2006年05月12日

親の介護(日記から)

50代の男性が80代認知症の母親を殺した事件・・・。
正確には心中を試みたが失敗した・・・ということで
しょうが、色々考えさせられますね。

私の母も先日、死ぬ時は家で・・・(施設はイヤだ)と
言っていました。
母はおそらく兄夫婦(近所で別居)を念頭に置いている
ものと思いますが、それでも子としては複雑なものが
あります。
親が認知症になり、兄夫婦が面倒見きれない・・・
(施設へ入れたい)と言えば、私は反対するつもりは
ありません。
今の時代、男女問わずみな働いています。兄嫁もむろん。
まして今なお別居を通しているというのに、本当に
身の回りの世話ができなくなってから嫁の世話になる
・・・など、私には夢物語としか思えません。

周囲の実例を見ても、老人介護・・・は、配偶者間が
限界のような気がします。
それはカネだけの問題でなく、時間や情・・・の問題でも
あるでしょう。親世代が子世代から、なにを、どこまで
なら、頼れるか(奪ってよいか)・・・の問題。
老人介護にはそういう側面もあろうかと思います。


儒教の教えからすれば、子が親の面倒を見るが当然で
あり、美しく調和の取れた世界となります。
高度福祉社会の理想から見れば、社会全体で老人の
暮らしを支えるのが当然となります。
けれど私の世代(私は1965年生まれですが、ここでは
大雑把に戦後の昭和世代・・・くらいに考えています)とは
実を言えば親(家)でも社会でもない、個人の自己実現や
幸福追求こそがスローガンだった世代、なのです。
それは私の世代の、というより、その親の世代の価値観
だったはずです。
私の世代の親達は、自分は子の世話にはならない
(だから好きなように生きなさい)・・・と、子世代に
教えてきたのではないでしょうか。とはいえ、もちろん
そうでない家庭、そうでない人々も大勢いるでしょう。
それでも、この時代の雰囲気、社会の価値観としては
個人の幸福追求や自己実現こそが一番大事、であった
ように思います。

それを真に受けた今の現役世代は、だから自己が幸福に
なることを一番の達成目標にして、ここまで生きてきました。
勉学も就職も結婚も子育ても、人生の義務としてではなく
自らの幸福に寄与するかどうかで自分が選択すればよい
という人生観です。
(当然ですが、世代のすべての人がこうした価値観だ
 と言うつもりはありません。ただ、こういう価値観で
 あっても許されてきた、という意味です)

そんな中に容赦なく迫ってくる・・・親世代の老い、という
現実。
親の介護は自己の幸福に寄与する・・・という仕組みや
理念が、今後の社会において開発されれば幸いですが
そうでなければ・・・どうなるのでしょうね。
結婚や子育てさえ、自己の幸福に寄与しないから
・・・という理由で回避を許されてきた世代の親世代が
今後次々と、老境を迎えるわけです。


社会的な受け皿は、冒頭に挙げた事件の例でもわかる
通り、いまだ十分とは言えません。
税金を上げてでも高度福祉型を目指すべき・・・でしょうか。

難しい問題ですから安易に結論を出すことはできませんが
どういう社会を目指すにせよ、戦後の価値観全体が
今後大きく問われてゆくような気がします。



 
posted by 水無月 at 01:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記(時事) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやほんとに、健康に問題が出てから息子夫婦と同居、それまでは気楽な一人暮らし……って実際にやってる人もいますが、お嫁さんの人生をなんだと思ってるんだと腹が立ちますね。
中高年になったお嫁さんには、それなりの生活ペースが出来上がっているのに、急に24時間勤務のヘルパーを、しかも無給でやれって、そりゃあイヤ(辛い)ですよね。更年期とかさなったりするし。
嫁が耐え忍ぶ時代じゃないんだから。
給料もらってヘルパーするんなら仕事だから我慢もするけど、やってもらって当たり前じゃ、ねえ。
ずっと同居して、自分の子どもを育ててもらったんならともかくね。
同居するなら娘とでしょう……これも古い考えかな。
Posted by dashi at 2006年05月13日 14:13
 
dashiさん、こんばんは(笑

>嫁が耐え忍ぶ時代じゃないんだから
いや、まったくですね。すみません・・・(苦笑
もっとも母を含め高齢者の中には、暗黙のうちに
家屋敷などの財産を、介護の報酬として考えている場合も
多いと思いますが・・・。違うかな?
(まあ、財産が十二分にある場合は、それでいいんでしょうけどね 汗)

今後日本には大量にお年寄り達が出現するわけですが
どうなっていくんでしょうね・・・。漠然とした不安を覚えます。
 
Posted by 水無月 at 2006年05月13日 23:50
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