2006年06月14日

「自分が犠牲になる寛容の心」の危険(長島議員BLOGより)

 
前回も触れた
 長島昭久 WeBLOG 『翔ぶが如く』
 http://blog.goo.ne.jp/nagashima21
が「北朝鮮人権法案」絡みで燃えている件ですが、少し詳しく書いておきたいと思いました。


簡単に背景を説明しておくと、まず「北朝鮮の人権問題」に関する基本的な、自民、民主両党の考え方の違いがあります。
 自民党 → 拉致問題解決のため経済制裁の法的根拠を整えたい
 民主党 → (人道的見地から)脱北者支援をすべき
両党は2006年6月9日、それぞれ提出していた「北朝鮮人権法案」を一本化することで合意。この法案は今国会で成立する見通しです。

与野党合意した法案の概要は以下の通り。


『拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律案』

第一条(目的)
 北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民の認識を深め
 国際社会と連携しつつ実態を解明し、及びその抑止を図る

第二条(国の責務)
 国は、拉致問題を解決するため、国民に情報提供を求め、また
 自ら徹底した調査を行い、帰国の実現に最大限の努力をする

第三条(地方公共団体の責務)
 地方公共団体は、国民世論の啓発を図るよう努める

第四条(北朝鮮人権侵害問題啓発週間)
 十二月十日から十六日までを北朝鮮人権侵害問題啓発週間とする
 
第五条(年次報告)
 政府は毎年国会に取組についての報告を提出し、公表する

第六条(国際的な連携の強化等)
 政府は、拉致被害者、脱北者、その他北朝鮮当局による人権
 侵害の被害者に対する適切な施策を講ずる
 
第七条(北朝鮮当局による人権侵害状況が改善されない場合の措置)
 政府は、拉致問題その他北朝鮮当局による日本国民に対する重大な人権侵害状況について改善が図られていないと認めるときは、国際的動向等を総合的に勘案し、特定船舶の入港の禁止、外国為替及び外国貿易法による措置その他必要な措置を講ずる



これを見ればわかる通り、第一条〜五条までは、特に問題もないはずですが、第六条が民主党、第七条が自民党の主張を、それぞれ反映しているわけです。


そこで冒頭の長島議員のBLOGに戻ります。要するに
「どうして日本が脱北者支援をしなければならないのか」
という部分で、批判コメントが殺到しているのでしょう。
(長島氏は同法案の民主党側政策担当者のようです)

これに関して長島氏は次々と関連エントリを上げています。
(でもトラックバックは受け付けていないようです)
 【北朝鮮人権救済法案、成立へあと一歩!】2006年06月08日 21時57分00秒
 (BLOG炎上の発端となったエントリ)
 【改めて、北朝鮮人権法の成立を期す】2006年06月10日 14時07分26秒
 (法案の全文をのせ、脱北者支援が金政権崩壊を導く意義を説明)
 【立川市議選始まる】2006年06月12日 12時44分05秒
 (引き続き意義を説明、理解を求める)
 【『北朝鮮人権法案』で考えさせられたこと】2006年06月13日 10時39分28秒
 (寄せられたコメントの中から「kappe@錦」氏の擁護コメントを引用)


さて、やっと本論まで辿り着けた気がします。
最後のエントリのkappe@錦氏の法案擁護コメントを、私は実に興味深く読みました。また同氏のコメントは、(結論は正反対ですが途中までは)私の認識とも共通しています。以下、長島氏BLOGより引用してみます。


・・・前略・・・

拉致問題の究極解決を早期に図るには、つまるところ北の現政権が倒れないと無理だと思います。

 ところが、実際に金正日政権が倒れたら大量難民の発生必至でしょう。なので、大量難民が流入したら困る中韓(中国には、それ以外にも困る理由がありますけど)は、(中韓の現政権が交替し北に対し今より厳しいトップに替わったとしても)北朝鮮のハードブレークダウンは阻止しようとするでしょう。国益上、そうで当然。あくまで中韓は北に対してはソフトな改革を促す路線。

 なので、問題の早期解決のため、ハードブレークダウンを起こしかねない"強い経済制裁"を行うのであれば、日本が、ハードブレークダウン時に大量発生すると思われる難民になにがしかの責任を持つと宣言する必要がある

・・・中略・・・

 ところが、日本は、ここのコメントを眺めていても、どうも「北の政権が制裁の結果仮に倒れたとしても、その後の北の社会混乱に対し責任を取る気なんてない」ように見える。その経済コスト・社会コストに、耐える覚悟がなさそう。

・・・中略・・・

 ...ただ、ねぇ。明治の人、サムライの心をまだ維持した人たちだったらどうかしら?と思うんです。目先とっても苦しくても、問題の早期、かつ究極解決を目指すために、困難に耐える覚悟があったんじゃないかしら、と。多少気にくわない相手であっても、アジアの人のために自分が犠牲になる寛容の心があったんじゃないかしら、と。真の愛国心があったのではないかしら、と。

・・・後略・・・



このkappe@錦氏がどなたかは全く存じ上げませんが、非常に冷静かつ現実的な考え方をする人物だと私は思います。
そしてまた、同氏のコメントに「私がもっとも共感した」との感想を添えて全文引用する長島議員にも、彼が所属する民主党にも、私は改めて強い感慨を覚えたのです。

簡単に述べますと、私は上記のkappe@錦氏コメント引用部分のうち、前半には全く同感です。特に、青字で示した部分は重要な認識だと思います。
はっきり言えば、中韓露は北朝鮮金政権に倒れて欲しくない・・・ということ。
倒れて欲しいと思っているのは、主にアメリカと日本だけなのです。
しかしそのアメリカも、同じような(完全に同じとは言いませんが)人道的趣旨で「倒した」イラクの後始末が未だに終了せず、青息吐息の状態・・・。

北朝鮮へどうやって、誰が(どの国が)、とどめの一撃を刺すのか・・・。これが深刻な問題であることは間違いないと思います。


なお、長島氏BLOGへ寄せられた批判コメントの多くが、脱北者支援への反対意見です。
ここに、これまでの日朝関係や在日問題の影響を読み取るのは容易なことでしょう。
要するに日本国民は(このコメント欄を見る限り)、「脱北者を受け入れたくない」という強い意志を持っているのです。
そして、「拉致問題を解決するためには金政権を倒し、その結果発生するであろう難民も受け入れざるをえない(はずだ)」と考える民主党より、「拉致問題解決には努力するが難民は受け入れない(ことが可能だ)」と考えているらしい自民党を、支持しているわけです。この部分の両党の認識の違いが、そのままkappe@錦氏とほかの批判コメンター達との違いです。それは上記引用部分のうち、緑字で示した箇所でしょう。

ところで、「拉致問題解決には努力するが難民は受け入れない(ことが可能だ)」という自民党の主張は、本当に成り立つのでしょうか。
私は若干の疑念を抱いています。
それが本当にできれば、それにこしたことはありませんし、拉致問題解決に向け、自民党に希望を託す人々の気持ちも痛いほどわかります。しかし結局のところ自民党の最終的な選択とは、「難民を受け入れずにすむギリギリのところまで拉致問題解決に努力する」ということかもしれません。
(とはいえ、本気で拉致問題を解決しようという気迫もないのに、ポーズだけで金政権崩壊=脱北者支援の危険性を語る民主党に比べれば、遥かにマシと言わざるを得ませんが)


そうしていよいよ、kappe@錦氏と私との決定的な違いについて・・・です。
引用の赤字の部分ですね。再引用します。

明治の人、サムライの心をまだ維持した人たちだったらどうかしら?と思うんです。目先とっても苦しくても、問題の早期、かつ究極解決を目指すために、困難に耐える覚悟があったんじゃないかしら、と。多少気にくわない相手であっても、アジアの人のために自分が犠牲になる寛容の心があったんじゃないかしら、と。真の愛国心があったのではないかしら、と。

すでに述べたような拉致問題解決と脱北者支援とのジレンマ・・・を、もはやここでは超えています。
ここで好意的に追想されているのは、「多少気にくわない相手であっても、アジアの人のために自分が犠牲になる寛容の心」です。それがサムライの心だ、と。
拉致被害者でなく、アジアの人のため、に、いつの間にか広がっています。

正直、私はこれを読んで身震いしました。

この「アジアの人のために自分が犠牲になる寛容の心」こそ、日本を「大東亜戦争」へと駆り立てた(少なくとも表向きの)理由だったのではありませんか?
政治家や軍人レベルではない一般の人々は、先の戦争で「日本がアジアを侵略している」とは、思ってなかったはずです。欧米列強の支配から独立を守るため、アジア同士で助け合わねばならない、日本はほかのアジア諸国を守らねばならない、というまさに高潔なサムライの心根から、出征していったのではないでしょうか。
もちろん異論もあるでしょうが、大義名分としては、そうだったと思うのです。

そういえば似たようなことはつい最近、イラクでもありました。
結局のところ、「他国のために自分が犠牲となる寛容の心」という美しい自国イメージこそ、一般国民を戦争賛美へと追い込んでいく「心理的な罠」なのです。

私は、なにがなんでも脱北者は受け入れられない、と反発する膨大な批判コメントの中にこそ、「敗戦から学んだ日本」で暮らす一般国民の「精神の健全さ」を感じました。


もし・・・。
長島氏が、「他国のために自分が犠牲になる寛容の心」に共感を覚え、魅力を感じているのなら、長島氏を政治家として非常に危険だと私は判断します。
同様に、それが民主党内部の一般的な空気であるなら、私は民主党こそ軍国化の危険を孕む政党だと判断します。

「他国のための犠牲」など、他国から散々せっつかれてから、ようやく重い腰を上げる程度で十分なのだと思います。それこそが本当の犠牲です。自ら進んで犠牲になろう、などと言うのは、人でも国でもロクなものではありません。


 
posted by 水無月 at 02:57| Comment(4) | TrackBack(0) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月12日

多民族国家化してゆくのなら

 
民主党・・・長島昭久議員BLOG『翔ぶが如く』がまた
燃えていました。火種は「北朝鮮人権法」・・・。
http://blog.goo.ne.jp/nagashima21/e/06c9870364972e4043c70859c905f932

ちょっとコメント欄を見ただけですが・・・なんとも(汗
私は別のところでたまたま、少子化が移民(の流入)を促す
ことの危険について考えを巡らしていたところでした。

在日コリアン・・・の問題が、戦後六十年を経てなお
穏便に収束していない現実は、やはり大きいのかも
しれません。

なお・・・北朝鮮の金政権が本当に崩壊した暁には
大量の難民が 発生するのではないか、それを引き受け
させられることが あってはいけない・・・とは、以前から
拉致問題に関し、私が危惧している点でもあります。
http://yohaku.seesaa.net/article/9523735.html
同じことを心配している人が上記BLOGのコメント欄にいました。


そういえば・・・愛国心の問題ですが、現実問題として
移民がますます増えてゆくのなら、なんらかの対応も
必要なのかもしれないと思います。
日本で暮らし、日本の教育を受けながら、国籍は日本
でないとか、当人のアイデンティティとしては日本人
でない、と思っている人が、徐々に増加してきています。

日本人である・・・とは、どういうことか・・・。
これは国家のアイデンティティの問題です。

式典で日の丸への敬礼を拒む人・・・。その人がもし
日本人であるなら、その行為も許容されるでしょう。
象徴天皇への不敬や暴言も、おそらく広い意味で許容
されるはずです。
(この場合の「許容」とはつまり、あたかもひとつの
 家族の中で、小難しい思春期の子供が親に反抗するのを
 ほかの家族が広い心と愛情から見守るようなものです。
 そういう家族=組織のあり方が望ましい・・・というのが
 日本的な情緒だと私は思うので、「許容」されるだろう
 というわけです)

しかしそれをするのが日本籍でない人や、自分は日本人
ではない、と思う人であれば・・・。
それは許容されないでしょう。
許容すべきでないと私も思いますし、実際、許容できない
とする「日本人の」世論が急激に盛り上がることだろうと
思います。
そうなった時には、それはもはや欧州で最近馴染みの
ネオナチ風ナショナリズム・・・と同じものになっている
のかもしれません。岐路・・・いろいろな意味で。

保守派・・・は、今後ますます増えるだろうと思います。


 
posted by 水無月 at 08:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月02日

態度を決めつつある日本人(「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」より)

 【 は じ め に 】


まず以下をご覧下さい。YAHOO!NEWSで検索してみました。

基地本土移転 「賛成」が50%超 内閣府調査 - 琉球新報 - 沖縄
... 2006年4月30日(日)10時18分

防衛問題への関心が過去最高 - フジサンケイ ビジネスアイ - 経済総合
... 2006年4月30日(日)8時30分

「自衛隊に関心」最高の67.4% 内閣府世論調査 - 産経新聞 - 政治
... 2006年4月30日(日)2時25分

日本に戦争の危険、過去最高45%…内閣府世論調査 - 読売新聞 - 政治
... 2006年4月29日(土)22時14分

<防衛世論調査>沖縄米軍、一部本土移転賛成が半数超える - 毎日新聞 - 政治
... 2006年4月29日(土)21時35分

<防衛世論調査>「戦争に巻き込まれる危険」45%が感じる - 毎日新聞 - 政治
... 2006年4月29日(土)20時24分

戦争の危険性、過去最高の45%=朝鮮半島情勢6割が関心−内閣府世論調査 - 時事通信 - 政治
... 2006年4月29日(土)19時1分

「戦争ある」45%で最高 自衛隊に関する世論調査 - 共同通信 - 政治
... 2006年4月29日(土)17時45分

これらはすべて、内閣府が29日発表した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」に関する報道です(平成18年2月、全国の20歳以上の男女3000人に個別面接で実施。有効回収率は55.2%)。
これを見て、各メディアがどこに注目しているのかを比べてみるのも面白いかもしれませんが、あいにく私にはそこまでの余裕はありません(汗
しかし報道を見てからずっと待っていた内閣府HPに昨日、ようやく問題の世論調査が公表されましたので、早速そちらを見てみました。

こちら↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/index.html

各メディアが注目しているのは、見出しを見る限りでは概ね、以下の点であろうと思います。
・「戦争に巻き込まれる危険がある」との回答が45.0%で過去最高。

・自衛隊や防衛問題について「関心がある」と答えた人が67.4%で過去最高。

・在沖米軍基地機能の一部を本土へ移転することについて、51.5%が賛成し(反対34.5%)、はじめて半数を超えた。

これらはすべて重要な観点でしょう。しかし私は、これら以外にも、日本の国民意識を示す重要な(あるいは貴重な)兆候が、同じ世論調査から読み取れはしないかと思って、発表資料に当たってみたのです。



 【 「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」結果 】


結論から述べますと、上で述べたような兆候は、やはりあるような気がします。各メディアは気づかないか、気づかないふりをしているようですが、日本国民の意識はここ数年で(端的に言えば前回調査の三年前と比べて)、非常に興味深い変化をしているように思います。



たとえばこちら↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/images/z24.gif
メディアが注目する「日本が戦争に巻き込まれる危険性」ですが、確かに「危険がある」が1.8%増えて過去最高となる一方で、「危険がないことはない」は4.2%も減り、なんと驚くことに、「危険はない」が5.4%も増えています
これはつまり、過去「危険がないことはない」というような選択肢の中では比較的どっちつかずの中庸的な回答を示していた層(及び「わからない」と答えた層)が、危険が「ある」「ない」というはっきりした態度を取り始めた・・・ということではないでしょうか。

このことは↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/images/z01.gif
「自衛隊・防衛問題に対する関心」の高まりと併せて考えると、理解しやすいと思います。この質問では、関心が「ある」は前回より増え(過去最高)、「ない」は減っていて(過去最低から二番目)、明らかに、国民の関心が高まっていることを示しています。



次に私が注目したのは↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/images/z19.gif
「外国から侵略された時の態度」です。これは下に書き写して見ましょう。

外国から侵略された時に・・・   (平成15年1月)(平成18年2月)%
  何らかの方法で自衛隊を支援する 48.9      53.5
  武力によらない抵抗をする      18.3      18.1
  一切抵抗しない             7.7       8.8
  自衛隊に参加して戦う         5.8       6.9
  ゲリラ的な抵抗をする         1.9       1.6
  その他                  1.3       1.4
  わからない               16.1       9.7

「自衛隊を支援する」の伸びは驚異的とも言えるでしょう。同時に、数は少ないですが「自衛隊に参加」も着実に増えています。しかし、それだけでなく「一切抵抗しない」もまた、1.1%とはいえ、増えているのです。
ではなにが減ったかといえば、一目瞭然「わからない」です。つまり、前回調査時には「わからない」を選んでいた人々が、今回は態度を決めはじめたのです。



最後にもうひとつ。昨今教育基本法改正案などで話題になることの多い「愛国心」ですが、これに関係しそうな項目↓
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/images/z20.gif
「国を守るという気持ちの教育の必要性」です。「教育の場で取り上げる必要がある」(55.6%→65.7%)は顕著に増え、「教育の場で取り上げる必要はない」(29.1%→22.1%)は減っています。
私は正直、このあまりにはっきりした数字に驚いてしまいました(苦笑
世論はもう少し錯綜していると思っていたのですが、少なくともこの質問形式による結果で見る限り、日本人の意志は(総意として)ほぼ固まりつつあると考えるのが正しいようです。



 【  ま と め  】


私が上記の世論調査結果から読み取ったのは二点です。
・国防に関して態度を曖昧にしていた人々が、態度を決めはじめた。

・態度を決めはじめた人々の多くは積極的に自衛隊を認めたり応援しようと考え、少数の人々は「(外国から侵略されても)一切抵抗しない」などの徹底した平和主義を取ろうとしている。

総数で見れば、自衛隊に象徴されるような軍備を重視する人々の割合が増加していますが、そうではない人々の数が減っている、というわけではありません。減っているのは、これまで「わからない」だった人々です。
以前は対岸の火事のように捉えていた「戦争」を、ここ数年間でより多くの人々がリアルに見つめ、当事者意識を持って考えるようになった、ということかもしれません。

沖縄基地の本土移転に賛成する人々が過半数となったのも、そうした、国防問題に当事者意識を持つようになった傾向と、無縁ではないような気がします。
問題をより身近に、リアルに、捉える人々が増えてきたのは間違いないでしょう。


 【  補 足  】


次に、結論のあとではありますが無視できない大事なこと、この内閣府の世論調査自体の中立性はどこまで信頼できるか・・・という視点で、検証してみたいと思います。
↓今回の調査票
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-bouei/3.html
↓前回(平成15年)の調査票
http://www8.cao.go.jp/survey/h14/h14-bouei/3.html

前回にも今回にも、資料がついています。「各国の陸上、海上、航空兵力」ですが、どうも一見したところ、日本の兵力(特に陸上兵力)が、その直下の韓国、北朝鮮、中国に比べて、見劣りして見えます。中国の下にはロシア、米国、フランス、ドイツも載っているのですが、そのインパクトは韓国・北朝鮮・中国の比ではありません。
この資料を見せられて、「全般的に見て日本の自衛隊は増強した方がよいと思いますか、今の程度でよいと思いますか、それとも縮小した方がよいと思いますか」と訊ねられ、「縮小」を選ぶのは難しいはずです。実際、前回も今回も、増強=15%以上、現状維持=60%程度、縮小=10%未満、となっています。
しかし前回調査表では、これに続き、「防衛費を増額した方がよいと思いますか、今の程度でよいと思いますか、それとも減額した方がよいと思いますか」の質問が続いていますが(それへの回答は、増額=11%、現状維持=56%、減額=15%、です)、こちらの資料「主要国の国防費」からは、韓国、北朝鮮、中国(及びロシア)の国々がスッポリと抜けているのです。

実際には、調べてみればわかることですが、ここ数年急増している韓国の軍事予算は2006年においてさえ22兆8千億ウォン(210億ドル)であり、2000年度の日本の防衛費(315億ドル)の2/3の水準です。
(※参考【Wikipedia】韓国軍 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E8%BB%8D

私は軍事に関しては素人以下ですが、米国やロシアやフランス、ドイツなどが、日本と同じように陸上兵力は少なめで、海上、航空兵力に力を入れているらしいところを見ると、陸上兵力が(韓国、北朝鮮、中国に比べ)数の点で見劣りすることを、殊更に強調してみせるやり方はどうかと思うわけです。
国防費の資料に韓国、北朝鮮、中国を載せたうえで、質問すべきです。
そうでなければ、回答者は正しい判断を下したとは言えず、調査結果が正しく世論を反映しているとも言えません(意地悪い見方をすれば、防衛予算を引き上げるための世論操作の一環ではないか、と疑われる可能性さえあります)。
今回の資料からは、そもそも国防費の資料さえ消えています(兵力比較は残っています)。これでは到底、調査結果を公正な資料と見るわけにはいかないでしょう。



なお、前回の調査票にあって今回からは消えている質問はほかにもあります。
例えば「教育の場で(国を守るという気持ちを)取り上げる必要はない」と答えた人への理由を問う質問。前回調査では
 (17.2) (ア) 国を守る気持ちを持つのは当然だから
 (16.8) (イ) その場になったら国を守る気持ちが出るから
 (45.6) (ウ) 教育で高められるものではないから
 (28.3) (エ) いろいろなことに利用され、危険だから
 (35.6) (オ) 軍国主義の復活につながるから
このような選択肢が用意されていました(冒頭の数字は回答者%)。
この質問は、非常に重要だと思います。是非残しておいて欲しかったですね。

この項は、調査結果自体でなく、質問用紙を見ての感想です。できるだけ説得力のある世論調査結果を出すため、内閣府の再考を希望します。


当BLOGのテーマは「日本は今、どうなっているのか」です。
私の興味関心はまずそこにありますので、世論調査にはどれも興味を引かれます。今後も機会があれば、取り上げてみたいと思っています。



◇     ◇     ◇



<蛇足的ご挨拶>

風薫る五月・・・。世間はGW真っ只中ですね。

ところで私は四月、特に後半以降ですが、予期せぬ出来事で突発的に大変忙しくなってしまい、正直、BLOGどころではないという日々でした。
しかしそんな中、ほとんど更新できてないにもかかわらず、連日、少なく見積もっても100名以上の方が来てくださっていたようです。これに気づいたのは昨夜ですが、感謝するやら申し訳ないやらで、なんだか胸が熱くなってしまいました。

私自身の状況は、正直に言えば改善の兆しがあるのかないのか・・・というところですが、できるだけ、時間を見つけて更新していきたいと思います。BLOGタイトル通り、私自身の時間・思考の余白・・・から、キーボードを打つ指先を通して、皆様のいる場所へ。

私同様に頼りない【余白から指先へ】ですが、どうぞ今後とも、宜しくお願い致します。


 
posted by 水無月 at 02:00| Comment(2) | TrackBack(1) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月08日

国民にとって政権交代は目的でなく結果です

民主党の新代表が選出されましたね。

■小沢 一郎(おざわ・いちろう)
昭和17年5月24日生まれ。岩手4区。昭和44年12月、27歳で初当選。自民党中枢の田中派、竹下派に所属し、故田中角栄元首相の「秘蔵っ子」として頭角を現し、47歳で自民党幹事長を務めた。しかし政治改革実現を訴えて離党し、平成5年に新生党を結成、党代表幹事に就任。自民単独政権を崩壊させ、細川連立政権を樹立する立役者に。ほかにも新進党党首、自由党党首、民主党代表代行、同党副代表などを歴任。身長1メートル73、体重73キロ、血液B型。

【産経新聞】より(以下の白地引用もソースはすべて同じ)
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200604/sha2006040801.html

対立候補の菅元代表とは47票差の119票対72票・・・で、これは大差ということになるようです。

私は金曜夜のNHKで知ったのですが、確かにこれまでよりは表情も柔らかめ・・・時代に沿うメディア戦術を意識しているのだな、と感じました。
小沢氏自身も、投票前の政見演説で「民主党も変わらなくちゃいけない。私自身も変わらなくちゃいけない」と言ったらしいですし、ね(笑
ただ、この「変わる」は、あくまで外見・イメージに関してだけのことのようです。
「皆さん(報道陣)への態度をもうちょっと良くとか、ブスッとしてないでもうちょっと笑えとか。変身を心がけたい」

これはこれで良いことだと私は思いました。中身(政策)まで、そうそう気安く変わるようでは、有権者として困惑するほかありませんから。


それよりも私は、政見演説や代表選出後のインタビューでの小沢氏発言が、民主党建て直しのための抽象的な精神論ばかりに傾き、唯一出た具体的な目標(?)が「政権交代」だったことに拭いきれない違和感を抱きました。
「私のようなものが代表に選出され、身に余る光栄」
「全身全霊尽くして一生懸命頑張る」
「(WBCでは)1人1人が個性を発揮して世界一になった。民主党も全員が力を出し切れば、政権交代という金メダルを取れると確信している」
「民主党も変わらなくちゃいけない。私自身も変わらなくちゃいけない」


結局、代表就任前後の小沢氏発言からは、小沢氏がどんな政策を持ち、どういう日本をイメージしているのか・・・を、読み取ることができないのです。
まあこれは、民主党内部の党首選びですから、これでいいのかもしれません(ホント?)。なにしろ、この場合の有権者(選挙人)は民主党に所属する議員さん達です。彼らにとっては、とにかく「党を立て直し(イメージを向上させ)てくれて」「(党員が選挙で当選できるように)精一杯頑張ってくれ」そうな党首が、望ましいわけですからね。

けれども国政選挙の有権者にとっては、まったく事情が異なります。
当たり前のことをあえて書きますが、日本を、国民を、どういう方向へ引っ張ろうとしているのか・・・つまりは政策で、有権者は票を投じるのです。
 Q. 「どういう日本にしたいですか?」
 A. 「政権交代の起こる国にしたいです」
間違ってもそんな政党に票は集まらないでしょう(「政権交代をさせたい」という動機で票を投じる有権者の割合は、今回の民主党首選で河村たかし氏の推薦人に名を連ねた議員さん達の、全民主党議員に占める割合を上回ることはないと思います)。
政権交代は結果であって目的にはなりえないのです。
そこのところを、民主党議員さん達には是非、しっかり覚えておいてもらいたいものですね。

もっとも、民主党内部で、民主党党員の皆さんが政権交代を目標にするという分には、結構なことだと思います。
政権交代を目指し、それが現実味を帯びるほどまで政策を磨いてくれるというのなら、国民にとってこれほど喜ばしいことはありませんから。・・・とまで考えて、私は逆に、「政権交代」くらいしか具体的なことを口にできなかった小沢代表の立場が、理解できるような気がしました。
小沢氏の支持層には、護憲派の旧社民党系から、改憲容認の旧自民党(旧自由党)系の議員までがいます。そして民主党の中にはそのほかにも、前原前代表のような若手グループや、菅氏のような市民派グループまであって・・・。
こういう集団のTOPに選出されようと思えば、下手に政策論など出すわけにはいきません(苦笑
どの党員にとっても耳障りの良い「挙党体制」「政権交代」くらいしか口に出せないのは当然、と言うべきでしょう。

要するに、小沢氏の仕事はすべてが「これから」に掛かっているわけです。自民党以上に右から左まで幅広く個性豊か(笑)な党員達をいかにまとめ、それこそ「挙党体制で」の統一した政策を打ち出せるか、どうか・・・。
小沢氏の指導力が試されるでしょう。


ちなみに、小沢氏は嫌っているらしい「豪腕」という形容ですが、私は悪いイメージとは思いません。実績から見れば、かつて同じ釜の飯を食った仲間に公然と対立候補を送り込んでみせた小泉氏の方が、よほど「豪腕」でしょう。国民一般のレベルでは、かえって小沢氏の「豪腕」ぶりに期待を寄せている人も多かろうと思います。
つまり、「豪腕」がマイナスイメージなのは国民一般レベルではなく、永田町レベルでの話だということです。小泉氏も先の選挙では永田町のお仲間(自民党議員)からは、相当恨まれていましたね。それでも有権者が彼を支持したために、小泉氏は選挙に勝ち、選挙に勝ったことで永田町の不満分子の制圧に成功したのです。
そのあたりのカラクリも是非、小沢氏には正しく認識しておいていただきたいと思います。

なお今回の小沢氏は、事前の根回しによる勝算の目処が立つまで代表立候補の意思を示さず、若手が反発すれば勝ち方にも配慮してみせる(わざわざ選挙を行い、かつ菅氏の待遇も約束する)など、慎重さや丁寧さが目立ちました。
小泉氏との対比で言えば、小沢氏は小泉氏以上に旧来自民党的な選挙戦を戦った・・・と言えるでしょう。

自民党を壊す、ことを公約に党首選を戦い、結果として自民党も救ってみせた小泉氏でしたが、対して
民主党を救う、ことを公約にした小沢氏・・・。さて、今後どのように民主党を変えてくれるのでしょうか。楽しみです。


最後に・・・。小沢氏本人が語ってくれなかったので復習しておきましょう。


主な政治的主張

政党を変遷するその政治的行動を非難される事が多い。しかし政局判断に関しては柔軟に対応することに躊躇はしないが、政治理念、政治哲学に関しては一切の妥協をしない。

・靖国神社への公式参拝
  行く行かないは個人の自由。ただし公約をし、政治信念で行くのならば8月15日に公式参拝を行うべき。

・A級戦犯
  東京裁判は不当な報復裁判。ただし当時の国家指導者は敗戦責任があり、靖国神社から分祀すべき。

・自衛隊の海外派遣
  戦争には前線も後方支援も関係はない。
   ・「集団的自衛権」(イラク戦争型)の行使 ‐ 一部国家による有志連合の参加には反対。
   ・「集団安全保障」(湾岸戦争型)の行使 ‐ 各国が容認した国連軍、多国籍軍の参加には賛成。

・経済政策
  新自由主義的政策に基づく規制撤廃の実施。ただし社会的格差の是正、挫折した経営者、労働者の再起業、再就職の支援制度の拡充が前提。

・在日外国人の地方参政権
  旧植民地政策により日本に移住、戦後そのまま在住した外国人・その家族には歴史的事情を勘案し、限定的に容認。

・労働組合との関係
  未組織労働者や市民層からの支持を増やすことで協調的に労組との関係を維持する。

【Wikipedia】http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%B8%80%E9%83%8E


わざわざ政権交代せずとも自民党の中で十分やっていけそうですが(笑)、そこはそれ、彼はやはり「政権交代」を実現したいのでしょうね。

一党による与党独占が続けば当然に政官業の癒着・・・腐敗を招きます。
だから政権交代は確かに望ましい、と私も思います。しかしそのためにはやはり、政策の違いを前面に出すしかない・・・。

小沢氏は、権力闘争臭の漂う「政権交代」より、「政官業の癒着を斬る」ことをスローガンに掲げるべきだと思います。少なくとも国民には、その方がわかりやすく、受けも良いでしょう。


小沢民主党の前途・・・若干の期待を込めつつ冷静に、今後とも見守りたいと思います。

 
posted by 水無月 at 09:17| Comment(0) | TrackBack(4) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月25日

被害者かそれとも・・・(メール問題)

メール問題。
「もう飽きた」との声も聞かれますが、動きがあったようですね。
とりあえずこちら↓。


■永田氏答弁の骨子
 一、メールを持ち込んだ「フリー記者」は西沢孝氏で、出版社役員
 一、氏名を明かしたのは、偽物の情報をつかまされ、友好な信頼関係はないと考えたため
 一、メールの作成者はいまだに分からない
 一、メール提供は西沢氏の自己実現と、私の功績にしてほしいというのが動機だと思う
 一、西沢氏に雑誌購入費42万円を支払ったが、対価であり情報の見返りでない
 一、自分はだまされたと思っている。被害者であると同時に加害者であることは間違いない
 一、政治に国民の信頼を取り戻すことが自分の責任の取り方


以上サンスポ【永田氏がついに情報提供者公表…“いわくつき”のフリー記者】より
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200603/sha2006032501.html


「メール仲介者は、西澤孝氏」と永田議員。
「事実無根だ」と西澤氏(笑
(念のため末尾に報道資料を載せておきます)

(ちなみに、これに関係して錯綜したネット情報については
 【世界の中心でヲチをするノケモノ】(plummetさん)「嘘つき?」
 が的確にまとめてらっしゃいます。参考までに。
 http://d.hatena.ne.jp/plummet/20060324/p2
 「西澤」が本名、「F」は一種の筆名・・・というのが正解だと私も思います)


というわけで本題ですが、バッシングに耐えられず五月雨式に情報を垂れ流す民主党。実に痛いですね、というか痛々しいと言うべきでしたか(苦笑
どちらにせよ幕引きは遠いです。なにしろ西澤氏は否定しているのですから。これはもう、とことん行くところまで行ってもらわねばなりません。証人喚問なんて茶番劇・・・見たいですか? 私は時間の無駄だと思いますがね。謝罪広告も要りません。広告に何千万支払ったか知りませんけど、それで事が済むのは代議士先生の間だけのことであって一般人は到底納得できないと思います。

武部氏次男さんには是非、永田氏を名誉毀損でもなんでもよいから告訴して頂きたいものです。そして永田氏には西澤氏を法廷へ呼んでもらいましょう。武部氏次男さんが告訴しないなら永田氏単独でも西澤氏を告訴すべきです。なんといっても42万円(!)で偽情報を掴まされたわけですからね。
民主党党首前原氏は42万円の情報で「党首討論を楽しみにしててください」とTV視聴者に大見得を切り、民主党は結党以来最大の危機を迎え、国民は最大野党への信頼を失ったわけですか、そうですか。どうもありがとうございます。
こうなったら是非とも永田氏言うところの「自己実現」の舞台を西澤氏に用意してあげたくなりますね。それには国会なんて狭すぎます。白黒キッチリ決着のつく舞台の方が相応しいでしょう。自己実現、結構です。良いじゃないですか。ついでに永田氏にも前原氏にも思う存分自己実現してもらってかまいません。国民の方は42万円の自己実現、最後まで見届けずにはおかないでしょう。


そして時間は前後しますがこちら↓。

産経新聞【メール問題 民主また難題 野田氏「墓場まで持っていくしか…」】(03/24 07:48)

 馬淵氏のホームページにある今月八日付「不易塾日記」によると、同二日夜、馬淵氏が東京・神楽坂のバーに野田氏を呼び出しカウンターでグラスを交わした。馬淵氏が「十分なお役に立てなくて申し訳ありません」と話すと、野田氏は「いやー、いろいろあったけど墓場まで持っていくしかねぇなー」と笑って話したという。

 墓場まで持っていかねばならないメール問題の核心情報とは、どんな内容なのか。問題が収束しない中、火に油を注ぐ野田発言に同党の若手議員の一人は「野田氏も野田氏だが、それをホームページに載せる馬淵氏も同罪だ」と怒り心頭だ。


 馬淵氏は耐震強度偽装事件の追及で注目を集めたホープ。あまりの能天気ぶりに党内の失望感は極限に達している。

http://www.sankei.co.jp/news/060324/sei035.htm


馬淵氏がホープ・・・。そうでしょうか? そうなんですかね??


【まぶちすみおの「不易塾」日記】「前人未到の荒野」(2005.12.20)

自民党による証人喚問拒否をどう突き崩すか!?。

この新たな命題に向かって、徹底的にメディアを使ってのアピー
ルを展開してきたこの二日間なのだが、いよいよ新たなチャレ
ンジを試みた。

ブログとのコラボレート(協働)である。

多くのメールやファックスや電話でもお知らせいただいていた、
ネット上のブログ、「きっこの日記」の作者との共同作業を思
い立ったのである。

国会質疑の中で、激励いただいた方々からの情報によって知っ
たこのブログの作者がどのような方かはまったく存じ上げない。
しかし、新たな大衆の声として、大きな支持を得ていることだ
けは事実である(読め!との連絡ひっきりなし!)。

全国会議員への、証人喚問の是非を問う緊急アンケートの実施
要望!。「理事会が決めた」、「委員会が決めた」とは言わせ
ない、「あなたは、どう思う?」と国会議員の生の声を問う、
ネットからの発信。

果たして、どのような結果になるかはわからない。
が、おそらく憲政史上初めての、「ネット連動型国民運動」で
ある。

もはや、個人の活動領域を超えることになるが、とりあえず今
日、おそばについていた野田国対委員長にもご相談申し上げる。

「素晴らしい!。前人未到の荒野のごとき、大国民運動になる!。」

の言葉をいただいた。
やるしかない。
もはや、止まることはできない。

http://www.election.ne.jp/10679/archives/0002241.html


このブログの作者がどのような方かはまったく存じ上げない」と自ら認めるネット上の人物と、いとも容易くコラボレート(協働)してしまうホープ・・・。
それを「素晴らしい!。前人未到の荒野のごとき、大国民運動になる!」と激励する国対委員長(当時)の野田氏・・・。
メール騒動はどうやら起こるべくして起こったもののようですね。

大国民運動・・・は民主党バッシングとしてめでたく実現したようです。
お望み通り到達した「前人未到の荒野」からの眺めはいかがですか?


とりあえず民主党には、一刻も早く永田氏を辞任させ、執行部の指導力を見せてもらいたいものです。
そして西澤氏やメールを巡る疑惑のあれこれにハッキリと片をつけること。しかしこんな問題をいつまでもダラダラ引きずられては国民が迷惑するだけですから、関係者には即刻司法の場に移動してもらいたいですね。野田氏にももちろん、墓場まで待たず今すぐすべてを語ってもらいましょう。

ネット上には根強くきっこ氏と西澤氏、また元オウム信者の松永氏との繋がりを指摘する声があります。話題性も十分ですからネット上の世論が今後も加熱することは避けられそうにありません。
そうであれば、民主党としては自ら「疑惑」を積極的に解明する(解明に協力する)姿勢をこれでもかと鮮明に打ち出すしかないでしょう。
そうでなければ民主党が意図するような、騙された善意の「被害者」になど到底なれませんよ。


被害者・・・でなければなにか。ただの敗残者でしょう。



◇以下報道資料

【<偽メール>4日にも西澤氏の証人喚問 衆院懲罰委】
(毎日新聞) - 3月25日1時13分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060324-00000116-mai-pol

 衆院懲罰委員会(岩國哲人委員長)は24日の理事会で、偽メール問題をめぐり、永田寿康衆院議員(民主党員資格停止中)がメール仲介者として公表した西澤孝氏の証人喚問を来月4日にも行うことで合意した。証人喚問は全会一致が原則で、29日の同委員会で正式に議決する見通しだ。懲罰委が議院証言法に基づく証人喚問を行うのは初めて。理由なく出頭しなかった場合は同法により、1年以下の禁固または10万円以下の罰金が科される。
 民主党は当初、証人喚問に慎重だったが、西澤氏が代理人を通じ「(メール提供は)事実無根だ」と主張。永田、西澤両氏の説明が食い違ったため、喚問に応じる姿勢に転じた。同党の鳩山由紀夫幹事長は24日の記者会見で、喚問を受け入れる理由について「(西澤氏に)正直に質疑に答えていただくよう、証人喚問を求めた」と説明した。
 岩國氏は理事会終了後、記者団に対し「来月6日には結論を出したい」と述べ、証人喚問後、早期に永田氏に対する懲罰内容を決める意向を示した。しかし、自民党の逢沢一郎幹事長代理は24日、懲罰委での質疑について「真相の全面解明にはほど遠い」と指摘。今後の焦点として(1)メールの授受をめぐる永田、西澤両氏の説明の食い違い(2)メール作成者の名前と目的――などを挙げた。【平元英治】
   ◇
 衆院懲罰委が証人喚問を決めた西澤孝氏の代理人、和久田修弁護士は24日、毎日新聞の取材に対し「証人喚問が決定したということで本人と話した。慎重に対応しなければいけないので、今日の段階では具体的なコメントを控えたい。証人喚問を受けるかどうかも含めて検討する」と述べた。


posted by 水無月 at 20:20| Comment(3) | TrackBack(3) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月16日

受け入れる側の論理

個人的には、以前(3/6)にUPした【松本被告次男入学拒否のニュースで思うこと】(http://yohaku.seesaa.net/article/14272155.html)で「この問題に、私はまだ決着をつけられていません」などと保留にしておいたツケが回ってきたような気がしました。


【 経 緯 】

「アルファブロガー」松永英明氏が元オウム真理教信徒であった過去を自ら認めました。


・過去の経歴の部分については、野田さんの公表されたとおりです。

・現在、私は団体に所属していません。そこから飛び出したという表現がしっくりくるかと思います。

【備忘録ことのはインフォーマル】
http://d.hatena.ne.jp/matsunaga/20060313#1142201603


(管理人注・・・「野田さん」は【ESPIO】の野田敬生氏のこと。
 以下【ESPIO】より引用)

4.「河上イチロー」
 河上イチロー・・・90年代後半に活躍した伝説的なネットワ
ーカーである。筆者と同年代のネット利用者ならその名を知らぬ
者はいないだろう。「河上イチロー」は勿論ペンネームだ。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4947737026/

 河上氏はかつて "Der Angriff"(ドイツ語で「攻撃」の意)と
いうHP(掲示板群)を主宰していた。長らく何者であるかは誰
にも分からなかった。しかし、後にオウム信徒である(あった)
ことを暴露され、2000年10月、「河上イチロー」という架
空人格はネット上から姿を消した。

・・・(中略)・・・

筆者はある調査を通じて、「松永英明氏=河上イチロー氏」で
あることの客観的で、かつ動かぬ裏付けを取ることに成功した。
 今回の記事で上記4のとおり指摘するのは、決定的な根拠が存
するからに他ならない

【ESPIO ■M.V.Project HONDA Sigekuni Vol.405 02/27/06】
http://espio.air-nifty.com/espio/2006/02/mvproject_honda.html



こうした経緯は、私個人にも少なからぬ衝撃を与えました。とはいえ、私は松永氏も、その主たる活躍の場であり結果であった【絵文禄ことのは】も、「アルファブロガー」という言葉ともども、つい最近まで全く知らなかったのですから、衝撃を受けたといっても、それは
「自分も利用していた『BLOG』あるいは『インターネット』という世界でのすぐ隣人に元オウム信徒がいた」
という事実からもたらされるものです。

私自身がこのニュースに触れた経緯は以下の通りです。
まず耐震強度偽装問題に関心を持つ
→この事件で一種のスクープを飛ばし続けていたらしい【きっこのブログ】の存在を知り、その管理人が誰かという話題がネット上で盛り上がっていることを知る
→【絵文禄ことのは】の松永氏が【「きっこの日記」五年分すべてを通読してわかった。きっこの正体(きっこの日記検証1)】で始まる一連の記事をUPしていたことを知る
→民主党メール問題が起こる
→政治とインターネットとの関わりについて、深浅広狭は様々なれど興味関心あるいは問題意識を抱く
→上記問題意識から巡らせていたアンテナに当ニュースが引っかかった

つまり、私が【きっこのブログ】や【絵文禄ことのは】を知ったきっかけは現実の政治であった、ということです。逆に言えば、それらのサイトが現実の政治に関わらない限り、少なくとも私に関しては、【きっこのブログ】や【絵文禄ことのは】を知ることはなかった、ということ。
私にとってこれは意味を持つ事実です。


【 元オウム信徒を受け入れるには 】

松永氏のニュースに触れた時、私が一番に考えたのは、私が元オウム信徒であったらどうするか・・・ということでした。
それは結局、サリン事件等を団体で起こしたオウム真理教という組織に人生の一時期所属していた人間は、その後どのように社会へ戻ってゆくことが可能か、という問題と同じです。
けれどもその問題を考える前に、私は幾つもの根本的な前提となる問題があることに気づきました。それは例えば以下のようなことです。

・オウムとアーレフを同じものと看做すのか、それとも別物と考えるのか。
・オウムは宗教団体か、それともテロ組織か。

私の理解では、「オウムは宗教団体でありかつテロ組織であった」が、「そこから人的資源や教義等その他諸々を引き継いで存在しているアーレフは、宗教団体としてのみ存在を許されている」、というものです。だからアーレフは現在も(テロ組織化しないよう)公安組織から監視されているのでしょう。

さて、そういう前提で考えてみます。
かつてオウムに在籍したことのある人間はどのように社会へ戻ることができるのか。
私にはふたつの道しか考えられません。

 @ オウム的価値観から完全に離れ(したがってオウムの教義を引き継ぐアーレフからも当然に脱退し)、日本社会の価値観を受け入れこれに従って生きる。
 A 宗教的教義を含めたオウム的価値観から完全に自由になることができないならば、(アーレフに在籍するにせよ脱退するにせよ)オウムへの批判を自己への批判として甘受しつつ生きる。

失われた命が決して元には戻らないように、オウムの罪は事実(歴史)として残り、永久に消えることはありません。
そうした団体にかつて一度でも共鳴してしまった過去を持つ個人としては、罪の象徴=オウムと自己との距離感をどのように取るか、というくらいことくらいしか、もはや取るべき道はないように思うのです。
そしてもちろん、@であるにせよ、Aであるにせよ、オウムの罪と自己との関わりを最大限真摯に、極限まで、突き詰めたあとでなければ、社会への復帰など不可能でしょう。
たとえば、オウム組織のごくごく末端に所属し、教団が反社会的行為等に関わっていたことを全く知らなかった場合であってさえも、そうした組織であると自分が見抜けなかったこと、密かに殺人を計画し指示していた「教祖」の教えに自分が共感を覚えたこと、などを突き詰めなければならないはずです。
そしてそこを突き詰めてゆけば、自身の判断力や思考力への疑義が当然に生じるはずです。
それはつらいことに違いないだろうと思います。かつての自分を否定することにも通じるでしょう。けれどもまた、そうしたつらい、魂から血の吹き出すような反省や自己否定を経たあとでなければ、日本社会は彼らを受け入れることはできないだろうとも、思うのです。オウムはそれほどのことをしでかしてしまった・・・わけですから。


【 松永氏の場合 】

回りくどいですが、私は以上のようなことを考えてからでなければ、松永氏をどのように私自身が判断すればよいのか、考えることができませんでした。
松永氏はかつてオウムに所属し、今は離れたと述べています。松永氏を私が知ったのはつい最近であり、彼の著書やウェブ上での発言を私は大部分知りませんでした。また、私が彼を知ったのは私自身の現実の政治への関心からです。
以上のようなことを考え合わせると、残念ながら、私はまだ松永氏の発言を完全には受け入れることができない、と判断せざるを得ません。つまり、松永氏の現在、そして過去の発言を額面通りに受け取る(信じる)ことは留保したい、という意見です。


私の疑問は、なぜ彼がオウムやアーレフを脱退したにもかかわらず、あえて政治に近づくような発言をした(【きっこの日記】に関する記事をUPした)のか、ということです。
松永氏はオウムやアーレフとの現時点での関わりを否定しています。そうであれば、過去を暴かれることは氏の望むところではなかった・・・はず。世間で話題になっている事柄に関して発言すれば、当然、自身も注目を集め、結果として過去を暴かれる危険も予想できるでしょう。また、本当にオウムやアーレフとの関係を絶ち過去を清算していたのであれば、自身の判断力や思考法には強い疑念を抱いて当然なのですから、政治的な意味を持つ問題に関しては尚更、発言を控えておこうと思うものではないのでしょうか。
松永氏はそのほかにも、民主党や自民党の主催する著名ブロガー懇談会へ出席しています。これもまた、明らかに政治へ近づく行為です。

松永氏自身は以下のように述べています。


・民主党・自民党の懇談会については、完全にブロガーとしての立場ならびに思考で参加させていただきました。私自身、ここまで問題視されることであるという認識はなく、その認識の甘さについては、ご迷惑をおかけした各方面にお詫びせねばなりません。しかし、私は単に「ちょっと違ったところでおもしろい話が聞けて、それを皆さんにお伝えする」というだけの気持ちで参加したものであり、それ以上でもそれ以下でもなかったという事実については申し添えねばなりません。もちろん、そのように認識が甘かったということについては、批判を受けねばならないと考えています。
【備忘録ことのはインフォーマル】「一連の疑惑について」
http://d.hatena.ne.jp/matsunaga/20060313#1142201603


とりあえず、元オウム信者は今の日本社会において「終身執行猶予つき終身刑」みたいな状況に置かれているわけです。つまり、何か悪いことをするんじゃないかという目で見られ続け、しかもそれは死の瞬間になって「ああ、この人は何もしなかったね」ということでしか証明できない。言い換えれば、今、私がすべてを証明することなどできやしないので、今までどおり、読者の役に立つ(あるいは知識としておもしろい)話題をブログで提供し、役に立つ本を書き続ける、あるいはその他何か社会の役に立つ事業を行うという方向性を保ち続けて寿命を迎える以外に道はないと思う。この人はもしかしたら何かたくらんでるんじゃないだろうか、と疑われ続けるという状況からは、死ぬまで逃れられないだろう(もちろん、相手によるが、社会一般として)。

【備忘録ことのはインフォーマル】「今の気持ち」
http://d.hatena.ne.jp/matsunaga/20060315#1142387396


以上からは、元オウム信徒として社会から特別視されることの被害者意識は読み取れますが、かつてオウムに所属していた自身の判断力や思考法を疑い、そこから苦しみながら立ち上がった、という精神的苦闘の痕跡は一切窺えません。

精神的苦闘の痕跡が窺えないから、彼が苦闘しなかった・・・とも、言い切れないものと思います。私は松永氏に関してほとんどなにも知りません。彼はもしかしたら、真摯に反省したことを公にする行為へ一種の「恥ずかしさ」を感じるような性格の人かもしれない、からです。

けれどもそのように好意的に考えてもやはり、なぜあえて政治的な意味を持つと受け取れる行為をしたか、という疑問は残ります。
(この疑問は、松永氏がアーレフにとって利益になるようななんらかの目的意識の下に、これまで計画的に発言してきたのではないか、という疑いへと道を開くものでもあります)


【 受け入れる側の論理 】

私は、以前にオウム信徒であった人は、その過去を隠したまま、社会に政治的な影響を与えるかもしれない行為をすべきではない、と思います。
いや、すべきでない、というより、して欲しくない、という方が正確かもしれません。かつてオウムが○○省といった国の機関を模したような内部組織を作り、どうやら本気で国家転覆を企てていたらしいと思われる節があり、事実としてサリン事件等複数の凶悪な犯罪行為を起こしていた、ことからすれば、そうした警戒心を社会の側が持つのも当然と思います。元オウム信徒であった人は、政治的や社会的発言を控えるか、そうでなければ自己の立場を明らかにしてから発言すべきでしょう。例えばアーレフのように。

だから松永氏もまた、政党主催懇談会への出席を辞退するか、もしくは、出席する前に過去を自ら公表すべきでした。さらには【きっこの日記】のようになにかと注目を集めるBLOGに関しては発言しないような注意深さを持つべきでした。
彼が本当にオウムから脱却し日本社会への復帰を望むのであれば、最低でもその程度の誠実さ(日本社会へ対する)を示して欲しかったのです。そしてこの誠実さを示してくれないまま、こういう形で過去が明らかにされてしまった以上、もはや自己の発言が額面通りには受け入れてもらえない、という現状を甘受するほかはない、のではないでしょうか。

松永氏は懇談会へ出席したことに関し、「認識の甘さについては、ご迷惑をおかけした各方面にお詫びせねばなりません」と述べています。
正直、私はこの一文にも引っかかりました。彼の認識は確かに甘かったでしょうが、問題は、その甘さがなにに由来するものか、現在もなお彼が突き詰めて考えているとは思えない、ことです。

その認識の甘さ、つまり認識の(日本社会の側が持つそれとの)乖離、こそ、オウムの犯した犯罪への視線の温度差、にほかなりません。
日本社会へ復帰するとは、このオウムの犯罪に対する日本社会側の認識を、その本人(元信徒であった人)も共有する、ことが不可欠です。この認識の共有が確かになされている、と感じられるまで、社会の側は残念ながら受け入れることはできないでしょう。
けれどもまた、社会の側は、彼らに帰ってきて欲しいと切実に願っているのも事実だと思います。真摯に教団と自己を突き詰めることでなんとかこの乖離を埋め、ひとりでも多くの元信徒の方々に、帰ってきて欲しいと思っています。


 
posted by 水無月 at 14:25| Comment(2) | TrackBack(2) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月06日

松本被告次男入学拒否のニュースで思うこと

気になったニュース。


【松本被告の次男の入学拒否 埼玉の私立中】2006年03月02日20時13分

 オウム真理教元代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(51)=一審死刑、控訴中=の次男が私立中学を受験して合格したが、学校側が入学を拒否していたことが2日分かった。

 入学を拒否したのは埼玉県春日部市の春日部共栄中学校。次男の代理人の弁護士によると、合格発表は1月18日。入学金を支払った後の2月7日、学校側から電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言われたという。

 学校側は2月11日、代理人の弁護士に対し、学校敷地内への次男の立ち入りを禁ずると通告。その後、「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。入学金などを返還するため振込先の口座を教えてほしい」と内容証明郵便を送ってきたという。次男の代理人は「仮処分申請や提訴を含めて対応を検討したい」としている。

 松本被告の三女も03年と04年、合格した複数の大学に入学を拒まれた。このうち和光大について、東京地裁は今年2月、「不許可は違法」として損害賠償を命じる判決を出した。三女は別の私立大にも入学を拒否され、学生としての地位保全を求める仮処分を申請。東京地裁がこれを認め、現在はこの大学に通っている。

 〈春日部共栄中の矢口秀樹校長の話〉 中学生は互いに影響しあいながら勉強することが大事。保護者も安心して通わせることを求めている。教団の影響下にないとは言い切れない生徒を入学させれば大きな支障が出る恐れがある。本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。

asahi.com http://www.asahi.com/edu/news/TKY200603020305.html



実を言えば、私自身がこの記事を見て最初に思い出したのは【ハンセン病患者がホテルに宿泊を断られたケース】でした。とはいえそれはなにも、ハンセン病患者(元患者)がオウム関係者のように恐れられ、差別されている、という意味ではありません。学校長は「保護者の心理」を理由にし、ホテル側も「ほかの宿泊客の理解」を理由にしていた、そこに同じような匂いを嗅いだのです。
オウムということで次に私が思い出したのは、同じオウム(現アーレフ)信徒の【住民票拒否問題】です。そこでもやはり「住民の安心・安全」が転入届拒否の理由になっていますね。

法曹界の判断は一貫しています。松本被告の三女は入学が認められ、自治体の住民票(転入届)不受理は違法行為とされました。おそらく、この次男の件も、司法の場では学校側主張は退けられるでしょう。

人権・・・という問題は、決して簡単ではないのだと思います。
人権を重視する立場の人は、松本被告の子女やアーレフ信徒にも人権を認めるべきでしょう。それは口で述べて終わりというのでなく、もっと身近に、たとえば自分や自分の子供が通う学校に同被告の子女や信徒がいた場合にどうか、自分の隣に教団道場が引っ越して来たらどうか・・・とリアルに想像してみた時に、反対運動もせず差別もせず・・・が確かに実践できると己を信じられるまで、考えてみる必要があるのではないかと思います。
そのように揺るぎなく自己を信じられないのであれば、ハンセン病患者の宿泊を拒否したホテルを責めるのは、なんだか「ズルイ」ような気がするのです。

ハンセン病患者のケースでは、世論は圧倒的にホテル側の無知・無理解(差別)を批判しました。そうして世論の大勢が決まっている中では、ホテル側を批判することは容易でしょう。しかし人権を考える上で本当に重要なのは、今回のように、差別の被害者側が世論の応援を得られない場合、なのだと思います。

私も含め、大抵の日本人は「ズルイ」のではないかと感じています。まあ、ほかの人はともかく、私は自分のズルさを自覚しています。
私が自分をズルイと感じるのは、学校側の言い分もわかってしまうことです。私は、アーレフの転入に反対した地域住民の人々の気持ちも、わかってしまいます。もし、私の子供が通う学校にアーレフの信徒がいて、彼らと息子とが仲良しだったら・・・私は不安に思うと思います。できれば、そういう状況には陥りたくない(=息子と仲良くなって欲しくない)、と率直に思う私自身がいます。それを私は知っています。
松本被告の子女が在籍しているからという理由で子供の受験校を選ぶこと、まではしないと思いますが、子供には入学式の前に、注意するよう言うかもしれません。また「松本被告の子女がいるからこの学校は受験しない(子供に受験させない)」と言う人が、もし万一周囲に実在したとしたら、私はそれを批判することはしないと思います。そういう選択もあるよね・・・と、相槌を打つと思います。
私はそういう人間だということを、私自身は知っています。
だから「学校側の主張は退けられるでしょう」と述べるだけでは済まない「居心地悪さ」を、私自身が感じるのでしょうね。


この問題に、私はまだ決着をつけられていません。
司法の判断がある。それはわかりました。人は親を選ぶことはできないのですから、親を理由に差別されることの理不尽さもわかります。一方で、現状の平穏を乱されたくない、という気持ちも、私にはわかります。
法が不備だ、ということは感じません。オウムが悪い・・・それはもうわかっています。

問題は、法の理念(人権)と、私の皮膚感覚での幸福観とが必ずしも一致していないこと。
そして私の感じる居心地悪さの原因は、両者が相反した場合にどちらを優先させるべきか、私自身が自己の立場を決めかねている・・・ことにあるのだと思います。
理念と、個人の幸福観とが一致しない場合には、後者を優先させればいいのでしょうか? それが大人というものでしょうか。しかしそういう「大人」の集大成としての社会が、個々の差別を許し、大袈裟ですが場合によっては戦争の後押しさえしてしまう・・・こともまた、明らかなような気がします。

難しい問題ですから、今後も折に触れ(BLOGで書くとは限りませんが)、私は考え続けていくと思います。



 
posted by 水無月 at 05:08| Comment(6) | TrackBack(3) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月02日

民主党が失ったもの(メール騒動)

メール問題。
28日、永田氏はお詫びの会見をし、民主党も声明を出し、前原代表が陳謝、野田氏は辞任しました。
与党は対応が不十分としてなお攻勢を強めている段階です。

前々回のエントリ【民主が第一野党でいる限り、自民党は安泰です(メール騒動)】
http://yohaku.seesaa.net/article/13776553.html
で私は民主党を批判しましたが、その中身をもう少し説明しておこうと思います。

まず、与党を応援するのか、野党を応援するのか、という二者択一的な判断を、私は取っていません。民主党がどうしようもないダメ野党だったら自民党を応援するのか、と問われれば、私の答えはNOです。
メール一本ですっかり霞んでしまいましたが四点セット
◇耐震偽装問題・・・設計士が自己の業務を全うできなかった理由はなにか、なにがそれを許したのか。システムに問題はないのか。システムのどこをどう直せば少なくとも今よりマシな建築物ができるか。そのシステムを概観し、制御すべき国交省(行政)と民間検査機関を含めた建築業界との癒着の構造はないのか。

◇ライブドア問題・・・実体を伴わない企業が易々と「錬金術」で時価を上げてしまえたのはなぜか。証券関連法、金融システムに問題はないのか、錬金術師達と政界との間に癒着はなかったのか、あったとしたら政治家達は彼らになにを与え、なにを見返りに得ていたか。そして株価暴落で問われる「自己責任」の中身とはなにか。国民はなにを覚悟し、なにを期待していいのか。

◇米国産牛肉輸入再開問題・・・最初の再開時の経緯に不透明な点はなかったか、政府はなぜ世論の反対を押し切ったのか、海外からの圧力に屈したのではないか。そしてなぜ米国は約束を守らなかったか、今後守らせるためにはなにが必要か。その方策はあるのか。誰が責任を持って海外生産の牛肉の安全性を保証するのか。それとも保証は不可能なのか。

◇三十年来の防衛施設庁官製談合問題・・・これまで国民の税金はどういう使われ方をしてきたか。談合をなくすにはどうすればいいか、政府は本当にそれをやる気があるのか。


思いつくままに書きましたが、これら四点セットは結局のところ、日本の「社会システム」自体の不備に根ざす問題です。
そしてこの社会システムは言うまでもなく、現在も政権にある与党・自民党が中心になって作り上げたものです。その自民党は今、「官から民へ」を標榜し、道州制の導入なども視野に、更なる自由化・小さな政府化を目指そうとしています。
小さな政府が「なにもしない政府」では困ります。耐震強度偽装は民間検査機関であろうと公の検査機関であろうと行われたであろう(実際行われていた)というのが私の認識です。しかし今後政府がより小さくなる中で、事件の再発を防止するためにはなにが必要なのか・・・という議論は、「小さな政府化」議論とは切っても切れない関係にあるはずです。再発を防ぐためには今より強大な公(つまり大きな政府)が必要なのか、それとも小さな政府でも防止は可能なのか、そういう議論も大切です。また、被害者への補償・救済の観点も重要でしょう。偽装マンションを買わされた善意の住民を公が税金で救済する、となったらとんでもないことです。消費税は50%程度に上げなくてはならないでしょう。なにしろ偽装マンションだけでなく、すでに始まったアスベスト被害者への補償や、もしかしたら今後発生するかもしれないBSE被害者・・・などへの救済も考えなくてはなりませんからね。

つまり、小さな政府を実現するためには、公の適正・厳格な社会システム構築が必要不可欠なのです。耐震偽装問題なら、偽装が不可能なシステムと、もし偽装が起きてしまった場合の税金によらない(民=業界による)被害者救済の仕組みが必要です。BSE問題も同様。最大限の安全性を政府が保証する仕組みと、それが万一破られた場合の責任の取り方・・・までが大切です。
そういう時期に、官製談合が延々と続いていた実態が暴露されました。小さな政府は官製談合とどう向き合うのですか? 消費税が上がる一方で福祉は切り捨てられ、官製談合と天下りが延々と続く・・・政府なら真っ平御免です。
公の関与する範囲が狭まる・・・できる限り民間の競争にさらす・・・となれば、必然的に格差は広がります。それ自体は仕方のないことと私個人は捉えています。しかしその前提には、公正なルールの適用がなくてはなりません。ライブドア事件・・・。ルールはどこまで透明でしたか? 抜け道や穴が多すぎませんか? それを埋める努力を行政は真摯に行っていてくれるのでしょうか。

私は今、日本は大きな曲がり角に来ていると感じています。今後の近いうちに憲法改正が議題に上がるかもしれません。自衛隊の位置付けも変わるかもしれません。皇室典範も変わり天皇観が大変革するかもしれません。県はなくなり道州制になるかもしれません。そういう大切な時期に、日本は今、来ています。
小さな政府化は、おそらくこのまま進むでしょう。自民党を批判し、小さな政府化を拒む立場があってもいい、と思います。それは社民党や共産党がしてくれればいいでしょう。
ただし、反対し、玉砕するだけでは困ります。
どうせ小さな政府にならざるを得ないのなら、せめてできるだけ良いシステムを作って欲しいのです。そのために、これまで日本を主導してきた自民党にすべてお任せというのでなく、どこがどうまずいのかを指摘し、より良い修正に導いてくれるような、価値ある批判者を私は期待しています。それは改憲などほかの問題にも通ずることです。

私が二大政党の片側となった民主党に期待したのは、そういう役割でした。
前原党首の対案路線も、私は批判しません。結果として自民党と似た政策になったとしても、それが真摯に日本の未来像を考えた上での結論なら、かまわないと思います。大事なのは、日本の社会システムを構築する力、なのだと思います。政治家の役割とは本来、それだったのではないでしょうか。

自民党の作り上げたシステムに、私は決して同意しているわけではありません。
むしろ疑問を持ち、批判的であるからこそ、別のシステムを呈示し、我々に選択のチャンスを与えてくれる政党を、心底から待望しているのです。


それなのに・・・。この極めて大切な今の時期に・・・!
今回の国会質疑で民主党がしたことはなんでしょうか?
与党幹事長の送金疑惑を追及することも、確かに無意味ではないでしょう。しかし私に言わせれば、政治家個人の送金(献金?)疑惑など四点セットの前ではあまりに小さな問題です。幹事長を失脚させることと、日本の未来像を描き出すことと、どちらが重要ですか?
私の感覚では、メール問題にかける時間など1〜2時間で十分です。それがもし根も葉もある事実なら、暇でスキャンダルに飢えたジャーナリストや、それこそネットで活躍する敏腕ブロガー諸氏が、放っておいても追及してくれるでしょう。政治家の役割は献金疑惑の追及ではないはずです。
そんな些細な問題より、官製談合の実態解明や、耐震偽装問題への政府の取り組みの問題点を、じっくり炙りだして欲しかったのです。それこそが真の野党の役割ではないでしょうか?

私が思うに、前原民主党は「日本をどうするか」より「自民党をどう攻めるか」に力点を置きすぎたのです。国民の立場に立てば、与党が自民であろうが民主であろうがどうでもよいことです。どの政党でも良いから、「日本をより良い方向へ導いてくれそう」な政党に票を投じる、それが有権者の心理ではないでしょうか。
政権交代を狙うというなら尚更、民主党は「日本をどうするか」を描き出すべきでした。敵(自民党)を攻めるのは二番目で良いのです。
その優先順位が、決定的におかしい。これが今の民主党です。今回のメール騒動では、それが否応なく明らかになりました。もし優先順位がきっちりしていれば、メールの信憑性を問われた早期、まだ傷も浅いうちに素早く引き返す決断ができたはずです。
国会の質疑時間は国民全体の共有財産でもあります。そうした視点も、まったく欠けていました。前原民主党の目に映っているのは「国民」ではなく、まず「自分=民主党」次に「敵=自民党」、一番最後に「有権者」です。これははっきりわかりました。

そして最後に前原氏です。彼には心底失望しました。期待していただけに、脱力感で立ち上がれない思いです(大袈裟!)
これが国会の場で、本当に良かったです。考えてもみてください。もし民主党が政権を取ったら、そして前原氏が総理大臣となり、外交の場で、各国首脳を前にあんなハッタリを言うようなことにでもなれば・・・!
国内の話だから、お詫びや陳謝程度で済みますが、もし外交であんなことをされたら、日本は簡単に吹っ飛んでしまいます。中国、米国、ロシア、EU、イスラム諸国・・・。どの国が相手であっても、あんな人では怖くてとても表に出せません。大局観がまるでなく、手持ちカードの確認もせずにその場の勢いで突っ走り、かつ周囲の忠告にも耳を貸さず、しかも態度だけは妙に迫力があるのです。最悪です・・・(困

政治は政治なのです。
「巨悪がある」・・・。それはおそらく(想像ですが)真実でしょう。しかし国政を預かる政治家が言うことではありません。確たる証拠もなく「巨悪」で政治を動かされてはたまったものではないからです。
「巨悪がある」・・・だから「中国は脅威」ですか? イラクでは? 「巨悪がある」だから米国と手を組むのですか? あるいは逆に手を切るのですか? なにも材料がないのに、「巨悪」というイメージで突っ走り、それを理解せよと国民に求められても困るのです。
私が言いたいのは、発想があまりにお子様だということです。素人並です。とても政治家とは思えません。そうした「巨悪」こそ、ジャーナリストや無償で勤勉に活躍する一般ブロガー諸氏に任せておけばよいじゃありませんか。有権者が議員バッジを預けた政治家達に望むのは、献金疑惑追及でも「巨悪」でもなく、「政治」なのです。

この点で、自民党の方がずっとまともだ・・・と、思ったことを、私は正直に記しておこうと思います。
自民党の作り上げたシステムは欠陥だらけ穴だらけで、今後もその穴はますます広がるかもしれません。政官業の癒着は甚だしく、政治家諸氏は金太りしているに違いありません。しかしそれでも、民主党よりはマシに「政治」をしている・・・ようにしか見えません。なぜなら民主党は「政治」未満のことしかできていないから。

今回のメール騒動・・・私は終始、非常に哀しい気持ちでいました。
この哀しさは、代表の首が変わった程度では到底埋め合わせできません。

同じような気持ちを味わった有権者は、日本中に大勢いるような気がします。


 
posted by 水無月 at 08:35| Comment(3) | TrackBack(0) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月25日

民主が第一野党でいる限り、自民党は安泰です(メール騒動)

とりあえずまとめてみました。



2月16日
【午前中 衆議院予算委員会で】
 ライブドア前社長の堀江貴文被告が昨年8月、社内メール
 自民党の武部勤幹事長の二男に選挙コンサルタント費として
 3000万円振り込むよう指示していた、と民主党の永田寿康議員が指摘。
 武部氏や二男らの参考人招致を要求。

【武部氏】
 昼に国会内で記者団に全面否定。
 「衆院予算委の理事が私の息子に連絡をとったところ
 『そういう事実は全くない』ということだった」と全面否定。

【素早い地検】
 東京地検の伊藤鉄男次席検事がコメントを発表。
 「メールの存在や指摘された事実関係は、全く把握していない」

【永田氏】
 予算委終了後に記者会見し、「フリーの記者を介して得た」
 「(受信者については)間接的に知っているが本人の身に危険が及ぶ
 (ため公表できない)」と話し、これとは別に武部氏二男に3000万円規模の
 送金がライブドアからあったことを示すメールがあると語る。

小泉首相
 官邸内で記者団に語る。
 「根拠のないことを、公の場で民主党議員が言うのはおかしい。
  ガセネタをもとに委員会で取り上げるのはおかしい」

民主・前原誠司代表
 「事実であれば許すことができない。小泉さんの責任を含めて
  追及していきたい」 党代議士会にて。



2月17日
【自民側】
 武部氏は自民党役員連絡会で改めて否定。
 「次男と会社のすべての銀行口座、通帳を本人が明らかにし
  第三者によって確認したが、指摘の事実は見つからなかった」

 衆院予算委で資料を出した民主側に立証責任があることを指摘。
 ・どのように銀行口座への振り込みを確認したのか
 ・メールにあった名前だけでなぜ武部氏次男と言えるか
 ・メールの実物を示して欲しい

 小泉首相「根拠のない情報を基にして人を傷つける行為だ。
 極めて遺憾で、法律以前の問題だ」
 党として永田氏への懲罰動議を出す。

【民主側】
 衆議院予算委で永田氏。「はなから偽造だといわれる環境で
 どう先入観なく議論すればいいのか、本当に悩ましい」
 「ネタ元の人が身の危険を感じて怯えている。最大限守ってあげたい」
 「どうしたら証拠と認められるのか、知恵を貸してください」

 武部氏と次男らの参考人招致など国政調査権による調査を要求。

【黒塗りメール】
 民主党の野田佳彦国会対策委員長が問題のメールを印刷し
 計10箇所(1箇所は赤)黒塗りした紙を公表。
 (極めて短時間にインターネット上で分析が行われ
  信憑性無しとの見方が大勢を占める)

【堀江被告】
 「金を送るはずもないし、頼んだこともない。メールも送っていない」
 接見した弁護士に疑惑を完全に否定。



2月18日〜21日
【自民側】
 メールの信憑性がない限り国政調査権は使えない、との立場。

 20日自民党の平沢勝栄議員が、別に入手した疑惑メールを公表。
 黒塗り部分のうち「問題があるようだったら」「@」が判明。

【民主側】
 振込先口座の情報を得ている、と主張。ただし国政調査権発動が
 確約されない限り新情報は提示できない、との立場。

 前原代表語録。
 「メールの信憑性は高い。われわれは自信を持っている」
 「(22日の)党首討論を楽しみにしてください」
 「信ぴょう性は高い。国政調査権で調べれば疑問は氷解する」

 永田議員19日から失踪。野田佳彦国対委員長は「永田氏が
 “ネタ元”と連絡を取って新たな情報の収集を行っている」と説明。




2月22日
 党首討論。民主はメール信憑性を高める証拠を出せず。

 野田佳彦国対委員長が辞意を漏らす。




2月23日〜
【民主側】
 永田氏が議員辞職の意向を漏らす → 鳩山幹事長に一任
 → 臨時役員会 → (精神的に不安定なので)休養=入院

 永田氏、自己の誤りを認め、お詫び
 「自分の思い込みの中で、行動したことをおわび申し上げたい」

 前原代表、引責否定
 「政府・与党を徹底的に追及していく気持ちに揺らぎはない。
  巨悪は何か、最大の問題は何かという観点で先頭に立って
  頑張りたい」23日
 「巨大な闇があるという印象は微動だにしない。野党第1党
  として徹底的に追及し、真相を究明したい。責任は果たし
  続けていきたい」25日

 野田氏、いったんは辞任意向を撤回 → 責任を取る構え。

【自民側】
 小泉首相は、民主党の前原代表について
 「野党第一党の党首だから、しっかりがんばって欲しい」

 平沢議員、問題となっている金融機関の名前、支店名、口座番号
 口座名義を把握していることを公表。
 「ライブドアと取引した人なら誰でも知っている口座。これをもとに
 『国政調査権を発動しろ』という民主党はあまりにもアバウト」 




わざわざまとめるまでもなかったのですが、いつもの癖でついまとめてしまいました(苦笑
疑惑メールが偽物である、ということは、詳しくこれを解析・分析した情報がどっと出たことから、ネット上ではかなり早期に確信されていたものと思います。
焦点となるメールの真偽の感触を、一般の国民の側の方が先に掴み、そこから生じた一種の余裕を持って民主党の対応を眺めていた・・・という、ちょっと珍しい事態だったのではないでしょうか。

民主党はあまりに素人っぽくて心配になりますね。
おそらく功名心も手伝ったのでしょう、一議員が怪文書に飛びつく、ここまではわかります。気になるのは、彼が実際に国会で質疑に立つまでの間に、「その情報の裏は取ったのか」と批判的に検証し教示する先輩議員が誰もいなかった、らしいこと。
そして前原代表もまた、なんの党内質疑も経ずに大見得を切っています。永田氏に「大丈夫か?」と訊ね、「大丈夫です!」と彼が答えた。だから大丈夫、きっと裏付けはあるに違いない、というレベルで大口叩いてしまったのではないか、と思えてなりません。政治家どころか、民間企業でも危ないタイプだと思います。
件の議員はもちろん国会をなめていましたが、民主党代表が国民、有権者をなめきっている様子もはっきり見えてきた、と言えるのではないでしょうか。

しかしこれほど政治センスのない代表にもかかわらず、今辞めさせるわけにはいかない・・・という民主党。末期的人材不足の台所事情がひしひしと伝わってきて、なんだかこちらまで切なくなりました。小泉氏が前原氏を応援するのも道理。こんな美味しい第一野党、簡単に潰してなるものか、というところでしょう。前原氏の代わりに小沢氏が出てきたり、解党して仕切り直し・・・なんて妙なことになるより、民主の名の下に結束していてくれた方がずっとやりやすいに違いありませんからね。民主が第一野党でいる限り、自民党は安泰です。

それにしても永田町というところはいかにも魑魅魍魎の跋扈する、ドロドロした場所のようですね。人々の関心は(議員先生らも同じかもしれませんが)、すでにメールの真偽はとうに突き抜け、怪しげ情報の出所に移っているようです。もっとも、永田氏=民主党が嵌められたという仮説に基づけば、今回の民主党自爆騒動で一番得をしたのは誰か・・・が気になるのは自然な話と思いますが。

というわけで、やや唐突に結論。
民主は解党した方がいいような気がしてきました(笑
そうでないなら、自民追求の前に、まず党内組織のあり方を見直すべきでしょうね。

posted by 水無月 at 22:14| Comment(3) | TrackBack(4) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月06日

アル・ジャジーラとライブドア

【livedoor ニュースで「アルジャジーラ」からの
 提供記事を10月3日より独占配信開始】
http://www.news2u.net/NRR20058428.html


 livedoor ニュースでは、読者に多角的で幅広い視点
 からニュースを提供することをコンセプトに、これまで、
 毎日新聞、時事通信、共同通信、スポニチ、日刊ゲンダイ
 などの全国紙、大手通信社、スポーツ紙、夕刊紙といった
 大手ニュースメディアから提供される記事や、朝鮮日報、
 琉球新報、しんぶん赤旗、公明新聞といった海外紙・地域紙、
 政党機関紙など、約40に上る多種多様なニュース提供元
 からの記事配信を通じて、月間1億PV規模のアクセス数
 にまで成長してまいりました。

 今回新たに、欧米発のメディアとは一線を画したアラブ発の
 視点が注目を呼び、中東を代表するニュースメディアとなった
 「アルジャジーラ」より、ニュース記事の提供を受け、
 日本語に翻訳のうえ独占配信を開始することとなりました。


ニッポン放送騒動の際の言動を思い浮かべると
堀江氏のやりたがっていたこと・・・のイメージが
やっとわかってきた・・・ように思いました。
つまり、大手メディア(代表はTV・新聞)が自明のこと
(であり、かつ同時に既得権でもある)として行っている
価値判断(彼ら自身が言うところの「良識」)を放棄し
または唾棄する・・・こと。
なるほど、それなら確かに堀江氏の敵は規制であり
規制緩和を是とする新自由主義との相性は良いはずです。
だから小泉自民党とも通じうる・・・わけで。
あ、そうか・・・と納得した次第(笑

おそらく堀江氏にとって、アル・ジャジーラが反米メディア
であることは、大した意味を持たないのでしょう。
意味があるのは、日本国内ではまだ、希少なニュース・
ソースである・・・ということ。
水が低きに流れるように、あくまでも利用者のニーズに
忠実に、その触手を伸ばしているのです。
「しんぶん赤旗」と「公明新聞」を同列に並べている
ところに、その「ニーズに忠実」原則の無色透明さが
表れている・・・ように、私には思えました。


ニーズに忠実・・・は、簡単に言えば、利用者の欲望
に忠実・・・ということでもあるでしょう。
欲望・・・から、エロサイト・猟奇サイト・・・と連想して
いけば、堀江氏が規制緩和論者となる必然性が見えて
くるはずです。

一方で、新自由主義政策を推し進めているはずの小泉
自民党は、人権擁護法案などを準備し、国民生活レベル
では、新たな規制を持ち込もうとしています・・・。
このあたり・・・の矛盾・・・。

政治の欲望に比べれば、マネーの欲望など可愛く見えて
くる・・・から、不思議なものです(苦笑


ちなみに、堀江氏がネットの世界で成功し、富を築いた
ネット時代の申し子・・・であることは、偶然ではないと
思います。
なぜなら、まさにネットこそが、無名(匿名)だけれども
無数に存在し、カテゴライズすることすら困難な、その
利用者達のニーズ(欲望)によって運営されている世界
・・・だからです。
(たとえば、犯罪者の実名、遺体の写真・・・のような
 過激だという良識的判断から既存の大手メディアでは
 報道されることのない情報が、ネットではどこから
 ともなく流出する・・・という例を思い出してください)

つまり、ネットの世界・・・こそが、規制緩和の最先端
にある、新自由主義を(仮想的ですが)実現した世界・・・と
捉えることもできるでしょう。
そうであれば、ネット・ユーザーとはみな、潜在的に
規制を嫌い、自由を信望する・・・ネオ・リベラリストの
資質を備えている・・・と、言えるのかもしれません。
posted by 水無月 at 02:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月28日

次の争点

※原文は2005年09月16日に書いたものです

>>「(日本を)米国へ売るか」VS「中韓へ売るか」の選択であった
>言い切りましたね!でもそんな感じなんだろうなあ。

コメントで頂いたこの部分・・・が外出中も頭に残っていました。

遊女じゃあるまいし、なぜに売ることしかできないか。
そういう怒りや憤り・・・あるいは哀しみ・・・が
日本中に蔓延しているような気がします。

どこにも売らない。
自分の足で立って生きてゆく・・・そういう日本であって
欲しい・・・と思っている人も、きっと多いはず。
そしてそういう(ある意味健全な)感覚を持つ人が増える
こと・・・と、新保守・新右翼層が増えること・・・は
相関関係にある、とも思います。

自分の足で立つ・・・ためには、経済面と軍事面・・・の
最低でも二分野で、自立する必要があるでしょう。

人口一億の日本が経済的に自立する・・・とは、どういうことか。
GNPが世界二位であることは、なんの安心材料にもなりません。
石油(エネルギー)も食料も、日本は世界に依存しています。
そしてその輸出入はドルで行われている・・・。
為替をちょっと操作されれば、日本はあっという間に転落させ
られてしまうでしょう。だから米国は強いのです。
米国に対抗する(というより独立を保つ)ためにEUが
ユーロを導入したように、日本が米国から独立を保つためには
最低でも円経済圏を確立する必要があると思います。
そしてこの動きは、EUがまだECであった時代に、日本でも
ありました。が、失敗しています・・・。
アジアでの決済通貨の比重をドルから円に移し、円経済圏を
アジアで作ろうという試みは、私の記憶では1980〜90年代に
当時の通産省あたりが本気で画策していたと思いますが
米国の横槍で失敗し、日本のバブルも崩壊しました。
そして今は円よりむしろ中国元に注目が集まっています。

中国こそ・・・は、私の目には、どこにも身売りしないで
生きていこうとしている国・・・と見えます。
中国がそれを目指す背景には広大な領土と資源、そして
12億の人口があるのでしょう・・・。
今後ますます市場開放を進めるに違いない中国ですが
その決済通貨を元に限る、という方針を採用すれば
少なくともアジアにおいては、元経済圏が比較的容易に
構築できることでしょう・・・。
そういう意味でも、中国は経済的独立を保ちやすい・・・のです。
日本に比べて、の話ですが。

そして軍事・・・。
これを本気で考えるならば、自衛隊をきちんとした国軍とし
もちろん憲法も改正し、さらには核を持つ・・・ことまで
視野に入れる必要があるでしょう。
こうした主張こそ、まさに新右翼層の主張と重なります。

軍備増強や憲法改正に反対する人々・・・は、左翼層ばかり
とは限りません。
自民党支持者の中にも多い・・・のです。
そういう人々は、自前の軍隊を持つ経済効率の悪さから
積極的に米軍を利用(=米国へ身売り)しようとします。

そう考えると、反自民の右翼層・・・が最も独立心が強い
と言えるのかもしれません。
どの方法がいいのか・・・いずれ(案外近いうちに)
日本は大きな岐路に立たされるでしょう・・・。

中国へ売るか VS 米国へ売るか の選択は
先の衆議院戦で、事実上、もう終わりました。
次は、米国へ売り続けるか VS 独立を目指すか の
選択となるような気がします。
それは憲法九条を改正するとか、あるいは自衛隊をどうするか
というようなタイミングで、争われると思います。

この争点は、日本人の多くが、内心では気づきながらも
うやむやのままにしておくことをあえて選んできた・・・問題
でもあるのでしょう。
しかし戦後生まれの若い世代が増え、また世界情勢が
緊迫の度を増すにつれ、次第に先鋭化せざるをえなく
なってきた・・・のでしょうね。


こうした日記を書くと、私自身が右派思想の持ち主である
・・・と誤解されるかもしれませんが
私自身は、右派にも左派にも属しているつもりはありません。
私はただ、自分とその家族が今住んでいる日本という国を
理解したいと思っているだけ・・・なのです。


 
posted by 水無月 at 05:07| Comment(9) | TrackBack(0) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

選挙戦から見えるもの

※原文は2005年09月14日に書いたものです。
 
戦後六十年となる節目の年の衆議院選挙・・・。
これが歴史的な意味を持つ・・・ことは間違いないと思います。
自民党の単独過半数、そして与党議席の2/3を越える躍進・・・。
今後日本はほぼ確実に、改憲への傾斜を強めると思います。
いつか憲法が改正された時、おそらくは2005年の911が
ひとつの転換点であった・・・と評されるでしょう。

しかし六十数年前の国民がそうであったろうと(個人的に)
想像するように、その時代の中にいる私も、今回の選挙の
意味が、まだよくわからない・・・でいます。
投票から三日目・・・まだ日本中が選挙結果の熱い余韻に
浸されている中で、私の目から見た衆議院選挙・・・を
ここに記録しておこうと思いました。


◇自公は本当に圧勝したか

衆院党派別得票数・率(選挙区)

 【時事通信社調べ】(選管確定)
党派名 当選数 女性 重複 得票数  得票率  前回
自 民  219 (14) 209 32,518,388  47.8  43.8
民 主   52  ( 3)   48 24,804,784  36.4  36.7
公 明   8  ( 0)   0   981,105   1.4   1.5
共 産   0  ( 0)   0  4,937,371   7.3   8.1
社 民   1  ( 0)   1   996,007   1.5   2.9
国 民   2  ( 0)   1   432,679   0.6   −
日 本   0  ( 0)   0   137,172   0.2   −
大 地   0  ( 0)   0     −   −   −
諸 派   0  ( 0)   0   18,255   0.0   0.1
無所属   18  ( 2)   0  3,240,521   4.8   4.6
合 計  300  (19) 259 68,066,282  100.0
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050912-00000257-jij-pol

衆院党派別得票数・率(比例代表)

 【時事通信社調べ】(選管確定)
党派名 当選数 女性 重複 得票数  得票率  前回
自 民  77 (12) 48  25,887,798  38.2  35.0
民 主  61  ( 4) 59  21,036,425  31.0  37.4
公 明  23  ( 4)  0  8,987,620  13.3  14.8
共 産   9  ( 2)  4   4,919,187   7.3   7.8
社 民   6  ( 2)  4   3,719,522   5.5   5.1
国 民   2  ( 0)  1   1,183,073   1.7   −
日 本   1  ( 0)  1   1,643,506   2.4   −
大 地   1  ( 0)  0    433,938   0.6   −
諸 派   0  ( 0)  0      −   −   −
無所属   0  ( 0)  0      −   −   −
合 計  180  (24) 117   67,811,069 100.0
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050912-00000258-jij-pol

ニュースソースは時間が経てば消えてしまいますので
あえて数字を引いてきました。
これを元に電卓片手に小選挙区・比例別に与野党で議席数、得票数を
まとめてみると、以下のようになります。
(「今回」の得票率は得票数を合算したものを合計で割りました)

  獲得議席(・数 ・率=/480 ・率=/300) 得票率(前回) 
 小選挙区 
  自公   (227    47.3    75.7 ) 49.2(45.3)
  野党   ( 73    15.2    24.3 ) 50.8(54.7)
 比例               ・率=/180 
  自公   (100    20.8    55.6 )  51.4(49.8)
  野党   ( 80    16.7    44.4 )  48.6(50.2)

小選挙区では半分以上の死票が出る・・・ということから
私ははじめから比例代表に注目していましたが、その比例では
与野党の得票率はほぼ拮抗しています。
また小選挙区においては、わずかながら野党の得票率が上回って
います。
衆議院議員の2/3を抑えた自公連立与党ですが、その得票率では
有権者の半分の支持を得ているのみ・・・なのです。

自公は圧勝したか・・・。圧勝した、けれども有権者の半数は
これを支持していない・・・それが実態です。
(与党は解散前の283議席(59.0%)から327議席(68.1%)へと
 44議席(9.2%)議席を増やしましたが、得票率で見ると
 小選挙区で3.9%、比例では1.6%・・・しか、増やしていません)

ちなみに、こういうことが起こるのは、言わずと知れた小選挙区制
のせいです。つまり現行選挙の仕組み・・・そのもののせい。
ここから、死票が多いことのわかりきっている現行選挙制度への
批判をするのも良いでしょう。

また、おそらく緻密な票の割り振り計算をしたに違いない自公両党
・・・の選挙協力の威力を読み取ることもできると思います。
さらには、死票の多くは議員を生み出すに至らなかった小政党
への投票から出ている・・・という事実から、野党共闘・・・の
可能性を、各野党はもう一度探る必要がある・・・のかもしれません。


◇マスメディアはどちらを応援していたか

投票日夜・・・のTBS系特別番組の中で、視聴者の声・・・というのが
テロップで流されていたそうです。
私はあいにく見ていなかったか、気づかなかったか・・・だったの
ですが、このテロップの大半が、与党圧勝という選挙結果を嘆くもの
だったらしく、そのことが、ネット上で話題になっているようです。
選挙結果と、テロップで流される「視聴者の生の声」とのギャップ
に、多くの人が気づき、違和感を抱いた、ということでしょう。

テロップの抜粋はこちら。
http://kuts.hp.infoseek.co.jp/
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/50082174.html
これを収集した人はおそらく、親与党派と思われます。したがって
完全に中立ではないでしょうが、まったくの偽造でないことは
書き込みからも明らかです。

このテロップ・・・の大半が、ネット上で言われているように
与党勝利を嘆くものだったとすれば(私は実物を見ていないので
どうしても仮定の話になってしまいますが 汗)
前項で見たように、与党へ投票したのは有権者の半数・・・なの
ですから、その乖離をどう解釈すればいいのでしょう・・・。

 @ 与党支持者は選挙結果に満足し、あえて「視聴者の声」を
  上げなかった。
 A マスメディア(TBS)側が、「視聴者の声」を検閲し
  偏った内容ばかりを流した・・・。

事実はわかりません。
ネット上には、Aだと信じる人の声が溢れていますが・・・。

Aを信じる人・・・の多くは、テロップの収集をした人に代表される
ように、マスメディアは反小泉路線であり、選挙期間中も野党
(主に民主党)を持ち上げる報道ばかりしていた、と主張しています。
一方で、マスメディアの多くが親小泉的であった、と批判する人も
います。
普段からTVを見ていれば自分で判断できるのでしょうが、私には
どちらがより真実に近いのか・・・さっぱりわかりません(汗

それはともかく、親小泉、反小泉陣営(政治家でなく支持者層)
とも、マスメディアを敵視している・・・のが、印象的でした。
もっともこれは、私の調べたのがネット上だから・・・という理由が
大きいと思います。
ネット上で政治的発言をする人・・・の多くは、マスメディアに
懐疑的である(=批判的である 仮想敵視している)・・・という
のが、真実かもしれません。
それはさておき、私が日記に残しておきたかったのは↓です。

親小泉派のマスメディア観。
 マスメディアの多くは反小泉的である。
(にもかかわらず、ネットなど、既存メディア以外から情報を
 得ていたため、有権者はマスメディアの言説に惑わされること
 なく、今回選挙では正しい判断をした)
 これはマスメディアが、国民世論から乖離していることを
 示している(傍証としてTBSテロップの件)。
 →ネットなど新規メディアの礼賛へ。

反小泉派のマスメディア観。
 マスメディアの多くが親小泉的である。
(したがって多くの有権者がこれに惑わされ、誤った選択をした)
 国民は既存メディアに惑わされないようにする必要がある。
 →ネットなど新規メディアをもっと利用すべきだ。

出発点が180度違っていても、帰着するところは同じです。
繰り返しますが、これはネット上の意見ですから、ネット賛美へ
収束するのは不思議ではありません。しかし面白いと思いました(苦笑


◇小泉氏を支持したのは誰か

この項では私の今現在の個人的な意見を記しておきます。

郵政解散・・・で始まった衆議院選挙でした。
私は、以前にも書きましたが、今回の選挙の争点は、本来
郵政改革を進める「小さな政府」VS「大きな政府」という
対立点で争われるべきであったと思います。

実際、今回の選挙結果を経済分野での「小泉改革」への信任と
捉え、「小さな政府」化が進むことを(好意的に)報道する
外国メディアも多数あるようです。

【自民圧勝 海外経済紙の論評 改革歓迎、実現に懐疑的見方も】
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200509130030a.nwc

そしてまた、経済界がこの選挙結果を歓迎しているのは間違い
ないところでしょう。

【堅調、小泉自民党大勝利で日経平均1万3000円トライも】
http://www.reuters.co.jp/financeNewsArticle.jhtml?type=marketsNews&storyID=9619134


しかし有権者の立場から見た時、今回の衆議院選挙の争点が
経済問題(郵政改革)であった・・・とは、到底信じられない
・・・のです。
民主党の戦略は、むしろ経済問題を焦点化しないこと・・・で
あったと思います。経済改革(構造改革)は必要だ・・・との
認識に立ち、郵政改革に賛成の立場であることを訴えていました。
そうすることで、自民党との違いをなくそうとした・・・のでしょう。

では、自民党と民主党で最も違っていた政策はなにか。
それはやはり、外交であったと思います。

親米の自民、親アジアの民主・・・。この違いは鮮明でした。
靖国参拝廃止、イラク早期撤退・・・を公約に掲げる民主。
対して、小泉氏の親米具合は海外にまで知れ渡っていました。

【総選挙は首相支持、ワシントン・ポスト紙が社説】
http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/seiji/20050815/20050815ia24-yol.html
(米国ワシントン・ポスト紙がこれを報じたのは八月十五日
 終戦の日・・・でした)


「郵政なくして改革なし!」と壊れたレコードのように(古?)
絶叫する小泉氏を支持する人々も確かにいたでしょう。
しかし両党の外交政策を冷静に見極め、小泉自民党へ一票を
投じた有権者・・・も、少なくはないのではないか・・・と
思います。

特に最近急激に増加している(と思われる)新保守、新右翼・・・の
人達。

「(靖国参拝について)中国と韓国に許しを得たのですか?
 得てないでしょ?」
http://ameblo.jp/worldwalker/entry-10003738208.html

この発言に象徴されるような外交姿勢・・・は、新保守層には
決定的に嫌われていました。
(そしてむろん、この人達は社民・共産にも賛同しません)

新保守、新右翼・・・層が、どの程度無党派層と重なっている
のか、私の手許にデータはありません。
ただ、実感として、小泉政権になってからの数年間・・・で
爆発的に増えているという感じがします。そのきっかけは
北朝鮮の拉致問題であり、反日デモ騒動・・・だったのでしょう。
(そう思えば、今回の小泉躍進の陰の推進力は近隣三国
 ・・・だったのかもしれない、という気がします)

なにしろ、前回衆議院選挙と比べて増えている与党得票率は
わずか4%未満・・・なのです。この4%がなにに起因していたか
・・・を見極めるのは、並大抵のことではないでしょう。
ひとつの可能性として、私は、新保守層の増加・・・を、ここに
記しておきたいと思います。

とある新保守層(と私が思う)BLOGへ寄せられたコメントから

「小泉自民党ほど酷いものはない。
 ただ、岡田民主党よりマシなだけ。
 これが多くの国民の本心なんじゃないでしょうか」
http://meinesache.seesaa.net/article/6878606.html

もし、こうした新保守層の増加が、今回の選挙結果に、一定の
影響を与えていた・・・とするなら、それはこういうことですね。

今回の選挙は、
「小さな政府」VS「大きな政府」(改革派 VS 非改革派)
という争点の陰で、「親米」VS「親アジア」という争点もまた
争われていた・・・ということ。
ネット上では、親小泉、反小泉・・・派がそれぞれ、自らを
「憂国の士」、対立する相手を「売国の輩」などと呼んでいますが
それで言うと
「(日本を)米国へ売るか」VS「中韓へ売るか」の選択であった
ということ・・・。

そしてその選択は9月11日を過ぎ、もうなされてしまった・・・。
そういうことだと思います。


◇おまけ

最後に、朝日新聞から世論調査の結果を・・・。
http://www.asahi.com/politics/update/0914/002.html

自民が圧勝した理由は
「小泉首相が支持されたから」58%
「自民党が支持されたから」18%

今回の選挙結果については「驚いた」55%

選挙結果(=与党の2/3越え勝利)について
「よかった」47%
「よくなかった」31%

小泉氏にいつまで首相を続けてほしいか
「任期いっぱいまで」50%
「任期を超えて」28%

総選挙をきっかけに自民党は
「変わる」43%
「そうは思わない」47%


以上、総選挙直後・・・の、私の目から見た日本の姿を
まとめてみました。

posted by 水無月 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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