2006年05月28日

総裁選について

 
最近は真面目にニュースも追えないような状態と
なってしまっていて、ここもなかなか更新できずに
申し訳ありません(汗
以下↓は、次期総裁選についての感想です。日記から。


次第に安倍氏と福田氏の森派内一騎打ち・・・の様相を
呈してきているのでしょうか。
こういう形で靖国参拝が論じられること自体に、私は
微妙な違和感を感じています・・・。というのも
靖国参拝の(政教分離の、A級戦犯への参拝の)可否
そのものを冷静に考えることから、ますますズレて
いってしまっているような気がするからです。

総裁選に絡めて靖国参拝が問題となるなら、それは
次期首相となるべき人が、対中外交をどのように
考えているか、を象徴的に示す物差しとして注目されて
いるのだろうと思います。
そうであれば、次期首相候補と呼ばれる人には
靖国参拝をするかどうか、とあわせて
東シナ海ガス田問題をどのように決着させるつもりか
についても、語ってもらいたいものです。
靖国問題は依然として大きな国内問題ですが、外交が
絡むとかえって解決が難しいように思えてなりません。

ここから先は私見ですが、今の日本の中には
「靖国参拝ははっきり言えばどっちでもいいけれども
 中国ときちんと対峙できないような政権では困る」
と思う有権者もかなりの割合でいるような気がします。
対中国への外交姿勢を示す物差しとして靖国参拝が
受け止められている限り、上の「」内のような考えの
人は、「参拝する首相」を応援せざるを得ないわけです。

参拝はしない、かつ、対中でも毅然と対応する、という
首相候補が登場すると、面白くなると思うのですが・・・。


 
posted by 水無月 at 22:38| Comment(3) | TrackBack(0) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月13日

朝日【竹島 日韓でなぜもめる】の嘘

朝日新聞から・・・。


 「ニュースがわからん!」【竹島 日韓でなぜもめる】

ホー先生 日本と韓国が竹島の問題でもめとるが、原因は何なんじゃ?

 竹島は島根県沖にあり、二つの小島と周辺の岩礁からなる。総面積は東京の日比谷公園くらい。その島を、日韓ともに「自分の国のものだ」と主張しているのが対立の根っこなの。韓国では独島(トクト)と呼び、韓国政府は武装警備員を置いている。民間人も2人いるみたいよ。

 日本人は住んでいるのか?

 いない。日本政府は「歴史的事実に照らしても、国際法上も、明らかに我が国固有の領土」と主張し、今は韓国が不法占拠しているに過ぎないと言っている。
 一方で韓国政府は「独島は歴史的・地理的にも国際法上において韓国固有の領土」と主張して譲らない。

 それぞれの根拠はどうなっているんじゃ?

 政府の説明を要約すれば、日本は1905年に竹島を領土に編入することを決めたけど、文献や地図、漁業実態などから、その前の江戸時代から実効的に支配してきたとしている。韓国も「文献および地図により立証されている」「地理的に日本より韓国領土に近い」などとしている。

 韓国は「歴史問題だ」とも主張しているそうだな。

 盧武鉉(ノ ムヒョン)大統領が4月に「日本が朝鮮半島の侵略で最初に奪い去った」土地という言い方をした。日本が朝鮮半島を植民地支配した過去があり、韓国側からみれば、時期的に植民地支配とダブって映るのも不思議とは言えない。でも、竹島の領土問題は別の話であり、そういう日本政府の言い分には理がある。

 日韓国交正常化の時には、この問題にケリをつけなかったのかね。

 ひと言でいえば、竹島については結論を棚上げにした。日韓漁業協定でも、竹島の周辺海域は入会地のような「暫定水域」にした。解決が難しいだけに、双方が事を荒立てないようにやっていこうじゃないか、と知恵を出したということね。
 外交当局者は、なるべく冷静に問題を解決したいと考えているようだけれど、小泉首相の靖国神社参拝などをきっかけに日韓関係が険悪になって、もめだしたといえるわ。(倉重奈苗)

(【朝日新聞】 5月12日(金) 社会面名古屋本社版 14版)



私は朝日新聞を定期購読していません。ただ、自分のスケジュールの都合上、毎週金曜には移動するので、その際に朝日の名古屋版を購入する確率が高いのです。
そういうわけでたまたま目にした記事が↑なわけですが・・・。いや、もう、参りましたね(困

ネット上では偏向の悪名高い大新聞ですが、まさかこれほどとは思っていませんでした。ちなみにこの記事は、タイトルを見ればわかるように連載コーナーのようです。ホー先生が質問し、正体不明のA氏(女史?)が答える、「ニュースがわからん!」コーナーの、今回は竹島編というわけです。

私の疑問を簡単にまとめておきます。

@ 国際司法裁判所
1952年韓国が根拠のない「李承晩ライン」を一方的に制定して竹島を韓国領土とした翌々年の1954年、日本は竹島問題の国際司法裁判所への付託を韓国に提議していますが、韓国はこれに応じていません。なぜこの重大な歴史的事実が記載されていないのでしょう。

A 日本人漁民の拉致・拿捕
1952年に引かれた「李承晩ライン」が1965年の日韓漁業協定で廃止されるまでの間、ラインを超えて操業していた日本漁船と日本人が韓国によって多数拉致、拿捕されています。その数3,929人、328隻。そして44名の方が死傷しています。
隣国政府によるこの理不尽な暴力行為を日本の新聞がなぜ書かないのでしょう。

B 歴史問題
歴史問題について、上記の記事中では「竹島の領土問題は別の話であり、そういう日本政府の言い分に理がある」としています。その結論は当然と思いますが、なぜ、日本に理がある、と最終的には退けられる韓国側の主張・心情を、日本の新聞が「不思議とは言えない」などと代弁する必要があるのでしょう。
竹島問題にはまったく無関係な「植民地支配」という活字を印刷するスペースがあるのなら、竹島問題に直結する「国際司法裁判所」「拿捕」「拉致」あるいは「漁業権」などのテーマを優先させるべきでした。

C 日韓関係(靖国神社参拝問題)
朝日新聞の日韓関係観は事実と異なっています。
日韓関係は小泉氏が首相になる前から決して良好ではありませんでした。今世紀に入って日韓ワールドカップ共催、韓流ブームなどがあり、一時的・部分的に友好ムードが醸し出された経緯はありますが、それ以外は基本的に常に緊張していた、というのが事実です。
朝日新聞のこの記事からは、まるで、首相の靖国参拝がなければ日韓関係が良くなり、竹島問題も解決する、かのように読み取れますが、完全な誤誘導です。ことはそれほど簡単ではありません。日本国首相の靖国神社参拝があろうとなかろうと、竹島問題は領土問題として存在し続けるでしょう。
靖国神社にA級戦犯が合祀されたのは1978年、日本国首相の靖国参拝に韓国がはじめて抗議したのは1985年中曽根首相の時でしたが、竹島問題はその二十年前から存在していたのです。
こうした誤誘導は竹島問題の正しい理解を損ねるばかりか、靖国神社参拝問題自体の解決をも遠ざけるという意味で、日本にとっては有害無益でしかありません。


Q&A方式という体裁からして、この記事は、竹島問題についてあまり予備知識のない人を読者に想定していると思われます。
が、その実態は、確かな知識のない読者に、中立を装いつつ、不完全で誤った・・・結果として中立とは呼べない・・・解説をしているわけです。そこになおさら、看過できない悪意や卑劣さを感じます。
日本から、朝日新聞しか読まずに暮らす日本人が一人でも減ることを祈るばかりです。



参考・・・。

【竹島問題】
http://www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/takeshima/

【かえれ! 竹島】(島根県HP内)
http://www.pref.shimane.jp/section/takesima/top.html

【日韓条約と李承晩ラインでの日本人拉致】(Toron Talker)
http://toron.pepper.jp/jp/take/sengo/rachi.html

【靖国神社問題】(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%96%E5%9B%BD%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E5%8F%82%E6%8B%9D%E5%95%8F%E9%A1%8C


 
posted by 水無月 at 07:18| Comment(8) | TrackBack(2) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月12日

親の介護(日記から)

50代の男性が80代認知症の母親を殺した事件・・・。
正確には心中を試みたが失敗した・・・ということで
しょうが、色々考えさせられますね。

私の母も先日、死ぬ時は家で・・・(施設はイヤだ)と
言っていました。
母はおそらく兄夫婦(近所で別居)を念頭に置いている
ものと思いますが、それでも子としては複雑なものが
あります。
親が認知症になり、兄夫婦が面倒見きれない・・・
(施設へ入れたい)と言えば、私は反対するつもりは
ありません。
今の時代、男女問わずみな働いています。兄嫁もむろん。
まして今なお別居を通しているというのに、本当に
身の回りの世話ができなくなってから嫁の世話になる
・・・など、私には夢物語としか思えません。

周囲の実例を見ても、老人介護・・・は、配偶者間が
限界のような気がします。
それはカネだけの問題でなく、時間や情・・・の問題でも
あるでしょう。親世代が子世代から、なにを、どこまで
なら、頼れるか(奪ってよいか)・・・の問題。
老人介護にはそういう側面もあろうかと思います。


儒教の教えからすれば、子が親の面倒を見るが当然で
あり、美しく調和の取れた世界となります。
高度福祉社会の理想から見れば、社会全体で老人の
暮らしを支えるのが当然となります。
けれど私の世代(私は1965年生まれですが、ここでは
大雑把に戦後の昭和世代・・・くらいに考えています)とは
実を言えば親(家)でも社会でもない、個人の自己実現や
幸福追求こそがスローガンだった世代、なのです。
それは私の世代の、というより、その親の世代の価値観
だったはずです。
私の世代の親達は、自分は子の世話にはならない
(だから好きなように生きなさい)・・・と、子世代に
教えてきたのではないでしょうか。とはいえ、もちろん
そうでない家庭、そうでない人々も大勢いるでしょう。
それでも、この時代の雰囲気、社会の価値観としては
個人の幸福追求や自己実現こそが一番大事、であった
ように思います。

それを真に受けた今の現役世代は、だから自己が幸福に
なることを一番の達成目標にして、ここまで生きてきました。
勉学も就職も結婚も子育ても、人生の義務としてではなく
自らの幸福に寄与するかどうかで自分が選択すればよい
という人生観です。
(当然ですが、世代のすべての人がこうした価値観だ
 と言うつもりはありません。ただ、こういう価値観で
 あっても許されてきた、という意味です)

そんな中に容赦なく迫ってくる・・・親世代の老い、という
現実。
親の介護は自己の幸福に寄与する・・・という仕組みや
理念が、今後の社会において開発されれば幸いですが
そうでなければ・・・どうなるのでしょうね。
結婚や子育てさえ、自己の幸福に寄与しないから
・・・という理由で回避を許されてきた世代の親世代が
今後次々と、老境を迎えるわけです。


社会的な受け皿は、冒頭に挙げた事件の例でもわかる
通り、いまだ十分とは言えません。
税金を上げてでも高度福祉型を目指すべき・・・でしょうか。

難しい問題ですから安易に結論を出すことはできませんが
どういう社会を目指すにせよ、戦後の価値観全体が
今後大きく問われてゆくような気がします。



 
posted by 水無月 at 01:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記(時事) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月06日

B【ネット右翼】(朝日新聞の場合)

ここ数ヶ月にわかに話題に上がることが多くなり、疑問にも感じていた言葉・・・でした、ネット右翼――(笑
ネット右翼がいるならネット左翼もいる? ネット右翼がいるならネット嫌い右翼もいる? ということは、当然ネット嫌い左翼もいる・・・はずで? という具合に頭の中で謎が謎を呼ぶ展開になっていたわけですが、とうとう定義してくれるところが現れましたね。


 議論の場から離れることを一時も許さない「ネット右翼」だ。
 数年前からネット上で使われ出した言葉だ。自分と相いれない考えに、投稿や書き込みを繰り返す人々を指す。右翼的な考えに基づく意見がほとんどなので、そう呼ばれるようになった。

(【朝日新聞】2006年5月5日社会面 「萎縮の構図」 6炎上)



この定義によれば、「ネット右翼」は、まずネットありき、なのですね。
「議論の場から離れることを一時も許さない」「自分と相いれない考えに、投稿や書き込みを繰り返す人々」がまずおり、彼らのほとんどが「右翼的な考えに基づく意見」なので「ネット右翼」なのだ・・・と。
・・・なるほど??

「右翼的な考えに基づく意見がほとんど」と、判断したのは誰か(「ネット右翼」命名者か、記事の執筆者か)が、気になるところです


ネット上の世界・・・に関して、私はいまだ、狭い範囲しか知らずにいるのだと思いますが、それでも、「あれがいわゆる『炎上』なのか」と思うシーンを垣間見たことはあります。

  ・メール騒動の頃に暢気な記事をUPしていた民主党議員のBLOG(http://blog.goo.ne.jp/nagashima21/e/ea6f0e501921fc9ab10da177e77679e0

  ・女人禁制の大峰山にフェミニズムの立場から女性の入山を企画・強行したグループのサイト(消滅)

  ・元オウム真理教信徒であったことを認めた某ブロガー氏と交流があった女性ネットジャーナリストのサイト(消滅)

とりあえず私が今、思い出したのは上の三例・・・でした。
該当記事に取り上げられている小倉弁護士の事例を私がよく知らないのは、その頃にはまだBLOGを開設しておらず、したがってネット上の動きにもまったく無知だったからです(しかし該当記事を見ても、主にネット上の匿名性に関する議論が行われていたようで政治的な思想・信条はあまり関係なさそうですね?)。

さて、私が多少でも見知っている上記三つのBLOGやサイトですが、これらが「炎上」していたことは、ほぼ間違いないと思います。というのは、それぞれが複数のBLOGで「炎上」と名指しされているのを私が自分で確認しているからです。これらが「炎上」だとして、ではこれらサイトを「炎上」させた人々は、「ネット右翼」なのでしょうか?

私が上記のサイトを見ていて感じたのは、政治的(右翼的)な主張などではなく、ただただ圧倒的な数の力、でした。それはたぶん、民意あるいは世論、と完全に一致はしていないけれども、どこか奥の方では地盤を共有する「草の根の声」に近いものではないかと思います。
本来は物言わぬはずだった野の草が(だから以前はせいぜい既存メディアに投稿するくらいしか意見発表の機会も持てなかった人々が)、ネットという「口」を得て一斉に声を出しはじめた・・・そんな印象があります。

一斉にしゃべりだした草の根の声を「右翼的」と感じる人々・・・とは、どういう人々なのでしょう。
私は、むしろそこに関心がありますね。
(よく言われるように、「左翼」や「リベラル」なのでしょうか? 朝日新聞社はおそらく自らを「リベラル」と思っているでしょうが、では、上の例にあげた炎上サイト群のオーナー達は、どう思っているのでしょう? そして実際にコメントをした人達は?)

右翼−左翼(または 保守−リベラル)という物差しのほかに、マジョリティ−マイノリティ、の物差し・・・というか、緊張関係(?)があるのは確かでしょう。自称「リベラル」な人々は「ネット右翼」の増加を憂えているようですが、

 右翼・・・保守・・・マジョリティ VS 左翼・・・リベラル・・・マイノリティ

と、単純に括ってしまうのはどうか・・・と思うのです。
それは部分的には当て嵌まるでしょうが(部分的に見ればなんだって当て嵌まります)、大局を見るとどうなのか・・・と。

どちらにしても、実際にはさまざまな理由で起こっている「炎上」の原因を一律に「ネット右翼」にある、と断ずるのは、あまりに大雑把すぎる見方でしょうね。
実際の世の中同様、ネット上の動きも、(朝日新聞社が把握できているよりも)もっと複雑なのだろうと私は考えています。




◇     ◇     ◇




参考 朝日記事の全文
【萎縮の構図】 6 炎上

 東京弁護士会に所属する小倉秀夫さん(37)のブログに寄せられるコメントの数は多い時でも月に20前後だった。それが昨年2月初め、10倍近くに急増した。
 普段はIT関連の問題について考えを掲載している。
 そこに、他人のブログに攻撃コメントをしつこく投稿する行為をいさめる意見を載せた。その直後のことだった。
 コメントの大半は批判だ。差出人の名前の欄は「Unknown」。匿名だった。
 「あなたは勘違いしている」「なぜ非を認めないのか」……
 回答しないと「このまま逃げたらあなたの信頼性はゼロになりますよ」。反論すれば、再反論が殺到した。
 議論の場から離れることを一時も許さない「ネット右翼」だ。
 数年前からネット上で使われ出した言葉だ。自分と相いれない考えに、投稿や書き込みを繰り返す人々を指す。右翼的な考えに基づく意見がほとんどなので、そう呼ばれるようになった。
 小倉さんはたまらず、対談を呼びかけた。
 「カミングアウトしてくださる方を求む」

 このブログを毎夜見つめる男性が東京の下町にいた。自分でもブログを持ち、「炎上観察記・弁護士編」と題するコーナーを設けている。
 30代半ば。かつては小説を出版したこともあるが、いまは無職。両親と同居し、昼夜逆転の生活。「観戦席」は自宅2階、6畳の自室だ。
 チェック開始は午後11時。自らもコメントを送りつつ、批判コメントが殺到し制御不能(ネット用語で「炎上」)に陥っていく様子を伝えた。
 男性のブログは、匿名掲示板や軍事をテーマにしたサイトともつながる。「観察記」を見た人がどんどん、小倉さんのブログに集まってきた。
 「たかだか200や300の批判で黙られても困りますねえ。あれじゃあ、議論にならない」
 男性はそう冷やかす。
 共産主義に傾倒した時期もあったが、「だんだん国を愛する気持ちが強くなった」という。自分のような人間を「ネット右翼」と呼ぶ人がいることも知っている。
 「朝日新聞を筆頭に既存メディアの報道に感じる違和感を消化するため、僕は僕なりの考えで調べ、主張する」

 炎上を眺めていた男性は西日本にもいた。
 30代の大学教員。拉致問題や安全保障をテーマにしたブログを運営しながら、北朝鮮への姿勢が「甘い」と思う評論家やマスコミを批判してきた。匿名掲示板や他人のブログにも投稿した。
 「左翼的な意見に批判的な私たちは、自由に語れる場がなく窮屈な思いをしてきた。ネットの普及がはけ口をくれた」
 ネット右翼を「素朴な愛国心から過激な民族主義に至るまで、雑多な主張の総体」とみる。予備知識がなくてもコメントやリンクをたどることで、容易に論陣を張れるブログの特性が、活動を支えていると分析する。
 「ノリ」で議論に加わる者も増え、論調は過激になりがちだ。ネット上の保守論壇が異質な意見への寛容さを失ってきていると感じ、ブログを1年前に閉じた。

 「対談」は実現しないまま、小倉さんのブログは閉じられた。職業柄、議論することに煩わしさは感じない。それでもつくづく思う。「あれはもはや、議論とは言えない」と。





 

2006年05月02日

態度を決めつつある日本人(「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」より)

 【 は じ め に 】


まず以下をご覧下さい。YAHOO!NEWSで検索してみました。

基地本土移転 「賛成」が50%超 内閣府調査 - 琉球新報 - 沖縄
... 2006年4月30日(日)10時18分

防衛問題への関心が過去最高 - フジサンケイ ビジネスアイ - 経済総合
... 2006年4月30日(日)8時30分

「自衛隊に関心」最高の67.4% 内閣府世論調査 - 産経新聞 - 政治
... 2006年4月30日(日)2時25分

日本に戦争の危険、過去最高45%…内閣府世論調査 - 読売新聞 - 政治
... 2006年4月29日(土)22時14分

<防衛世論調査>沖縄米軍、一部本土移転賛成が半数超える - 毎日新聞 - 政治
... 2006年4月29日(土)21時35分

<防衛世論調査>「戦争に巻き込まれる危険」45%が感じる - 毎日新聞 - 政治
... 2006年4月29日(土)20時24分

戦争の危険性、過去最高の45%=朝鮮半島情勢6割が関心−内閣府世論調査 - 時事通信 - 政治
... 2006年4月29日(土)19時1分

「戦争ある」45%で最高 自衛隊に関する世論調査 - 共同通信 - 政治
... 2006年4月29日(土)17時45分

これらはすべて、内閣府が29日発表した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」に関する報道です(平成18年2月、全国の20歳以上の男女3000人に個別面接で実施。有効回収率は55.2%)。
これを見て、各メディアがどこに注目しているのかを比べてみるのも面白いかもしれませんが、あいにく私にはそこまでの余裕はありません(汗
しかし報道を見てからずっと待っていた内閣府HPに昨日、ようやく問題の世論調査が公表されましたので、早速そちらを見てみました。

こちら↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/index.html

各メディアが注目しているのは、見出しを見る限りでは概ね、以下の点であろうと思います。
・「戦争に巻き込まれる危険がある」との回答が45.0%で過去最高。

・自衛隊や防衛問題について「関心がある」と答えた人が67.4%で過去最高。

・在沖米軍基地機能の一部を本土へ移転することについて、51.5%が賛成し(反対34.5%)、はじめて半数を超えた。

これらはすべて重要な観点でしょう。しかし私は、これら以外にも、日本の国民意識を示す重要な(あるいは貴重な)兆候が、同じ世論調査から読み取れはしないかと思って、発表資料に当たってみたのです。



 【 「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」結果 】


結論から述べますと、上で述べたような兆候は、やはりあるような気がします。各メディアは気づかないか、気づかないふりをしているようですが、日本国民の意識はここ数年で(端的に言えば前回調査の三年前と比べて)、非常に興味深い変化をしているように思います。



たとえばこちら↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/images/z24.gif
メディアが注目する「日本が戦争に巻き込まれる危険性」ですが、確かに「危険がある」が1.8%増えて過去最高となる一方で、「危険がないことはない」は4.2%も減り、なんと驚くことに、「危険はない」が5.4%も増えています
これはつまり、過去「危険がないことはない」というような選択肢の中では比較的どっちつかずの中庸的な回答を示していた層(及び「わからない」と答えた層)が、危険が「ある」「ない」というはっきりした態度を取り始めた・・・ということではないでしょうか。

このことは↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/images/z01.gif
「自衛隊・防衛問題に対する関心」の高まりと併せて考えると、理解しやすいと思います。この質問では、関心が「ある」は前回より増え(過去最高)、「ない」は減っていて(過去最低から二番目)、明らかに、国民の関心が高まっていることを示しています。



次に私が注目したのは↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/images/z19.gif
「外国から侵略された時の態度」です。これは下に書き写して見ましょう。

外国から侵略された時に・・・   (平成15年1月)(平成18年2月)%
  何らかの方法で自衛隊を支援する 48.9      53.5
  武力によらない抵抗をする      18.3      18.1
  一切抵抗しない             7.7       8.8
  自衛隊に参加して戦う         5.8       6.9
  ゲリラ的な抵抗をする         1.9       1.6
  その他                  1.3       1.4
  わからない               16.1       9.7

「自衛隊を支援する」の伸びは驚異的とも言えるでしょう。同時に、数は少ないですが「自衛隊に参加」も着実に増えています。しかし、それだけでなく「一切抵抗しない」もまた、1.1%とはいえ、増えているのです。
ではなにが減ったかといえば、一目瞭然「わからない」です。つまり、前回調査時には「わからない」を選んでいた人々が、今回は態度を決めはじめたのです。



最後にもうひとつ。昨今教育基本法改正案などで話題になることの多い「愛国心」ですが、これに関係しそうな項目↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/images/z20.gif
「国を守るという気持ちの教育の必要性」です。「教育の場で取り上げる必要がある」(55.6%→65.7%)は顕著に増え、「教育の場で取り上げる必要はない」(29.1%→22.1%)は減っています。
私は正直、このあまりにはっきりした数字に驚いてしまいました(苦笑
世論はもう少し錯綜していると思っていたのですが、少なくともこの質問形式による結果で見る限り、日本人の意志は(総意として)ほぼ固まりつつあると考えるのが正しいようです。



 【  ま と め  】


私が上記の世論調査結果から読み取ったのは二点です。
・国防に関して態度を曖昧にしていた人々が、態度を決めはじめた。

・態度を決めはじめた人々の多くは積極的に自衛隊を認めたり応援しようと考え、少数の人々は「(外国から侵略されても)一切抵抗しない」などの徹底した平和主義を取ろうとしている。

総数で見れば、自衛隊に象徴されるような軍備を重視する人々の割合が増加していますが、そうではない人々の数が減っている、というわけではありません。減っているのは、これまで「わからない」だった人々です。
以前は対岸の火事のように捉えていた「戦争」を、ここ数年間でより多くの人々がリアルに見つめ、当事者意識を持って考えるようになった、ということかもしれません。

沖縄基地の本土移転に賛成する人々が過半数となったのも、そうした、国防問題に当事者意識を持つようになった傾向と、無縁ではないような気がします。
問題をより身近に、リアルに、捉える人々が増えてきたのは間違いないでしょう。


 【  補 足  】


次に、結論のあとではありますが無視できない大事なこと、この内閣府の世論調査自体の中立性はどこまで信頼できるか・・・という視点で、検証してみたいと思います。
↓今回の調査票
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/3.html
↓前回(平成15年)の調査票
http://www8.cao.go.jp/survey/h14/h14-bouei/3.html

前回にも今回にも、資料がついています。「各国の陸上、海上、航空兵力」ですが、どうも一見したところ、日本の兵力(特に陸上兵力)が、その直下の韓国、北朝鮮、中国に比べて、見劣りして見えます。中国の下にはロシア、米国、フランス、ドイツも載っているのですが、そのインパクトは韓国・北朝鮮・中国の比ではありません。
この資料を見せられて、「全般的に見て日本の自衛隊は増強した方がよいと思いますか、今の程度でよいと思いますか、それとも縮小した方がよいと思いますか」と訊ねられ、「縮小」を選ぶのは難しいはずです。実際、前回も今回も、増強=15%以上、現状維持=60%程度、縮小=10%未満、となっています。
しかし前回調査表では、これに続き、「防衛費を増額した方がよいと思いますか、今の程度でよいと思いますか、それとも減額した方がよいと思いますか」の質問が続いていますが(それへの回答は、増額=11%、現状維持=56%、減額=15%、です)、こちらの資料「主要国の国防費」からは、韓国、北朝鮮、中国(及びロシア)の国々がスッポリと抜けているのです。

実際には、調べてみればわかることですが、ここ数年急増している韓国の軍事予算は2006年においてさえ22兆8千億ウォン(210億ドル)であり、2000年度の日本の防衛費(315億ドル)の2/3の水準です。
(※参考【Wikipedia】韓国軍 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E8%BB%8D

私は軍事に関しては素人以下ですが、米国やロシアやフランス、ドイツなどが、日本と同じように陸上兵力は少なめで、海上、航空兵力に力を入れているらしいところを見ると、陸上兵力が(韓国、北朝鮮、中国に比べ)数の点で見劣りすることを、殊更に強調してみせるやり方はどうかと思うわけです。
国防費の資料に韓国、北朝鮮、中国を載せたうえで、質問すべきです。
そうでなければ、回答者は正しい判断を下したとは言えず、調査結果が正しく世論を反映しているとも言えません(意地悪い見方をすれば、防衛予算を引き上げるための世論操作の一環ではないか、と疑われる可能性さえあります)。
今回の資料からは、そもそも国防費の資料さえ消えています(兵力比較は残っています)。これでは到底、調査結果を公正な資料と見るわけにはいかないでしょう。



なお、前回の調査票にあって今回からは消えている質問はほかにもあります。
例えば「教育の場で(国を守るという気持ちを)取り上げる必要はない」と答えた人への理由を問う質問。前回調査では
 (17.2) (ア) 国を守る気持ちを持つのは当然だから
 (16.8) (イ) その場になったら国を守る気持ちが出るから
 (45.6) (ウ) 教育で高められるものではないから
 (28.3) (エ) いろいろなことに利用され、危険だから
 (35.6) (オ) 軍国主義の復活につながるから
このような選択肢が用意されていました(冒頭の数字は回答者%)。
この質問は、非常に重要だと思います。是非残しておいて欲しかったですね。

この項は、調査結果自体でなく、質問用紙を見ての感想です。できるだけ説得力のある世論調査結果を出すため、内閣府の再考を希望します。


当BLOGのテーマは「日本は今、どうなっているのか」です。
私の興味関心はまずそこにありますので、世論調査にはどれも興味を引かれます。今後も機会があれば、取り上げてみたいと思っています。



◇     ◇     ◇



<蛇足的ご挨拶>

風薫る五月・・・。世間はGW真っ只中ですね。

ところで私は四月、特に後半以降ですが、予期せぬ出来事で突発的に大変忙しくなってしまい、正直、BLOGどころではないという日々でした。
しかしそんな中、ほとんど更新できてないにもかかわらず、連日、少なく見積もっても100名以上の方が来てくださっていたようです。これに気づいたのは昨夜ですが、感謝するやら申し訳ないやらで、なんだか胸が熱くなってしまいました。

私自身の状況は、正直に言えば改善の兆しがあるのかないのか・・・というところですが、できるだけ、時間を見つけて更新していきたいと思います。BLOGタイトル通り、私自身の時間・思考の余白・・・から、キーボードを打つ指先を通して、皆様のいる場所へ。

私同様に頼りない【余白から指先へ】ですが、どうぞ今後とも、宜しくお願い致します。


 
posted by 水無月 at 02:00| Comment(2) | TrackBack(1) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。