2006年10月10日

北の核 ・・・冷静に だが鈍感であってもいけない

 
十月九日。三日ぶりに正午頃帰宅したら、話題はこれ一色。
もちろん私も興味関心はあるので、食事中はTVをつけっぱなし。
・・・行儀悪いです。

実験が成功したかどうかの精査も大事ですが、問題は常に
「今後」。

そういえば日本のメディアは「中国はメンツを潰された形・・・」と
盛んに当てこすりますが、仮にそれが事実だったとして
・・・「だからどうなの」?
メンツを潰された大国が怒って、あるいは愛想を尽かして
対北制裁に踏み切る・・・ことを期待しているということなのでしょうか。
しかし中国は激しい口調で北を責めながらも、一方では
日米に相変わらず自制を求めてるじゃありませんか。
中国が、メンツを潰されたくらいでその国への態度を一変させる
ような単純な国だなんて、私には信じられないのです。
日本はどうも、靖国での経験で「中国はメンツにこだわる国」
と過剰かつ誤って認識してしまっているような気がします。
もちろん、中国は体面を重んじる国でしょう。
しかし体面だけを重んじているわけでも、体面をなにより優先して
重んじているわけでもありません。
靖国にしても、なにもメンツ(中国国内向けも含む)のためだけに
中国はこれを問題視しているわけではないでしょう。
それが外交カードになると気づき、勝算があると踏んだからこそ
靖国問題は外交問題となりえたのです。そうして巨額の援助金が
長きに渡り、日本から中国へ送られました・・・。
中国へのODA打ち切りを断行した小泉氏が靖国参拝を強行する
人物でもあったことは、一面では単なる偶然でしょうが
(表面上、靖国問題と対中国ODAは無関係なはずですから)
水面下では、やはり必然的な結びつきがあったのだろうと思いますね。

それはともかく、メンツにこだわる大人気ない大国=中国
という先入観は強くしすぎない方が良いと思います。
中国はもっとしたたかな・・・実利の国という気がするのです。
今回の北の核についても・・・経済制裁に利があると判断すれば
そう動くでしょうし、北を崩壊させたくないのであれば
日米を牽制し続けるでしょう・・・。
北朝鮮は今なお、中華の翼にすっぽりと抱かれているのだと
思います。


北朝鮮は自らが核保有国であると主張しているわけですが
その目的はどうやら相変わらず、米国の課した金融制裁解除
にあるようです。
ここからは、米国の経済制裁が確実に効果を上げているらしい
ことがわかります。
(これは是非続けてもらわなければなりません)
国連でどう動こうと、たとえ経済制裁を課そうと、今回を見れば
北の暴走は止められなかった・・・のだから、制裁は無意味だ、とは
考えるべきでないと思います。
・・・逆でしょう。
制裁はダメージを与えていることがはっきりしたのですから
今後も経済制裁の輪を狭めてゆくしかありません。
少なくとも、軍事制裁よりはマシでしょうからね。

けれどもそうなると、話はまた冒頭の中国に戻ります。
中国(やロシア)が協力しなければ経済制裁も効果は薄い
らしいですから。

メンツ以外の部分でも、なんとか中国に本気になってもらい
たいものです。
「つべこべ言うならあの国をお前んトコに合併させるぞ!」
というのはどうでしょう?(笑
中国が北の存続を図るのは、いざ体制崩壊した際の越境難民
を恐れているからでしょう。今も脱北者をせっせと送り返している
くらいですから、これは効くかも(笑
まぁ、中国と韓国は嫌がるでしょうけどね。

あ、もうひとつ思いつきました。
「北の核をなんとかしないと韓国に核を持たせるよ?」
これも効きそう!(笑
でも今度は日本が全身で拒否反応を示しそうです・・・。



・・・冗談はさておき(冗談ですよ! ↑は冗談ですってば!)
本当に頭の痛い問題ですね。
普通の指導者なら、核は使えない兵器、という抑止理論を
受け入れているはずですが、なにしろあの金氏ですからね(困

まさかやらないだろう、という一線を平気で越えてしまえる
という点で、些か唐突ですが、私はオウムの松本氏を思い
出しました・・・。
常人の理解を遠く離れているという点で、両者は似ています。
そして結局・・・我々は喉元にナイフを突きつけられてしまった
ということなのだろうと思います。
テポドンやノドンに核弾頭を搭載するまでにはまだ様々な
技術的困難が残っているはずですが、そうした可能性も
我々は頭の片隅に入れておくべきなのでしょう。

松本氏・・・はどうやって制御したのでしたっけ?
圧倒的な警察力で身柄を取り押さえる・・・最後は実力行使
でしたね、そういえば。

・・・なんだかどんどん嫌な方向へ進んでいきそうなので
ここまでにしておきましょう。
わが町、わが国が東アジアにおける松本市や東京地下鉄の
役目を担わされないよう、祈るばかりです。
 

 
posted by 水無月 at 02:45| Comment(0) | TrackBack(1) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月13日

朝日【竹島 日韓でなぜもめる】の嘘

朝日新聞から・・・。


 「ニュースがわからん!」【竹島 日韓でなぜもめる】

ホー先生 日本と韓国が竹島の問題でもめとるが、原因は何なんじゃ?

 竹島は島根県沖にあり、二つの小島と周辺の岩礁からなる。総面積は東京の日比谷公園くらい。その島を、日韓ともに「自分の国のものだ」と主張しているのが対立の根っこなの。韓国では独島(トクト)と呼び、韓国政府は武装警備員を置いている。民間人も2人いるみたいよ。

 日本人は住んでいるのか?

 いない。日本政府は「歴史的事実に照らしても、国際法上も、明らかに我が国固有の領土」と主張し、今は韓国が不法占拠しているに過ぎないと言っている。
 一方で韓国政府は「独島は歴史的・地理的にも国際法上において韓国固有の領土」と主張して譲らない。

 それぞれの根拠はどうなっているんじゃ?

 政府の説明を要約すれば、日本は1905年に竹島を領土に編入することを決めたけど、文献や地図、漁業実態などから、その前の江戸時代から実効的に支配してきたとしている。韓国も「文献および地図により立証されている」「地理的に日本より韓国領土に近い」などとしている。

 韓国は「歴史問題だ」とも主張しているそうだな。

 盧武鉉(ノ ムヒョン)大統領が4月に「日本が朝鮮半島の侵略で最初に奪い去った」土地という言い方をした。日本が朝鮮半島を植民地支配した過去があり、韓国側からみれば、時期的に植民地支配とダブって映るのも不思議とは言えない。でも、竹島の領土問題は別の話であり、そういう日本政府の言い分には理がある。

 日韓国交正常化の時には、この問題にケリをつけなかったのかね。

 ひと言でいえば、竹島については結論を棚上げにした。日韓漁業協定でも、竹島の周辺海域は入会地のような「暫定水域」にした。解決が難しいだけに、双方が事を荒立てないようにやっていこうじゃないか、と知恵を出したということね。
 外交当局者は、なるべく冷静に問題を解決したいと考えているようだけれど、小泉首相の靖国神社参拝などをきっかけに日韓関係が険悪になって、もめだしたといえるわ。(倉重奈苗)

(【朝日新聞】 5月12日(金) 社会面名古屋本社版 14版)



私は朝日新聞を定期購読していません。ただ、自分のスケジュールの都合上、毎週金曜には移動するので、その際に朝日の名古屋版を購入する確率が高いのです。
そういうわけでたまたま目にした記事が↑なわけですが・・・。いや、もう、参りましたね(困

ネット上では偏向の悪名高い大新聞ですが、まさかこれほどとは思っていませんでした。ちなみにこの記事は、タイトルを見ればわかるように連載コーナーのようです。ホー先生が質問し、正体不明のA氏(女史?)が答える、「ニュースがわからん!」コーナーの、今回は竹島編というわけです。

私の疑問を簡単にまとめておきます。

@ 国際司法裁判所
1952年韓国が根拠のない「李承晩ライン」を一方的に制定して竹島を韓国領土とした翌々年の1954年、日本は竹島問題の国際司法裁判所への付託を韓国に提議していますが、韓国はこれに応じていません。なぜこの重大な歴史的事実が記載されていないのでしょう。

A 日本人漁民の拉致・拿捕
1952年に引かれた「李承晩ライン」が1965年の日韓漁業協定で廃止されるまでの間、ラインを超えて操業していた日本漁船と日本人が韓国によって多数拉致、拿捕されています。その数3,929人、328隻。そして44名の方が死傷しています。
隣国政府によるこの理不尽な暴力行為を日本の新聞がなぜ書かないのでしょう。

B 歴史問題
歴史問題について、上記の記事中では「竹島の領土問題は別の話であり、そういう日本政府の言い分に理がある」としています。その結論は当然と思いますが、なぜ、日本に理がある、と最終的には退けられる韓国側の主張・心情を、日本の新聞が「不思議とは言えない」などと代弁する必要があるのでしょう。
竹島問題にはまったく無関係な「植民地支配」という活字を印刷するスペースがあるのなら、竹島問題に直結する「国際司法裁判所」「拿捕」「拉致」あるいは「漁業権」などのテーマを優先させるべきでした。

C 日韓関係(靖国神社参拝問題)
朝日新聞の日韓関係観は事実と異なっています。
日韓関係は小泉氏が首相になる前から決して良好ではありませんでした。今世紀に入って日韓ワールドカップ共催、韓流ブームなどがあり、一時的・部分的に友好ムードが醸し出された経緯はありますが、それ以外は基本的に常に緊張していた、というのが事実です。
朝日新聞のこの記事からは、まるで、首相の靖国参拝がなければ日韓関係が良くなり、竹島問題も解決する、かのように読み取れますが、完全な誤誘導です。ことはそれほど簡単ではありません。日本国首相の靖国神社参拝があろうとなかろうと、竹島問題は領土問題として存在し続けるでしょう。
靖国神社にA級戦犯が合祀されたのは1978年、日本国首相の靖国参拝に韓国がはじめて抗議したのは1985年中曽根首相の時でしたが、竹島問題はその二十年前から存在していたのです。
こうした誤誘導は竹島問題の正しい理解を損ねるばかりか、靖国神社参拝問題自体の解決をも遠ざけるという意味で、日本にとっては有害無益でしかありません。


Q&A方式という体裁からして、この記事は、竹島問題についてあまり予備知識のない人を読者に想定していると思われます。
が、その実態は、確かな知識のない読者に、中立を装いつつ、不完全で誤った・・・結果として中立とは呼べない・・・解説をしているわけです。そこになおさら、看過できない悪意や卑劣さを感じます。
日本から、朝日新聞しか読まずに暮らす日本人が一人でも減ることを祈るばかりです。



参考・・・。

【竹島問題】
http://www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/takeshima/

【かえれ! 竹島】(島根県HP内)
http://www.pref.shimane.jp/section/takesima/top.html

【日韓条約と李承晩ラインでの日本人拉致】(Toron Talker)
http://toron.pepper.jp/jp/take/sengo/rachi.html

【靖国神社問題】(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%96%E5%9B%BD%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E5%8F%82%E6%8B%9D%E5%95%8F%E9%A1%8C


 
posted by 水無月 at 07:18| Comment(8) | TrackBack(2) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

太平の眠り覚めたか調査船

※竹島沖で日本が予定している海洋調査問題・・・。
 関心はあるのですが、しっかりまとめる時間まではなかなか取れそうにありませんので、まず自分の感想を。日記から。


◇     ◇     ◇



これまでの弱腰(って言葉は好きじゃないけども)外交の
ツケが半年複利で雪だるま式に膨れ上がった結果・・・と
いう意見に、私も同意します。
これは今に始まった問題ではないでしょうね。

戦争をしたくない、喧嘩をしたくない、という気持ちは
痛いほどわかるのですが
だからといって言うべき時に言うべきことを言わない
でおく・・・とはなにを意味するか、がよくわかる事例。

しかしどちらかというと私は、原則論よりまさに今回の
「この事態」に注目しています。
日の丸が焼かれるシーンをTVで目にするだけでショックを
受けるようなナイーヴな国民性は、この数年間でガラリと
変わりました。それが私の実感です。

いつかそのうちに、日本国内でも他国の国旗が焼かれ
それが電波に乗って他国でも放映される・・・事態になる
ような気がします。
世論は確実に変化しています・・・。
政府はそれをどこまで実感しているだろうか・・・という
疑問がまずあり、次に、政府(小泉政権)はそれをどう
認識しているのか・・・という疑問があります。
リベラル陣営の言うように、歓迎しているのか、それとも
保守陣営の言うように困った事態だと憂慮しているのか。

今回の海底調査は日本政府側が言い出したことです。
むろん、海底地形に韓国風の名前をつけようと国際会議に
提案する韓国の動きというのもありますが、それにしても
これまでは黙って見過ごしていた日本政府がついに動いた
ことは違いないでしょう。
動いて、そしてどうするのか・・・。
日本政府の覚悟の如何が、今後の対応でわかるような気が
します。


領土・・・ということに、日本はこれまで、あまりにも
のんびり構えすぎていたのではないでしょうか。
それはおそらく、四方を海に囲まれた地理的条件からくる
ものでしょう。つまり恵まれていたのです。これまでは。
元寇以来何百年も、日本は自主的に領土を守る努力をせず
来てしまいました。
それは素晴らしく恵まれたことだったと思います。
けれどもこの先も、それでいけると保証されているわけ
ではありません。

領土は、自分で守らねばなりません。

自分で守れぬ領土は、奪われるまでのことです。

喧嘩にも、奪われることにも、慣れていない日本ですが
今後どのように対応してゆけるでしょうね。


おそらく現代は、第二の明治期の始まりなのだと思います。

拉致事件では国民を奪われました。
国民も領土も守ることができないのなら
国家とは、政府とは、いったいなんなのでしょうか・・・。

そういうことを考え始める国民が、次第に増えてきている
ような気がします。



 
posted by 水無月 at 06:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

対中外交は変われるか?(日中中間線越え航行禁止海域問題)

竹島周辺の日本による海洋調査の問題もありますが、とりあえず今日は日中中間線の問題を・・・。

< 事態の推移 >

問題のサイトはこちら → 【中華人民共和国海事局 航行通告


2006年
3月1日 ・・・ 中国海事局が、同日から9月末まで東シナ海「平湖ガス田」
    工事のため、付近海域への立ち入り禁止をウェブサイト上で告示。

     指定海域は北緯27度7分、東経124度55分から
    北緯29度4分、東経124度54分までの帯状の海域で
    日中中間線をまたぐ形。南北200キロ、東西3.6キロに及ぶ。

3月6、7日・・・ガス田開発をめぐる日中政府間協議が北京で開催。
    中国側は連絡をせず、日本側は問題を把握していなかった。

3月28日・・・水産庁から外務省に、航行禁止の通知が行われている
    との連絡が入る。

この後 ・・・海上保安庁が中国海事局に事実関係の確認。
    中国側は「ガス田の拡張工事作業は行わない」と回答。

4月7日 ・・・中国海事局より再度連絡。「拡張工事作業は中止
    しているが、作業の期限(9月30日まで)内であれば
    いつでも作業と航行禁止を再開する」

4月14日・・・北京の日本大使館が中国外務省に事実関係の説明を求める

4月15日・・・共同通信が【北京15日共同】として22:44に事件を報道。
    【中間線付近の航行禁止 中国、東シナ海ガス田で
    これを受けて新聞各紙が一斉にネット上でこれを報道。

    保存画面は → 【こちら

4月16日・・・外務省が一連の経緯を安倍官房長官に報告。

4月17日・・・日本政府が外務省を通じ中国政府に懸念を伝える。
    安倍官房長官の説明=「わが国の主権的権利を侵害し、
    国連海洋法条約の関連規定にも反しうるとの懸念を伝え、
    詳細な事実関係を早急、明確に回答するよう申し入れを
    行った」(午前の定例記者会見)

    小泉首相=「冷静に対応したい」(昼、官邸で記者団に)

    深夜になって中国外務省が日本大使館に修正を説明。
    これによると中国海事局は航行禁止の対象範囲を
    「北緯29度7分から同29度4分」とするところを
    「北緯27度7分から同29度4分」と誤って掲載していた。

4月18日・・・安倍官房長官午前の記者会見にて「単純なミスとの印象」

    中国外務省の秦剛副報道局長が定例記者会見で、
    「技術的な誤りがあった」と釈明、内容を修正する方針を明らかに。
    (技術的な誤りの詳細には触れず)
    秦剛氏発言=「中国は日本が一方的に主張している『中間線』を
    認めていない。日本政府がこれを根拠に中国を責めていることに
    不満を覚える」

    ただし夜になっても中国海事局のサイトの誤りは修正されず。

4月19日・・・未明の時点でサイトの修正を確認。
    安倍氏定例会見で「問題があれば、お互いにすぐ通告して
    誤解を解くことが重要だ」と中国側秦剛氏発言に反論。

(各ソースは日本語配信記事)



事態としては上記の通りで、この件に関してはとりあえず一件落着なわけですが、ちょっと気になるのが心理戦(笑

日本側の代表として産経新聞に登場してもらいましょう。

【航行禁止に「技術的誤り」−中国、日本に「修正」伝える】
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200604/sha2006041904.html
2006年04月19日 更新

中国海事局がホームページ上で、同区域を3月1日から9月30日まで勝手に「航行禁止」と通告していることが15日に判明。中国はわが国主権侵害の既成事実化を狙ったとみられるが、わが国世論の反発が予想以上に強かったため「単純ミス」として処理したものともみられる。

安倍晋三官房長官は18日、中国側の姿勢について「単純ミスとの印象だ。今後は速やかな対応をお願いしたい」と指摘。しかし麻生太郎外相は「(海上保安庁が通告を見つけたのが)先月27日か28日で、その後外務省に連絡があった」と説明。「もめている水域で(航行禁止を)やろうとすれば、相手国に敬意を払って連絡するのが通常だ」と、中国の対応に改めて不快感を示した。


対して中国側メディアの反応。

【海事局サイトの船舶航行通告について 外交部】
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200604/sha2006041904.html
更新時間 :2006年04月19日10:22 (北京時間)

外交部の秦剛報道官は18日の定例記者会見で、海事局ウェブサイトに掲載された船舶航行通告について質問を受け、次のように答えた。

海事局が発表した航行通告は技術的なミスであり、中国側の実際の作業範囲は中日間の係・海域に及んでいないとのことだ。中国は日本が一方的に主張する中間線を認めておらず、いわゆる中間線を根拠に中国を非難し、誇張報道を行う日本側の行為には不満を表明する。
 この事がどのような影響をもたらすかだが、中国はこの問題について、すでに姿勢を説明している。つまり、技術的なミスだ。誰かがこれと異なる解釈をしたり、別の目的をもって誇張報道するとすれば、逆にそれにより生じる影響の方こそ考慮に値する。


単純な技術的ミスなのだから妙な詮索はやめなさい、というところでしょうか。
安倍官房長官の発言を見ても、日本政府も基本的にこれに沿った方針で事態収拾を図る見通しです。

安倍晋三官房長官は19日午前の記者会見で、東シナ海のガス田拡張工事のため中国海事局が航行禁止を通知した問題に関連し、日本側がガス田試掘に踏み切る可能性について「基本的に日本側は権利を有しているが、協議を行っていくことが両国の利益になるとしっかりお互いが認識することが大切だ」と述べ、政府間協議で問題解決を図る考えを強調した。
(共同通信) - 4月19日12時33分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060419-00000076-kyodo-pol


中国が既成事実化を着々と進める中、日本が珍しく「待った!」を掛け、これに中国が応じた・・・とはじめは見、今後は幾らか対中姿勢に変化が生じるかも? とも思ったのですが、どうもそれほど簡単な話でもないようです。

ただ、中国側の意図がどうあれ、もし、この件で日本側が騒がなかったら、どうなっていたでしょう? 抗議をしなければ受け入れたものと認識されるのが当然でしょう。気づかなかったから・・・などという間抜けな理由が通用するはずもありません。特に今回に関しては、ウェブ上で堂々と通知されていたわけですからね。

そう考えると、やはり日本側の情報収集能力や伝達の遅さが非常に気になります。
なにしろ、外務省が安倍官房長官に事態を説明したのは、共同通信による報道のあとなのです。このことから、ギリギリまでは情報を外務省内部にとどめておき(この場合、官邸・政治家は外部となる)、自分達(官僚)の手でなんとか事態収拾を図ろうと画策し、どうにもならないことが明らかになった時点ではじめて官邸に投げる(この段階で報道に伝える)という、外務省の体質が透けて見えるようです。
安倍氏が自体を把握してからの動きは、非常にわかりやすいものでした。

対中外交を官僚(いわゆるチャイナスクール?)の手から、せめて政治家の手に取り戻す・・・。これこそが、今、日本に求められていることなのでしょうね。



 
posted by 水無月 at 01:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月06日

内部でなにが・・・?(外務省内部報告書漏洩事件)

ちょっと不思議な報道だったので気になりました。


【韓国:中央日報、半島情勢に関する日本の内部文書入手】
(毎日新聞 2006年4月5日 19時39分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060406k0000m030048000c.html

【ソウル中島哲夫】5日付の韓国紙・中央日報は日本の外務省が作成した朝鮮半島情勢に関する内部報告書を入手したと報じた。内容としては、▽韓国では反日政策が政権支持率を高める効果がある▽盧武鉉(ノムヒョン)大統領は残る任期中、反日強硬論を放棄しないだろう▽盧政権は竹島(韓国名・独島)への閣僚・国会議員の上陸など「過激な示威行為」で韓国の民族主義をあおり、反日強硬政策の効果を維持している−−などの分析が含まれていると同紙は指摘。これらは韓国への否定的な評価であり用語も刺激的だと、批判的に伝えた。

 この報道について潘基文(バンギムン)韓国外交通商相は5日の定例会見で、「もしも事実なら厳重に対応するしかない」と述べ、駐韓日本大使館に真偽確認を要請したことを明らかにした。文書の内容に対しては「韓日関係冷却の責任は日本の誤った歴史認識にあるにもかかわらず、まるで我々が韓日問題を国内政治用に利用しているように解釈しており遺憾だ」などと反発、特に竹島問題に関する記述には「憤怒を禁じえない」と強調した。

 中央日報はこの記事を文書の最初のページ上部の写真とともに5面に掲載。この写真によると、文書は「朝鮮半島をめぐる動き」と題され、「平成18年1月25日 北東アジア課調査班」「取扱注意」などの表記とともに「外部に対して発言される場合には注意願います」と、下線付きのただし書きがある。


私が気にした部分は青字で示した箇所です。

つまり、外務省が作成した内部報告書を、韓国紙である中央日報が入手し報道した、そしてこれに対し韓国政府が反発している、という流れなわけですが。

@ 韓国紙が手に入れた「内部文書」は極秘資料なのかどうか。
 (→ もしそうなら外務省に機密漏洩者がいることになる?)

A ここに報道されている報告書の内容は、私の感覚からすれば、日本のインターネット上などではすでに言い古されているような内容ばかりで、大して新鮮味もない。
 (→ べつに極秘扱いする必要はないのでは?)

B 韓国紙がスッパ抜き、それを、韓国政府が「もしも事実なら・・・」という仮定付きで反応するのは軽すぎないか? 事実かどうかを本気で確かめたければまず韓国紙へ確認するのが筋。日本へ直接確認しても、「確認できない」と返事があればそれで終わってしまう話。韓国側の徒労に終わるだけと思われる。
 (→ 韓国政府の、韓国国民向けポーズに過ぎないのでは?)

C そもそも、一国の外務省が他国をどう分析し、それを内部資料でいかに表現しようが、それは当局の自由であろう。公表資料でもないものを勝手に詮索した挙句、「あなた、私のことをこんなふうに思ってるんですか、それって失礼じゃないですか!」なんて・・・あまりにも(呆
 (→ いくらなんでも韓国政府はそこまで「??」ではないだろうから、報道自体が間違っている可能性もある?)

私は瞬時に以上のようなことを考えたのでした。
というわけで次は元ネタです。中央日報。


【盧大統領、レイムダック避けるため「反日」…日外務省資料】
(中央日報 2006.04.05 09:11:47 )
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=74397&servcode=200§code=200
ハングル版では 2006.04.05 05:02 入力 )

「盧政権は独島を素材としてナショナリズムをあおいでいる」−−。

独島(トクト、日本名竹島)、靖国神社参拝問題などに関する韓国政府の対日外交政策に対する日本政府の内部分析を掲載した報告書を本紙が単独入手した。

外務省の政治情勢分析資料「朝鮮半島をめぐる動き(1月25日付)」は韓国政府の対日政策を国内用にまとめ、独島観光開放を「過激なデモ行為」と表現するなど、否定的に評価している。対外秘資料であるだけに報告書に使われた用語も非常に刺激的だ。

・・・(中略)・・・

これに対して外交通商部当局者は「日本政府は歴史認識問題の重さをよく分かっていないようだ」とし「独島は日本国内の歴史学者の中でも日本の固有領土と主張する人がいないほど、無理な主張であり外交だ」としている。

「いくら内部文書とはいえ、外国の内定まで恣意的に分析するのは遺憾なことだ」とした。

◆日本外務省韓半島政治情勢報告書=日本外務省の韓半島担当部署である北東アジア課が定期的に作成する政治情勢報告書で「取り扱い注意」と分類される対外秘資料だ。6カ国協議と南北関係、北朝鮮政権の動向などが主要内容だ。報告書は首相秘書室と外相を含む外務省主要幹部、韓国、米国、中国など主要国に派遣された公館長たちが閲覧する。



ハングル版をYahooウェブ翻訳ページ(http://honyaku.yahoo.co.jp/url)で読んでみた結果もほぼ同じでした。確かに中央日報は批判的に伝えています。どうやら毎日の誤報ではなかったようですね。
ただし、翻訳ハングル版中央日報には同紙日本語版にはない以下の一文も見えました。
日本語訳 → 彼は "いくら内部文書とはしかし他の国の内政までクルオだ恣意的に分析することは残念な事"と言いながら "切ない"と付け加えた.

日本語記事部分は上記引用中青字で示した部分です。「クルオだ」の意味はハングルの素養ゼロの私にはわかりません(おわかりの方は教えて下さい)が、きっとプログラムによる機械的な翻訳過程で生じた悪戯なのではないかと思います。
しかしそんなことよりも、切ない・・・が消えたのはなぜでしょう? 不思議です(笑


最後に中央日報の続報。この続報までを併せ、毎日新聞は記事にしているようです。以下を読むと、韓国政府が正式に反応しているのも事実だ(なにしろ韓国紙が伝えているのですから)ということがわかります。


【潘外相「憤怒の念禁じ得ない」…日本外務省報告書に厳しく対応】
(中央日報 2006.04.05 16:50:03)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=74415&servcode=200§code=200

外交通商部(外交部)の潘基文(パン・キムン)長官は5日、日本外務省が「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権はレイムダック(任期終了を間近に控え、政治的影響力を失った大統領を比ゆ的にいう語)を避けるため反日強硬姿勢を崩さないだろう」という内容を盛り込んだ内部報告書を作成した、という報道について「万が一事実ならば、厳しく対応せざるをえない」と述べた。

潘長官は、外交部庁舎で行われた定例ブリーフィングで「李赫(イ・ヒョク)外交部アジア太平洋局長がきょう午前、韓国の日本公使を呼んで、事実関係の確認を正式に要請した」とし、こうした立場を示した。

・・・(中略)・・・

これに先んじ青瓦台(チョンワデ、大統領府)は、李炳浣(イ・ビョンワン)秘書室長が出席する一日状況点検会議で、日本外務省の報告書について協議し「事実である場合、厳しく取り組む」との立場を表明した。半面、谷口・外務副報道官は、報告書の存在・内容を尋ねる韓国特派員の質問に「ノーコメント」と答弁した。


該当するハングル版記事を探しましたが、似たような記事は幾つかあるものの、「これに先んじ」・・・以降の部分はハングル版記事には見当たりませんでした。谷口氏が韓国にいるとは考えられないので、これは中央日報の駐日特派員が質問したものでしょうか。


【 ま と め 】


引用ばかりしていたので長くなってしまいましたが、以下に私の感想をまとめておきます。

まず、この「内部報告書」の真贋についてはわかりませんが、仮に本物であったとしても、報道にあるように「『取扱注意』などの表記とともに『外部に対して発言される場合には注意願います』と、下線付きのただし書き」がある程度なら、極秘文書とまではいえないような気がします。
またその内容も、とうてい極秘にする必要を感じないものです。もしこれが日本政府の対外公式文書なら問題でしょうし、政府要人の発言であっても問題視されるのはわかりますが、内部文書であるなら、本来は問題にさえなりえない内容でしょう。

けれども現に韓国政府は反発し、「韓国の日本公使を呼んで、事実関係の確認を正式に要請」するなどの動きをしているようです。韓国国民向けに強気の姿勢を見せた、と解釈することもできるでしょうが、私は「なぜ韓国政府は中央日報報道の真贋を疑わないのか」が気になりました。自国のメディアだから疑わない(信頼している)ということでしょうか?
逆に、中央日報はどのようにして内部報告書を手に入れたのでしょう?
中央日報の第一報は、毎日の報道によれば「5日付」の報道。ウェブ上では、「2006.04.05 05:02 入力」となっています。しかしその記事中で、すでに「これに対して外交通商部当局者は・・・」以下の記述があるのは非常に興味深いですね(日本語判記事から「切ない」が抜けてる箇所です)。

案外、この韓国の「外交通商部当局者」が、日本の内部報告書を手に入れ、中央日報に流したのではないでしょうか?

中央日報はどのような経路でこの内部報告書を入手したか、一切触れていません。
とすれば、一見、記者に聞かれてコメントしたように読めるこの「当局者」が、実は情報の出所である可能性も十分にあるわけです。
そもそも、民間の一報道機関にすぎない中央日報が独力で日本外務省の内部報告書を手に入れたと考えるより、韓国政府が秘密外交活動の結果として入手した(もしくは捏造した? 可能性もゼロではない)文書を意図的に自国メディアへリークした・・・と考えた方が、自然でもあります。
もしかしたら中央日報へ情報を渡す時に、この当局者は「切ない」という、韓国の人には胸に迫ったに違いない心情を、(情報リークの動機として)口にしたのかもしれませんね。
もしそうだとすれば、この「切ない」は永田氏メール騒動で西澤氏が口にした「自己実現」と同じでしょう。つまり、情報の受け取り側を信用させるための、口実・・・。

外交のプロである当局者が、いくら個人的に切なくても、その切なさゆえに、二国間関係を悪化させるに違いないような情報をわざわざ報道機関へ流すとは考えられません。そこには必ず実利を伴った冷徹な計算があったはずです。

現在までの流れを見てみると、今回の内部報告書漏洩事件は、本来は問題にもなり得なかったはずの事件が、いわば「韓国民の心情を傷つけた」罪で外交問題にまで発展していきそうな雲行き・・・なわけです。これってなんだか見覚えのある構図じゃないですか?

私は本来、陰謀論は好みませんが、今回の事件に関しては、煙の出所も韓国紙、カッカと燃えているのも韓国国内・・・というわけで、なんだか韓国政府によるマッチポンプのような気がして仕方ありません。
では、もしこれが韓国政府による意図的リークなら、その狙いはなんでしょう? 「日本外務省の内部報告書」にある通りの、支持率回復策・・・? もしそうなら、まるで漫画のような顛末(オチ)となってしまうわけですが(苦笑

「砂の馬」のつぶやき 時事】(kanteさん)
↑こちらを見ると、単に政権維持のためだけではない、もっと大きな政策転換が韓国内部で起きようとしている・・・のかもしれません。
政権支持率のために自国内の反日感情を煽るくらいなら痴話喧嘩のうちですが、韓国が同族である北朝鮮に引き摺られ、本気で米軍と距離を置きはじめているとしたら・・・。そしてこの大きな流れの中で、反日という現象が引き起こされているのだとしたら・・・?

生き馬の目を抜くような外交の世界ですから、日本側は冷静に情勢を見極め、そして対応策を考えておかねばならないでしょうね。

 
posted by 水無月 at 08:06| Comment(2) | TrackBack(2) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月02日

なぜ報道されないのか(東シナ海ガス田問題)

なぜ全国紙で報道されないんでしょうかね。


【中国が中間線越え調査 東シナ海、航空機で】

 【ワシントン1日共同】日本と中国が対立している東シナ海のガス田開発に関連し、中国が今年に入り東シナ海の日中中間線を越えて複数回にわたり、目的を明かさないまま航空機を使った調査活動を行ったとして、日本政府が抗議していたことが1日、分かった。資源調査に向けた基礎的なデータ収集を行った可能性があるとみられている。日米関係筋が明らかにした。
 調査実施にあたり、中国は事前に通告した。日本は、調査の目的に関し情報提供を求めたが、そのまま調査を行った。日本は事態を放置すれば、自らの排他的経済水域(EEZ)内での中国の活動を黙認することになりかねないとして抗議に踏み切った。中国は回答していない。

(2006年(平成18年) 4月 2日 北国新聞 
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=HKK&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006040101004110


先に私も書きましたが教科書問題、これでは抗議を受けたことに関して大々的に報道がありました。
一方こちらは、日本政府が抗議をしているのです。しかもその内容は、先方にとっては他国である日本の教科書検定などという、誰がどう見たって不当かつ馬鹿馬鹿しい内政干渉以外の何物でもないようなテーマでなく、日本の排他的経済水域を脅かされる懸念にまで通じるような、つまりは国家主権に関わる問題なのです。

私がこの報道を知った【「砂の馬」のつぶやき 時事】でkanteさんが書かれている通り

「出来れば伏せておきたかったけどアメリカが情報を掴んでいて、
 しかもプレスに発表してしまうので仕方なく報道」


というのが実態だろうと私も思います。
政府が抗議した事実を、政府は国民に知らせていない
国内メディアもそれを積極的に調べ公表しようとしない

これはいったいどういうことなのでしょう・・・ね?

隣国と仲良くしたいと望むのは結構なことです。国民レベルでも官僚レベルでも政治家レベルでも。
しかし、自国の主権が(しかも原油1000億バレル以上、天然ガス2000億m3というエネルギー資源をも絡んで)危うくなる場においてまで、なあなあで済ますことなど許されません。国民レベルでも官僚レベルでも政治家レベルでも!

ガス田問題に関しては、一刻も早い試掘が最良の策であろうと思われます。日本政府の毅然とした対応を望みます。

ガス田問題に関してはまとめサイトがありました。 → 【【中国】日中境界海域で資源採掘施設 [05/28] まとめサイト


◇     ◇     ◇


ところで・・・。少し前に「中国は脅威か否か」という問題提起がありましたね。民主党前代表の前原氏がこの件で党内から反発を受けていました。
中国が日本海を越えて軍事的に攻めてくる・・・という想定となると、私も正直「??」と思います。しかし現実に中国の潜水艦や航空機はたびたび日本の領海や空域に入り込んできています。それを「脅威」と捉えるかどうかは、もはや用語上だけの問題のように、私には思えます。

隣国であるというだけで、現実に中国は日本にとって利害敵対国です。たとえばガス田の問題もそうですし、領土問題もあります。それは韓国もロシアも同じです。そしてこうした関係は、隣国との関係が良好であろうと険悪であろうと永遠に変わらない事実なのです。
我々はそういうシビアな認識を持たなければならないと思います。戦後六十年が過ぎ、今日本に求められているのは、政治家も官僚も国民ひとりひとりでもですが、こうしたシビアな認識に耐えられるだけの確固とした自立心、なのではないでしょうか。

暑苦しい愛国心や甘ったるい平和主義などではなく、冷静な事実認識に根ざしたシビアな自立心こそが、本当は最も必要とされているのだと私には思えるのです。


 
posted by 水無月 at 22:38| Comment(2) | TrackBack(1) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月31日

教科書と隣国

日本の教科書検定に関して近隣諸国から反発があったようですね。

ロシアから(30日)
ロシアも教科書検定を批判 北方4島について

韓国から(30日)
教科書に「竹島は日本領」明記、韓国外相が抗議

中国からも(30日)
【教科書検定】中国政府も強力批判

対する日本側の反応。
小泉首相、「教科書検定、私が口出しする問題でない
この記事によれば、日本政府は教科書問題を、外交問題としては正面から扱わない対応をしているようです。

そして新聞社より早いTV系のニュース。
文科相「我が国の立場で正確な記述」

わが国の教育で使う教科書だから、わが国の立場で正確に記述する、ということ」(小坂大臣)
 小坂大臣は31日の閣議後の会見でこのように述べ、竹島が日本の領土であるとする日本政府の立場を改めて示しました。
 また「検定に合格した教科書を使って、指導要領の狙いに沿った教育が行われることを期待している」とも述べました。(31日11:38)


今回の抗議は領土問題にポイントが絞られているようですから話は簡単です。

日本政府の対応は正しい。

領土問題がまさに起きているのですから、一方の当事国である日本が自国教科書で自国の主張を教えるのは当然の話であり、利害敵対国である中国や韓国やロシアがそれに異議を唱えること自体、変な話です。
日本は近隣諸国の教科書の記述に口を挟んだりはしていません。その対応も、私は妥当だと思います。隣人が変だからといって、こちらまでが変になる必要はありませんから。


ただ、この問題では私は次の記事を知り、考えさせられました。


「日本だけ自国中心?」…韓中日歴史教科書比較 】(2006/01/30)

 「近現代史とは、“自分の国”だけが唯一闘争し、業績を残した歴史なのか」

 韓中日3か国の歴史教科書の記述が相互交流の内容を記すよりは、むしろ徹底して「自国中心」の側に傾いているとの分析が出された。

 韓国教員大の金漢宗(キム・ハンジョン)教授ら7人の近現代史専攻者らが共同で出版した研究シリーズ「韓中日3か国の近代史認識と歴史教育」は、望ましい歴史認識の共有に向け3か国の近代史認識をすべて批判的に検討したもの。
(中略)
 もちろん最も根本的な間違いを犯しているのは日本の教科書だ。しかし、他の国の教科書には全く問題がないのだろうか

 韓国の第7回教育課程上の「韓国の近現代史」教科書の日帝時代について書かれた部分は、各時期の代表的な経済政策を通じ日本の経済侵略とそれに苦しむ韓国人の姿を記述している。

 ところが、日本が本国の資本と商品を「輸出」できる「市場」として植民地朝鮮を作ったという記述と、朝鮮の土地を「略奪」し米や資源を「収奪」したという内容が混在している。需要と供給による輸出入という資本主義的経済行為までもすべて「収奪」として画一化する矛盾を内包している、というわけだ。

 また、日本が台湾と満州をどのように支配したかに対する記述が全くなく、周辺の歴史を韓国との関連性の中で見ることができないようにしている、との指摘だ。

 中国は現代史を「中国人民が民族独立と社会進歩を勝ち取るため、反帝・反封建闘争を行った歴史」、すなわち侵略と抵抗の歴史として圧縮している。

 日本軍の占領地域での政策は「野蛮的経済的略奪」と「奴隷教育の実施」に圧縮記述され、収奪と民族抹殺を強調している点で韓国と似ている。

 民族運動に関する部分でも事情は似通っている。春川教育大の金正仁(キム・ジョンイン)教授は、『3か国の民族運動に関する歴史認識の分析』で韓国の教科書が右派と資本主義系列中心の民族運動史を追及し、中国は共産党中心の抗日戦争と社会主義的愛国主義を強調している、と分析する。

 一方、日本は被支配民族の抵抗歴史に対する記述そのものが簡略化されているため、教科書を読んだだけでは「日本は加害者」という明白な歴史的真実をつかみにくい。

 闘争の歴史に対する共有と交流に到達するためには、依然として長き道のりが残されているというわけだ。



やや古い記事でしたが、これが【朝鮮日報】発の報道だったということに、私は感銘を受けたのです。
これは本来、(「根本的な間違いを犯しているのは日本の教科書だ」の部分を除き)日本側のメディアが書いてしかるべき記事でした。

韓国メディアは韓国の主張をし、日本メディアは日本の主張をする・・・のが、本来あるべき姿でしょう。韓国メディアの主張は「根本的な間違いを犯しているのは日本の教科書だ」の部分です。したがって当然、日本人読者である私は、この部分に関しては発信が韓国メディアであることを考慮しつつ受け取りますが、その他の部分に関しては、公正であると思いました。
翻って日本メディアはどうでしょう。「根本的な間違いを犯しているのは近隣諸国だ」と主張することなど、私も最初から期待していませんが、この主張部分を除いた分析部分でさえ、報道されたことがあったでしょうか?

韓国メディアが認める韓国(や中国)の自国中心主義、歴史教育を、日本メディアはなぜ伝えないのでしょう。隣国が自国中心の歴史教育を行っているかどうか、は、日本国内の世論形成にも微妙な影響を与えるはず。つまりそれこそが判断の元になるべき情報として求められている報道のはずなのに・・・ね?

そういう報道を行えば不穏な嫌韓・嫌中派が増えるかも・・・と、心配する向きもあるのかもしれませんが、私に言わせれば、心配御無用です(笑
事実を知らないで形成された好意など、嫌悪感と同様、所詮は幻想にすぎません。もちろん行き過ぎた嫌中・嫌韓も、私の目には幻想としか映っていないのは言うまでもないことです。
そして日本も否応なくそこに組み込まれている国際政治が年々緊迫の度を増してゆく昨今、もはや日本にはいかなる「幻想」も国内に蔓延らせておく余力はなくなってきているのだと思います。

そうした厳しい情勢・・・だからこそ、メディアには真実を伝えて欲しいわけですが。
それが期待薄だから、私はネット情報も頼りにしている・・・というのが現状なのですね。


もうひとつ知った朝鮮日報の報道をついでに。


NYT紙「日本の教科書、韓中よりバランスが取れている」】(2005/04/18 13:54)

 同紙は「教科書制作における綿密な調査と日本の相対的に長い歴史を持つ民主主義史を勘案すると、日本の教科書はおそらく同地域の韓国・中国よりバランスが取れているかもしれない」と主張し
(中略)
「ニューヨークタイムズは韓国と中国も歴史教科書に特定事件を誤って記述したり、省略したりする部分が無いわけではなく、代表的な例として中国の教科書が『米国ではなく中国の抵抗が第2次大戦で日本を敗退させた』と記述している点を挙げた」



米国ではなく中国の抵抗が第2次大戦で日本を敗退させた」・・・こういう歴史認識であってさえ、米国も日本も外交レベルで批判してはいません。
そういうことです。

posted by 水無月 at 15:48| Comment(2) | TrackBack(4) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

補記【拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問】

先にUPした【拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問】の中で、私は二度、「質問の意図がわからない」と書いています。
これだけでは私がそう書いた理由がわからず、不親切(またはぶっきらぼう)で、質問集への苦言、と読めてしまいますよね。
質問集作成に関係した立場の方々がこちらをご覧になることも想定し、なぜそのように思ったのか、説明しておきたいと思います。

まず質問8

◇8.日本人拉致被害者のみならず、その他外国人の拉致被害者、また、北朝鮮国内における人権問題の解決も併せて目指していくべきだ。(#自国以外における北朝鮮問題をどの様に捉えているか?)

 (1)当然である。自分達だけ助かれば良いという考えは、道徳的にも国際的にも、到底受け入れられる事ではない。
 (2)もちろん、これらの問題が解決するに越した事は無いし、日本政府も取り組んでいくべきだとは思うが、優先順位は考慮されて然るべき。
 (3)まずは自国の拉致被害者を救出する事が先決である。あれこれ手を広げた結果、拉致被害者救出に支障をきたしてしまっては本末転倒である。
 (4)その他。
◆設問の意図が不明です。
本心では(3)です。なぜなら、日本は自国民さえ救出できずにいるわけで、そのような国が他国民の人権まで配慮するのは分不相応で滑稽でさえあるでしょう。
ただし現実に日本だけでは自国民を救出できないからこそ、他国と連携を取っているのですから、そうである以上(つまり他国の協力を仰いでいる以上)、他国の拉致被害者の救出にも誠心誠意努力するのは当然のことです。
北朝鮮国内の人権問題に関しては、日本が考える必要はありません。他国民の人権を守るためという口実でイラクを攻撃したような愚をアジアで許してはなりません。もしもそうなった暁には、泥をかぶり、無限に近い経済的損失と歴史的怨恨を背負うことになるのは日本なのですから。


個人の本心としては(3)の自国主義ですが、対外的、外交的には(1)の国際協調も重視しなければならない、というのが、私の考えです。
そうであれば、そのように書けばよかったのですね。
そこを「設問の意図が不明」と最初に反応してしまったのは、「あなたはどのように考えるか」と「日本はどのようにすべきだとあなたは考えるか」の二つの質問を一度にされたように感じてしまったからです。

両者は多くの場合一致するものでしょうが、少し複雑な問題になると、個人としての意見・立場は○○だけれども、日本や政府の対応としては□□が妥当だと思う・・・のようにしか答えられない場合があります。個人としての意見を訊かれているのか、日本の対応について訊かれているのか、が掴めず、迷ってしまった気持ちが、「設問の意図が不明」という言葉になりました。

この質問集全体について感じたことですが、冒頭に回答者(この場合には私)への問いかけ文がないのですね。
「あなた自身の考えを記してください」「日本はどのようにすべきだと思いますか?」または「解決のための運動はどのような形であるべきだと思いますか?」というような言葉がある方が答えやすいのではないかと思います。



次に質問10

◇10.この運動をきっかけに日本の愛国心の高揚を図り、他の様々な問題に対しても応援に向かい団結していくべきである。(#「運動」のあり方に対する考え方、日本国においての拉致問題の位置付けをどの様に考えるか?)

 (1)その通り。拉致問題と他の国益に関する問題は直接は関係ないが間接的には関係している。問題は愛国心だ。
 (2)何とも言えない。
 (3)反対。政治的なイデオロギーを持ち込むと運動の方向性が拡散するし、敬遠する人も出てくる。むしろリベラルな人でもこの問題には賛同するし怒りを覚えるという立場が大事。
 (4)その他。

◆これもまったく意味不明・・・(苦笑
愛国心と拉致問題がなぜ、どのような必然性で繋がるのかわかりません。
愛国心に関係なく拉致問題は解決されるべきであり、そのほかの問題も同じです。たとえば、対中、対朝鮮、以外にも、対米、対露、対欧、対中近東、対オセアニア・アジア、対アフリカ、対南米・・・など、国益に直結する外交問題は山ほどありますが、それと拉致問題と愛国心とはどのような関係にあると設問者はお考えなのでしょう?
質問内容に愛国心の定義を加えるべきではないでしょうか。身内でだけ通じる文脈では、質問テンプレの広範な普及は望めないように思うのですが・・・。


私の回答自体から「愛国心」という言葉へのアレルギーが透けて見えるかと思います(笑
(なお、私が「愛国心」に懐疑的なのは、この語が奇妙にも、天皇制など特定分野の国内問題と、対中・対朝鮮との外交問題に際してのみ頻発し、それ以外の政治問題に関しては語られることがないからです。特定の分野・国家にのみ有効な「愛国心」・・・とはなんなのかと思うわけです)
回答で書いた通りなのですが、愛国心という言葉からなにを思い浮かべればよいのか、記述して欲しかった・・・です。たとえば、質問の冒頭に「最近では竹島問題や靖国問題、在日の人々への参政権付与問題、などもあるが、(この運動をきっかけに・・・)」というような一文を入れるだけでも、「国益」「愛国心」などのイメージが明確になるような気がしました。

回答例の中にある「国益」「イデオロギー」「リベラル」という語の用いられ方から推察するには、この質問集は非「リベラル」、おそらく「保守」系の人々が作成し、同じ「保守」系の人々に読まれることを想定しているのではないかと思いました。しかし「保守」系と自覚していない人々の意見を収集することこそが、実は運動にとっては有益なのではないかと思うのです(だから私は答えました)。
そうであれば、質問集の回答者が当然に「保守」系である、かのような作文は・・・どうなのでしょう? また、もし、回答者を特に「保守」系の人々に限らないつもりの質問であれば、少々不親切ではないかと(つまり、私のような立場の人間にとっては、意味が通じにくいということです)。
さらにまた、「むしろリベラルな人でもこの問題には賛同するし怒りを覚える」という回答例がありますが、ここには「非・リベラルな人でこの問題に無関心な人はいない」という前提が隠されています。そのように決め付ける態度・・・に、私はなんとはなしに危ういものを感じるのです。運動を自ら狭めたり、回答者を質問集が選んでしまう・・・というような。逆に、「保守」系の発想であっても、なんらかの理由でこの問題に心的距離をおく立場の人・・・の存在を、考慮しなくてよいのでしょうか? もしそうした人がこの質問集を目にしたら、やはり戸惑いを感じると思うのですが。
「リベラル」と名指しせず、「政治的立場にかかわらずこの問題には賛同するし怒りを覚える」とした場合にはどうなのか・・・。などと考えました。



以上です。
前回の私の回答を、質問集を作成した【著::善ポコのタコ部屋】さんがご覧になったことが確認できましたので、慌ててこの補記をUPしてみました(汗
「設問の意図が不明」とは、私の方こそ不親切で申し訳なかったと思います。
設問者の方の立場に立てば、回答者から「設問の意図が不明」と言われた場合、その意図を説明しなければならない・・・のようにお考えになるものでしょう。が、その際には、「意図が不明」と私が書いた裏に上記のような理由があったのだ、という事情まで斟酌くださった方が、双方にとって実りある方向へ進めるものと考えた次第です・・・。

posted by 水無月 at 02:20| Comment(0) | TrackBack(1) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月19日

【拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問】

【著::善ポコのタコ部屋】さんの【拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問】に答えてみたいと思います。

もとは私が在籍しているmixiの足跡から知ったのですが、「とある質問に対して自身の考えを述べるという形式は、自身の考えを今一度整理すると共に、拉致問題に関心が有る・無しに関わらず、読者に『考えるきっかけ』を与え、より強い関心を呼び起こし、問題解決への考察をより深める事が出来るのではないかと考えています」という趣旨に賛同したのが直接の動機です。

また私は逆に、やや皮肉な言い方になってしまいますが、こうした質問集への回答をご覧になることによって、拉致問題に積極的にかかわっておられる大勢の善意の皆さんが、彼ら自身の立ち位置が日本世論全体の中でどのあたりに位置するのか・・・ということを、できるだけ客観的に認識する、その一助になれば幸いだとも感じました。
どんな運動であれ、それが世論を相手にする政治的運動である限り、自己の正確&客観的な認識なしに世論の同意を得ることはできない・・・だろうと思うからです。従って私は当然、質問集におもねることはなく、無名の国民の一人として、自分自身の正直な意見を記そうと思います。
そうすることが結局は、拉致問題の解決のために、とりあえず今、私ができる、ほとんど唯一の事柄だろうと思うのです。


       ◇       ◇       ◇


【拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問】


◇1.拉致被害者家族会が北朝鮮への経済制裁を訴える事に違和感を持つ。(#ご家族に対して、どれだけその心情を汲み取り、感情移入しているか?)

 (1)とても違和感を持つ。
 (2)違和感を持たないことも無いが、心情は理解出来る。
 (3)この様な主張を行うのはある意味当たり前である。
 (4)拉致を解決できず、経済制裁が出来ないのは、私たちの力が足りないからである。申し訳ないと思う。
 (5)その他。

◆(1)と(2)の間です。
非常に違和感がありますが、ご家族の方々の苦しみ、また今もなお帰国できないでいる拉致被害者の方々の存在を思えば、この方達が多少常軌を逸したとしても、その心情は同じ日本人として理解しなければならない・・・と感じます。
つまり、家族会が変だ! というように、安易に声高に批判することは避けたいと思っています。けれども「家族会の事情を最優先に日本国や日本外交は動くべきだ、そうならないのは国民の関心が薄い(冷淡な)せいだ」とでも言わんばかりの主張をTVなどで見聞きするにつけ、首をひねりたくなることもあります。


◇2.例え拉致問題が解決しなくとも、今後、同じ出来事が自分の身に降り掛かるとは思えない。(#拉致問題を、どれだけ身近なものとして捉えているか?)

 (1)現実的に考えて、自分の身に降り掛かるとはとても思えない。今日において北朝鮮による拉致が明るみになった以上、迂闊に工作活動を行う事は出来ないと考える。
 (2)何とも言えない。
 (3)自分の身に降り掛かる可能性は十分にある。拉致に関わった北朝鮮工作員が、処罰される事無く現在も日本社会において根を下ろしている現状を考えるべき。
 (4)その他。

◆(4)その他。
まず、同じこと・・・が、狭義に北朝鮮工作員による拉致、ということなのだとすれば、その可能性は限りなく低いと考えます。北朝鮮が拉致工作を現在も行っているという話は聞いたことがありませんし、たとえそうであったとしても、私の居住区は人口密度が高く、ほとんど常に衆人環視状態に置かれているようなものですから。
ただ、同じこと・・・を、北朝鮮に限定せず拉致にも限定せず、広く国家間の政治的緊張や思惑などで一般市民である私が不当に害を受ける・・・こと、というように考えるならば、その可能性はもう少し高いかもしれません。たとえばテロによる被害など。


◇3.小泉政権による対拉致問題への取り組みは、生ぬるいと考える。(#拉致問題に取り組むにあたり、急進的な思考に立脚した論考を積極的に行うスタンスにあるかどうか。)

 (1)生ぬるいと考える。拉致被害者に残された時間はそう長くは無い事を踏まえるべき。
 (2)何とも言えない。
 (3)生ぬるいとは考えられない。多少時間が掛かっても、着々と地に足の付いた取り組みを行うべき。
 (4)その他。

◆(3)です。
小泉政権や日本国が抱えている外交問題は対北朝鮮だけでも、拉致問題だけでもありませんから。そのほかの外交課題とのバランスから考えれば、現状程度の取り組みでも、政府としては精一杯なのではないかと思えます。


◇4.小泉政権による対拉致問題への取り組みが、拉致問題の解決へ大きく寄与していると考える。(#政府の取り組みに対して、どれだけ信頼を置いているか?)

 (1)寄与していると考える。
 (2)何とも言えない。
 (3)寄与しているとは考えられない。
 (4)その他。

◆(1)です。
小泉政権以前には拉致問題自体が外交的に表面化しなかった現状を考えれば、この問題に関して小泉政権が果たした役割は大きいと言わざるを得ないでしょう。


◇5.国際社会における米国との連携が、拉致問題の解決へ大きく寄与していると考える。(#他国との連携のあり方をどう考えるか?)

 (1)米国と連携した北朝鮮への締め付けが、今後の拉致問題の進展に大きく寄与していく。
 (2)逆効果、中韓と連携して融和政策を取るべき。
 (3)法整備も含め、日本単独で解決する道を探るべき。
 (4)その他。

◆(1)です。
大きく寄与するかどうかは疑問ですが、現実として、そのほかに取れる方法があるでしょうか?
これまでの北朝鮮の態度を顧みれば、中韓と連携したとしても、経済的技術的援助のみさせられ、得るものはなにもないように思います。
また日本単独で動く・・・といっても、日本単独でなにができるのか疑問です。


◇6.北朝鮮問題は日本の安全保障としての核の問題が第一優先事項。ここで対応を間違うと数千万人の単位で被害が出るから。数十人、最大でも数百人の拉致被害は優先順位では二番目だ。(#現実主義的思考の度合いは?)

 (1)冷酷だがその通り。もちろん拉致被害者には同情するし解決して欲しいと思うけど…。
 (2)何とも言えない。
 (3)反対。核の脅しに屈して妥協することは北朝鮮の狙いにはまることでしかない。国家の尊厳を失うことは国家としての自殺なのだ。
 (4)その他。

◆(4)です。
日本国民に数千万人もの被害が出るのなら考える余地はなさそうですが、私は北朝鮮からの核攻撃より、金政権の急激な崩壊と、それによる大量の難民発生、そしてその際に国際社会からの圧力によって北朝鮮を援助せざるを得ない状態に陥ることの方が実現の可能性が高いと考えています。
北朝鮮の現体制が急激に崩壊してしまった場合(その際には拉致被害者の救出も今よりは容易になるでしょうが)、日本が受ける被害は、近隣国であるだけに、目を覆いたくなるようなものになるはずです(韓国も当然日本に経済的援助を求めるでしょう)。

金政権はいずれにせよ崩壊を免れないと思います。しかしできるだけ緩やかに、その衝撃を中韓露などと連携しながら吸収しつつ、穏便な形で崩れてゆくのが望ましいのです。
被害者家族が高齢であるから・・・などという理由で、急激な体制崩壊を望む人々の考えには、私はまったく同意できません。もし経済制裁を行うのであれば、周辺国家との連携や賛同を得たうえで行うべきです。


◇7.拉致被害認定者である残り 11 人の帰還を以って、「拉致問題の解決」と考える。(#何を以って「拉致問題の解決」とするのか?)

 (1)拉致認定被害者が帰ってさえくるのであれば、「解決」と考えても良い。
 (2)拉致被害者の数は 11 人とは限らないかもしれないが、結果として妥当であると考えても良い。
 (3)拉致の可能性が濃厚な特定失踪者を含めた残り 100 人以上の人々はどうなるのか。とても「解決」と考える事は出来ない。
 (4)その他。

◆(1)及び(3)です。
(1)と(3)は両立できるでしょうし、両立させるべきです。
国家間の外交問題としては(1)でしょうが、その後民間ルート、それこそ家族会のような形の援助団体が継続的に問題解決を計るのが妥当と考えます。
ただし、民間団体が調査・救出活動を北朝鮮国内で継続できるように環境を整えるのは政府の役割でしょう。つまり、象徴的な11人の帰国と、その後の調査の確約までを引き出せれば、国家間の拉致問題としては決着させるのが妥当だと考えます。


◇8.日本人拉致被害者のみならず、その他外国人の拉致被害者、また、北朝鮮国内における人権問題の解決も併せて目指していくべきだ。(#自国以外における北朝鮮問題をどの様に捉えているか?)

 (1)当然である。自分達だけ助かれば良いという考えは、道徳的にも国際的にも、到底受け入れられる事ではない。
 (2)もちろん、これらの問題が解決するに越した事は無いし、日本政府も取り組んでいくべきだとは思うが、優先順位は考慮されて然るべき。
 (3)まずは自国の拉致被害者を救出する事が先決である。あれこれ手を広げた結果、拉致被害者救出に支障をきたしてしまっては本末転倒である。
 (4)その他。

◆設問の意図が不明です。
本心では(3)です。なぜなら、日本は自国民さえ救出できずにいるわけで、そのような国が他国民の人権まで配慮するのは分不相応で滑稽でさえあるでしょう。
ただし現実に日本だけでは自国民を救出できないからこそ、他国と連携を取っているのですから、そうである以上(つまり他国の協力を仰いでいる以上)、他国の拉致被害者の救出にも誠心誠意努力するのは当然のことです。
北朝鮮国内の人権問題に関しては、日本が考える必要はありません。他国民の人権を守るためという口実でイラクを攻撃したような愚をアジアで許してはなりません。もしもそうなった暁には、泥をかぶり、無限に近い経済的損失と歴史的怨恨を背負うことになるのは日本なのですから。


◇9.北朝鮮の体制が崩壊しない限り、この問題は解決しないのでは?(#北朝鮮体制の現状に対する認識、体制崩壊への方法論)

 (1)そう思う。アメリカに対する強力な外交カードを握って武力制裁に踏み切らせるしかない。
 (2)そう思う。でも中国と韓国がそれを許さないだろう。どうしたらいいのか分からない。残念だけど長引きそう。
 (3)ある意味そう思う。しかし拉致問題はある程度のところでいったん手を打って国交正常化を先に行うべきである。北朝鮮に市場経済が導入され、不可逆的に日本への依存度が高まれば自ずと政治的自由を求める声が高くなり先軍独裁体制は実質的に変化する。そのとき、拉致の解明は一気に進むであろう。
 (4)そうは思わない。このまま対話と圧力だ。圧力として経済制裁が必要。
 (5)その他。

◆(3)及び(5)です。
北朝鮮の体制や今後の見通しについては質問6及び8で述べた通りです。


◇10.この運動をきっかけに日本の愛国心の高揚を図り、他の様々な問題に対しても応援に向かい団結していくべきである。(#「運動」のあり方に対する考え方、日本国においての拉致問題の位置付けをどの様に考えるか?)

 (1)その通り。拉致問題と他の国益に関する問題は直接は関係ないが間接的には関係している。問題は愛国心だ。
 (2)何とも言えない。
 (3)反対。政治的なイデオロギーを持ち込むと運動の方向性が拡散するし、敬遠する人も出てくる。むしろリベラルな人でもこの問題には賛同するし怒りを覚えるという立場が大事。
 (4)その他。

◆これもまったく意味不明・・・(苦笑
愛国心と拉致問題がなぜ、どのような必然性で繋がるのかわかりません。
愛国心に関係なく拉致問題は解決されるべきであり、そのほかの問題も同じです。たとえば、対中、対朝鮮、以外にも、対米、対露、対欧、対中近東、対オセアニア・アジア、対アフリカ、対南米・・・など、国益に直結する外交問題は山ほどありますが、それと拉致問題と愛国心とはどのような関係にあると設問者はお考えなのでしょう?
質問内容に愛国心の定義を加えるべきではないでしょうか。身内でだけ通じる文脈では、質問テンプレの広範な普及は望めないように思うのですが・・・。



         ◇         ◇         ◇


以上です。
なお当BLOG、そして私、は、どうやら「リベラル」に分類されるようです。私自身は、右も左も保守もリベラルも、とりわけ意識したことはありませんが(笑
(少なくとも、愛国心は人並み以上に持っているつもりです)

最後に・・・ですが、日本国民の拉致被害に関心を持たない人は少ないのではないかと思います。
解決が難しい問題であることは確かであり、ネット上の声が現実の政治にどう影響しうるのか・・・ということもあるでしょう。しかしだからといってただ傍観しているというのも忸怩たるものがあり・・・。
そうしたもどかしさを感じておられる方・・・。上記質問集を利用して一度ご自身の意見を整理してみてはいかがでしょう。黙っているよりは、もしかしたらなにかの役に立つ可能性も、あるかもしれません・・・。
posted by 水無月 at 09:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月04日

在日問題・・・の入り口で

※原文は2005年09月28日に書いたものです

以前拝見した、とある日記に、非常に印象深い記述がありました。
要約すると、在英日本人である日記の作者に
パブで隣り合った人が「おれ在日なんだ。」と言う。
現に英国にいるのに、「在日」のおかしさ・・・。
「在日がアイデンティティになっている」というわけです。

在日がアイデンティティになっている・・・ということの重大さが
今日ようやく、わかったように思いました(遅いです 汗)。
先日読んだ『嫌韓流』・・・その中に、日本を一軒の家に喩え
在日はそこに住む居候なのだ、とするくだりがあります。
在日が支払う税金は、いわば飯代のようなもので、それだけ
では十分でない。居候が居候でなくなる(=参政権を得る)
ためには帰化(日本籍の取得)が必要・・・という論理です。

一方で私は、たまたま昨日、在日の方からメールを頂きました。
そこに書いてあったこともまた、非常に印象深い・・・。
メールは私信ですから詳細は明かせませんが、要するに彼女は
朝鮮人であることは自分のアイデンティティの一部だ、と書き
「なに人」・・・という括りでなく「人間」として付き合うことが
理想だと考えている・・・とわかりました。

『嫌韓流』・・・の家の喩えから、私は、それがどの程度の
広がりを持つかは別にして、少なくとも日本人の一部は
在日(韓国・北朝鮮)の人には、半島へ帰って欲しいと
思っている・・・のだと感じました。それが本音なのだ・・・と。

しかし在日の人々の立場に立てば、いまさら帰れない
・・・という現実があるのでしょう。
生活の基盤は日本にあり、親戚の多くも日本に住み
二世、三世ともなれば朝鮮語も覚束ない・・・に違いありません。
帰れない・・・。
帰れる人々は、戦後の帰郷政策でとうに帰っているでしょう
から、今残っている在日の人々は、帰りたくても帰れない
・・・戦後60年の今では、帰ろうと思っても帰れない・・・人々に
違いないのです。

帰れない・・・だから日本へ置いてください、という態度を
日本人は内心で望んでいるのかもしれません。
けれども在日の人々は「置いてください」と言う代わりに
「戦時中に『強制連行』されたのだから・・・云々」と言う。
強制連行・・・来たくないのに連れてこられた・・・という言説は
帰れない・・・帰りたくても帰れない・・・現実と奇妙に重なって
いるようにも思えます。

強制連行の有無・・・は、本日の主題を越えるテーマですから
ここでこれ以上述べることは控えます。
ただ、在日の人々にとっては、強制連行という物語が必要
だったのだろうかと、ふと、思ったまでです。

それはともかく・・・。
少なくとも現状では、帰化するまで参政権は得られない。
帰化して日本人となるか、外国人として生きてゆくか、の
二者択一・・・。
在日の人々は次第に帰化し、数を減らしてゆくのでしょうか。
しかし今の在日の人々が、日本に永住権を持つ朝鮮民族だ
というアイデンティティを持っている以上、帰化すれば
それで済む・・・という問題なのだろうか・・・とも思うのです。

帰化・・・すれば、それはもしかしたら、日本国籍を持つ
朝鮮民族・・・を増やす結果になるのでは? と。

自分がどの民族か・・・というアイデンティティは
どの程度強固なもの・・・なのでしょうね?
一見して区別がつかず、言語も日本語ということならば
帰化後の朝鮮民族の人々は、やがて日本文化の中に吸収され
薄れ、消えてゆくのでしょうか・・・?
それとも、たとえばイラクのように、ユーゴスラビアのように
何年経っても何世代隔てても・・・彼らは朝鮮民族である
というアイデンティティを保ち続けるのでしょうか・・・?

そういえば、日本は単一民族からなる国家である・・・と
言って、物議を醸した政治家がいましたね。
日本は決して単一民族からなる純血種ではない・・・でしょう。
(アイヌ民族や琉球民族がいます)
しかし国民の圧倒的多数が日本民族(という自覚を持つ人々)
である・・・ことは、確かだと思います。
そこへ、自らは朝鮮民族である・・・と思う日本人(日本籍を
持ち参政権を持つ人々)が徐々に増えてゆく・・・としたら?

日本はこうして、名実共に明らかな多民族国家へと変わって
ゆくのかもしれない・・・と、今日、思いました。
アメリカの例を見ても、人種差別など多民族国家の運営は
難しいものでしょう。
難しい・・・としても、それが現実なら、避けて通ることは
できません。
在日の人々が国籍を取得したあとにこそ、先のメールに
あったように、「人間」として付き合えるかどうか・・・が
日本社会に鋭く問われるような気がします。

データ・・・(約10年前のもの)
 在日の人々の人数・・・
  日本国籍を持たない・・・65万人
  日本国籍を持つ者も含め在日一世の子孫・・・200万人以上
 http://www.han.org/a/faq/faq006.html

 民族意識・・・
 「日本」に愛着を感じる・・・・73%
      愛着を感じない・・・7%
 「韓国」に愛着を感じる・・・・38%
      愛着を感じない・・・24%
 http://www.han.org/a/faq/faq021.html

在日の問題に関しては、私自身が関心を抱き始めたばかり
であり、至らない記述も多いと思いますが、ご容赦ください。
もしご意見などありましたらコメントにてお願いします・・・(汗


※補記 2005年09月28日19:15 水無月

読み直すと、論点が曖昧でわかりにくいですね。
在英「在日」、居候の喩え話、在日の人のメール・・・の三例から
私が問題にしたいと思ったのは要するに次のことです。

日本人は在日の人々に半島帰国か、日本帰化かの選択を迫る。
朝鮮民族なら帰国、日本人となるなら帰化。
しかし在日の人にとって朝鮮民族であることがアイデンティティ
の一部であるなら、帰化=日本人となる(同化)、は
日本人側の幻想にすぎない、と言える。
逆に、日本人側は、日本の多民族国家化を嫌がっている、と
いう現状があるようにも思いました。帰化イコール同化
という幻想の裏側には、そうした日本人の本音が隠されている
のかもしれません。
左派=国際化推進、右派=愛国(国粋化尊重)・・・という
図式とも、綺麗に重なります。



posted by 水無月 at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『嫌韓流』を読んでみた

『嫌韓流』とは・・・。(クリックでアマゾンへ→)   
【ネット上で数年前から巻き起こってる“嫌韓”というムーヴメント。
 その嫌韓をテーマにし、日韓関係、韓国、韓国人についてマンガという形で正面から切り込んだのが、本書である。
 各出版社から過激すぎると、出版拒否された問題作「嫌韓流」。
 2005年7月、約2年の沈黙を破ってついに解禁。】←出版社側コメント。

口コミで30万部売れた・・・とか、アマゾン予約第一位
・・・とか、朝日新聞はこの本が売れてから売上ランキングに
漫画を載せなくなった・・・とか、周辺の話題が賑やかな本。

注文までの感想と読後のレビューとをまとめてみました。



2005年09月23日01:38 『嫌韓流』

ネットをプラプラしていて本を注文。
そのうちのひとつが『嫌韓流』・・・でした。
mixiレビューを読んでいたら読みたくなったので。
・・・というか、読むの遅い?(汗
私は『ゴーマニズム・・・』も読んでないです。
これは書店で手に取った時、読む気になれなかったから。

例の小泉ショックを克服するため
あちこちのサイトを覗いたわけですが、その結果
キーワードのひとつが「嫌・中韓」ではないか・・・と
実感したのです。それで・・・ですね。

まあ、読んでみたらまた感想を書こうと思います。
それにしても「嫌」というのがまた微妙な・・・(笑
「反」じゃない・・・というのをどう理解すべきか。
難しい・・・。



09月26日 09:04 レビュー

漫画なので読み易かった・・・という意見が出ていますが
個人的には、漫画なので読みにくかった・・・部分も(汗
絵が下手・・・云々ではなく、主人公側は美しく、対する
在日韓国人や「プロ市民」は醜く・・・描かれているから
最低でも、その視覚から受ける印象を割り引いて読まなきゃ
ならない・・・でしょう? そこが面倒でしたね(笑

史実として、資料として引かれている部分・・・は
これを知らなかった人には、知る価値があると思います。
日韓基本条約や在日の人々の歴史、違法コピーなど・・・。

逆に、韓国側がなぜ反日となるか・・・の説明を
儒教思想、小中華思想、火病・・・など、民族固有の
心性に帰す論法・・・は、一方的であり、説得力を
欠いていると思いました。
現在の韓国政府の立場(政策)が描かれていないのも
乱暴で片手落ち・・・かも?
民族固有の心性に帰すのは、作者山野氏の考えであり
ひとつの意見にすぎない・・・という(一歩引いた)姿勢が
読者には求められるような気がします。

コラムの中では大月氏の「自虐と嫌韓」が、面白かったです。
この「嫌韓」もまたブームのひとつである・・・と冷静に見る
視点が私好み・・・(笑
「メディア・リテラシー」という言葉が本書に登場しますが
そうであるならば、本書に対しても同じ能力が試される
・・・というのは自明の理なわけで、その本書が
「これこそ真実!」と言っては自己矛盾する・・・(笑
そこを上手に突いてくれるコラムだと思いました。
どなたかも書いてましたが「韓国に誇れる文化がない」も
おかしい。これは山野氏の個人的見解でしょう。
そういう、おかしさをおかしさと見抜けるかどうか・・・ですね。

マスメディアの偏向、左派やインテリの親中韓北ぶり
・・・などは、なるほどなぁ・・・と納得。
(既に知っている内容でも具体的に例を出されると
 より納得できる・・・という意味で)
けれども、なぜそうなるのか・・・が、私の知りたいこと
なのですが、そこまで踏み込んではくれていませんでした。
(大月氏のコラムでも隔靴掻痒の感・・・)
自分なりに答えを見つけるしかない・・・という、結論は
当たり前のことで・・・。
その資料としての価値(対値段)・・・で星は評価して
みました。

星五つが最高・・・☆☆☆☆
posted by 水無月 at 03:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 中国・朝鮮・在日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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