2006年04月13日

警察の腐敗が招いた死(栃木リンチ殺人事件)

 
政治と直接には関係ないですが、たまには。


【リンチ殺人:父「心の中で、やったな!」…妻の遺影前に】
(毎日新聞 2006年4月12日 12時43分 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060412k0000e040058000c.html

 「生きたまま埋められるのかな。残酷だな」。正和さんの最後の言葉を須藤さんは裁判で知り、「ふびんでしょうがなかった」と読み上げると、これまで、判決を聞いた後も崩さなかった冷静さを失い、言葉を詰まらせ、涙声を抑えることができなかった。

 判決に対しては「裁判所は県に対し、私たちの要求を認める判断をして感謝している。親については納得いかないが、5年間の思いが通じた」と評価。「この事件をこれからの捜査改革の礎にしてほしい」と述べた。



記事の全引用はしませんが、19歳の若者が同僚ら少年四人に拉致され、二ヶ月間にわたり監禁され、凄惨な暴行を受け、親や友人、サラ金などに700万円を超える借金をさせられた末に殺害され、山林に埋められた、という、いわゆる「栃木リンチ殺人事件」です。

被害者が拉致されていた二ヶ月もの間、両親は必死になって警察に事件捜査の依頼をしましたが、栃木県警石橋署はなぜか取り合いませんでした。両親が銀行の協力を得て「ビデオテープに写っていた預金を下ろす被害者の顔が暴行で腫れあがっていた」ことを伝えても、加害少年らの親と同行してさえも、石橋署の対応は鈍いままでした。

こうした経緯についてはこちらが詳しいです↓。
 【栃木リンチ殺人事件「わが子、正和よ」】
http://park17.wakwak.com/~tochigi-rinchi/

 【栃木リンチ殺人事件】(無限回廊)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/totigilynch.htm

今回の両親の提訴(民事)は国家賠償法に基づき、警察の不作為を訴えたものです。宇都宮地裁は原告の訴えた「捜査怠慢と被害者死亡の因果関係」をほぼ全面的に認め、県に9633万円(加害者と合計で1億1270万円)の損害賠償支払いを命じました。
両親の訴えが認められたのはなによりですが、しかしもちろん、いくら裁判で勝とうと被害者の命は返ってきません。被害者の父(母は裁判の途中で病死した)の胸中を思えば、遣る瀬ないばかりです。

ところで、なぜ石橋署の対応はここまで鈍かったのでしょうか。TVや新聞の報道では、ここにまったく触れられていません。NHKのニュースでは「なぜ県警の対応が鈍かったのか、裁判で掘り下げて欲しかった」などと通り一遍のコメントで終わっていました。
掘り下げること、こそが報道に期待される役割でしょうに。実に歯痒いことです。

ネット上では、もう少し詳しい情報が手に入ります。

・主犯Aの父親は事件当時、栃木県警氏家署勤務の警察官だった。

・被害者と従犯Bは当時日産自動車上三川工場に勤める同僚の関係だったが、日産自動車の総務には県警から天下ってきた元警察官が勤めていた(この人物が石橋署に捜索願いを出すように勧めた)。

以上は上で紹介した、被害者遺族のサイト【栃木リンチ殺人事件「わが子、正和よ」】で証言されている事実です。
(被害者の家族が危機を察し、必死に警察に助けを求めているにもかかわらず、結果的に見殺しにされた構図は桶川ストーカー事件と同じです)


警察という組織の内部がどうなっているのか、私は正確なことは知りません。大部分は正常に機能しているのだと信じています。しかし一部にせよ、腐敗があるのも事実だろうと思います。

ご遺族の訴えをメディアが取り上げないのであれば、せめて自分にできる範囲で、ひとりでも多くの人に伝えたいと思いました。

栃木リンチ殺人事件―警察はなぜ動かなかったのか』(黒木昭雄著) ←この書籍も参考になります。



 
posted by 水無月 at 03:19| Comment(9) | TrackBack(3) | 日記(時事) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
当時、このニュースを聞いた時もそうでしたが
とてもやりきれない気持ちと、自分の息子が被害者、また、加害者にならないことを祈ります。

自分が埋められるであろう掘られた穴を見て
「生きたまま埋められるのかな。残酷だな」と
つぶやいた被害者の状況を思うと
他人ごとながらやりきれない気持ちになります。
極刑を望むところであります。

息子とは、もし、こういう事態になったときは
相手に気づかれずSOSを伝えられるようにと
合言葉を決めてます。(忘れてなければいいけど)

もちろん、すべての警察官がこうではないと思ってます。
身内でも、悪は排除できる強さを警察官の方々には持って欲しいと願います。

Posted by るか at 2006年04月13日 14:20
ずいぶん前に読んだのでうろ覚えなのですが、主犯Aはそれまでにも何度も問題を起こしていた札付きのワルで、「オレを逮捕出来るわけがない」とうそぶいていた、という書き込みをネットで見ましたよ。
少年だからと実名も出さないのは許せん!と、顔写真入り、実名入りのサイトでした。摘発を恐れて香港経由でアップしているという話の、反骨サイトでしたが……PCが壊れてURLも消えてしまったのでアクセス出来ない、残念ですが。

今回、他に手は打てなかったんでしょうかねえ。
警察に問題がある場合の駆け込み寺って、マスコミ? 警察を監督する機関もあるようですけどね。弁護士会に相談したらなんとかなっていたかもしれないですね。
これで警察の掃除が出来たら事件は全く無駄にはならないわけだけど、親御さんにしてみたら悔しさはかわらないですよねえ、被害者もほんとうにお気の毒です。
Posted by dashi at 2006年04月13日 14:22
 
こんにちは。コメントありがとうございます。

>るかさん
 被害者の最後の呟きは私も胸が潰れる思いでした。
 ・・・あまりに情動を揺さぶられるのは良くないことだと
 私は思っているのですけど、ダメな時はダメなんですよね(汗

 各人が自警の意識を強めると、結果として別の悲劇を生む
 危険も増します。たとえばアメリカの留学生射殺事件の
 悲劇のように・・・。ジレンマですが、家族を殺されて
 しまってからでは手遅れですから、やはり自覚は持たないと
 まずいでしょうね。
 警察や司法や公機関を信頼しつつ、でも最終的には自分で
 大切な人を守る気構えは持つ・・・というあたりでしょうか・・・。


>dashiさん
 そのサイトはたぶん私も見たことがあります。
 おそらく同じサイトだったのだろうと思いますが
 今調べたら見つかりませんでした(汗

 犯罪者の実名公開に関しては社会の判断がまだまだ揺れてる
 ところですね。しかし少年であっても、この事件のような
 場合には、もう実名公開も仕方ないような気がします。
 少年・・・といっても、18〜9なら成年と同じでしょうし
 本当に更生が期待できるのか・・・疑問です。

 現状では、私はネットの情報発信力に期待しています。
 警察や公の動きがおかしいと思ったら、ネットに公表して
 しまう手もありだと思います。
 諸刃の刃であることないこと書かれてしまう危険もありますけど
 協力してくれる人も大勢いるような気がします。
 そしてネット世論はいまや現実の世界に影響を与えるほどまでの
 存在となっていますから。

Posted by 水無月 at 2006年04月15日 17:57

水無月さん、今日は。

この事件は 詳しくは知りませんでした。
ネットで事件があったころからの情報を見ました。
桶川のストーカー事件と同じ気持ちになりました。
なぜだ!! 
ご遺族の悲しさ、無念さ、怒り、空しさを思うと
胸が塞がれます。
司法の場で是非を問うことしか出来なかった
ご遺族の気持ちはどんなものか、、、、、、
警察さえ動いてくれたら,,,,,,

アメリカにコートチャンネルというのがあります。
実際の法廷にカメラが入り実況放映しています。
刑事事件、民事など様々ですが、殆ど法廷そのものが映されます。実名報道がされない日本では考えられないことですが、被告、原告、参考人全て映し出されます。(もちろん未成年も.)裁判の初めから終わりまで傍聴席と同じように経過がわかります。
日本も同じことをやるべきというのではありませんが,,,,

たとえば今回のリンチ事件のご遺族の思いは
もっと多くの人たちが共有しなければならないと
思います。犯人に対して、警察に対して、理不尽に身内を殺された無念さに対して。
被害者にこそ人権は最優先されるべきではないでしょうか。
罪には罰で対処する方向にもう少し考えを変えるべき時ではないでしょうか。
人権保護とはなにか私は今、暗い気持ちでかんがえます。

水無月さんの記事は楽しみに読んでいます。











Posted by すすき at 2006年04月16日 08:36
追伸

ひょっとして
実名報道されているサイトの事ですが。
このサイトの事ですか?

http://web.archive.org/web/20050306041445/www.starblvd.com/mem/a/o/aoiryuyu/no2jiken.html

色々記事をみている時このサイトがありました。


Posted by すすき at 2006年04月16日 08:58
 
すすきさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます!

まず、ご紹介のサイト! そう、その通りです(笑
元々のdashiさんの方は、ちょっと自信がありませんが
少なくとも私が思っていたのは、このサイトでした。
どうもありがとうございます。
今見ると、2005年以降は更新がないようですね。
サイト運営者がお元気でいればいいのですが、ちょっと心配です(汗

>人権保護とはなにか私は今、暗い気持ちでかんがえます。
すすきさんの感じた怒りや哀しさ・・・は、私が感じたものと
同じだと思います。全く同感ですね。
桶川の事件とこの栃木の事件は、警察に裏切られた、という点で
実に重い事件でした。犯人があまりに卑劣なこともよく似ていますが
本来は犯人を捕まえ、助け出してくれるはずの拠り所である警察から
見放されてしまった・・・ということが、尚更耐え難い悲劇となって
しまっている点も、同じです。

警察が受け止めようとしなかったご遺族の悔しさや無念を
ひとりでも多くの人間が正面から受け止めること・・・だけが
今ではご遺族や被害者のお気持ちに添う、せめてもの慰めに
なるのではないか・・・と、私は思います。
コメントをありがとうございました。

※ところで、以下は内緒話(BLOGで内緒話もないものですが)ですが
「すすき」さんに似たハンドルの方を私は別の場所で
存じ上げているのですが、もしやすすきさんは、私の知っている
その方ではないですか・・・?(汗
なんだか禅問答のような質問になってしまってすみません(汗
しかし、もしすすきさんがその御方であれば、意味がわかると
思います。もしそうであるなら、どうか当BLOGで公開している
メールアドレス宛てに、ご連絡をお願いできませんでしょうか?
色々とお話したいこともございますので・・・。

もし、全然心当たりがない、ということであれば、私の勘違いです。
ごめんなさい・・・。どうか気にせず、忘れて下さい。

いずれにせよ、これに懲りず、また遊びに来てください。
Posted by 水無月 at 2006年04月16日 22:42
Posted by 警察と業者の癒着について at 2006年06月12日 20:14
 
警察と業者の癒着についてさん、こんにちは。

残念ながら最初のリンク以外は、私のPC環境では
セキュリティの問題からうまく開けないようです。
公器たるべき警察が業者と癒着したり
私利私欲や保身に走ったりするのは許せませんね。
実に困ったことです。
 
Posted by 水無月 at 2006年06月13日 09:56
〉未成年者殺人事件は異常過ぎる!未成年者!何をしてもいいのか?未成年者の事件は少年法に守られているのを知っていて平気で殺〇を!起こす事少年法を無くせ!と言いたい!警察の怠慢さ!人が!殺〇れ無い限り動かない!未然に防ぐ事も警察の仕事です!
Posted by まや1 at 2013年01月07日 19:49
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