2006年01月29日

「天皇陛下 靖国参拝を」麻生発言について

靖国関係で動きがあったようですね。麻生外務大臣。


『天皇陛下 靖国参拝を』 (【東京新聞】)
 「天皇陛下の参拝が一番。何でできなくなったのかと言えば、公人私人の話。それをどう解決するかという話にすれば、答えは出てくる」

 麻生太郎外相は二十八日、名古屋市で講演し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝で中国と韓国との関係が悪化している問題は、天皇の靖国参拝が実現すれば打開できる、と主張した。

 外相はその理由として「英霊からしてみれば、天皇陛下万歳と言ったのであって、総理大臣万歳と言ったのはゼロだ」と述べ、天皇が参拝すれば首相が参拝する必要がなくなる、との考えをにじませた。

 外相は天皇の参拝が実現した場合、中韓両国がどんな反応を示すと予想しているかは言及しなかった。

 天皇の靖国参拝は、靖国問題が政治問題化した一九七五年以来、行われていない。




私自身も、天皇の参拝は歓迎する立場です。

ただしその考えの裏側には、上の引用にて青字で強調したような
「天皇に参拝して頂く代わりに首相には参拝して欲しくない」
→靖国神社を純粋に宗教的立場に固定し政治問題化して欲しくない
という文脈の希望があります。

けれども一国の首相に参拝するな、しろ、と言えないと同様
今上陛下に対しても、参拝してください、とは誰も
言い得ないのではないでしょうか。
皇籍にある方々は「国民」ではないのだから
基本的人権は保障されていない、という論法も成り立つのかも
しれませんが、それにしても
もしご本人の気が進まないのであれば
無理にお願いするわけにもいきますまい。

まして政治家がそれを口にするのは
いささか政治臭が過ぎ、かつ出過ぎてやしませんか・・・と思いますね。

別の新聞から麻生氏の発言要旨を拾ってみると
天皇の参拝があったからといって、政治家の参拝がなくなる
という、確たる見通しを述べたものでもないようです。
どうやら、麻生氏がそう語った、ではなく
そう言いたかったのだろう、という東京新聞の解釈に過ぎない模様。




麻生太郎外相講演の靖国神社参拝問題関連の要旨は次の通り。

 靖国神社は東京都認可の宗教法人。国立でも何でもないから、靖国神社という一神社のやることに対して、国がああしろ、こうしろと言えない。

 少なくとも日本国首相が自分の国内で、ここは行っていいけど、こっち行っちゃいかんというようなことを外国から言われて、決めるのは絶対通るところではない。

 中国が言えば言うだけ、行かざるを得ないことになる。やめろ、やめろと言ったら行くんだから。たばこ吸うな吸うなと言えば吸いたくなるのと同じことだ。黙っているのが一番。

 祭られている英霊の方からしてみれば、天皇陛下のために万歳と言ったのであって、総理大臣万歳と言った人はゼロだ。天皇陛下の参拝なんだと思う。それが一番。

 天皇陛下の参拝がなんでできなくなったのかと言えば、公人、私人の話からだから、それをどうすれば解決できるかという話にすれば、答えはいくつか出てくる。そういった形にすべきだと思っている。
(【中国新聞】)



結論を言うと、政治家の参拝自粛を担保にもしていない状態での
天皇参拝待望論には、私は賛成できません。


もうひとつ気になるのは、やはり今上陛下のご意向です。
いちいち資料を引くことはしませんが(すみません)
昭和天皇の参拝が途絶えたのは、A級戦犯が合祀されたからだ
という話を何度か、複数の箇所で、読んだ覚えがあります。
それによれば昭和天皇はA級戦犯にあまり良い印象を
お持ちでなく、合祀にも乗り気ではなかった・・・と

厚いベールに閉ざされた世界の御方ですから
その真意はなかなか外へは漏れてきません。
天皇家の人々が靖国神社をどう見ているか、は、わからない
というのが、実情だと思います。

麻生氏は政治家ですから、その発言も政治的効果を
狙ったものであるのは間違いないでしょう。
それを考慮に入れても、なお、今回の麻生氏の発言は
赤字の部分(参拝が途絶えたわけ)の説得力が弱く
青字の部分(首相参拝自粛への道筋)の保証もない、という
二箇所の部分で疑問を感じました。


蛇足ですが、同氏の発言のそのほかの部分、特に
「少なくとも日本国首相が自分の国内で、ここは行っていいけど、こっち行っちゃいかんというようなことを外国から言われて、決めるのは絶対通るところではない」
「祭られている英霊の方からしてみれば、天皇陛下のために万歳と言ったのであって、総理大臣万歳と言った人はゼロだ。天皇陛下の参拝なんだと思う。それが一番。」
は正論だと思います。
外国から言われてでは止められない、だから国内の力で
なんとか解決しなければならない
、ということ。
そしてもうひとつは、やはり戦争で亡くなった人に対し
天皇家の人々はなんらかの対応をして欲しい、ということ。
広い意味での戦争責任を取る・・・ということ
繋がっているような気がします。

posted by 水無月 at 17:36| Comment(8) | TrackBack(2) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
中国、韓国が靖国神社参拝を非難するのはおかしいと思います(内政干渉では)。
日本のマスコミが、首相の参拝をとんでもない悪行みたいに報道するのはもっとおかしい。なぜ日本のマスコミは、教科書にまでケチをつけてくるのを歓迎するような報道をするのか疑問です。
特に中国では、内政への不満をそらすために利用されているだけで、本気で反日感情をむき出しにしている人はそういない(ごく少数の不平分子)と私は思います。

それはともかく、天皇が参拝すれば文句つけなくなるというのは、麻生氏の私見でしょうか。こういうことを軽々しく発言していいんでしょうか。
僭越もいいところです。
麻生氏が次期首相の有力候補なのだとしたら、私はゼッタイ反対したいですねえ。
Posted by dashi at 2006年01月29日 21:28
>「・・日本国首相が自分の国内で、ここは行っていいけど、こっち行っちゃいかんというようなことを外国から言われて、決めるのは絶対通るところではない」

でも日付とか変えてますね、首相しっかりしろ!って言って遣って下さい、皆さん。説明も忘れるナとも。

>英霊の方からしてみれば、天皇陛下のために万歳と言ったのであって、

死人に口無し、「お母さん」が多かったとも。それとも麻生氏はシャーマンか? 実は僕には別の声が聞こえた。ただ、遺族会の人が、天皇の慰霊を望んでいるのは、少し知っておりますが・・。

>総理大臣万歳と言った人はゼロだ。

これだけは賛成。
Posted by 建つ三介 at 2006年01月29日 21:49


こんばんは。コメントありがとうございます。

>dashiさん

靖国問題は本当にデリケートな問題で、国内にも色々な立場の人がいるんですよね。
私は、この問題を解決する(できる)のは日本人だけなのだ、という一点さえぶれていなければ、いつかは必ず解決できるはずだと信じているのですが・・・。
というわけで、さまざまな立場の方がこのコメントもご覧になっているでしょうから、自然と慎重な物言いになってしまうことを、事前にお詫びしておきます(汗

まず、私は、中国・韓国などがこの件に関して抗議してくること自体は、仕方ないと思っているのです。
彼らが「靖国に日本国首相が行くのはけしからん」と言うのはおかしい
と思うのと同じで
日本人が「彼らが首相の靖国参拝に抗議するのはけしからん」と言うのも変だ、と。
抗議してはいけない、とは、日本人は言えないだろうと思っています。
中国が日本に抗議する背景には中国国内の政治事情などがある、という話はよく見聞きします。一定の信憑性があることは私にもわかりますが、それが真実かどうか、は、私にはわかりません。それほど中国(や韓国)の事情を知っているわけではないですし(汗)。また、海外からの抗議や不快感の表明に関し、その当事国の内政に背景を求めるのは危うい発想だとも思います。中国や韓国が不快感を表明したり外交ルートで抗議したりしているのは事実ですから、日本はその事実を事実のまま受け止めれば良いのではないでしょうか。

ただ、そうした抗議をどう受け止めるか、これは紛れもなく日本人の仕事だと思います。
というわけで、マスコミ(マスメディア)の対応がおかしいと思うところからはdashiさんと同じ意見です。国内メディアは自らの言説のみでは世論や政治が動かないので、国外からの抗議を歓迎しているのではないでしょうかね? 私の目にはそう見えてしまいます。

麻生氏に関し「こういうことを軽々しく発言していいんでしょうか」というdashiさんの感覚、これも同感です(笑
少なくとも麻生氏は、天皇も象徴天皇制も、ひいては現憲法も、あまり尊重してはいないですね。現実の政治や社会がまずあって、天皇制や憲法はその下位の位置付けである、という発想だと思います。
天皇の政治利用という言葉を時々目にしますが、同根の発想なのでしょう。


>建つ三介さん

コメントありがとうございました♪(笑

はい、日付、変えてますね(笑
え〜と、ですから真性右派(なのかな? この呼び方が適切という自信はないですが)の方々は、その点でもって小泉氏を非難(もしくは軽蔑)していますよ。
公約破りの腰抜けだ、と。
小泉氏も大変でしょう、行っても責められ、行かなくても責められ・・・では。つまらない公約を結んだものだと後悔しているかもしれませんが、それ以外の多くの国民にはプラスの印象で受け止められているようですから、やはり靖国パフォーマンスはやる価値があった、と思っているのでしょうか。

私もシャーマンではありませんし、声は新旧さまざま、色んな方向から聞こえるものですから、なにがなにやら・・・の状態です。
当の「お母さん」(=ご遺族)の方々も、例外はもちろんあるでしょうが、存命の方の中には靖国に参拝している方がいる・・・という話も聞きます。きっと中には、泣きたい思いで参拝なさる方もいることでしょうね。
靖国神社が、広く深く、そうした思いを秘めた参拝にまで相応しい場所であってくれたら・・・と、願っています。そのためにも、政治問題化は誰にとっても不幸なことだと思うのですが。

Posted by 水無月 at 2006年01月30日 03:34
天皇が靖国にいくのは、私人としてならかまわないだろう。わたしは天皇制をやめるべきだとかんがえており、せいぜい家元制度の トップにすわるのが適当と考えている、もしそうなったら、天皇の好きずきでだれも口を挟む余地はない(ところが、そうなっていないんでしょう?天皇職は、公務でしょ。勤務外、に私的に行くのならかまわない、といえるのだろうか。自由行動をとってmらうためにも、基本的人権をみとめ、裏千家家元の行動を公法で規定しないようにいっさいの行動を自己責任でやってもらうのが、天皇の人格を認めるためにも必要でしょう)コイズミも私的参拝(年休とっているんでしょうね?)ならかまわない。しかし外国がそれを非難するのも自由にさせれば良いではないか。侵略戦争である、と認めているんだから(いや、侵略戦争じゃない、というのはら話は別、そこから議論しなくてはならない)。
もひとつ、
天皇陛下万歳!と言って死んだ、といっっているが誰がそれを目撃したのか?大嘘じゃないの?

コイズミの口癖「戦死した人々によって今日の反映がある」。たわけ、ですね。大勢の戦死者(餓死多し)を当時の軍隊や政府の無策によいむざむざ殺し、はては戦犯という汚名をカブラせてしまった、これをまずお詫びいたします、というべきじゃないのか?政府代表者としては。
Posted by yam at 2006年02月08日 20:31
 
yamさん、こんばんは♪

天皇の意味づけ、靖国の政教分離と戦争責任の問題・・・。難しい論点が重なっているので、これは本当に難しい問題ですよね。
もし天皇が参拝なさる場合、政教分離の原則を今よりもっと厳密にする必要がある、というのには、私も賛成です。必要があれば改憲(象徴天皇制破棄)まで、視野に入れる必要があるのかもしれませんね。

>外国がそれを非難するのも自由にさせれば良い
同感です。
Posted by 水無月 at 2006年02月09日 02:04
ちびっと、コメント。
米国の属国状態(というかこの60年ずっと、属国)のニッポンで、内政干渉なんてのは死語、あるいは禁句、でしょ。米国には大股開き、近隣国には、ぴったしお股を閉じるなんて、そんな、殺生な〜。。
Posted by yam at 2006年02月09日 02:59


yamさん、こんばんは♪

わかります(笑
大股開き・・・困ったものですね。
Posted by 水無月 at 2006年02月09日 04:38
新宿駅南口を降りて、東側の階段を下ったところ、os劇場なんてのがあって。。開いたり閉じたり、していたのを、会社帰りに寄っり寄らなかったり、したこともあります。いま撤去されているはず。つまんない社会になりました。Always夕日三丁目、の小雪があのころ、いたら。。なんて眼も虚ろ、になるけふこのごろ。(意味不明かもしれません。いいでしょう、たまにわ)
Posted by yam at 2006年02月10日 10:51
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