特別能力が低かった・・・というのならわかりますが、もしそうでないのなら、この怖さは建築や設計そのものに関わる怖さ、ということになるような気がします。


◇ 偽装がなかった件について・・・

冒頭でも触れたように、私は中山氏本人からコメントをいただいたわけですが、僭越ながら、中山氏のお気持ちは想像できるような気がしました。というのも、私は先のエントリにて「非・姉歯物件」として報道済のものをまとめた中に、同氏と中山構造研究所の実名を挙げていたからです。

しかしながら当エントリ記述(2006年3月末)時点では、国交省でも熊本県でも、中山構造研究所の関与した強度偽装物件は一件も発表されていません。つまり同研究所は(現時点では)無実というわけです。
2006年5月24日、熊本市の発表により、市内の同研究所設計の全件について耐震基準を満たすことが確認されました。報道資料は【非・姉歯物件がいっぱい】※補注1をご覧下さい。(5月31日追記)


樺山構造研究所(中山明英代表)の主張はこちら → 【平成18年2月13日報道発表概要

「偽装が発見された」ことは大々的に報道するメディアも、「偽装がなかった」ことまでは報道してくれません。一度名前が公表されてしまうと、傷ついた名誉を回復するのは困難という実例ですが、当BLOGがささやかでも、名誉回復のための一助になれば・・・と祈っています。

 
posted by 水無月 at 17:05| Comment(8) | TrackBack(1) |   ◇耐震強度偽装問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。