2006年10月09日

靖国が変わるとすれば・・・

 
以下、日記から抜粋。やや時期遅れなのはご容赦ください・・・。


【<靖国神社遊就館>米が批判の記述修正 アジア関連は変えず】
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061006k0000m040143000c.html

 靖国神社の最高意思決定機関である崇敬者総代会が5日開かれ、
神社内の戦史博物館「遊就館」の展示のうち、米国から批判が
出ていた第二次世界大戦の米国関係の記述を見直すことを決めた。
10月中に修正文を作成し、年内をめどに展示を変更する。一方、
中国や韓国などアジアの国々から「侵略戦争の認識が欠けており、
アジアの独立を促したと正当化している」などと批判されている
展示については、今のところ見直さない方針だ。
」 (毎日新聞 2006年10月6日 3時00分)

靖国に関しては比較的長く追っていますから、私がここで発言
しないのは、その方が不自然かと・・・(汗

まず、「靖国神社の最高意思決定機関である崇敬者総代会」
この存在を、不勉強なことに私は知りませんでした。
政教分離ということで、政治の側からはなにも言ってはいけない
ことになっている同神社ですが、自身が自身の意思で主体的に
態度を変える分には、なにも問題はないわけです。
これはとても自然なことである反面、正直に言ってなにか新鮮な
驚きも感じましたね。
もちろん、「遊就館」の展示と分祀ではおのずから性質が違い
ますから、いっしょにはできないでしょう。
・・・が、本質的には同じなんだろう、とも思いました。

靖国神社の「遊就館」に象徴されているのは、いわゆる
「靖国史観」なのだろうと思います。
そしていかなる史観も、同時代の政治背景抜きには成立しない
ということなのでしょうね。

アメリカからの要求には譲歩し
「アジアの国々」からの要求は突っぱねる・・・。
右左関係なく、ここに醜さや苛立ちを感じない日本人は少ない
のではないでしょうか。
そしてこの「醜く苛立たしい靖国」こそが、日本の現状を
ある意味では非常に正直に映し出した姿なのだと思います。

靖国神社を批判、あるいは非難することは簡単です。
しかし鏡に映った自己の姿がいくら醜く、不恰好であったと
しても、鏡を非難することにどれほどの意味があるでしょう。

鏡の中で美しい自己に会いたければ、不恰好な本体を
格好良く映すよう鏡に文句を言い、アレコレ弄り回すより
本体自身を引き締まって均整の取れた肉体に改造する方が
ずっと早く、かつ有意義であろうと思います。

 
posted by 水無月 at 23:23| Comment(2) | TrackBack(0) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月22日

昭和天皇の発言ではなかった

 
前回書いた靖国メモに関してですが
どうやら昭和天皇ご発言のメモではなかったようです。

http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1715328
『富田メモは昭和天皇ではなく藤尾元文相の発言【マスゴミ捏造】』

メモ画像が載っているので、確度はこれ以上ないほど高い
のではないでしょうか。


さて、この画像を良く見て見ましょう
日経の記事になった発言の前にも文章があります

その全文

 前にもあったが どうしたのだろう
 中曽根の靖国参拝もあったが
 藤尾(文相)の発言。
 =奥野は藤尾と違うと思うがバランス感覚の事と思う、単純な復古ではないとも。
 私は或る時に、A級が合祀され、その上、松岡、白取までもが、
 筑波は慎重に対処してくれたと聞いたが松平の子の今の宮司がどう考えたのか
 易々と松平は平和に強い考えがあったと思うのに、親の心子知らずと思っている
 だから 私あれ以来参拝していない。それが私の心だ。


はい、そうです、
中曽根総理大臣の靖国参拝を中止したことが話題になっていた当時の、藤尾元文相の発言です
昭和天皇の発言ではありません


偽装(!)とは気づかず、私も反応してしまったわけですが
つまりはそれほど、天皇という存在は、日本においては
大きな存在だということだと思います。

それがなぜに・・・偽装!?
畏れ多いことであると同時に、これが最後まで明らかに
されなかった場合の影響の大きさを考えると、恐怖を覚えます。

しかもこのことは、どうやらまだメディアでは報道さえ
されていないようですね。
ネット上の報道記事を見ると相変わらず、この偽装メモが
昭和天皇の ご意向である、との前提で議論が進んでいます。
事実を検証できないメディア!?

恐ろしいことです。
 

結果的に、小泉首相は咄嗟に「心の問題であり影響なし」とした
あの談話で、また株を上げたことになるでしょう。




 
posted by 水無月 at 22:07| Comment(10) | TrackBack(2) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月20日

「それが私の心だ」

 
【昭和天皇「私はあれ以来参拝していない」 A級戦犯合祀】
http://www.asahi.com/national/update/0720/TKY200607200188.html
(2006年07月20日11時12分 【asahi.com】)

「私は 或(あ)る時に、A級(戦犯)が合祀され
 その上 松岡、白取(原文のまま)までもが
 筑波は慎重に対処してくれたと聞いたが
 松平の子の今の宮司がどう考えたのか
 易々(やすやす)と
 松平は平和に強い考(え)があったと思うのに
 親の心子知らずと思っている
 だから私(は)あれ以来参拝していない
 それが私の心だ」

やっぱり天皇なんですね。この国は。
首相が参拝するかどうかなど、小さな問題に思えてきます。
首相後継者レースへの影響などさらに小さな問題。
外国の反応などどうでも宜しい。

靖国が神社である以上、祭祀長は天皇です。

なるほどなぁ・・・と思った次第(笑


細かなことですが、「それが私の心だ」これはなかなか
考えさせられる表現です。
言外に、「私の心こそ日本の心である」という強烈な自負を
感じたのは私だけでしょうか。

なるほどなぁ・・・と再び(苦笑




 
posted by 水無月 at 20:25| Comment(0) | TrackBack(0) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月28日

総裁選について

 
最近は真面目にニュースも追えないような状態と
なってしまっていて、ここもなかなか更新できずに
申し訳ありません(汗
以下↓は、次期総裁選についての感想です。日記から。


次第に安倍氏と福田氏の森派内一騎打ち・・・の様相を
呈してきているのでしょうか。
こういう形で靖国参拝が論じられること自体に、私は
微妙な違和感を感じています・・・。というのも
靖国参拝の(政教分離の、A級戦犯への参拝の)可否
そのものを冷静に考えることから、ますますズレて
いってしまっているような気がするからです。

総裁選に絡めて靖国参拝が問題となるなら、それは
次期首相となるべき人が、対中外交をどのように
考えているか、を象徴的に示す物差しとして注目されて
いるのだろうと思います。
そうであれば、次期首相候補と呼ばれる人には
靖国参拝をするかどうか、とあわせて
東シナ海ガス田問題をどのように決着させるつもりか
についても、語ってもらいたいものです。
靖国問題は依然として大きな国内問題ですが、外交が
絡むとかえって解決が難しいように思えてなりません。

ここから先は私見ですが、今の日本の中には
「靖国参拝ははっきり言えばどっちでもいいけれども
 中国ときちんと対峙できないような政権では困る」
と思う有権者もかなりの割合でいるような気がします。
対中国への外交姿勢を示す物差しとして靖国参拝が
受け止められている限り、上の「」内のような考えの
人は、「参拝する首相」を応援せざるを得ないわけです。

参拝はしない、かつ、対中でも毅然と対応する、という
首相候補が登場すると、面白くなると思うのですが・・・。


 
posted by 水無月 at 22:38| Comment(3) | TrackBack(0) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月21日

13億の心

こんなことを書くとまた、反対派の方からお叱りを受けそうですが・・・(汗

【中国次官「13億人の心の問題」=政策対話で靖国参拝中止を要求】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060220-00000088-jij-pol
 日中両政府が10、11両日に行った外務次官級の「総合政策対話」で、中国側が小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「(中国の)13億人の『心の問題』はどうするんだ」と厳しく批判、重ねて参拝中止を求めていたことが20日、分かった。外務省幹部が明らかにした。 
(時事通信) - 2月20日17時0分更新

中国の13億の心は中国の問題でしょう。
中国の人々の心まで日本に責任取れなんて無茶苦茶です。
13億の心は中国政府の領分(日本政府の領分は1億の心)。
だからこそ、それをなだめるよう努力するも、逆に扇動するも
中国当局次第というわけなのでは?

13億人が怒っている、あるいは嘆いている、ことは
重く受け止めなければならないでしょう。隣国としても。
しかし「どうするんだ」と詰め寄られても困ってしまう・・・というのが
正直なところだと思いますね。
少なくとも、中国の官僚や政治家が日本へ向けて言うのは
なにかがちょっと違うのでは? という気がしました。
posted by 水無月 at 05:34| Comment(9) | TrackBack(1) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月31日

交錯の地

靖国に関するエントリへの反応は早い(笑
コメントもトラバも、ついでに英文コメントも(またですか・・・orz)。
耐震強度の比じゃないなぁ・・・と実感。

最近思うわけですが、私も含め、日本人がとりわけ
デリケートに反応するヤマが幾つかありますね。
原爆、靖国、天皇制・・・あたり?
憲法の話ではまだ冷静さを保てていても、原爆や靖国(天皇)
の話では、「理屈じゃないんだよ」的な論調になる人も。
(拙BLOGや日記に頂いたコメントがそう、ということでは
 ありませんので、念のため)
なるほどなぁ・・・と(笑

原爆(=敗戦)のショックを日本はいかに吸収したか
いかに吸収し損ねた(=傷を残している)か。
そういう、六十年前の原体験が一方にあり
他方に、最低でも千五百年近くは確実に、連綿と続いた
「ヤマト」の原風景がある。
両者が不幸な角度で交錯する「場」に、靖国が建っている
のかもしれないですね・・・(綺麗に整理しすぎかも 汗)。


「世界市民」という言葉を目にしました。
「世界市民を標榜するリベラルな人間は何をしたらええんか?
 異文化(異なる価値観)との対話は、必要か? 可能か?」
( 【いわいわブレーク】_【「・・看板倒れ」をお詫びしてー または「バカにできない『トホホの人間』」】建つ三介さん http://blogs.dion.ne.jp/ivanat/archives/2754288.html#more
リベラル=世界市民を標榜する だったのですね。
知らなかった・・・です。マジで(恥
しかし確かに「リベラル」と私が思う人達の共通項は
「世界市民を標榜する」あたりにあるのかも、とも思います。
そして911以降(もしかしたらベルリンの壁崩壊以降)の
世界情勢は、「世界市民」の実現困難さを
(少なくとも私には)知らしめた、ということなのかも・・・?

そんなに簡単に絶望などするな、と言われそう?
いや、私こそ言いたい。
そんなに簡単に大事な(なけなしの)希望を託していいのか、と。
「世界市民」の時代がどういうものか、私には最早
想像すらつきません。どの先進国も移民問題に悩み
どの移民国家も民族差別・民族間憎悪に悩んでいます。

世界市民というのは、もしや爆心地のごとく
一切合財がなぎ倒され、万人が「平等に」すべてを失う時代
そういう心象風景の中でしか存在し得ないのではあるまいか。
けれどもこの風景を想像し、想像の爆心地(=処女地)に立つ私は
それでもやはり自分は日本人であるだろうと思っています。
私を巡り、私を動かす源泉であるところの「血」とは
紛れもなく日本語であったり日本文化であったりするはずだから。
そうしていつしか私は、ふたつのイメージが交錯する「場」に
危うい姿勢で立ちすくんでいる私自身を発見するのです。
・・・それはなんだか靖国神社にも似て。

(以上は1月30日分の私的日記よりコピー
 カテゴリに迷いますがとりあえず【靖国問題】に入れておきます
 日本って今どこにいるの・・・? のBLOGテーマそのもの 笑)

posted by 水無月 at 07:11| Comment(4) | TrackBack(0) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月29日

「天皇陛下 靖国参拝を」麻生発言について

靖国関係で動きがあったようですね。麻生外務大臣。


『天皇陛下 靖国参拝を』 (【東京新聞】)
 「天皇陛下の参拝が一番。何でできなくなったのかと言えば、公人私人の話。それをどう解決するかという話にすれば、答えは出てくる」

 麻生太郎外相は二十八日、名古屋市で講演し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝で中国と韓国との関係が悪化している問題は、天皇の靖国参拝が実現すれば打開できる、と主張した。

 外相はその理由として「英霊からしてみれば、天皇陛下万歳と言ったのであって、総理大臣万歳と言ったのはゼロだ」と述べ、天皇が参拝すれば首相が参拝する必要がなくなる、との考えをにじませた。

 外相は天皇の参拝が実現した場合、中韓両国がどんな反応を示すと予想しているかは言及しなかった。

 天皇の靖国参拝は、靖国問題が政治問題化した一九七五年以来、行われていない。




私自身も、天皇の参拝は歓迎する立場です。

ただしその考えの裏側には、上の引用にて青字で強調したような
「天皇に参拝して頂く代わりに首相には参拝して欲しくない」
→靖国神社を純粋に宗教的立場に固定し政治問題化して欲しくない
という文脈の希望があります。

けれども一国の首相に参拝するな、しろ、と言えないと同様
今上陛下に対しても、参拝してください、とは誰も
言い得ないのではないでしょうか。
皇籍にある方々は「国民」ではないのだから
基本的人権は保障されていない、という論法も成り立つのかも
しれませんが、それにしても
もしご本人の気が進まないのであれば
無理にお願いするわけにもいきますまい。

まして政治家がそれを口にするのは
いささか政治臭が過ぎ、かつ出過ぎてやしませんか・・・と思いますね。

別の新聞から麻生氏の発言要旨を拾ってみると
天皇の参拝があったからといって、政治家の参拝がなくなる
という、確たる見通しを述べたものでもないようです。
どうやら、麻生氏がそう語った、ではなく
そう言いたかったのだろう、という東京新聞の解釈に過ぎない模様。




麻生太郎外相講演の靖国神社参拝問題関連の要旨は次の通り。

 靖国神社は東京都認可の宗教法人。国立でも何でもないから、靖国神社という一神社のやることに対して、国がああしろ、こうしろと言えない。

 少なくとも日本国首相が自分の国内で、ここは行っていいけど、こっち行っちゃいかんというようなことを外国から言われて、決めるのは絶対通るところではない。

 中国が言えば言うだけ、行かざるを得ないことになる。やめろ、やめろと言ったら行くんだから。たばこ吸うな吸うなと言えば吸いたくなるのと同じことだ。黙っているのが一番。

 祭られている英霊の方からしてみれば、天皇陛下のために万歳と言ったのであって、総理大臣万歳と言った人はゼロだ。天皇陛下の参拝なんだと思う。それが一番。

 天皇陛下の参拝がなんでできなくなったのかと言えば、公人、私人の話からだから、それをどうすれば解決できるかという話にすれば、答えはいくつか出てくる。そういった形にすべきだと思っている。
(【中国新聞】)



結論を言うと、政治家の参拝自粛を担保にもしていない状態での
天皇参拝待望論には、私は賛成できません。


もうひとつ気になるのは、やはり今上陛下のご意向です。
いちいち資料を引くことはしませんが(すみません)
昭和天皇の参拝が途絶えたのは、A級戦犯が合祀されたからだ
という話を何度か、複数の箇所で、読んだ覚えがあります。
それによれば昭和天皇はA級戦犯にあまり良い印象を
お持ちでなく、合祀にも乗り気ではなかった・・・と

厚いベールに閉ざされた世界の御方ですから
その真意はなかなか外へは漏れてきません。
天皇家の人々が靖国神社をどう見ているか、は、わからない
というのが、実情だと思います。

麻生氏は政治家ですから、その発言も政治的効果を
狙ったものであるのは間違いないでしょう。
それを考慮に入れても、なお、今回の麻生氏の発言は
赤字の部分(参拝が途絶えたわけ)の説得力が弱く
青字の部分(首相参拝自粛への道筋)の保証もない、という
二箇所の部分で疑問を感じました。


蛇足ですが、同氏の発言のそのほかの部分、特に
「少なくとも日本国首相が自分の国内で、ここは行っていいけど、こっち行っちゃいかんというようなことを外国から言われて、決めるのは絶対通るところではない」
「祭られている英霊の方からしてみれば、天皇陛下のために万歳と言ったのであって、総理大臣万歳と言った人はゼロだ。天皇陛下の参拝なんだと思う。それが一番。」
は正論だと思います。
外国から言われてでは止められない、だから国内の力で
なんとか解決しなければならない
、ということ。
そしてもうひとつは、やはり戦争で亡くなった人に対し
天皇家の人々はなんらかの対応をして欲しい、ということ。
広い意味での戦争責任を取る・・・ということ
繋がっているような気がします。

posted by 水無月 at 17:36| Comment(8) | TrackBack(2) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月30日

靖国問題・・・A級戦犯の両義性

【A級戦犯には両義性がある】

靖国問題ではいろいろな立場の人がいろいろな観点から意見を述べていますが、議論が紛糾する理由のひとつに、A級戦犯の両義性・・・があることを、私は指摘しておきたいと思います。

A級戦犯・・・。極東裁判で有罪とされた人々ですね。もちろん、ほかにB級、C級・・・もあるわけですが、靖国問題において話題になることは少ないようです。

その両義性を、この場では仮にA論、B論と名づけて整理してみたいと思います。


<A論>
先の大戦における日本の戦争責任はA級戦犯にある・・・というもの。これが日本の建前でしょう・・・国内でも、国外向けにも。これは、日本でよりも近隣諸国の方がむしろ明快に述べています。
「日本の戦争責任はA級戦犯にあると理解する。だから我々は個々の日本人に責任を問うことはしない」ゆえに「A級戦犯を祀る靖国神社への日本国首相参拝は許容できない」という、実に首尾一貫した論理です。

<B論>
もうひとつのA級戦犯・・・。それは、A論から逆説的に導き出されます。つまり、A級戦犯とは、本来は日本国民全体にあった戦争責任を、象徴的・形式的な形で代わりに背負った人々である・・・という論理です。またここにはもうひとつ、彼らが責を負って処刑されたことにより、戦勝国による戦争責任の遡及から昭和天皇及び天皇制を守った・・・という側面も、同じロジックを持つものとして加えることができるでしょう。
つまり、A級戦犯とは、国内的な意味においては日本国民や天皇のために犠牲になった人々である、というわけです。


【祭祀伝統に逆らうA論 と 論理破綻のB論】

A論とB論・・・。A級戦犯の持つ両義性・・・を、日本人はまだ十分に消化できていないようです。

「国内的な意味からすれば犠牲者である」というB論は、A級戦犯を祀る靖国神社へ首相が参拝することで、結果的に60年前の戦争責任を国内外から再度問われる事態を呼び起こしてしまい、戦争責任をすべて背負った、という前提そのものを崩す結果となっています。
犠牲者であるなら首相の参拝が許されて当然のはずなのに、参拝することでA級戦犯の犠牲部分に疑問が生じる・・・という矛盾。B論からの参拝賛成論は論理破綻を来たしているように見えます。

一方の、あくまで戦争犯罪人として扱うべきである・・・というA論ですが、これには、日本の祭祀伝統から外れている、という批判が繰り返されています。つまり、日本人の素朴な宗教感情に合わない、ということでしょう。


祭祀伝統・・・に関しては、よく、日本は過去の過ちを水に流す国民性だ、という説明がされていますが、私の理解では、B論の背景にあるのは単なる「水に流す国民性」を超えた、より強固な伝統のようです。
日本には聖徳太子の時代から、歴史上の敗者や罪びとこそ手厚く祀りあげる・・・という伝統があります。梅原猛氏言うところの、いわゆる怨霊史観・・・です。聖徳太子一族は法隆寺に祀られ、菅原道真や平将門・・・も、その不遇な死後、手厚く葬られています。そのように祀りあげる主体は、いずれも時の権力者であるのが特徴です。自らが滅ぼしたかつての敵を祀ることによって、怨霊化を防ぎ、さらにはもっと積極的に、守護者となってくれることまでを期待するのです。
昨今の靖国問題を巡る論争を見ていると、私にはどうも、B論を主張する(主に参拝賛成派の)人々の意識の底に、この怨霊史観的な発想が潜んでいるような気がしますね。

そうなると、A級戦犯こそ、現代日本を祟らないよう、むしろ手厚く葬るべし、となるはずです。怨霊史観・・・という言葉でなくとも、「A級戦犯は犠牲者だ」という言説そのものの中に、A級戦犯の慰霊や鎮魂を欲する気持ち、A級戦犯への申し訳なさ(贖罪意識)・・・が込められているように思います。


A論とB論・・・。
私には、一方が他方をねじ伏せるべきだ、とは思えません。また、そうしようとしても、必ずどこかで破綻を来たすでしょう。
日本人がなんとか知恵を出しあって、両論ともが成り立つような靖国神社や戦没者慰霊の在り方を考えるべきだと思います。


【具体的な解決法はあるのか】

靖国問題打開のため、靖国神社以外の追悼・平和祈念施設の建設を望む声もあります。
これは、小泉氏をはじめとする歴代首相が靖国参拝の目的を「戦没者の追悼」「平和祈念」と内外に向け説明していることを受けたものでしょう。近隣諸国も、A級戦犯の合祀がされていない新施設の建設、及びそれへの参拝を望んでいるようです。

ただし、ひとつ気になるのは、現在官邸が進めている新施設は「慰霊を目的としない」追悼施設であることです(末尾資料参照)。
慰霊や鎮魂を目的としない新施設での祈念・・・は、A論からすればまったく正当なものですが、逆にB論からすればまったく無意味です。
靖国問題・・・反対派が学ぶべきこと】の資料部分で示した通り、現在新施設建設に賛成している国民は先の世論調査によれば六割以上(2/3弱)ですが、この新施設の、追悼はするが慰霊はしない、という内容を正確に理解したうえで賛成しているのかどうか・・・が、不安の残るところですね。

新施設が建設された段階の世論が「首相は新施設へ行くべきであって靖国神社へは当然のことに参拝すべきでない」となっていれば問題ないですが、もし「戦没者(やA級戦犯)の慰霊」にこだわるB論者が一定割合以上で国内に存在していた場合、将来のいつか、B論に深く傾倒した首相が誕生して新施設があるにもかかわらず靖国神社参拝を行う・・・という事態を招くかもしれません。

靖国問題にはいろいろな角度からの切り口がありますが、「A級戦犯も含めた戦没者の慰霊を行うべきだ」と考えるB論者をどう満足させるか・・・。そこがまったく論じられていないのが不安です。


なお、私自身の私見を述べるなら、A級戦犯を含めた戦没者すべての「慰霊」や「鎮魂」は、首相でなくむしろ天皇が行うのが筋だと考えています。
天皇は過去に亡くなった人々の慰霊のため靖国へ、首相は将来の平和祈念のため新施設へ・・・。これが一番スッキリしていると思います。


         ◇         ◇         ◇


資料【追悼・平和祈念のための記念碑等 施設の在り方を考える懇談会】首相官邸報告書
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tuitou/kettei/021224houkoku.html

第3 追悼・平和祈念施設の基本的性格

 4「
 この施設における追悼は、それ自体非常に重いものであるが、平和祈念と不可分一体のものであり、それのみが独立した目的ではない上、「死没者を悼み、死没者に思いを巡らせる」という性格のものであって、宗教施設のように対象者を「祀る」、「慰霊する」又は「鎮魂する」という性格のものではない。したがって、前述のような死没者一般がその対象になり得るというにとどまり、それ以上に具体的な個々の人間が追悼の対象に含まれているか否かを問う性格のものではない。祈る人が、例えば亡くなった親族や友人を悼むことを通じて戦争の惨禍に思いを馳せ、不戦の誓いを新たにし、平和を祈る場としての施設を考えているのである。



第4 追悼・平和祈念施設と既存施設との関係

 1「
 靖国神社の社憲前文によれば、靖国神社は、「國事に殉ぜられたる人人を奉斎し、永くその祭祀を斎行して、その「みたま」を奉慰し、その御名を万代に顕彰するため」「創立せられた神社」とされている。これに対し、新たな国立の施設は、前述のような死没者全体を範疇とし、この追悼と戦争の惨禍への思いを基礎として日本や世界の平和を祈るものであり、個々の死没者を奉慰(慰霊)・顕彰するための施設ではなく、両者の趣旨、目的は全く異なる。
 また、靖国神社は宗教法人の宗教施設であるのに対し、新たな施設は国立の無宗教の施設である。この性格の違いは、異なった社会的意義を保障するものである。

posted by 水無月 at 00:42| Comment(17) | TrackBack(0) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

靖国問題・・・反対派を瓦解させる反対論

靖国問題は国内問題です、と明言したことで、早速(反対派と思われるかたから)お叱りのコメントをいただきました。

そのように反応したくなる気持ちは、よくわかります。実際に国外から抗議が寄せられている以上、現実としても国内だけの問題、とは言えないでしょう。
また私は、外国は日本の靖国問題に抗議すべきでない、と言いたいわけでもありません。日本国内でなにが起ころうと、日本人がどう思おうと、外国はそれぞれの国の事情・論理で動くものです。それを良い・悪いなどと国内で論ずること自体が無意味ですから(可能なのは、有利・不利という価値判断だけでしょう)。

一方で、外国からの抗議を受けた結果、どのように行動するかは、その国の国内問題なのだ、というのも冷徹な事実です。アメリカが度重なる反核団体からの抗議を受けながらも、自国の論理で核戦略を進めるのと同じことです。
アメリカを変えることができるのはアメリカ国民だけであり、日本を変えることができるのも日本国民だけなのです。


先の【靖国問題・・・反対派が学ぶべきこと】で私が言いたかったのは、「反対派は靖国問題を国内問題として扱うべきである」ということでした。

一部の靖国参拝反対派は(先にコメントをいただいたかたが、そうだというわけではありませんが)、こう言うかもしれません。
「それでも、外国から実際に抗議が寄せられ、外交に支障を来たしている以上、一国の首相が、それをあえて無視し、混乱を招くのはいかがなものか」と。

私はこの、一見平和愛好的な反対意見こそ、国内を混乱させる元凶なのだと思うようになりました。
上の反対派の意見は、実はこう言い換えられるのです。
外国から抗議が寄せられないならば参拝してもよい

書いていて虚しくなりますが、そのように外国頼みに、非・主体的にしかものを考えられない人の意見に、耳を傾けようと思う有権者は稀でしょう。
それは、「その件について、中国の了解を取ったのですか? 取ってないでしょ?」と発言したといわれる岡田氏率いる民主党が、先の衆議院選挙でどのような評価を受けたか・・・を見れば、明らかです。

靖国参拝に本気で反対したいと考えるなら、外国からの抗議に頼らない反対の根拠を出すべきです。そしてその反対論拠を国内に問うべきなのです。
外国からの抗議は追い風程度(実際は逆風として働いていますが)に捉えておくのが正しい態度です。決して、それに頼ってはいけません。

思うに、外国が抗議しているから反対! と言う人は、説得されて反対派に回っただけの人なのではないでしょうか(この説得には、外国からの抗議も含みます)。けれどそうした人々は、参拝賛成派が現在続々と提出してきている「外国からの抗議は国益を損なっていない」証拠や主張に触れたとたん、参拝賛成派にまわる可能性を秘めています。
現在起きているのはそうした事態だと思います。
参拝反対の意見の人のうち、「中国や韓国などとの友好関係に影響する」ことを理由に挙げる割合が7割を超えている・・・先の世論調査は、反対派の崩壊が間近に迫っていることを示す警鐘です。
反対派の皆さんが、なぜここに危機感を見出さないのか・・・不思議です。


もうひとつついでに・・・。
参拝反対派のBLOGを見て思ったことですが、「小泉氏は 首相 議員になる前は参拝していない。大した信念もない癖に、パフォーマンスとして参拝しているだけ」のような意見もあるようです。
これも、反対のふりをした、実は反対派瓦解論のひとつです。
靖国参拝問題を首相個人の性格や資質に結び付けるのは自殺行為です。それなら、議員になる前から参拝を続けていたような人物が首相として参拝した場合には、「信念がある」から「賛成」に回るということですか?

首相が小泉氏であろうと誰であろうと反対する、そういうスタンスを保持して欲しいですね。

反小泉陣営の人々や親中・親韓派の人々が靖国問題を「利用」し、結果として参拝反対派を衰退させている・・・それが現状なのかもしれません。

posted by 水無月 at 12:44| Comment(14) | TrackBack(6) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月21日

靖国問題・・・反対派が学ぶべきこと

共同通信社世論調査によれば、小泉首相の先の参拝は
大手メディアの論調とは異なり、むしろ参拝前よりも
好意的に捉えられているようです。

 参拝前選挙直後の世論調査(9月)
  「今年は見送るべきだ」・・・53.0%
  「今年も参拝すべきだ」・・・37.7%

 参拝直後の世論調査(10月17、18日)
  「参拝すべきではなかった」・・・45・8%
  「参拝してよかった」・・・48・1%


この結果をどう捉えるのか・・・私は靖国参拝反対派へ
とりわけ、自らが意見主張をすることによって国民に影響を
与えうると自負している人々(野党政治家やメディア)・・・
の方々へ、訊きたいですね。

もし
「自分達がこれだけ靖国参拝の不当性を訴えているにも
 かかわらず、国民には浸透していない」
「国民は小泉流の派手な愛国パフォーマンスに惑わされている」
「中韓の抗議に嫌気が差し、国民は耳に心地よい偏狭な
 ナショナリズムに安易に走っている」
・・・としか思えないのなら、靖国参拝問題はもう終わりです。
靖国だけでなく、改憲をも含め、今後の議論の一切は
先の衆議院総選挙と同じ結末を辿るでしょう・・・。
「彼ら」・・・は、自分達が支持されないことの理由を
すべて相手方の中に見出し、なぜ負けるのかも理解できず
無理に理解しようとすれば、それは「国民が愚かだからだ」と
しか言い得ず、そうして永久に負け犬の遠吠えを繰り返す
ことになるでしょう・・・。
こうした思考回路の指導者、政治家、こうしたメディアしか
持たない支持者こそ、いい迷惑です。
支持者達は自らの信望する主義主張を多くの国民・有権者に
正しく、公正に判断してもらう機会もないまま、負けさせ
られてしまうのですから・・・。

そういう流れを変えたい・・・と思う人だけに、以下の文章は
読んでもらいたいと思います。
靖国参拝反対派だけでなく、賛成派のかたでも、少しでも
興味を抱かれたのなら、是非読んでください。

逆に、国民・有権者が自派を支持しないのは国民が愚かだから
だ・・・としか思えない人には、私はもうなにも期待しません。
どうぞ声が嗄れるまで靖国参拝の不当性や平和憲法の素晴らしさ
を(無知で愚かな国民に)説き続けてください。
そうして硬直し廃墟となった真理と平和のお城で、いつまでも
取り巻き支持者以外の圧倒的多数の国民の愚かさを嘆き続けて
いればよいでしょう・・・。



【 日本国内の正論は日本人が決める 】

私は、先にUPした【靖国問題・・・評価できる小泉氏の
政治感覚
】の中で、こう述べています。


「国内問題に関して、他国が抗議するからやめろ、という
 のは、どう考えてもおかしな話でしょう。」

これに関して、靖国問題は国内問題ではない、と思う人が
いるかもしれません。外交問題じゃないの? と。
では伺いますが、靖国神社へ日本国首相が参拝することを
止められるのは誰ですか?
それができるのは日本国民だけでしょう。
日本国内の世論だけが、日本国首相の行動を変えられる
のです。それは選挙行動によって、です。
日本は民主主義国家なのですから。

ここからも、靖国問題が国内問題であることは明らかです。


@ 靖国問題を外交問題にするとはどういう意味か

外交問題というのは、相手国のあることです。
靖国参拝問題を外交問題だと喧伝する人は、中国・韓国の
主張が、日本国首相の行動を変えることができる、と思って
いるということです。
あるいは、外国が日本国首相の行動を変えてもよい、とか
変えられるべきだ、と思っているということです。
そういう人は、外国の抗議によって日本国首相が行動を
改めない場合、外国からの抗議が足りないのかと考えて
より激しい抗議を期待し、歓迎し、演出しようとします。
メディアレベルでは、日本語の言い回しをほんの少し変更し
いかにも先方が怒っている、ことを国内に宣伝します。
そしてしたり顔で言うのです。
「外国が抗議している。これは由々しき問題だ・・・」と。

彼らは、「日本国首相の行動は日本国民の世論を受けて
のみ影響されるべきだ」と普通の日本人は思っている
という、実に基本的・根本的な原則を無視しています。


A 国内の決断を外国に左右されるということ

現実には、日本国首相・あるいは日本国政府・・・の決断は
時に世論の大勢を無視します。
問題の大きさはやや異なりますが、先のBSE問題でも同じです。
または、イラク派兵やイラク撤退論など・・・もありました。
日本人の世論を無視して、政治が動くことは確かにあります。
それが現実の政治です。
しかし、多くの日本人は一貫して「日本国首相の決断は
外国からの抗議や圧力でなく日本国民の世論によって動く
べきだ(そうであって欲しい)」と強く望んでいることに
変わりはないのです。

うろ覚えですが、一年ほど前の時点の世論調査で、イラクへの
自衛隊派兵に反対する人々は2/3を占めていました。
それでも派兵は延長されました。
そこには、大きくは日米同盟自体にまで関連するような種々の
国益を勘案した、「政治決断」があったのでしょう。
この時、日本政府は日本国民の世論を無視して派兵を強行
したわけですが、日本国民は決して、それを歓迎している
のではありません。
残念だ・・・と思う人がほとんどだと思います。
それが普通の感覚でしょう。

日本国政府や日本国首相には主体的に(自国本位で)
決断して欲しい、そうであるべきだ、と望む気持ちは
愛国心とは関係ありません
選挙によって指導者を選ぶ民主主義国家の国民としては
当然の気持ち
です。

しかし、日本政府が派兵を強行したからといって、国を揺るがす
ような動乱など起きませんでしたし、それどころか与党は
先の総選挙で大勝しています。
それは、有権者が先の選挙でイラクのことを忘れたわけでも
自民党が親米路線であることを忘れたわけでもないのです。
有権者は、自民党の、小泉氏の親米路線を受け入れ、支持した
のだ・・・という、これはもう歴然たる事実です。
(実際には、先の選挙の争点は、一般に「郵政問題」であったと
 言われています。しかし小泉自民党がブッシュ米国と同じ
 小さな政府を前面に出して主張していることから見ても
 有権者が米国寄りの経済政策に支持を与えたのは明らかです。
 対して岡田民主党は経済政策に関しては二転三転して違いを
 明確にできず、最も鮮明に小泉自民党との違いを出したのは
 親中外交路線でしたが、これはまったく評価されませんでした)

親米路線を受け入れているのは、日本は親米でなければ立ち
ゆかないだろう、と国民・有権者が冷静に判断しているから
でしょう。
だから、イラク派兵に反対しながらも、世論を無視してイラク
継続派兵をする小泉自民党に、「NO」を言わないのです。

イラク派兵には「NO」です(2/3が)。しかしイラク派兵を
実際に行う自民党には「NO」までは言わない・・・。
それを、日本国民のイラクへの冷淡さ、忘れっぽさ・・・としか
解釈できない人・・・は、あまりに日本人への理解が浅すぎます。

そうではなく、実態は、日本国民は、現実として日米同盟を
受け入れつつも、米国への批判的精神を失っていない、という
ことなのです。
世論調査と投票結果とのねじれ現象は、日本国民の冷静さ
と良識・・・とを、端的に表している
のです。


B米国からの外圧と中国からの外圧

回り道が長くなりましたが、翻って靖国問題はどうでしょうか?
中国や韓国は、地理的条件以外に日米間ほどの強い結びつきを
持っているでしょうか?
「日本国政府・日本首相は日本国内世論を向いていて欲しい」
と普通に願う有権者をあえて無視してまで親中・親韓路線を
政府が取る必要があるでしょうか・・・?
あるいは逆に、親中・親韓路線を取って欲しいと願う有権者の
数(世論)は、首相の首を変えるほどのパワーでしょうか。

現実を見れば、そうでないことがわかります。

日本にとって米国と中国はまったく異なる国です。
普通の日本人は中国を、ほかのヨーロッパ諸国やアラビア諸国
アフリカ諸国、そして中韓北以外のアジア諸国と同じように
・・・もしくはそれよりはもう少し強く、仲良くしたいと
思っているでしょう。
しかし米国に認めるほどの重要性は認めていないのが現状です。

米国が日本に外圧をかければ日本が屈するのと同じように
中国が日本に外圧をかければ日本は屈する・・・と
考えている人が日本人の中にいるとは思いたくないですが
もしいるのなら、「彼ら」は現状認識を誤っています。

靖国問題に関し、中国や韓国や北朝鮮が感情的に傷つけられ
そのことで日本政府に抗議する・・・。そこまではわかります。
中国・韓国にもそれぞれ固有の事情があるでしょうし、それぞれの
政府が自国民の世論を重視するのは当たり前なことです。
しかし、いくら抗議されても、その抗議によってこの問題
の決着をつけてよい、と考えている日本人はいません


靖国問題をひとりひとりが考える際に、中韓が抗議している
ことを「考慮する」日本人は多いでしょう。
しかし、それを考慮した結果としての日本人ひとりひとり
の最終判断によってのみ、靖国参拝問題は動く
のです。



【 現在の日本人は靖国問題をどう捉えているか 】


@ 緊急世論調査結果

下の資料から世論調査を整理して引きます。

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝について
  「参拝してよかった」・・・48・1%
  「参拝すべきではなかった」・・・45・8%

 戦没者を追悼するための新たな施設建設に
  「賛成」・・・63・7%
  「反対」・・・26・4%

 次期首相に望む対応は
  「参拝すべきではない」・・・45・9%
  「参拝すべきだ」・・・37・5%

 参拝を支持する理由は
  「他国によって影響されるべきではない」・・・53・1%
  「戦死者らを慰霊するのは当然」・・・35・8%
  「公約だから」・・・6・9%

 不支持理由は
  「中国や韓国などとの友好関係に影響する」・・・72・8%
  「政教分離の憲法に違反する恐れ」・・・13・3%
  「A級戦犯が祀られている」・・・12・4%

中国や韓国・北朝鮮などは繰り返し日本へ、この問題に
関して抗議してきています。

それへの国民の回答が、上記なのだと思います。
この回答の数字・・・は、実に示唆に富みますね。
私は、近隣諸国へ配慮しつつも主体性を保つべきだと考える
「良識的な」日本人像をここに見ます。
その理由をAで述べましょう。


A 日本人の良識

まず、戦没者追悼施設について建設賛成と答えた人が2/3近く
もいたということ。私は、この2/3の多くは、中国や韓国側の
心の痛みにも十分共感しているのではないかと考えます。
靖国神社の宗教性や、戦前に果たした役割を重視する立場の
人(愛国者と呼んでもいいですか?)は、おそらく、建設
反対の立場でしょう。なにがなんでも靖国で! そう考える
人々ではないかと想像します。
が、そうした人々は国民の中では三割未満です。
靖国神社への疑問や不安を抱いている人、または、隣国へ
配慮して靖国にこだわらなくていい、と考えている人が
国民の中では主流
なのです。

しかしそうした2/3弱の人々のすべてが、今回の小泉首相の
靖国参拝へ反対しているわけではありません。
あれだけの抗議を受けているのですから、靖国神社に
こだわらない立場なら、譲ってもよいはずなのに・・・です。
実際には、参拝すべきでなかった・・・は五割未満ですが、では
その差、15%程度は、なにを考え、どこへ消えたのでしょう?
私はここに、中国・韓国からの激しい抗議の影響を読み取る
ことができると思います。このギャップこそ、中国・韓国の
気持ちはわかるけれども、それによって日本の首相が行動を
左右されるべきではない、という意思の表れなのです。

また、次期首相に望む対応ですが、参拝しないで欲しい
という人が45%で、賛成派を上回っています。
ただし、この割合のままで、人々が「首相候補の靖国への
態度を見て次回選挙で投票を決める」と考えては早計です。
もし、靖国参拝問題が投票行動に影響するなら、先の選挙で
靖国不参拝を宣言した岡田民主党はもっと得票できていた
はずですから。
つまり、日本国民にとって、この論点で首相を選ぼう・・・と
いうほど、靖国問題は重要な問題ではない
ということです。
はっきり言えば、次期首相がどういう考えを持っているかは
次期首相次第だ、ただ、できればこうであって欲しい・・・程度の
意見だと、解釈すべきです。
ある政治事項への賛否が必ずしも投票行動に結びつかないのは
イラク派兵の場合とよく似ています。


A 抗議を受けるほど賛成派が増える

中国や韓国からの抗議は、最終的に日本人の世論に
どういう影響をもたらしたでしょうか。

中国や韓国側の抗議に理解を示す人は、靖国参拝反対。
抗議に屈してはならないと思う人は、賛成です。

もう少し正確に言えば、「抗議内容は理解できるけれども
それでも今回ばかりは屈してはならない」と思う人も
賛成へ回ったでしょう。
これは、他国への配慮や国際協調と、日本の主体性とを
天秤にかけ、後者を重視した、ということです。
逆に、日本は本来主体的に行動すべきだけれども、それでも
今回に限り(つまり激しい抗議や日中・日韓間の懸案事項に
考慮して)参拝をやめるべきだった、と考える人もいるはず
です。こうした人は参拝反対に回ったはずです。

その結果、賛成に回った人は反対に回った人を上回りました。

中国や韓国からの抗議が、靖国参拝賛成派を増やす
・・・これは事実です。
激しい抗議を受ければ受けるほど、本来は首相の靖国
参拝に反対だった人も、賛成へ回ってゆく・・・のです。
逆に、激しい抗議によって中国や韓国の受けた苦しみを
理解し、同情し、日本の過去を反省し、そして近隣諸国と
仲良くしなければと考えて、参拝賛成から反対側へ回る人
・・・もいたかもしれませんが、差し引きすれば、それは
相殺されてなお足りないほど少数なのです。



【 靖国参拝反対派は靖国問題を外交問題にすべきでない 】

上で長々と述べたのは、すべて次に述べる結論へ説得力を
増すための材料でした。
靖国参拝反対派は、今回のことからなにを学ぶべきなのか
整理してみたいと思います。


@ 外国からの抗議に依存しない

外国からの抗議に関しては無視するのが最良ですが
どうしても言及したければ抗議があったという事実のみ
簡単に補足すればよいでしょう。

近隣諸国の過去の戦争被害に関しては、これまで戦後60年の
教育や大手メディアの働きによって、もはや大部分の日本人
が知っています(少なくとも選挙権を持つ年齢ならば)。
そして日本人はすでに十分それへ共感しているのです。
(靖国以外の施設建設に賛成する人は2/3もいます)
すでに共感しているのに、なお一層の共感を求めることは
「押し付け」であり、強制と受け止められるだけです。
強制された共感・・・など、強制された反省と同じく
まったく無意味、逆効果でしかないでしょう。

中国や韓国の人々の感情は、中国や韓国の政府が堂々と
主張しているのですから、国内の参拝反対派は、国内での
参拝反対の主張をすればよいのです。日本人が日本人と
話す時に、他国民の気持ちを代弁したり、共感してみせる
必要はありません。


A 外部に頼らない反対の根拠を出す

外部・・・とは、外国政府や外国メディアということです。
外国との関係悪化が心配だというのも、もちろん、参拝反対の
理由としては成り立ちます。
しかし他方、今現在で参拝に賛成している人々は、すでに
日中・日韓関係の悪化を織り込み済なのだという事実を
忘れてはいけません。また、日中・日韓関係は、日米関係
ほど緊密に結ばれていないという事実もあります。

結局のところ、日中・日韓関係の悪化は、今現在参拝を賛成
している人々を説得する材料にはなりません。
六者協議に関しても、米国は日本の参拝が影響しない、と
いう見方を示しています。
また海外メディアでは、米国で日本側を批判したNYタイムズ
(木村記者)は、その東京支社が朝日新聞東京本社と
同じ住所にある・・・など、参拝賛成派からは、まさに
朝日新聞並みの(マイナスの)評価しか受けていません。

外部メディアや外国政府の反応を、参拝反対の論拠にする
ことは、反対派同士の内輪では意味があるかもしれませんが
事実上、賛成派を説得する材料にはならないのです。
かえって、日本への外国の干渉を印象づける結果となります。

他方、参拝賛成派は憲法19・20条の「思想・良心の自由」
「信教の自由」を大きな根拠の柱に挙げています。
日本国内では「思想・信仰の自由」は極めて大きな価値を
持っていますから、これに対抗するのに「外交上の利益」
では、あまりに弱すぎます。


B 外国政府・日本のメディアとは距離を置く

外国政府の主張と距離を置くべきだ、という理由はもう
何度も、くどいほど書きました。
要するに、日本国民が持つごく自然な「日本の政治は
日本人が決めるのだ」という主体性・・・の敵であるかの
ような態度は避ける
ことです。

そして同様に、日本のメディアとも距離を置くべきです。
日本のメディア、特に一部の大手新聞紙は、度重なる誇張
表現や、酷いところでは記事の捏造・・・などによって
もはや全く信用されていないと考えるべきでしょう。

誰かに向けて自分の意見を言う際に、相手方がそもそも
信用していない第三者(この場合は日本のメディア)の
主張を、傍証として挙げることは、逆効果にしかなりません。


C 外国世論に頼らない

先日ネット上で、靖国反対運動を多国的に、つまり中国や
韓国のネット・ブロガーと連携して、盛り上げよう、という
主張のブログを見ました。
これもまた、@〜Bと同じ誤りです。
日本国内の世論を動かすのに、外国世論に頼ろうと思っては
いけません。



【 国内での参拝反対の根拠とはなにか 】

蛇足ですが、外国の抗議や外交関係悪化を理由にしないなら
参拝反対の根拠とはなんなのでしょう・・・。
ついでなので簡単に整理してみたいと思います。

@ 政教分離原則

国内での賛成派の根拠のひとつは、「信仰や思想の自由」です。
これには同じ憲法20条で定められた「政教分離」原則が、まだ
有効性を保っています。
ただし、この根拠は絶対ではありません。
裁判所の判断が揺れているということもありますが、なにより
もし違憲判決が出たとしても、その憲法でさえ、最終的には
国民・有権者の意思で変わりうる
、からです。

また、この政教分離原則に従えば首相の私的参拝は許される
と考える国民が多いでしょう。

そしてもし、政教分離原則を自説の柱に据えるのであれば
首相が「私的参拝」をした場合にまで、もし中国・韓国からの
抗議が来たのならば、日本国首相の行動は国内的に正しかった
のだ、と、毅然として主張する、あるいは海外向けに首相の
正当性を説明しようと努力する・・・という一貫性も大切です。

その主張に一貫性があるかどうか・・・を、国内の参拝賛成派が
じっと見ている事実を忘れないでください。


A A級戦犯合祀・戦争責任

極東裁判の正当性やその評価に関しては賛成派・反対派の間で
激しい論争が巻き起こっていますが、反対派が主張する時に
気をつけて欲しいのは、A級戦犯の戦争責任は、まず第一に
日本国民に対してあるのだ、ということです。

近隣諸国に対しても責任があるのは当然ですが、他国への
責任について、日本人同士が議論するのはほとんど意味が
ありません。
賛成派に向けて意見を述べるのであれば、日本国内への責任
原爆投下を招いた責任、終戦の決断が遅くなった責任、などに
ついて述べ、共感を求めるべきでしょう。


B 愛国・天皇制・歴史

靖国参拝を愛国主義、天皇制と絡めて賛成派と論議する
ことは、私個人は不毛だと思っています。
愛国の定義や実態、天皇制への共感度(反感度)などは
国内でも驚くほど温度差があります。
象徴天皇制は完全に定着しています。
天皇制、日の丸、君が代、そして靖国・・・は、現代において
すでに記号と化しています。そこになにを見るか・・・は
国民の間でもバラバラなのが実態でしょう。

知識として、戦時中に天皇や日の丸や君が代や靖国神社が
国民の戦意高揚や人心掌握に利用されたことは知っていても
そのことが、靖国神社への反発とは結びつかない人も大勢
います。
これはもはや、「歴史認識」の違いなのではないかと私は
思っています。歴史認識を巡っては、新しい歴史教科書問題
で盛んに論議されていますが、その論戦を見るにつけ
一方だけが絶対的に「正しい」ことなどありえないのでは
ないか・・・というのが、私の正直な感想です。



【 再度・・・靖国問題は国内問題です 】

私は最近では、靖国参拝への中国・韓国の抗議が来るたびに
さも一大事のように大騒ぎする日本のメディアは
本当は靖国参拝賛成派を増やしたいのではないか? と
疑いたい気持ち・・・なのが正直なところです。
首相の靖国参拝に反対する人(有権者レベル)にとって
真の敵は日本メディアなのかもしれません。

日本国民の多くは、首相の参拝が行われれば近隣諸国から
抗議が寄せられること、その結果外相会談なども延期され
ことによると反日デモが起こるかもしれない・・・ことなど
とうに予測しているでしょう。

それでもなお、あえて日本国首相の参拝に賛成する・・・のです
そして参拝によってその割合は数パーセントといえ増えている
・・・という事実は、この問題への外国からの干渉をいかに
日本国民が嫌っているか
・・・という証拠です。
外国からの干渉を嫌うのは、靖国参拝賛成派だけではなく
反対派も同じなのです。

外国からの抗議は、国内の世論を不当に歪めています。
外国からの抗議がなければ、靖国参拝反対派は賛成派を
上回っているのです。
他国からの無用な干渉や、他国の干渉を嬉々として(表面上
だけは深刻そうに眉を寄せて)報告するメディアの歪みが
なければ靖国問題は穏当なところで解決できるはずです。

そうであるからこそ、靖国参拝に反対する立場の人ほど
この問題への外国からの干渉には毅然として「NO!」と言う
べきです。

そしてなによりも靖国参拝への反対運動を、メディア任せ
政治家任せ、外国任せにせず、国民・有権者自身の手に

取り戻すことが大事なのだ、と思います。



    ◇     ◇     ◇


資料【中日新聞】

http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20051019/mng_____sei_____003.shtml
「支持わずかに上回る 首相靖国参拝で世論調査

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝について共同通信社が17、18両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、「参拝してよかった」が48・1%だったのに対し「参拝すべきではなかった」が45・8%と、参拝支持が不支持をわずかに上回った。前回9月調査では「今年は見送るべきだ」(53・0%)が「今年も参拝すべきだ」(37・7%)を上回っていたが、賛否が逆転した。

 一方、戦没者を追悼するための新たな施設建設は、賛成が63・7%と、反対の26・4%を大きく上回った。

 次期首相に望む対応では「参拝すべきではない」(45・9%)が「参拝すべきだ」(37・5%)を上回り、首相の靖国参拝をめぐる世論がなお二分されていることが、あらためて浮き彫りになった。

 17日に行われた小泉首相の参拝を支持する理由は「他国によって影響されるべきではない」が53・1%とトップ。「戦死者らを慰霊するのは当然」は35・8%。「公約だから」は6・9%にとどまった。

 不支持理由は「中国や韓国などとの友好関係に影響する」が72・8%と飛び抜けて多い。「政教分離の憲法に違反する恐れ」が13・3%、「A級戦犯が祭られている」は12・4%だった。支持、不支持とも内政より外交を優先して判断している。

 小泉内閣の支持率は54・5%で前回調査の59・1%から4・6ポイント下がった。不支持率は3・1ポイント増の36・3%。支持理由のトップは「ほかに適当な人がいない」で、前回比12・6ポイント増の35・2%。

 <調査の方法> 全国の有権者を対象に17日午後から18日にかけて、RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。コンピューターで無作為に電話番号を発生させてかける電話調査法で、電話帳に番号を載せていない人も調査できる。無作為に発生させた番号のうち、実際に有権者がいる世帯にかかったのは1494件、うち1013人から回答を得た。


posted by 水無月 at 13:02| Comment(6) | TrackBack(2) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月19日

靖国問題・・・反対派 VS 反対派

とあるSNSにてUPした
靖国問題・・・評価できる小泉氏の政治感覚】の同文について
コメントをいただき、内容のある遣り取りができました。

その方(匿名希望kさん)の許可を得て以下に転載しますが
はじめに断っておくと、SNSでの遣り取りですから、お互いに
それぞれの政治的な考え方・・・などをほぼ知っているわけです。
だから不必要に感情的になることもなく、相手の言いたい
ことをできるだけ理解しようと努力した結果、会話が続いた
・・・のでしょうね。

靖国問題は、日本人にとって極めてデリケートな問題であり
そのため、往々にして、自分と異なる考えの人は切り捨てる
・・・というような感情的な対応をしてしまいがちなように
思うのですが、このkさんとの遣り取りを通じて、決して
そればかりでもないのだ・・・と思えました。


あらかじめ双方の立場を説明しておきます。

 kさん・・・靖国参拝反対派
       今回の小泉氏の靖国参拝にも反対

 水無月・・・靖国参拝反対派
       今回の小泉氏の対応に限り評価しても良い

したがってkさんから見ると、靖国参拝反対と言いながら
小泉氏擁護とも読める文章をUPした私は、これまでの
立場を変え、靖国参拝賛成派に鞍替えしたように思えた
はずです。

私のコメントレスの目的は、私個人が靖国参拝反対である
ことを説明し、なぜ、参拝反対なのに小泉氏を「評価」
できるのか、その立場を説明し、わかってもらうことでした。


    ◇    ◇    ◇


2005年10月18日14:20 kさん

僕は落第点!小泉は靖国参拝をやめるべきです。デリカシー無さ過ぎ!安易なトリック外交より、もっと脳みそ使って欲しいのに!

今後は「しかたがないよなあ」という思考で「賛成派が増える」と僕は見てます。「しかたなくないんだよ!」って叫びたい心境です。でも叫ぶ以外の方法を建設的に考えたい

>中韓が日本の靖国問題に口を出すのは、米国が
原爆記念日に日本の総理大臣が祈念式典に参加するのは
不愉快だからやめろ、やめなければ経済制裁するぞ、と
要求するに等しいことです

?僕には理解できませんが。靖国には外人もまつられてますよ。
日本は政教分離の国ですよ?


2005年10月18日17:04 水無月

kさん、こんにちは♪

「首相」は靖国参拝をやめるべき・・・確かに私も長くそう
思っていましたし、今も、そう思っています。
それでも、靖国参拝をしたことが、「首相としての小泉氏」の
政治感覚とか政治家としての資質の問題を表す・・・とは
考えないです。
つまり、靖国参拝をしないこと、が、日本の首相としての
必要条件とは考えない、ということです。
首相には参拝して欲しくないですが(=これは私の希望)
だからといって、参拝するような人物は全員首相失格だ
というところまでは考えられません。
逆に、これまでの経緯を省みると、今年から参拝をやめた場合
の方が、一貫性がない、ということで、批判の対象となりうる
だろうと私は思います。


デリカシーですが、靖国参拝や日本の教科書に対し公然と
政府レベルで批判したり、それを外交カードとして使おうと
する方がデリカシーがないんじゃないか・・・という反論も
できそうですが、実際問題として、中国や韓国の人々が
感情的に傷つけられるということは理解できます。
しかしそれは中国や韓国の国内問題だと思うのですよ。
中国や韓国の反日デモが、かの国の国内問題であるのと
同じです。中国や韓国の国内世論に日本が反応することは
やめたほうがいいと思います。それはかえって両国の関係を
変に感情的にこじれさせるだけのような気がしますね。
中国や韓国の国内世論が先鋭化し、これをそれぞれの政府も
沈静化させようとしないのであれば、それ自体は、当該政府の
対応ということですから、日本側としてはそのまま受け止める
ほかないでしょう。
日本国内の問題に関しては、中国、韓国の理解を求める、と
いう態度でいいと思います。
日本国内では世論はまだ流動的であり、司法の判断も揺れて
いるということ、そして首相が参拝するかどうかは、多分に
首相となった人物個人の主義信条によるということ、日本は
そういう政治システムなのだということ・・・それを、根気
よく説明するしかないでしょう。
隣国とは友好的な関係であるのが望ましいのはもちろんですが
もし、どうしても理解してもらえないのであれば、それはもう
日本の隣国はそういう国なのだと冷静に判断して、そのように
対応するほかないのだと思います。

もっとも、私が一番に問題にしているのは、中国や韓国政府
ではありません。中国や韓国の反応を理由にして
靖国参拝を論じようとする国内の参拝反対派の人々です。
じゃ、中国や韓国がそれを気にしなかったら、参拝してもいい
という理屈なのでしょうか?
反対派がそういう、外国頼みの論拠しか見つけられない
ので あれば、賛成派が増えるのも当然
だと思います。
今の私は、正直に言えば、参拝反対派に失望しています。
新聞各紙など大手メディアの論調にも失望しています。
外国の反応とは切り離して、冷静に論議して欲しいのです。
そしてまた、外国の反応とは切り離して冷静に論議
しない 限り、この問題は解決しない
と思います。

ある新聞の社説で、「小泉氏が先の選挙で大勝したことは
靖国参拝へ国民がOKを出したという意味ではない」
「小泉氏は選挙期間中に靖国へ行く、と言わなかった」と
あるのを見ましたが、この執筆者が本気でそう考えていると
すれば、日本の政治に関して無知すぎます(苦笑
社説を書くことはやめたほうがいいでしょう。あるいは
そういう人間しか社内にいないような新聞社は人材不足で
不安になります。
先の衆議院選挙のあとで、有権者の大多数は、「新しい
日本の首相=小泉氏」は靖国へ今年も参拝するだろう、と
正確に予測したと思いますよ。
彼が靖国参拝をしないだろう、と本気で予測(期待)した
人などいないでしょう。むろんその結果、中国や韓国が
どう反応するかということも、予測していたと思います。
私は、日本の有権者はこの社説執筆者ほど無知でも
無邪気でもない
と思っていますからね。


>叫ぶ以外の方法を建設的に考えたい。

これにはまったく同感です。
そのための第一歩が、まず、感情的な論調を排すことと
国内の問題を外国の視点から論ずるおかしさを排すこと

だと、私は思っているのです。


>?僕には理解できませんが。靖国には外人もまつられてますよ。
日本は政教分離の国ですよ?

ある宗教施設へ外国人が祀られていたとしても、それが
日本国内の施設である以上、そこへ首相が参拝するかどうかの
是非を考えるのは日本国民の領分です。
政教分離の問題とあわせ、外国が口を出すことはおかしい
というのが、私の発言の趣旨でした。
なお、戦時下(日韓併合下)の朝鮮民族は、厳密に解釈する
なら、日本籍を有していたのですから、日本人ですよ。


2005年10月18日18:20 kさん

>逆に、これまでの経緯を省みると、今年から参拝をやめた場合
の方が、一貫性がない、ということで、批判の対象となりうる
だろうと私は思います。

僕は「靖国参拝」については「一貫性」よりも「柔軟性」を選択したいですね。
政治には「緊張関係」が必要だと思うのですが、コイズミの作り出すそれは「ハリボテ」に僕には見えるのです。軍産複合体の設計図によるハリボテ。この先には「軍拡」が待ってると思います。

>日本の隣国はそういう国なのだと冷静に判断して、そのように
対応するほかないのだと思います。

友人付き合いにはそういう態度も必要ですね。
でも、わざわざ怒らせる様なことをして
何かいい事でもあるんですかね?


>日本国内の施設である以上、そこへ首相が参拝するかどうかの
是非を考えるのは日本国民の領分です。

多分この「靖国参拝」については僕と水無月さんとは「反対」という以外、意見が相容れない気がします。それは「ナショナリズム」の定義が違うと思うから。僕にとっての「ナショナリズム」は歴史に無く、経験則が主なんです。「戦争したくねえな」って所に拠ってるんです。

>日本籍を有していたのですから、日本人ですよ

そういえばA級戦犯も、れっきとした日本人ですね。
靖国にはデリケートな問題が山積です。

僕は「反日デモ」とかいう形態では無くて、中韓の心ある普通の人に靖国反対をきちんと言って欲しいのです。私は非国民でしょうか?(笑)


2005年10月18日19:59 水無月
 
kさん、こんばんは♪

↑の全体の流れ・・・の感想ですが、わかりますよ。
私と意見が完全に同じというわけじゃないですけど
(「一貫性」と「柔軟さ」、「軍拡」、「ナショナリズム」など)
kさんの考え方はわかります。

意見を言うべきところというと、たとえば「戦争をしたくねえな」
この部分ですが、靖国参拝に賛成する人(有権者レベルで)
が、戦争をしたがってるということはない
と思います。
そういう、一種の決めつけ、レッテル張りみたいなのも
議論を硬直化させてしまうよう
に思えて、心配なのですよ。

あと、友人付き合いの部分で思ったことですが
昨日TVニュースで「靖国参拝は中国への挑戦である」という
中国要人の発言を耳にしたんですよね。
私は反射的に、「おかしい!」と思いました。
日本は中国へ挑戦などしてないと私は思うのですが
そのように受け止める中国の感覚・・・には、もう
付き合いきれない、と思ったのが正直なところです。
そういう友人(隣人)であれば、こちらも、そういう
友人(隣人)なのだと割り切るしかないな・・・と(苦笑


>僕は「反日デモ」とかいう形態では無くて、中韓の心ある普通の人に靖国反対をきちんと言って欲しいのです。私は非国民でしょうか?(笑)

いえいえ!(笑
そのように冷静に「靖国反対」と語ってもらうのなら
私自身はそれを内政干渉と受け止めることはないですし
日本人の中にも自然に、反対派が増えるでしょう。
そして国内の反対派が賛成派と話す際にも、説得力が増すと
思います。
ただ現状のように、ガス田問題や国連加盟問題(やや古)の
ような関係ないところで、突然靖国問題や教科書問題を持ち
出す・・・というようなことは、本心からやめて欲しい
です。


2005年10月18日21:09 kさん

結構「矛盾してるなあ〜」とか思いつつ、書きながら、
頭の中が整理されて行く様な感覚があります。

>意見を言うべきところというと、たとえば「戦争をしたくねえな」
この部分ですが、靖国参拝に賛成する人(有権者レベルで)が
戦争をしたがってるということはないと思います。

「実際の外交問題」と「靖国参拝問題」は
日本人としては明確にわけて考える必要がある
でしょうね。
ここを誤ると戦争屋右翼になっちゃいますから。
(と僕は思ってます)

>「靖国参拝は中国への挑戦である」という 中国要人の発言を耳にしたんですよね。

国内のガス抜きのために反日デモを誘発したいんですかね?
その場合、オリンピックもあるし国際的な批判もかわしたいのかな?
そういう発言かな?

中国って神話と史実の境目がはっきりしないですからね。
そういう日本では存在しない感覚に
「強さ」や「魅力」を感じたりするんですが...


2005年10月18日22:12 水無月
 
kさん、こんばんは♪

>「実際の外交問題」と「靖国参拝問題」は
>日本人としては明確にわけて考える必要があるでしょうね。

そうそう! それが私の言いたいことなんです!!
「靖国参拝問題」としては、私の意見はNO! です。
ただし、靖国を愛する人が国内にいることは認めてるし
そういう人は参拝に行けばよいと思います(信仰の自由)
ただ、首相には行って欲しくない。これは有権者の立場で。

そして「外交問題」としての靖国問題に関しては
今回の首相の行為は、べつに国内で批判するほどひどいもの
じゃない、と思うのです。
(それは私がもともと小泉氏に批判的な立場だからです。
 もともと親小泉的な立場の人は、もっと大声で彼を応援して
 いるでしょう。実際、ネット上にはそんなBLOGが溢れています)

分けて考えないと、問題がこじれるばかりで収拾がつかず
結局、国民レベルの混乱とか感情の高まりを、「誰か」に
利用されるだけだと思うんですよね。
その「誰か」というのは、それこそ戦争をしたい人や
自衛隊の在り方を有利にしたい人(為政者レベルで)とか
日韓、日中関係が悪化することで利益を得る人なんじゃ
ないかと思うわけです。


>国内のガス抜きのために反日デモを誘発したいんですかね?

中国側の本音はわかりませんが、もしかしたら慢性的に
中国や韓国は「日本が『悪い国』であってくれた方が都合がいい」
のではないかと疑心暗鬼になっちゃいますね。

中国・・・。
歴史を紐解けば、漢字文化圏の中心ですからね(笑
私は、あれだけの人口を抱えて、よくがんばっているなぁ
・・・という印象です。でもそのせいで、あちこちが
ひずんでいるという現状もあって・・・。
個人的には、中国には、その歴史や人口に見合った大国として
尊敬できる態度を取って欲しい・・・というのが本音かも
しれません。でも内実は大変に違いないでしょうから・・・
やはり無理なのかなぁ・・・?(苦笑


2005年10月18日23:16 kさん

付け加えると、個人的には靖国には行きません
(最近の報道のせいで興味はあるのですが)

中国や韓国に個人的に友人がいたとして
それでも靖国参拝できるのか?
僕はできないですね。
靖国神社の運営自体に右翼的な権力を感じるてるし。
(侵略戦争を肯定したい人、多いんじゃないですかね?)
靖国に行くこと自体がなんか利用されてる気がするので。
僕は戦没者の慰霊は自宅で行います。


2005年10月19日02:28 水無月

kさん

私も靖国へ行ったことはないですし、今後も参拝はないでしょう。
ただ、kさんと同じで、そこがどんな場所なのかを
知るために見学にいくことは、あるかもしれないです。
戦没者慰霊は、ひとりひとりが最も自然な形で行えば
いい
と 思います。そうできるべきですよね。

靖国関係には護国神社の自衛官合祀事件というのがあって
護国神社は靖国神社の地方版と考えてください。
現在でも、自衛隊の方で殉職した人は、どうやら護国神社へ
祀られるらしいんですが、ある自衛官の遺族が
自分はキリスト教徒なので合祀しないで欲しい、と訴えた
にもかかわらず結局裁判で負けで合祀されたという事件が
起きています。信仰の自由に関わる重大な問題だと思います。
外交じゃなくても内政として考えても十分、大きな問題です。
だからこそ、ちゃんと真面目に、冷静に、国民みんなで
考えて欲しいです。

http://law.leh.kagoshima-u.ac.jp/staff/OGURI/sinkou.htm
(自衛官合祀事件)


    ◇    ◇    ◇


以上です。

この遣り取りを通じて、私は、靖国参拝反対の立場を堅持
する、そしてその考えを広めていくために、反対派は
なにを言い、なにを言うべきでないのか、ということに
ついて、自分の考えにますます確信が持てたわけですが
そのことは、また後日にまとめたいと思います。
posted by 水無月 at 07:00| Comment(7) | TrackBack(0) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月18日

靖国問題・・・評価できる小泉氏の政治感覚

昨日、小泉首相が靖国参拝・・・。

私自身は、このことに一定の評価をしたいと思います。


現状:首相参拝への国内の見方は二分されている

まず最初に私個人としては、
総理大臣の靖国参拝は違憲だと考え、反対する立場である
ことをお断りしておきます。

そのうえで、では国内の反応はどうでしょうか?
私は一億二千万分の一として上記のような意見ですが
ほかの日本人はどう思っているのか・・・。
たとえ私個人が反対であっても、国民の大多数が賛成
するのであれば、私は、それはそれとして受け入れる
つもりです。

ネットを検索したところ、次のようなデータがありました。

五月の朝日新聞社による電話調査

 「やめた方がよい」・・・49%
 「続けた方がよい」・・・39%

九月選挙直後の共同通信社による電話調査

 「今年は見送るべきだ」・・・53.0%
 「今年も参拝すべきだ」・・・37.7%

反対派が5割で賛成派が4割弱程度・・・。
どうやらそのあたりが、日本の世論なのですね。
これは選挙結果にはあまり影響されていません。

反対派の方が上回っていますが、4割が賛成している
その4割という数字は、決して無視できるほど小さい
数字ではないでしょう。
国内世論は二分されている・・・と言ってよいと思います。


では司法はどうでしょうか? これは記憶に新しいですが

 大阪高裁(大谷裁判長)・・・首相の参拝は公的であり
  違憲
  ただし違憲判断は「傍論」部分で記述されているうえ
  判決自体は国側勝訴のため国側の上訴は不可能

 東京高裁(浜野裁判長)・・・首相の参拝は私的であり
  違憲主張は前提を欠く(事実上の合憲判断)

このように司法の判断も揺らいでいるという現状です。


小泉首相の行動:彼は国内を見ている

先の衆議院選挙は九月十一日に行われたわけですが
その前月の終戦記念日、小泉氏は靖国参拝を行いません
でした。
これは、5割 VS 4割 という形で二分された国内世論を
考慮した結果でしょう。
ここで信条からの強行をするようなら、小泉氏の政治家と
しての資質には重大な問題があると判断せざるをえませんが
彼は日本の政治家として国内世論を気にかけています。

そして選挙結果は与党側の大勝・・・。

小泉氏は今回、過去には本殿でしていた参拝を拝殿で行い
私的参拝であることを強調するなど、直前になされた
大阪高裁の違憲判断を意識した配慮を見せています。
衆議院選挙での大勝を受け、過去よりもより大々的に
より挑発的に、参拝する可能性も、私は考えていましたが
この予想は外れましたね・・・。

選挙結果からの暴走をせず、国内世論と司法への配慮を
見せた小泉氏の政治感覚・・・は、評価してよいと思います。


なお、国内世論へ配慮したのは選挙前だけであり、選挙が
終われば5割の反対意見を無視して参拝・・・というのは
いかがなものか、という意見も、当然あると思います。
けれども、首相としての小泉氏の靖国参拝はこれで
5度目であり、国内で彼の政治信条や公約を知らない人は
いないでしょう。
選挙期間中も、小泉氏は「参拝については適切に判断する」
と繰り返しており、選挙後にも参拝の意思があったことは
明らかです。
小泉氏の靖国参拝が国内の最重要問題であれば、5割の
人々が反対票を投じたはずですが、そうではない・・・という
結果からは、逆に、首相参拝問題は最重要問題ではない
と考えた有権者が多かった・・・事実がわかります。
こうしたことを総合的に考えれば、小泉氏が靖国参拝した
ことをもって、ことさらに「世論を軽視した!」と糾弾する
のは、無理があるように思います。


外交問題としての靖国:おかしな中韓への正しい対応

最後に、靖国問題は事実上、外交問題となっています。
今回の参拝に対しても、中韓から早速激しい抗議が
寄せられています。
しかし私はもともと、外国からの抗議に配慮して
一国の首相が行動を変える・・・こと自体に反対の立場です。
靖国参拝が純然たる国内問題であることはもちろんですが
国内世論も司法判断も分かれているようなデリケートな
政治問題ではなおさら、日本の首相には日本国内を
向いていてもらわねば困ります。

靖国参拝に反対する人々の中には、よく、首相の参拝が
国益を損なう、ことをその理由に挙げる人がいますが
国内問題に関して、他国が抗議するからやめろ、という
のは、どう考えてもおかしな話でしょう。
もし万が一(ありえない仮定ですが)、米国の大統領が
日本の首相に、クリスチャンになるよう求めたとして
「国益のため」首相が洗礼を受けたら、どう思いますか?
そんな人間に、首相を任せられるでしょうか・・・?

実際には、そうした要求が来ることはないでしょう・・・。
(来るのは、経済分野や自衛隊問題など、米国の利害に
 直結した要求のはずです)
が、中韓が日本の靖国問題に口を出すのは、米国が
原爆記念日に日本の総理大臣が祈念式典に参加するのは
不愉快だからやめろ、やめなければ経済制裁するぞ、と
要求するに等しいことです。
そのように考えれば、中韓が日本の国内問題を外交問題に
「すりかえる」ことのおかしさも、それへ配慮しろと主張
することのおかしさも、自明の理だと思います。


ところが実際には、靖国参拝反対派の一部が、このように
おかしな主張をすることで、それへの反感から
かえって賛成派が増えている・・・現状もあるようです。
これは、首相の靖国参拝を国内問題として捉えて反対する
私のような立場の人間からすると、実に困った事態なの
ですが、それはともかく
本来は国内問題である靖国を外交問題として考えた場合
他国の干渉に左右されず、国内への配慮と自己の信条から
行動を決めた小泉氏・・・ということですから、私は
(私自身の立場とは異なるとはいえ)
首相としての小泉氏に、及第点をつけてよいと思います。

posted by 水無月 at 04:47| Comment(3) | TrackBack(1) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

靖国違憲問題・・・覚書

※原文は2005年10月04日に書いたものです。
(大阪高裁で30日に示された靖国違憲判断を受けて)

靖国が違憲か合憲か・・・。

この問題はどうしてこんなにこじれてしまったのでしょうね。

私は、個人的には違憲だと思います。
政治家は、特に公的な職にある者は、どの宗教施設とも
一定の距離を取るべきです。
日本には現在、公的な国教はありません・・・。
事実上、神道と仏教が(大まかすぎますが)勢力を二分して
いる形・・・でしょう。

戦争で亡くなった犠牲者(加害者・被害者を問わず)には
仏式の墓で眠っている方々も多い・・・はず。
犠牲者の冥福を祈るなら仏教施設で
平和を祈念するなら広島か長崎ででも・・・できる・・・はず。
なぜ、靖国なのか・・・。
たとえば、終戦記念日に靖国神社へ行きたければ
二年に一度はほかの宗教施設へも行くべきではないのか・・・。

靖国「神社」であることが重要なのか(つまり、天皇を
皇孫といただく宗教性に意義があるのか)、または
「靖国」神社であることが重要なのか(つまり、先の戦争の
犠牲者が祀られていることが重要なのか)
明確に答えられる日本人などいないような気がします。

そしてそこにこそ、靖国神社の危険が・・・すなわち危うさと
険しさが・・・潜んでいる、ということなのでしょう。


靖国問題はまず第一に、内政問題でした。
しかし今では内政に留まらない、外交問題の一面も持って
います。
日本国内の世論もまとまらず、司法界の判断も割れている
このデリケートな問題に、外部から土足で割り込む圧力が
加わり、まさに論点は分裂四散状態・・・。
靖国問題を自派に有利なように導こうと外圧を呼び込んだ
人々・・・が、もしいるとすれば、怒りを感じます。

歴史上、多くの国家が、内部闘争の助っ人として外部勢力を
頼み、結局はその外部勢力によって蹂躙され、滅んでいます。
日本人の問題は日本人で解決しなければなりません。
靖国問題のどちら側につくにせよ、その原則は忘れては
いけない・・・と思います。
posted by 水無月 at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) |   ◇靖国問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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