2006年01月22日

ダイナコートエスタディオの不思議

気になったので調べてみました。
ネットで調べられることなど高が知れているわけですが、反面、ほかに言及しているところもないようですから、私がここで呟くことも、まったくの無意味というわけではないでしょう。



【 ダイナコートエスタディオ物件 】

ダイナコートエスタディオ物件に興味を抱いたのは、自分で外部ファイル版資料【姉歯偽装物件時系列一覧】を整理する中でした。
以前にもここで書きましたが、最近の国交省の秘密主義にはほとほと困っています。私は姉歯氏の構造計算書偽装開始頃の状況に興味を抱いているのですが、最初期(1998年以前)の物件名が秘せられているのは実に憂慮すべき事態と言わざるを得ません。まあ、よほど隠したいことがある(誰にとって?)のだろうなぁ、とぼんやり想像しているのですが。

というわけで、時系列表示の最初の頃を眺めていたわけですが、物件名が公表されていない1998年建築確認の2件はさて措き、1999年確認の9件です。
この9件の内訳が

  ホテル2件
  共同住宅7件
   ( グランドステージ=ヒューザー物件・・・4件
     ダイナコートエスタディオ物件・・・・・・・2件
     世紀東急工業物件・・・・・・・・・・・・・・・・1件 )
   ※施工は元受けからの丸投げもあわせればすべて木村建設

であるということ・・・を意識している人は少ないと思いますが、このように強調すると、あれ? と思う方もいるのではないでしょうか。
姉歯氏の偽装行為は、ホテルではなくマンションから始まっている、ということは別の場所でも書きましたが、その中に同じブランド名の「ダイナコートエスタディオ」物件が2件も入っているのです。

ダイナコートエスタディオ・シリーズとグランドステージ・シリーズとの違いは、後者はその後も偽装物件として気の毒なほど再登場するのに対し、前者はこの2件だけで、その後は登場しないことです。
ダイナコートエスタディオ・シリーズは、幸運にもその後は木村建設の施工を免れたのでしょうか? とすれば、その建て主はなかなかの慧眼ということになるのかもしれません。被害を最小限にとどめた、という意味で。

私のダイナコートエスタディオ物件への興味は、そういう方向から始まったのです。



【 不思議なシリーズ 】

しかし興味を抱いてよくよく見ると、すぐに、私は不思議なことに気づきました。
ダイナコートエスタディオ桜丘(現・フェニックス渋谷桜丘)と、ダイナコートエスタディオ千代県庁口(現・ダイナコートエスタディオ県庁前)では、なんと建築主が違うのです(笑

 ◇ダイナコートエスタディオ桜丘(現・フェニックス渋谷桜丘)
   建築主=渇ェ部マイカ工業所 設計=平成設計梶@  施工=木村建設

 ◇ダイナコートエスタディオ千代県庁口(現・ダイナコートエスタディオ県庁前)
   建築主=岡部産業梶@     設計=渇ェ田建築設計 施工=木村建設

場所も、一方は東京渋谷(渋谷区確認)、他方は九州の福岡(福岡市確認)です。
両者はたまたま似たような名前だっただけで、そもそもシリーズですらなかったのでしょうか?

しかも、さらに調べてゆくと、この両物件とも、建築確認時の「建築主」とは別の企業が、その後譲り受け、最終的な建築・販売までをしたことがわかってきました。
整理すると、こうなります。


◇ダイナコートエスタディオ桜丘(現・フェニックス渋谷桜丘)
  岡部マイカ工業所 → トーシングループへ売却
 同物件は、株式会社岡部マイカ工業所が事業主であり、渋谷区役所による建築確認済証・中間検査済証を取得した状態で、弊社が一棟で一括購入し、自社ブランド名で販売いたしました。
このたびの国土交通省の発表により、事業主である岡部マイカ工業所が、当物件の検査機関である渋谷区役所へ、構造計算が耐震上問題ないかを確認いたしました結果、11月25日に「問題がなく、適性な建物だ」という返答を頂いております。
 木村建設との関係が判明した弊社物件は『フェニックス渋谷桜丘』のみではございますが、他物件につきましても慎重を期すため、ゼネコン各社に構造上問題がないか確認中でございます。
また、その他の当社分譲マンションの設計におきましては、姉歯建築設計事務所及び国土交通省より公表されている関係各社共、一切取引が無いことを確認いたしました。
(以上は「構造計算書の偽造問題に対するトーシングループの対応」 http://www.tohshin.co.jp/information3.html

◇ダイナコートエスタディオ千代県庁口(現・ダイナコートエスタディオ県庁前)
  岡部産業 → ダイナグループへ建築主変更



フェニックス渋谷桜丘の方は、売却されたということがはっきりわかりましたが、ダイナ・・・県庁前の方は、どういう経緯で建築主が変わったのか、ついにわかりませんでした。代表的なのはこんな感じです↓。
【耐震偽造 福岡市のマンションでも確認 木村建設が施工】
元請け設計は北九州市の岡田建築設計。当初建築主の岡部産業(北九州市)は構造計算の偽造はないと市に報告したが、市の調査で疑問が生じ民間検査機関に再計算と耐震強度の調査を依頼していた。
(中略)
 マンションは十二階建て九十一戸。建築主と売り主「ダイナ」(福岡市)は分譲価格で全戸買い取るという。一九九九年に市が建築確認し二〇〇〇年九月に完成していた。
(ソースは「熊本日日新聞」のキャッシュ。危うく消える寸前で保存。
 http://yohaku.up.seesaa.net/image/aneha_okabe1_gazou.html

ちなみにダイナ(別の事件で話題になっている「ダイナシティ」とは別企業ですから注意してください)による釈明ページ「姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応について」(http://www.daina.co.jp/info1206.html)にも、この間の事情は説明されていません。

なぜこの物件は建築主が途中で変わったのでしょうね?
それはわかりませんが、ダイナと岡部産業との取引はこれがはじめてではないのかもしれません。ダイナの藤原康弘社長と岡部産業の岡部安三社長が仲良く上下に並ぶページを見つけました(笑
http://www.kyujukyo.or.jp/html/bukai_houkoku.html#kinnyuu
(消えた場合に備えて保存↓
 http://yohaku.up.seesaa.net/image/aneha_okabe3_gazou.html
【九住協】部会報告というこちらのページの「金融・税務部会」の部分ですが、ここを見ると両者(両社)の関係は非常に良好なようです。

ところでダイナ、という社名はダイナコートエスタディオ・シリーズの事業主としてはいかにもぴったりです。しかしダイナの公式HPのどこを見ても、ダイナコート・シリーズに関しての記述はありません(偽装の発見された県庁前物件に関するお詫びページを除く)。
おかしいな・・・と思っていたのですが、偶然、キャッシュを発見しました(笑
【ダイナグループ−会社概要−】キャッシュページ
http://www.google.com/search?q=cache:5IuXIswaxBcJ:www.daina.co.jp/company/result/index.html+%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E6%A1%9C%E5%9D%82&hl=ja
(保存画面 ↓
 http://yohaku.up.seesaa.net/image/aneha_okabe4_gazou.html

このキャッシュページのタイトル、URLや、最下行の住所などを見れば、これがダイナグループのキャッシュであることは明らかでしょう。キャッシュが残っている・・・ということは、つい最近になって消したのでしょうね。なぜでしょう? 不思議です(笑
そしてもうひとつ不思議なこと・・・は、このダイナの会社概要(おそらく実績紹介でしょう)の中に、なぜか「ダイナコート エスタディオ 県庁前」ばかりでなく「フェニックス渋谷桜丘」の名前までがあることです。
あれれ? フェニックス渋谷桜丘は、岡部マイカが建築確認を取り、トーシンに売却した物件じゃなかったでしたっけ? その物件がなぜ、ダイナのHPキャッシュに残っているのでしょう・・・ね? これも不思議です(笑

それはともかく、岡部産業のページにも、ダイナコート・シリーズの紹介がありました。

http://www.okabe-sangyo.com/tsutsui/annai.html
(消えた場合に備えて保存画面↓
 http://yohaku.up.seesaa.net/image/aneha_okabe2_gazou.html
こちらのページにははっきりと、
「 岡部グループ住宅供給実績
 ■当グループは、絶縁材料製造販売で世界トップクラスの実績を誇る岡部マイカ工業所を中心に、
  分譲住宅約7,203戸、テナントビル27棟他、分譲事業35余年の実績です。」
とあり、エスタディオ県庁前を含む14件のエスタディオ物件が挙げられています。
偽装物件として名前の挙がっている「エスタディオ県庁前」を堂々と載せているのはご愛嬌・・・でしょうか(笑

さて、ここまででわかったことは以上です。

 ◇ 岡部産業は岡部マイカ工業所を中心とする岡部グループの一員だった。
 ◇ ダイナコート・シリーズはダイナと岡部グループが主体になって進めている。



【 岡部グループとは? 】

本当の事業主体・・・とは、時として表にはなかなか出てこないものです。
このダイナコート・シリーズも、片方はトーシン・グループに売却されて「フェニックス」ブランドに変わっていました。しかしその前身は「ダイナコート」シリーズであり、事業主体はダイナ、もしくは岡部グループなのです。




◇ダイナ
 ■ 本 社 〒810-0041
  福岡市中央区大名2丁目9番2号 福岡共栄火災ビル8F
  TEL092-752-0601(代) FAX092-752-0624
 ■ 設 立 昭和59年5月
 ■ 資本金 グループ8000万円
 ■ 代表者 代表取締役 藤原康弘
 ■ 従業員 160名(ダイナグループ)
 事業内容
  企画事業・・・土地の仕入れからプランニングまでを担当。オーナー様が所有される土地のマーケティングリサーチや資産運用のご提案もいたします。
  レジデンス事業・・・ファミリータイプマンションの企画・営業。住みやすさを追求し合理的なスタイルの個性派マンションをプロデュースしています。
  アセットマネジメント事業・・・投資物件を主体とした営業部。資産価値の高いワンルームタイプを中心とするマンションをご提供します。
  住宅流通事業・・・豊富なダイナの実績データのもと福岡市を中心に不動産の仲介をします。
http://www.daina.co.jp/company/summary.html


◇岡部産業
  会社名 岡部産業 株式会社
  所在地 北九州市小倉北区片野5-3-10 〒802-0064
  問い合わせ先 TEL:093-923-0881 FAX:093-923-0882
  Eメール sangyou@okabe-mica.co.jp
  ホームページ http://www.okabe-sangyo.com/
  創業設立 1966年4月11日
  代表取締役社長 岡部 安三
  資本金 9,000万円
  事業内容 不動産の売買及びその仲介、不動産の賃貸、建築物の設計監理
http://www.kita-suma.jp/14info/okabe/


◇岡部マイカ工業所
 ●社 名   株式会社 岡部マイカ工業所
 ●創 業   1932.5
 ●設 立   1949.7
 ●資 本 金  1億円
 ●代 表 者  取締役社長 岡部彌太郎
 ●事業内容  電気絶縁用マイカ製品および関連製品の製造販売
 ●事 業 所(従業員は300人程度)
   本社:福岡県中間市中間1−8−7
   東京営業所:東京都品川区東五反田1−3−16
   大阪営業所:大阪府大阪市淀川区西中島7−11−10
 ●工 場 本社工場 宮田工場 宗像工場
http://www.okabe-mica.co.jp/index.html



岡部マイカ工業所の歴史の古さには感嘆しますが、おそらく岡部産業は岡部マイカの多角経営の一環、不動産部門なのでしょう。1984年設立のダイナとの資本関係などはわかりませんが、岡部産業のダイナコート・シリーズへの関わり方から見ると、かなり密接な関係にあるのは間違いないでしょう。


さて、ところで私は耐震強度偽装問題を追っていたのでした。そろそろ結論をまとめましょう。
同シリーズに建築確認が降りた時、その建築主はどちらも岡部グループでした。
確認時の建築主が、偽装発覚時には違っている・・・。そんなことが二件も続けば、なんだか不可解な気はしますが、それ自体は違法ではないのでしょう。ただ、二件の二社ともが、未だに建築確認時の事情を一切説明しようとしていないのは、どうなのでしょうね?
現在説明(釈明)の文書をHPで公開しているのはダイナとトーシンです。しかし本来は、建築確認時の建築主であった企業こそが、その経緯を説明すべきではないでしょうか。
なぜ、木村建設が施工したのか、現在判明中の95件の中で「ダイナコートエスタディオ県庁前」ただ一件だけの設計をしたとされている岡田建築設計とは、どういう関係なのか・・・など。
ダイナとトーシンが、いくら「我が社の他物件は大丈夫です」と釈明したとしても、その供給元の岡部グループが沈黙していたのでは説得力などありません。私のように疑い深い人間の、ダイナコートエスタディオ・シリーズは本当に大丈夫なのか? という疑惑を増すだけの結果に終わってしまいます(前掲の【ダイナグループ−会社概要−】によれば、ダイナコート・シリーズは西日本を中心に110件以上あるようです)。

姉歯氏の偽装活動の最初期に、ダイナコートエスタディオ物件が二件もあった、という事実。施工は木村建設です。しかしまた、ここへ来て姉歯氏の一番最初の偽装物件は木村建設関与ではなかった、という疑惑も浮上しています。
【最初の偽装はどの建物? 姉歯氏証言の支え「揺れる」】
2006年01月14日17時46分
 最初の偽装はどの建物だったのか。姉歯秀次元建築士は東京都大田区のマンションが最初だと国会の証人喚問で話したが、その後、建築確認の日付は川崎市の偽装マンションの方が早いことがわかった。ところが、こちらは木村建設が施工した建物ではない。もし、このマンションが初の偽装だったとすると、「鉄筋を少なくしろ」という木村建設の圧力で不正に手を染めたとする姉歯元建築士の説明は根底から覆ることになる
【朝日新聞】
http://www.asahi.com/special/051118/TKY200601140209.html

木村建設以外でも偽装行為がありうる。平成設計でなくともありうる。ホテルでなく、総研非関与でもありうる、ましてヒューザーでなく、グランドステージ・シリーズでなくともありうる・・・としたら?


私が岡部グループに興味を持つには、もうひとつ理由があります。それは、同グループが九州を地盤にしている、ということです。
以前【耐震偽装の源流は九州かも・・・?】で書きましたが、九州には福岡を中心に、姉歯氏より早く構造計算書偽造をしていたとされる「サムシング」社がありました。このサムシング社も福岡、ダイナコートエスタディオ・シリーズも福岡・・・。なんとも不思議な偶然の一致・・・ではないでしょうか。

幾重にも不思議のベールに包まれているダイナコートエスタディオ・シリーズ・・・。関係各社が積極的に情報を開示し(HPを消したりしないで 笑)、私の疑問を解消してくれることを望んでいます。
むしろ国交省が必要な情報を開示していないこの状況では、ダイナコート物件はヒューザー物件とは違うのだ、ということを、岡部グループは自ら証明しなければならない立場だと思うのですが・・・。



※関連エントリ

外部ファイル版【姉歯偽装物件時系列一覧
耐震強度偽装問題・・・資料編(1/10現在)

耐震偽装の源流は九州かも・・・?
渡辺朋幸氏という人
時系列で耐震強度偽装事件を見ると
姉歯秀次氏という人
偽装事件は小さな政府を大きくするか?
耐震強度偽装問題・・・意見・感想編
全裸で自殺・・・の謎 耐震強度偽装問題

posted by 水無月 at 06:41| Comment(16) | TrackBack(2) |   ◇耐震強度偽装問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月19日

東証システム停止

 
【システムの計画停止は適切な判断だった】
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060118/227513/

耐震強度偽装問題を大きく報道させないため、政府は
十七日(阪神淡路大震災の起きた日)
宮崎勤被告の最高裁が行われる日をわざと選んで証人喚問を
行うことに決め、それでも足りないからライブドアの捜索を
同日にぶつけたのだ、という意見も拝見しましたが、??、な
感じです。まあ、私は政府の人間じゃありませんから政府の
思惑など(それが存在したと仮定しても)知りません。
とにかく今の私に見えるのは、耐震強度問題並みの爆弾を
抱え込んじゃったニッポン
の苦りきった、冷や汗タラタラの青い顔です。
これに比べれば靖国は軽い(怒られるかな? 汗)。

耐震強度問題を、黒幕の誰某、政治家の何某がどう・・・という
政治レベルの問題とする意見には、私は違和感を禁じ得ない
のですね。これは確かに政治問題ですが
特定個人の悪を暴くというような、スキャンダルレベルの問題
ではなく、今後住宅行政をどうするのか
小さな政府の補償範囲はどこまでか、公共事業で食えなく
なったゼネコンやその下請けの人々の生活をどうするか
というような、大きく日本の社会システム全体の在り方を
問う問題だ、と、私は認識しています。

国家資格を持つ人間が悪さをした、そういう圧力があり
それが許されてしまう体制だった、というのももちろん大ごと
ですが、そういうことは例えば医師の世界でも起こり得ます。
そして医師と建築士とでは、建築業界の方が日本という国家に
与える影響は大きいのではないか、と私は思っているわけで。
理由は、そこに従事する人間の数、そこで動く金額の多寡です。
日本の平均的な家庭が住宅ローンや家賃に払う金額と
同じく医療費と・・・を比べてみた場合、前者の方が
大きいはずです。
そういう意味で、つまり日本経済に与えるインパクトの大きさで
建築業界の問題は医療の問題より桁違いに大きな問題です。
下手をすれば日本をもう一度「失われた十年」の泥沼に
突き落としかねない、その程度の威力は十分備えた問題だと
感じています。

それはともかく。
今回のライブドア騒動自体はどうでも良いでしょう。
どうでもいいと言っては語弊がありますが、その次に起きた
東証システムの「計画停止」というインパクトの前では
一私企業であるライブドアの先行きなど吹っ飛んでしまった
感があります。
証券システムでの騒ぎ・・・は、確か年内にもありませんでしたっけ?
そう、ジェイコム株の誤発注騒動です。
どうやら我々の社会を支えている目に見えないコンピュータ・
システムというシステムは、我々が期待し、暗黙のうちに
信頼しているよりも、遥かに脆弱なようです。
思えばライブドア自体もIT企業でした。ITに発し、東証システム
という別のコンピュータ問題へと波及する・・・象徴的です。

「 東証のシステムは、1日の約定件数が450万件、同注文件数が900万件まで処理できる設計になっている。ただ、安全を期すため、1日の約定件数が400万件を超えるか、同注文件数が850万件を超えた場合、システムを計画停止させて取引市場を強制停止させると決めている。

 昨年までは、これだけの処理能力で十分だった。例えば、昨年12月で約定件数が最も多かった日で、1日当たり359万件。400万件には届いていない。ところが、ライブドアの強制捜査開始をきっかけに、約定件数は1月17日に382万件まで急増。1月18日はついに400万件を超え、438万件まで達した。」冒頭日経BP記事より

要するに処理能力が450万件、そして去年の段階ですでに
359万件にまで達した実績があった、というのです。
電力需要などを思い起こしてみれば、処理能力値のMAXは
直近一年間の実績MAXの二倍程度は欲しいところです。
電力なども、本当に需要が逼迫するのは真夏の数日程度です。
しかし一度でも供給がストップすれば社会に深刻なダメージを
与えてしまうので、年間のたった数日のために、各電力会社は
巨大な資本を投下して発電所を確保し、それでも困った時には
融通しあえるよう相互に提携しているのです。水も同じ。
しかも水や電力は自然が相手ですから、去年のデータが
有効です。昨年のMAXが(単位はともかく)359だったら
処理能力が450あれば、まあ、安全です、と言えるでしょう。
しかし証券システムは違います。
ネット環境の普及に伴って証券システムに参入する人々の数は
グラフのイメージに喩えるなら気温や年間降水量ではなく
人口増加のグラフに相当するでしょう。
何万年もの長い間停滞と見まごうような微増が続き
それがここ数百年、あるいは数十年、もしくは数年、の間に
爆発的に増えている、というあれです。

そういう、いわば等比級数の世界に、証券システムは突入して
いるのです。そう考えれば、どの年もどの年も、毎年、
前年MAXの二倍程度の処理能力は必要とされるでしょう。
少なくとも、それをやれる(全世界の)層がほぼ全員それを
やり始めた安定(停滞)期に入ったと認識できるまでは。
前年MAXの二倍程度の余裕があっても、年の終わりにはもう
窮屈に感じられる、というような処理件数の増加具合だと
私は予測します。それが今後数年間は続くでしょう。

東証は年内の1月30日までに処理能力450万件を500万件に
増やす計画だそうです。そして年内の早い時期にシステム
全体の処理能力をほぼ二倍弱にする・・・と。
遅すぎます。その頃にはすでに実績MAXが今の二倍になって
いるでしょう。つまり東証の計画では薄氷を踏むような
現在の状態を解消するには、ほど遠い、というわけです。

しかし東証を責めるばかりでも埒が明きません。
真の問題は、コンピュータ・システム自体が
社会から要求されるレベルに達していない、ということでしょう。
東証のような巨大システムとなると、開発にはそれ相当の
時間がかかるものです。
より性能の良いハードなり技術なりが開発されたとして
東証がこれを組み込んだシステムを開発しようとする、
しかしそれが出来上がる頃には、すでに同じ最新技術は
エンドユーザーにも波及効果を与えており、市場の参加者は
当初目論見を上回っていた・・・なんてこともあるでしょう。
証券や金融のように信頼性が厳しく問われる業界では
今後は(すでに今もそうなのですが)本業にかける以上の
労力と開発費用を、システムにかけねばならなくなる、という
ことになるでしょう。
私が当事者なら、気の遠くなるような話です(笑


この東証の問題は、実は東証だけでも、金融だけの問題でも
ないような気がしますね。
典型的には核。
軍事転用の方はおいておき(これ自体も大問題ですが)
純粋な原子力発電だけに限っても、それが本来要求される
安全レベルと、システムが実現可能な安全レベル・・・とは
実は紙一重の、非常に危うい位置にあるのではないかという
気がします。遊び(余裕)の部分がどんどん薄くなっている。
これは広くエネルギー全体にも言えることです。
必要とされるエネルギー量と、供給可能な量との、差。
前者がどんどん後者に追いつき、いつか追い抜いてしまう
のではないか・・・という恐怖。


これは広く考えれば、人間社会(または人類)の
欲望と技術との関係、という古くからの難問でもあるのでしょう。

これまでの日本社会は、なんとかこの古くからの難問を
解決(もしくは先送り)することに一応、成功できていました。
その結果、今では日本社会は安全・安定していることが
当たり前とされていたわけですが、今後は次第に
異常事態が当たり前のように繰り返される、不安定な時代へと
移り変わってゆくのかもしれません。
すでに気候などでは毎年のように「異常気象」と叫ばれ
すっかり異常慣れした感もありますが、人工のシステムに
関しても、同じような認識が、徐々に広まってゆく・・・ような
気がします。突発性の時代・・・へと。

東証システムの問題は、そこまでを示唆しているように思えます。

耐震強度問題との絡みで言えば、ふたつの事件はともに
日本の社会システム全体の在り方を問う(問題点を衝く)
出来事だった・・・と整理できると思います。
激動の時代なのは間違いないでしょうね・・・。

posted by 水無月 at 05:41| Comment(7) | TrackBack(2) | 日記(時事) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月16日

コメントが書き込めない方へ

当BLOGは管理人である私、水無月の手により
コメントとトラックバックの削除を適宜行っています。

コメント・トラックバック削除の基準は以下の通りです。



 【当BLOGでの削除基準】

  @ 飛び先がアダルト系のもの

  A 飛び先が商業系のもの

  B 日本語で書かれていないもの

  C 一記事に同一内容を複数回お寄せ頂いた場合の重複分
   (異なる記事に同一内容のコメントを繰り返し頂く場合
    削除はしませんが、返信は最初のコメントにのみ行い
    繰り返すことはしません) 2006/1/16追記




BLOG開設当初は@、Aのみを想定していましたが
最近になってBも出現したため、追加しました。
このように、基準は今後も変わるかもしれませんが
変更があった場合には、当エントリにてお知らせします。

上記の削除基準に当て嵌まらないものは
基本的にすべて受け入れ、コメントには可能な範囲で
返信することにしています。
当BLOGの記事内容に関する異論・反論コメントにも
 同様に返信を差し上げています



ただし、削除基準に抵触するコメント・トラックバックに
関しては、以降のコメント・トラックバックを一律に
お断りする禁止IP処置を取っています。


そのため、真面目な意図でコメントやトラックバックを
当BLOGへお寄せいただいても、偶然に
そのIPで過去当BLOGへ削除に相当するコメントやトラックバック
を行った人物がいたため、禁止IPに当て嵌まってしまい
コメントを書き込めない、トラックバックを送れない
という状況に陥ってしまう訪問者の方が、いらっしゃる
かもしれません。
そうした方は、お手数ですが管理人宛にその旨を
メールしてください。
(メールアドレスはプロフィール欄で公開しています
 迷惑メールを少しでも減らすため、ここに記すことは
 ご容赦くださいませ 汗)
時間を区切って一時的に禁止IPを解く、という処置を
取らせていただきます。
なおその際には、メーラーにも迷惑メール振り分け処置
が施されていますので、趣旨が簡潔にわかるようなタイトルを
件名にて明記してくださるよう、お願い致します(汗


コメントやトラックバックに関しては、それが
どんな内容であっても、削除すべきでない、というご意見も
あろうかと思います。
しかし、真面目な意図でのコメントやトラックバックが
当BLOGの内容とは関係ないコメントやトラックバックの中に
埋もれてしまうことは、せっかく訪問者してくださった
皆様に対して失礼である、と私は考えています。

何卒、上記のような当BLOGの運営方針をご理解くださいますよう
お願い致します。
posted by 水無月 at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 当BLOGに関して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月12日

耐震強度偽装問題・・・資料編(1/10現在)

【 事件の概要 】

<1. 姉歯氏関与物件>

国土交通省の公表資料によれば、1月10日現在で判明している偽装状況は以下の通り。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/07/070111_.html

姉歯建築士の関わった物件は

 平成2年から17年までで計205件。うち

  改竄の判明したもの・・・・93件(平成10年から)
  改竄のなかったもの・・・・85件
  不明等・・・・・・・・・・・・・・・17件
  調査中・・・・・・・・・・・・・・・10件



 改竄の判明した93件の内訳。その@

  東京都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30件
  神奈川県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16件
  千葉県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13件
  愛知県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7件
  静岡県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4件
  群馬県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  長野県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  福岡県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  京都府・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  兵庫県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  奈良県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  佐賀県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  埼玉・岐阜・三重・和歌山・鹿児島県・大阪府
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件(計6件)



 改竄の判明した93件の内訳。そのA

  共同住宅・・・・・・・・・・52件
  ホテル・・・・・・・・・・・・38件
  一戸建て住宅・・・・・・・3件



 改竄の判明した93件の内訳。そのB 建築主
 ◇共同住宅
  潟qューザー・・・・・・・・・・・・・・・・・・22件
  潟Tン中央ホーム・・・・・・・・・・・・・・6件
  潟Vノケン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  潟Vノケン東京支店・・・・・・・・・・・・・4件
  潟nウジング大興・・・・・・・・・・・・・・・2件
  東日本住宅梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  潟Vンアイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  小俣組・潟Vステムプランニンク・・・1件
  岡部産業梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  潟Gルクリエイト・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  潟Oランビル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  渇ェ部マイカ工業所・・・・・・・・・・・・・1件
  世紀東急工業梶E・・・・・・・・・・・・・・・1件
  個人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  不明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8件
 ◇ホテル
  京王電鉄梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  糾竝闔タ業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  JR系企業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  椛轟、ビー・エイチ企画・・・・・・・・・・1件
  その他の企業群・・・・・・・・・・・・・・・30件(うち不明8件)
 ◇一戸建て住宅
  その他個人?・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件(うち不明3件)



 改竄の判明した93件の内訳。そのC 設計者

  平成設計梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27件
  姉歯建築設計事務所梶E・・・・・・・・・・・・・9件
  潟Xペースワン建築研究所・・・・・・・・・・・7件
  木村建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6件
  潟Vノケン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  潟Vノケン東京支店・・・・・・・・・・・・・・・・・4件
  叶X田設計事務所・・・・・・・・・・・・・・・・・・6件
  渇コ河辺建築設計事務所・・・・・・・・・・・・5件
  潟Gスエスエー建築都市設計事務所・・・4件
  活苡繻囃z企画研究所・・・・・・・・・・・・・・4件
  鰍jSM一級建築士事務所・・・・・・・・・・・3件
  豊國建設(株)一級建築士事務所・・・・・・・2件
  樺村組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  鰹建築・まちづくり研究所・・・・・・・・・・・1件
  潟Aーキグラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  渇ェ田建築設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  鞄c口設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  世紀東急工業活鼡煙囃z士事務所・・・・1件
  不明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8件



 改竄の判明した93件の内訳。そのD 施工者

  木村建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・24件
  木村建設梶負L川興業梶E・・・・・・・1件
  木村建設梶芙叶i藤建設・・・・・・・・1件
  潟Tン中央ホーム・・・・・・・・・・・・・・6件
  潟Vノケン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  潟Vノケン東京支店・・・・・・・・・・・・・4件
  太平工業梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  太平工業鞄結梹x店・・・・・・・・・・・・1件
  豊國建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  三交ホーム梶楓L國建設開V・・・・1件
  叶井工務店・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  窪田建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  窪田建設梶芙滑ロ山工務所・・・・・・1件
  鰹シ村組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  鰹シ村組東京本店・・・・・・・・・・・・・・2件
  潟qューザー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  樺村組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  東鉄工業梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  東鉄工業渇。浜支店・・・・・・・・・・・・1件
  小野里工業梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  島田・小野里建設共同企業体・・・・・1件
  且u多組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  叶A木組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  丸運建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  川村建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  兜沒c組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  奈良建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  都市計画工業梶E・・・・・・・・・・・・・・・1件
  椛田工務店・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  鹿島建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  椛蝸ム組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  潟Aトリウム建設・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  勝村建設梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  大鉄工業梶E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  世紀東急工業梶E・・・・・・・・・・・・・・・1件
  未定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  不明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12件



 改竄の判明した93件の内訳。そのE 建築確認

  イーホームズ・・・・・・・・・・・・37件 
  日本ERI ・・・・・・・・・・・・・・・・13件
  UDI確認検査 ・・・・・・・・・・・・2件
  東日本住宅評価センター・・・1件
  ビューロベリタス・・・・・・・・・・1件
  (財)日本建築総合試験所・・・1件
  愛知県・・・・・・・・・・・・・・・・・・4件
  横浜市・・・・・・・・・・・・・・・・・・4件
  長野県・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  川崎市・・・・・・・・・・・・・・・・・・3件
  京都府・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  岡崎市・・・・・・・・・・・・・・・・・・2件
  東京都・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件
  その他5県8市7区・ ・・・・・・・・1件(計20件)
 (群馬・岐阜・静岡・佐賀・鹿児島県
  前橋・伊勢崎・平塚・松本・大阪・姫路・和歌山・福岡市
  荒川・渋谷・杉並・台東・太田・中央・北区)





<2. 非・姉歯氏関与物件>

国土交通省が現在把握し調査済もしくは調査依頼中の物件は以下の通り。



 @ 姉歯物件・・・・・・・・・・・・205件(うち偽装93件)

 A 木村物件・・・・・・・・・・・・218件(うち偽装0件)

 B ヒューザー物件・・・・・・・・62件(うち偽装0件)

 C 平成物件・・・・・・・・・・・・・22件(うち偽装0件)

 D 総研物件・・・・・・・・・・・・139件(うち偽装0件)


※@姉歯物件は姉歯元建築士の関与したもので、前項の通り。A木村物件は木村建設が関与し@でないもの。Bヒューザー物件は、ヒューザーが関与し、@、Aでないもの。C平成物件は、平成設計が関与し、@、Aでないもの。C総研物件は総合経営研究所が関与し@〜Bでないもの。



<追記 国交省は持てるデータを全て公開せよ!>


国土交通省のデータ公開の在り方・・・には疑問を感じざるを得ません。

平成17年12月30日発表【12月29日現在】データ中の、【(別紙1-2) 構造計算書偽装物件 (11月22日以降判明分)】http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/07/071230/02.pdf
が左へ90度傾いているのはなにか意味があるのでしょうか。
私のように、誰に頼まれたわけでもなく一銭の得にもならないのに目を皿のようにしてデータを見る・・・人間への、もしかしたら嫌がらせかもしれませんね。
嫌がらせをする暇があるなら、鰍ニ(株)、全角と半角(たとえばERIとERIなど)を統一するくらいの配慮はして欲しいものです。配慮というより、これは美意識の問題でしょう。どうやら国交省は、日本の民間企業に勤める社会人ならば当然備えていてしかるべき最低限の美意識を持つ人材にも、不足しているらしいです。さもありなん(笑

・・・というような皮肉はさておき、一度UPした資料を、国交省のお役人方はまともに見直してもいないのではないか、という不安を抱いたのは確かです。これまでは天地がきちんと表示されていたものが、90度回転した状態でUPされ、しかもそれが訂正されることなく、次の発表データは素知らぬ顔でまた天地正しくUPされている・・・。内部の混乱ぶりが窺えます。まさか混乱の最中、打ち間違えなんてことはないでしょうね?


もうひとつ。こちらを見てください。
平成18年1月11日発表【1月10日現在】データ中の
【(別紙1-2) 構造計算書偽装物件 (11月22日以降判明分)】http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/07/070111/02.pdf
この中に、新規に判明した偽装物件として四件が上がっています。その四件は建築確認日付も物件名も施工者も設計者も・・・ほとんどすべての項目が「*」印。表の末尾の注釈を読むと、「* 表中、空欄は、現時点で特定行政庁から報告が上がっていない事項」とあります。
つまり、*欄は報告がないため国交省にも把握できていない情報ということになります。もっとも、赤字で示した通り「等」とあるので、国交省は情報を持っているけれども同省の判断で公開を控えている情報も中にはある・・・可能性も留保しています。
そして同日公開のこのページ。【(別紙3)姉歯建築設計事務所が関わった物件の建築確認日について】http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/07/070111/04.pdf
これを見ると、この日新規判明分として発表した四件がどこに(何年の項に)プラスされたか、括弧書きで補足されています。
つまり、国交省は新規に判明した偽装物件の、少なくとも建築確認日は把握しているということです。

これに気づいた時、私は唖然としてしまいました。こんな馬鹿な話があるでしょうか? 国交省は情報を得ているのに、それを国民には公開していないのです。
なぜ? なんのために?
無用の混乱を避けるため、もしくは、風評被害を防ぐため、でしょうか。けれども、たとえどんな理由をこじつけようと、それが国民に対する背信行為であることには変わりありません。などというわけのわからない言葉で手に入れた情報を隠匿する権限など、国民はいかなる役所にも認めていないのです。

私がここで厳しく言及するには、わけがあります。
まず第一に、これまで国交省は同様の「不明」だらけの偽装物件を八件公開していますが、そのすべてが共同住宅であること。もしかしたらそこに住む住人にはこっそり告知されているのかもしれませんが、もし告知されていないとすると、住民の立場はどうなるのでしょう? 自分の住むマンションが実は耐震強度を満たしておらず、そのことを地方自治体や国は知っていたのに、隠していた、という恐ろしい事態となります。そしてそれはすなわち、自分の住むマンションの名前が挙がっていないからといって安心できない、事態を意味するのです。国交省は住人に告知したかどうかさえ公表していません。彼らは国民の間にパニックを引き起こしたいのでしょうか?

次に、この八件の中にこそ、姉歯氏が偽装を始めた最初期の物件が含まれている、ということ。同省公開のデータによれば姉歯氏は1998年から偽装を始め、現在二件が判明しているようですが、その二件ともが、わけのわからない「不明」のベールに覆われています。
これでは姉歯氏がなぜ偽装を始めたのか、究明するのに大きな支障を来たしてしまいます。国交省が情報を隠匿するのは、まさにそれが重要な情報だからではないのか、という疑惑を抱かれても当然でしょう。
後ろ暗いところがないのであれば、国交省は直ちに、持てる情報のすべてを公開すべきです

最後に、最近になってこうした「不明」物件が、急激に増えていること・・・。偽装物件の最近の判明具合をまとめてみましょうか。

 2005年12月21日以前 偽装78物件(うち不明は個人木造建物の3件のみ)
    12月21日公表 ホテル+1 共同住宅+3(うち不明2)
    12月22日公表         共同住宅+3
    12月28日公表         共同住宅+3(うち不明2)
    12月30日公表 ホテル+1
 2006年1月11日公表         共同住宅+4(うち不明4)

「不明」物件は、所轄自治体(特定行政庁)と建築確認機関以外の、ほぼすべてのデータ欄が「*」印で埋められている物件です。こうした不明物件のここ最近の急激な増加・・・。
これはいったいなにを意味するのでしょうか? もし、必要な書類を自治体や建築確認機関が破棄してしまっていたというなら、それをそのまま公表すべきでしょう(最も新しい「不明」物件は2003年のものですから、もしそうであれば関係機関の怠慢・杜撰さへの非難は免れないでしょうが)。
けれども先に示したように、「*」で埋められている項目でも、実際は情報があるのです。建築確認日は、少なくとも判明しているはずです。となれば、せめてそれだけでも公表すべきなのです。
これをも公表できないというなら、それはいったいなぜなのでしょう?

私は、情報を持つ、つまりそれ自体で優位である国交省(や官僚)が、情報操作に乗り出しているのではないか、という危惧を抱いています。
この嫌な予想が、外れていることを祈るばかりです。



※関連エントリ

外部ファイル版【姉歯偽装物件時系列一覧

耐震偽装の源流は九州かも・・・?
渡辺朋幸氏という人
時系列で耐震強度偽装事件を見ると
姉歯秀次氏という人
偽装事件は小さな政府を大きくするか?
耐震強度偽装問題・・・意見・感想編
全裸で自殺・・・の謎 耐震強度偽装問題
posted by 水無月 at 07:33| Comment(18) | TrackBack(1) |   ◇耐震強度偽装問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月11日

A【リベラル】補記 ナイーヴな最強世代

先回、私は【A【リベラル】「自由」からは自由な政治的立場】のエントリを上げたわけですが、実はこの時、同文を某SNSでもUPしていました。そしてコメントを頂き、返事を差し上げるという遣り取りがありました。
頂いたコメントは短いものでしたが、私が普段から漠然と抱く問題意識(?)を刺激するものであり、その返事(頂いた内容からはやや脱線してしまいましたが 汗)を考えることは、私自身にとってこそ有意義だったと思っています。
そこで今回は、そのコメント双方の全文を、先方の了承を得た上で、こちらにも公開することにしました。

コメントを下さったのはネットのみならず書籍・雑誌等でもご活躍中の中宮崇氏です。あちらこちらでのご発言内容を拝見すると、やや(とっても? 汗)過激に属する嫌韓論者でもいらっしゃるようですが、その根底に流れるものは「日本をどうすればいいか」「日本はどうあるべきか」という真摯な問題意識であろうと思います。
私自身は、表現自体も主張の一部、と考える立場ですから、あまりに過激な言い回しには抵抗感を拭い去れないというのが正直なところですが、今回は、氏の問題意識が、見ている方向は多少異なるけれども日本人として同様の問題意識を持つ私の琴線に触れた、ということだと思います。
今回のエントリを記述するに当たっては、お忙しいに違いない中、目を留めてコメントを下さり、また快く転載のご許可を下さった中宮氏に、深く感謝を申し上げる次第です。

中宮崇氏のサイトはこちら → 【週刊言志人


(以下転載)


◇ 2006年01月09日06:06 中宮崇さん

左翼メディアや左翼知識人が嘘や捏造してまで、反権力なるもの、反日的なるものを甘やかしちゃって堕落させたのが大きな原因でしょうね。
朝日が社会党や中国・朝鮮をまっとうに批判していれば、社会党が消滅することも、ここまで嫌韓や反リベラルが広まることも無かったでしょう。
その意味で、わが国から健全なリベラルの芽を摘み去ったのは、似非リベラルの左翼自身だと思います。


◇ 2006年01月09日21:28 水無月
 
中宮さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

>朝日が社会党や中国・朝鮮をまっとうに批判していれば

全く同感ですね。
中宮さんの仰る「甘やかしちゃって堕落させた」というのは
私の実感ともぴったり一致します。

そして思うに、おそらく、長らく日本の良心であり知性であったはずの左派知識人達(彼らが事実上日本のリベラルとニアイコールだったのでしょうけど)は、国内の敵(自民党=親米路線論者達)を倒すことに熱中するあまり、どこかでつい、国外の敵と手を結んでしまったのでしょうね。
内なる戦いで勝利するため、外部勢力に応援を頼む・・・というのは、過去歴史上どこの国でもよく見られた現象です。その結果が最終的に自国へ益をもたらした例など、たぶん皆無でしょうけど、国内の敵への憎悪に目がくらんでしまうと、そういうこともわからなくなってしまうのでしょう。

そしてそこまで左派が「歪んだ」原因を考えてゆくと、私はやはり、安保闘争のあたりに行き着きます。米国との安保条約締結は結果として日本に多大な利益をもたらしたし、当時の為政者(自民党)の判断が誤っていたと責める人は今ではもういません。
けれども、内心では納得できていない安保世代というのは、実は多いんじゃないでしょうか・・・。彼らは学生運動という形での政治闘争の敗北・挫折を、言論や知性の分野でカバーしようとした。カバーしたかった、カバーされてしかるべき、と考えた、というか。
そういう彼らにとっては、なによりもまず、彼ら自身のために、自民党は常に「悪」でなければならなかったのではないか。彼らの傷ついた魂は手当てもされずに放置されているどころか、皮肉にも日本の繁栄こそが、その傷をさらに日々、刺激するのです。そういうナイーヴな人々が、日本の良心であったはずのリベラル系大新聞の朝日に、大勢身を寄せていたのではないでしょうか・・・。
そんなようなことを、私は考えています。とはいえ、私自身は安保世代から10年以上も遅れてしまったので、本当のリアルな世代空気というのは、わからないのですけどね(汗

けれどももしそういう見方が一部でも成立するのであれば、国を二分し死者まで出してしまった安保闘争というものを、日本はまだ上手に克服できていなかったのだ、ということになります。
フォーク・ソングのような叙情的なもので慰められるほど、それは浅い傷ではなかったのだ、と。そのことも、日本はきちんと正視すべきだと思いますね。

コメントに感謝します。
今後とも、よろしくお願いします。


(ここまで)


私の意見は上に引用した通りですが、私は常々、1960年頃の安保闘争とその後ほぼ十年間吹き荒れ、結果的には過激派とも接点を持つに至った学生運動、という現代史を、日本はもう少し正面から見つめ、真面目に整理すべきだと思っています。なにしろ彼らはいまだ現役であり、日本を担い、日本を動かしているのですから。

浅間山荘事件(1972年2月)が起きた時、私はまもなく義務教育に上がるという幼稚園児でした。そして、普段は口やかましく「テレビをつけっぱなしにしない!」と叱る大人達が、日がな一日、白黒の画面に見入っていたことを覚えています。幼児にとってさえ、これは只事ではない、と恐怖さえ伴う鮮烈な印象を残した同事件(や、その前に起きていた一連の大事件群)が、当時多感な若者だった世代になんの影響も与えていないはずはないのです。

彼らはまた、団塊の世代でもあります。出生率が年々下がる中、蝶よ花よと大事に育てられた平成生まれの若者らとは、言ってみれば対極の環境で育ったわけです。そしてなにしろ数が多い(笑)。世代ということで単純に考えれば、最強パワーでしょう。そろそろ定年に差し掛かる年代でもありますが、さまざまな分野で今後重鎮となり、日本の意思決定に重要な役割を担うことになるはずです。

日本という国の現状、なぜ今こうなっているのか、さらには今後どうあるべきか、を理解しようとする時、彼らはひとつの鍵となってるのではないでしょうか(もちろん、安保世代といっても、単純に年代で分けてしまえば多様な人々がそこに属するわけで、ひとくくりに論じられるようなものではないことも当然ですが)。
彼らの思想、感性、そして生身の皮膚感覚・・・といったものを、私のような他世代は謙虚に理解(し、時に共感し、時に批判)する、ということが、求められているのだと思います。


※関連エントリ

A【リベラル】「自由」からは自由な政治的立場
@【新自由主義】ネオリベラリズム



     ◇     ◇     ◇


<資料> 出典はいずれも、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

【安保闘争】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E4%BF%9D%E9%97%98%E4%BA%89

安保闘争(あんぽとうそう)とは、1959年から1960年の日本で展開された日米間の安全保障条約(安保条約)に反対する大衆運動のこと。

安保条約
1951年9月8日、米国のサン・フランシスコ市で米国をはじめとする第二次世界大戦の連合国側49ヶ国との間で日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)が締結されたときに、主席全権委員であった吉田茂内閣総理大臣が単独で日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧日米安全保障条約)に署名した。この条約によって日本占領のアメリカ軍は、在日米軍となって現在に至っている。

60年安保
1951年に締結された安保条約は、1958年頃から岸信介内閣によって改定の交渉が行われ、1960年1月に条約が調印された。この間、改定により日本が戦争に巻き込まれる危険が増す、などの理由で反対運動が高まっていった。特に5月20日に衆議院で強行採決されると、民主主義の破壊であるとして一般市民の間にも反対の機運が高まり国会の周囲をデモ隊が取り囲んだ。条約は参議院の議決がないまま6月19日に自然成立したが、予定されていたアイゼンハワー大統領の来日も中止となり、混乱を収拾するため、7月、岸内閣は総辞職した。

60年安保闘争の経緯
1959年3月 安保条約改定阻止国民会議を結成。日本社会党、日本労働組合総評議会(総評)、原水爆禁止国民会議(原水禁)など
社会党の西尾末広は改定阻止国民会議に反対を表明(10月に離党)
同11月 デモ隊が国会構内に乱入
1960年1月19日 日米政府間で条約調印
同1月24日 西尾末広らが民主社会党結成
同4月 全学連が警官隊と衝突
同5月20日 衆議院議院で強行採決
これ以降、連日デモ隊が国会を囲む
同6月11日 ハガチー事件(大統領秘書が来日するが、羽田でデモ隊に包囲されヘリコプターで脱出)
同6月15日 全学連と警察隊の衝突で、大学生樺美智子死去
同6月19日 条約が自然成立(23日に発効)

60年安保闘争の評価

70年安保
自動継続となったこともあり、一般的な運動としてはあまり盛り上がらなかった。ただし、学生の間では1970年を前にして1968-69年に学生運動が盛んになり、東大闘争、日大闘争などが行われた。


【学生運動】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E7%94%9F%E9%81%8B%E5%8B%95

学生運動(がくせいうんどう)とは、学生によって組織され展開される、政治的・社会的・啓蒙的な性質をもつ運動である。学生闘争(がくせいとうそう)・学生紛争(がくせいふんそう)ともいう。また、主に大学などが拠点とされたことから、大学闘争(だいがくとうそう)・大学紛争(だいがくふんそう)、学園闘争(がくえんとうそう)・学園紛争(がくえんふんそう)などともいう。

運動主体の学生たちや運動賛成者は「闘争」という言葉を、傍観的立場の人々は単に「学生運動」、運動反対者や保守的な思想の人たちは「紛争」という言葉を用いる傾向がある。


【連合赤軍】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E5%90%88%E8%B5%A4%E8%BB%8D

連合赤軍(れんごうせきぐん)は、1971年から1972年にかけて活動した日本の新左翼武装テロ組織。

連合赤軍事件として、榛名山で山岳ベース事件を起こし、逮捕を逃れた者らがあさま山荘事件を起こした。

結成時のメンバー29名の内、12人が殺害され、釈放された坂東国男を除く16人は判決が確定した。

連合赤軍の発足
1971年、学生運動が下火になり、大菩薩事件やよど号ハイジャック事件などで幹部の逮捕などで弱体化していた共産主義者同盟赤軍派の軍事組織である中央軍の残党と、やや旧左翼的体質を持つ日本共産党革命左派神奈川県委員会の軍事組織である人民革命軍が統合し、統一された「赤軍」(統一赤軍)として、日本共産党創立日と同じ7月15日付で生まれた。

赤軍派幹部の一人である森恒夫は当初から党の統一を志向していたが、獄中の日本共産党革命左派神奈川県委員会議長である川島豪らの強い反対で連合赤軍に改称された。

1971年12月20日ごろに新党結成が確認され、翌1972年1月3日、独自の中央委員会(CCと略される。委員長 森恒夫、副委員長 永田洋子、書記長 坂口弘)が結成された。



【あさま山荘事件】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%85%E9%96%93%E5%B1%B1%E8%8D%98%E4%BA%8B%E4%BB%B6

あさま山荘事件または浅間山荘事件(あさまさんそうじけん)とは、1972年2月19日に始まる、軽井沢にある河合楽器の保養所「浅間山荘」において連合赤軍が、管理人を人質に10日間に亘ってたてこもった事件である。

人質は浅間山荘の管理人の妻。連合赤軍のメンバーは5人。2月28日に、警察が浅間山荘に強行突入した。この強行突入で警察官2人が殉職した。突入の様子は、テレビで生中継され、その日の総世帯視聴率は調査開始以来最高の数値を記録し、人質救出の瞬間は民放,NHKを合わせて90%弱を記録した。

2006年01月08日

A【リベラル】「自由」からは自由な政治的立場

 
【新自由主義】・・・に関する私自身の過去の文章を読んでいました。
http://yohaku.seesaa.net/article/7385013.html
その末尾の「次は【リベラル】を」という言葉を私自身も
忘れたわけではありませんし、これをまとめることの必要性は
日々強く感じています。

でも難しい(笑
そもそも、リベラル=自由主義、が、ネオ・リベラリズム=新自由主義
の敵でありうるとはどうした事態なのでしょう・・・。
新自由主義といえば現在米国大統領のブッシュ氏ですけど
彼の敵はリベラル≒民主党です。


【 米国の場合 】

ただ米国に目を転じてみても、共和党と民主党の対立軸は
保守VSリベラル の思想的対立だけとは言えない。
米国の場合は宗教的な許容度、伝統的価値観への傾斜度、が
両党を分けているようです。
ごく簡単に(乱暴に)まとめてしまいますが

共和党≒保守
     キリスト教的(中絶反対、ID教育=神による創造説)
     伝統的価値観(銃規制反対など)
    ≒右派
     世界の警察官、自由主義陣営の雄
    ≒(よく言及されるのがFOXテレビ)

民主党≒リベラル
     宗教には一定の距離感(中絶許容、ID教育反対)
     進歩的価値観(フェミニズム寄り、同性婚許容など)
    ≒左派
     反戦平和主義(ベトナム戦争反対、イラク戦争反対)
    ≒ニューヨークタイムズ紙

こんな感じではないかと私は見ています。
(あくまで私の知識レベルが基になっているので適当ですが 汗)
この中で「自由」に焦点を当てると、フェミニズムや宗教的自由
への態度の違いが浮かび上がってきます。が、しかし
共和党だって自由を世界に輸出するためわざわざ
国外に出かけていって戦争までしてくれているわけで
彼らに言わせれば足を引っ張る民主≒リベラルこそが、自由の敵
となるわけです。
おまけに共和党は「小さな政府」の推進者。
「小さな政府」の発想の土台に自由主義(リベラリズム)が
あるのは前回(【新自由主義】に関して)述べた通りですから
ますますややこしい(笑
しかしややこしくてもさすがは二大政党制の国、一応分けることが
できるのですから大したものです。

では目を自国に移してみるとどうなるでしょうか。


【 日本のリベラル 】

現在リベラルを標榜しているところと考え、私が真っ先に
思い浮かべたのが朝日新聞でした。
となると、朝日が攻撃しているのが保守で、擁護しているのが
リベラル?? そんなのってあり?(苦笑

というわけで、ここでいつも詰まってしまうのですが
今日は私的独断に基づいてエイヤっと分類してしまいます。
ご意見のある方はどうぞコメントお願いします。

<2005年秋まで>
保守≒自民党
   対米追随路線(日米安保堅持)

リベラル≒反自民陣営=野党すべて(代表は社共)
   そこはかとない反米主義、国連重視、護憲

<2005年秋以降>
新保守≒自民党森派(小泉氏周辺)
     対中強硬路線
     新自由主義・小さな政府、脱官僚主義
     改憲
    ≒松下政経塾出身者の一部(前原民主党党首のあたり)
    ≒産経新聞系?

保守≒代表は自民党橋本派(旧田中派)、公明党
     対中融和路線
     小さな政府にはやや距離を置く、官僚政治に理解有り
     改憲にやや距離を置く
    ≒民主党の一部(自民離脱系)もここ
    ≒日経、読売のあたり?

リベラル≒民主党の一部(旧社会党、旧民社系)、現社民党
      対中協調路線、反米・反核・平和主義、護憲、反自民
    ≒朝日新聞のあたり? 共産党の一部も

異論もあろうかと思いますが、私の目には、ここ数年で
日本の政治はガラリと変わったように映るのですね。
とりあえず小泉二期目が始まった2005年秋の総選挙で分けて
みましたが、その胎動はむろん、もっと以前からあったわけです。
そしてこの流れを見極めるのに、それそういうの時間を要した
・・・というのは言い訳に過ぎませんけども(笑

そしてこれを見ると、リベラルの原義である「自由」に関する
対立点など、なにもない、ということがわかると思います。
唯一あるとすれば、在日外国人への参政権拡大の問題くらい
でしょうか(リベラルは賛成、保守は反対のはずです)。
しかしこれとて、その根っこは在日政策にあるわけで
純粋な思想的立場の対立というより(もちろん、思想的な信条から
参政権拡大に賛成するリベラリストもいるでしょうけれども)
対アジア政策とかいわゆる在日問題の方に、焦点があるように
思えます。
私が「リベラル」というレッテルに虚しさを感じるのは、こうした
現状を考える時・・・です。


【 リベラルは絶滅するのか 】

米国の保守VSリベラルの対立が、実はその根を宗教的価値観に
持つように、日本の保守VSリベラルの対立は、歴史認識にこそ
その根を持っているように、私は最近思えてきました。

現代日本人は、とりわけ最近では、まずその歴史観によって
政治的な立ち位置を明らかにするよう、求められるようになって
きているのではないでしょうか。
米国への態度や憲法、自衛隊に対してどのようなスタンスを
取るか・・・は、そのあとで自動的に決定されると言っても
過言ではないように思います。
けれどもこうした事態が起こるようになったのは、つい最近の
ことでしょう。私の主観的な認識では、かつて(といっても
1990年頃まで)は、日米安保が今の歴史認識と似た意味を持つ
分水嶺でした。これに対する視線・・の温度差で自分が保守か
リベラルかを知る・・・という具合に。
日米安保が歴史認識へと変わった理由は定かではありませんが
その間に起きたことは、第一次・第二次イラク戦争、北朝鮮拉致問題
中国の反日デモ、新しい歴史教科書論争・・・などでしたね。
ほかにも日韓共催ワールドカップや韓流、そして『嫌韓流』
騒動などもありました。
こうした事件が複合的に作用し、日本の雰囲気を変えたのでは
ないかと思っていますが。

それはともかく、過去・・・「リベラル」はプラスのイメージを
持つ言葉でした。
それが今では、非難や中傷の的になろうとしています。
なぜでしょう?
私は、ここに、これまで戦後六十年間日本のリベラルを率先して
導いてきた「知識人」「言論人」達の罪を思わずにはいられません。
彼らはどこかで道を誤ったのではないでしょうか?
その歴史観にこだわるあまり、「リベラル」を単なる歴史観の
枠内に矮小化し、貶めてしまう・・・という愚を。


米国で開発された政治思想的立場を区分けするクイズを
日本で行うと、自称右派の方をも含めた多くの人が
「リベラル」に分類されるという興味深い現象もあるようです。
(【Meine Sache 〜マイネ・ザッヘ〜】「リベラルとサヨク」
 http://meinesache.seesaa.net/article/7352700.html
私にはこれ・・・大変面白かったです(笑

この現象から読み解けることとは、要するに
日本には現在、(本来の意味での)政治思想的対立などない
ということではないかと思うのですが、読者の皆様はどう
思われますか?

政治思想的対立点がない・・・にもかかわらず対立が先鋭化している
政治問題は数多くあります。
大きくは改憲問題ですが、細かに見ていけば靖国問題、参政権問題
自衛隊問題、イラク派兵の是非、在日米軍問題、天皇を巡る問題等々。
問題点を掘り下げてゆけば日本はどうあるべきか、という国家観の
問題へと行き着くはずです。
しかしまた同時に、そのどれひとつとして
歴史観(それも限定されたある一時期の)抜きには語れない
(立ち位置がそこにあるのなら)、というのも不思議な話です。

リベラル・・・という語を巡って考えると、私はどうしても最後に
この不思議さに出会うのです。


【 歴史観論争を超えて 】

朝日新聞に代表されるような自称リベラル派知識人達の誤り、が
もしあるとすれば、それは自民党批判に傾きすぎた・・・という点で
あると思います。
実際には、自民党の中にも新保守から保守まで、さまざまな考えの
人々がいました。日中国交正常化を成し遂げたのは自民党政権で
ある点を見ても、対中政策ひとつとっても党内にかなりの温度差の
あることがわかります。
けれどもリベラル派知識人の皆さんは、自民党内の差に目を向け
きめ細かに対応する・・・という努力を怠ってきたように思います。
その結果、誰が首相になっても同じような批判をする、この「批判」
ということが彼ら自身の存在意義にまでなってしまった・・・のでは
ないでしょうか。
これは大変危険なことです。なぜなら、批判勢力とは、本質的に
その批判の対象なくしては成り立たない、からです。

リベラルはいつのまにか、自民党から相対的に導き出されるだけの
存在に成り下がってしまった・・・ように思えます。
(そしてこのように批判勢力=リベラルが、自らの実体を相対化
 させてしまったことが、自民党の超長期政権を支えてきました)


歴史認識の一点にリベラル派知識人がこだわっている間に
普通の日本人の多くは、先のクイズの例にあるように、リベラル的
思考を十分身につけてしまいました。
そして、(私は今後、日本の政治は「新保守」と「保守」との
綱引きの中で展開されることになると思っていますが)
自民党政権を担う「新保守」の政治家も「保守」の政治家も
実は政治思想的には十分にリベラルな発想をする有権者から
選ばれた、立派にリベラルな人々である、という点が
重要なのではないかと思っています。
(例を挙げれば、自民党に任せても、王政復古や貴族政治には
 ならないだろう、と普通の日本人は思っている、ということ)


リベラル・・・が蘇るための道があるとすれば、おそらくそれは
歴史認識との訣別を果たすこと・・・でしょう。
外交論、政策論などを歴史認識と切り離して論じられる基盤を
持つこと。
そして自民党をあまり意識しすぎないこと・・・。
反自民の旗を振っている人は自民の応援をしているのと同じこと
と言っては語弊がありますが、自民党がどうであろうと関係なく
自らの政策を考え、語れるのが本来であることを思い出すべきです。
自分で考えた結果が自民(のどこか)と同じならば賛成すれば
よいし、そうでないなら反対する・・・というのが本来でしょう。

自民党のやることは全て反対! という人は「反自民」な
だけであって、決して「リベラル」ではありません。

そういう、自称リベラルで実はリベラルを貶めているだけの
人々とどのように距離を取り、差異化できるか・・・が鍵のひとつ
かもしれませんね。


もうひとつの鍵は、経済論のように思います。
小さな政府とどう向き合うか・・・。
現状では新保守(新自由主義)VS保守(抵抗勢力?)のように
レッテル張りされてしまっているようですが、歴史認識から
比較的自由なこの分野でこそ、本来は政策論議も活発に行われて
よい・・・はず。
上でまとめた【日本のリベラル】の中の「リベラル」陣営が
軒並み、この部分の論議を与党任せにしているように見えるのは
私の気のせい・・・でしょうか。


護憲・靖国も重要ですが、こうした問題でも存在感を示せること
が、リベラル陣営には求められているように思います。



【 おまけの資料 】

本エントリを書く中で知ったページ。自分へのメモのために残しておきます。
【フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%81%AE%E6%B4%BE%E9%96%A5

自由民主党における派閥興亡史
自由民主党そのものが保守合同に伴う旧自由党と旧民主党が合併して出来た政党であり、その構成メンバー間の経歴・信条・政策などは決して一致していなかった。そのため、経歴・信条・政策などの近い議員達が党内の有力議員の下に集まって形成されたのが自由民主党の派閥のルーツである。

1956年12月の総裁選挙をきっかけに8つの派閥が形成された。×印は断絶を表す。

旧自由党派
吉田学校→宏池会池田勇人→前尾繁三郎→大平正芳→鈴木善幸→宮沢喜一→加藤紘一(大勇会河野洋平派→)→小里貞利(宏池会堀内光雄派→)→谷垣禎一派、
吉田学校→周山会佐藤栄作→木曜クラブ田中角栄(周山クラブ保利茂→×)→経世会竹下登(木曜クラブ二階堂進→×)→平成研究会小渕恵三(改革フォーラム21羽田孜派→×)→橋本龍太郎→津島雄二派
吉田学校→水曜会緒方竹虎→石井光次郎派→×
鳩山一郎→白政会大野伴睦→村上勇(船田中派→×)→水田三喜男派→×(自由革新同友会中川一郎→石原慎太郎派→×)
旧民主党派
鳩山一郎→八日会岸信介→清和会福田赳夫(愛正会藤山愛一郎派→×、川島正次郎→椎名悦三郎派→×)→安倍晋太郎→三塚博(政真会加藤六月系→×)→森喜朗派
鳩山一郎→春秋会河野一郎→政策科学研究所中曽根康弘(森清→園田直系→×)→渡邉美智雄→志帥会村上正邦(近未来政治研究会山崎拓派→)→江藤隆美→亀井静香→伊吹文明派、
鳩山一郎→火曜会石橋湛山→×
政策懇談会三木武夫(松村謙三系→×、早川崇系→×)→新政策研究会河本敏夫(海部俊樹→新しい波二階俊博系→)→番町政策研究所高村正彦派
この外にも芦田均のグループなど、少数グループがいくつか存在した。

1970年代には田中派と福田派による角福戦争が繰り広げられ、田中派が勢力を持つこととなった。その政治手法が”金権政治”的であった為、これを打破しようという目的で若手議員が中心となって青嵐会が結成された。


2006年01月05日

耐震偽装の源流は九州かも・・・?

謹んで新春のお慶びを申し上げます♪

というわけで、なんとか無事に正月の喧騒(謎)を乗り越え
2006年初エントリを書くことが出来そうです。
どうぞ今後とも、当BLOGをよろしくお願い致します。

このBLOGはもともと政治BLOGという位置付けでした。
昨年の冬から強度偽装問題に傾注してしまっていますが
(そしてこのエントリもそちら関連ですが 汗)
基本線は見失わずに参りたいと思っています(とはいえ
この問題も今では立派な政治問題には違いないですけどね)。

なお読者の方からメールを頂き、私を「ジャーナリスト」と
思っている人がいることもわかりました(笑
大変光栄ですが、それは誤解なのです、とこの場でお断り
しておきます。私は(文筆に従事するものではありますが)
ジャーナリストではありません。したがって、独自の取材ルートを
持つとか、そこから貴重な(ナマの)一次情報を得る・・・と
いうことは、残念ながらできません。
私が調べるのはもっぱらネット上において・・・です。
ネット上で得られる情報を、私なりに解釈した過程や結果を
このBLOGで公開している、ということなのです。

また、ネットは恐ろしいほど底なしに(笑)興味深い世界では
ありますが、私もネット外で実生活を送っている以上
ネットより実世界の方を優先させなければならないのは
社会人として当然のことでもあります。
幸い、実の方での仕事も、今年は昨年以上に充実したものと
なりそうです。ネットへ割くことのできる時間は、いくら
努力しても、昨年よりは減ってしまいそうな見込みです(汗
BLOG更新が間遠になったり、エントリが浅くなったり、また
コメント・メールのお返事が遅れることもあろうかと思いますが
以上の事情を鑑み、どうぞ寛大にお許しくださいますように・・・。



     ◇     ◇     ◇


さて、では本題に参りましょう。
去年の宿題、鉄骨業者についてです(笑



【 サムシング という会社 】


まず、当BLOGへ頂いたねこ飼さんのコメントから。
バッドニュースを提供します。
「マンションごと建て替え事件」の概要
エイルマンション建て替え事件弁護団 弁護士 幸田雅弘(福岡)
3 構造計算の手抜き
簡単にいうと、構造計算書の前半と後半が別物で、途中で二つの構造計算書がつなぎ合わされていたのです。
http://homepage2.nifty.com/kekkanzenkokunet/2-6-13-06=mansiongototatekaejiken(kouda).htm

これ、福岡で起きた構造計算書偽造事件なんですけど、去年の段階で訴訟が起きてます。これも姉歯と同様に構造設計事務所(倒産したサムシング)がやった偽造です。福岡市内の建築業界では、安い構造設計料として有名だったサムシングは、同時に鉄骨製作もやっていました

んで、本題ですけど、証人喚問のときに姉歯氏は木村建設とは九州の鉄骨業者の紹介で知りましたと答えています。もしも、この鉄骨業者がサムシングだったら?と言う疑問がありますがどうでしょうか。

サムシングは倒産しましたが、そこの出身者が多数続けているらしく心配です。真面目にやっていることを祈るばかり。

その後の噂はまったく聞きませんが、今月 サムシングの元社長が訴訟がらみでテレビに映っそうです。まったく反省もせず、薄笑いをしていたとのことでした。
http://yohaku.seesaa.net/article/11056343.html#comment


このコメントをいただいてから調べたのですが、サムシング株式会社という企業・・・今では第二(第三?)の姉歯か、と噂されているようですね。

住民が福岡県に調査を要望 2005年11月30日(水) 17:00

福岡県篠栗町のマンション管理組合が、30日、マンションの耐震強度が偽造されているとして、構造計算をした会社が関わった全ての物件に対する調査を福岡県に要望しました。
このマンション管理組合によりますと、6年前に購入したマンションに、耐震強度に偽造があることなどが明らかになり、去年6月、施工主などを相手取り現在裁判中です。
今回の要望は、マンションの構造計算をした春日市の建築設計事務所「サムシング」が関わった物件全てについて、偽造が行われていないかを調査してほしいというものです。
サムシングが関わった物件は県内に2000件以上あると見られています。
調査を要望した管理組合の理事長は「姉歯建築士だけでなく、他にも耐震強度が偽造された物件がある。行政にしっかりと対応してほしい」と話しました。
http://whatever.say.jp/program/snap_shot/site/11344850475789/
(↑は【Birth of Blues】kingcurtisさんが保存したFBF福岡放送のキャッシュ)


この記事中にある「篠栗町のマンション」は、ねこ飼さんから頂いたコメント中で言及されている福岡の構造計算書偽造事件のマンションと同一物件です。詳細はコメント中にて紹介のURLでもわかりますが、簡単にまとめると以下の通りですね。

  物件名 :「エイルヴィラツインコートシティ門松駅前イーストサイド」(11階建て50戸)
  建築主(販売会社): 作州商事
  施工者 : 香椎建設
  設計者 : ニューアート建築設計事務所
  構造設計: サムシング
 (建築確認: 福岡県  ←この情報のみ掲示板ソースhttp://kyusyu.machi.to/bbs/read.pl?BBS=kyusyu&KEY=1125506251
  訴訟を起こした時期 : 2004年6月

なお、この物件は「ツイン」とあるように二棟建てのようで、ウェストサイド(9階建て42戸)も、約1年半後の2005年11月、同じ構造設計上の問題で同様の裁判を起こしています。
http://www.fukukan.net/paper/051205/topic_kozo93.html



【 サムシング社の計算書偽造 】


次にサムシング社の計算書偽造の手口を見てみます。


 ◇「イーストサイド」の場合
建物の荷重を計算する際に、パラペット・バルコニー・階段などの荷重を落としたり、仕上げ荷重を軽く見たり、消火水地下ピットの荷重を落としたりして荷重を少なくして、適正な荷重の85%の荷重で計算していることが判明しました。そればかりか、荷重計算の結果導き出された地震用荷重をそのまま2次設計の時の地震用荷重として使用せず、荷重計算の結果導き出された地震用荷重から特殊荷重・補正荷重・フレーム外荷重を差し引いた数字を使っていました。簡単にいうと、構造計算書の前半と後半が別物で、途中で二つの構造計算書がつなぎ合わされていたのです
適正な荷重計算をして、構造計算をしたところ、1次設計段階でほぼ全ての梁と柱でNGが出ました。2次設計(保有水平耐力)でも、保有水平耐力はX方向で必要保有水平耐力を満たさないし、X方向の揺れで柱にヒンジが発生する(つまり危険な壊れた方をする)などの問題があることが分かりました。
(【「マンションごと建て替え事件」の概要】http://homepage2.nifty.com/kekkanzenkokunet/2-6-13-06=mansiongototatekaejiken(kouda).htm

 ◇「ウェストサイド」の場合
原告の主張によりますと、マンションの構造計算で荷重計算を所定の建物荷重の82%で計算しているなど6項目に誤りがあるとの問題点を指摘しています。そうして、構造計算を再計算すると、応力度が許容応力度を超えている、水平耐力が必要保有水平耐力を充たしていない、小梁・床スラブ等の2次部材で応力度が許容応力度を超えている、ひび割れ対策、たわみ対策がとられていないなどの瑕疵があると指摘しています。
(【マンション110番−福管連−】http://www.fukukan.net/paper/051205/topic_kozo93.html


情報源が異なっているため表現の濃淡に差はありますが、たぶん同じ手口での偽造なのでしょう。
そしてその内容は先行訴訟の「イーストサイド」の説明にある通りというわけです。

一方の姉歯氏の計算書偽造の手口は以下の通りでした。
耐震偽造:姉歯元建築士の手口 03年以降、書類差し替え

 姉歯秀次・元1級建築士による構造計算書の偽造方法は、コンピューターの画面上で別の数値を張り付ける比較的巧妙な初期に比べ、ここ数年は書類を差し替えるだけの単純な手口に移行していたことが国土交通省の調べで分かった。03年後半以降はほとんどが書類の差し替えで、多くはイーホームズが建築確認していた。同省は、姉歯氏が書類の差し替えでも偽造を見抜かれないと知り、より手間を省いていったとみて、調べている。

 国交省はこれまで姉歯氏がかかわった210物件のうち、77件について構造計算書の改ざんを確認した。建築確認が行われた年次別では▽99、00両年が各6件▽01年10件▽02年9件▽03年19件▽04年16件で、今年は現在まで11件。

 同省が偽造手口を分析した結果、コンピューター画面上で数字を書き換えるなどの「巧妙な改ざん」と、2通の計算書を用意して都合の良い部分だけを組み合わせる「単純な差し替え」とに大別できた。差し替え方式は、02年9月にイーホームズが建築確認した「グランドステージ千歳烏山」(東京都世田谷区)が最初とみられている。03年前半までは両方式が混在するが、同年後半からはほとんど差し替え方式になったという。
(【毎日新聞】http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051220k0000e040004000c.html
 【↑の保存】http://yohaku.up.seesaa.net/image/aneha_teguti_gazou.html


もうひとつ・・・。姉歯氏がサムシング社同様に荷重を細工していたという例を念のため。
3.偽装内容
 建物の荷重を最低に近い数値で入力し、ベランダ及び階段の荷重をさらに低減した上で、当該部分の数値を十分な荷重があるかのように偽装した構造計算をしていた。
(姉歯氏偽装「フラットファースト雷門」平成15年6月12日イーホームズ社建築確認 について 【台東区】http://www.city.taito.tokyo.jp/index/000013/023516.html

私は素人ですから軽々に判断は出来ませんが、サムシング社の「二つの構造計算書がつなぎ合わされていた」手口と、姉歯氏の「2通の計算書を用意して都合の良い部分だけを組み合わせる」手口・・・。両者は同じ手口を語っているように思えます。
そしてそうだと仮定すると、その手口は「(巧妙でなく)単純な」改竄であり、姉歯氏は当初これをせずに、現在判明分で2002年後半から利用しだした、ということになります。



【 姉歯氏と九州の鉄骨会社 】

(12/14)【姉歯氏証人喚問】高木氏(公明)との一問一答

高木陽介氏(公明) 木村建設とのつながりは96年ごろ、鉄骨会社の紹介というが。

「九州の鉄骨会社の紹介。その後すぐではないが、木村建設とは年に数件程度の取引だったと思う」

【日経住宅サーチ】http://sumai.nikkei.co.jp/special/gizo/index.cfm?i=2005121403757s8


証人喚問でこのように述べた姉歯氏ですが、残念ながら私が調べた範囲では、サムシング社が鉄骨製作をしていた、という傍証は見つかりませんでした。なにしろ数年前に倒産している企業ですからね(汗
が、コメントを寄せてくださった方の職業・居住地といった背景を考慮すると、サムシングが鉄骨製作をしていた、という情報自体の信憑性は疑う余地もないと思います。
とすると、次は、鉄骨業者でもあったサムシング社が姉歯氏と木村建設を引き合わせることが可能か? が問題となるわけですね。
ここで一度時系列で整理してみます。



1989年・・・・・・・・・・・・木村建設東京事務所開設(93年支店へ)
              同年、平成設計社(東京都千代田区)設立
 90年(89年説も)・・・姉歯氏、千葉県に一級建築士登録をする
 96年・・・・・・・・・・・・・鉄骨業者、姉歯氏を木村建設に紹介
 98年後半?・・・・・・・姉歯氏、最古の(「巧妙」な?)偽装を行う
 99年春・・・・・・・・・・・サムシング社設計「エイルビィラ門松駅前」発売開始
2001年・・・・・・・・・・・・サムシング社倒産
 02年〜 ・・・・・・・・・・姉歯氏「単純」な偽装を始める



とりあえず1996年にはサムシング社はまだ元気に存続していて、姉歯氏と会うことも可能だったようですね。

が、私にわかったのはここまでです。問題の「鉄骨業者」がサムシング社であった証拠は、私には出せません。
したがってこの先は、私の疑問・・・という形で整理し、今後の捜査や調査の進展を見守りたいと思います。


疑問1 サムシング社の偽装に誰も(建築確認機関も、施工者も?)気づかなかったのか?
サムシング社の関与した物件は福岡県内だけで2000件以上。姉歯氏の10倍はあるというのに。

疑問2 サムシング社と木村建設とは接点がなかったのか?
サムシング社は福岡県春日市、木村建設は熊本県八代市・・・この距離の近さに意味はないのか?
(最盛期=2000年頃?、福岡市で出された建築確認申請の半分以上にサムシング社は関与していたらしい。とすれば、その頃東京まで出張して施工していた木村建設が隣の福岡県で施工していなかった・・・と考えるのは難しいのではないか)

疑問3 姉歯氏を木村建設に紹介したのは誰か。その経緯、目的、趣旨は?
(姉歯氏は東北宮城県の出身。大阪勤務の経験はあるが、大阪以南との結びつきは(私の調べた範囲では)見当たらない。その彼と、九州地盤の木村建設を結びつけたのが「九州の」鉄骨業者だった、ということの意味は? もし鉄骨業者が同時に設計会社でもあったというなら、設計繋がり・・・の線が見えてくる)

疑問4 サムシング社の計算書偽造、「限界設計」という思想は同社のオリジナルか?
どこかからの示唆はなかったのか・・・?
(サムシング社は「エイルビィラ門松駅前」物件の時点で、すでに「限界設計」を行うというので有名だった。「限界設計」は「限界ぎりぎりまでコストを落とす設計という意味」で、姉歯氏の売りであり、かつ総合研究所が推奨した「経済設計」とまったく同じ概念
http://homepage2.nifty.com/kekkanzenkokunet/2-6-13-06=mansiongototatekaejiken(kouda).htm



【 サムシング社=九州の鉄骨業者と仮定すると・・・? 】


1996年、姉歯氏を木村建設に引き合わせた謎の「九州の鉄骨業者」・・・。
仮に、それがサムシング社であると仮定すると、どうなるでしょうか?
以下はこの仮定に基づいた推測です。


サムシング社の業績から考えると、計算書偽造に手をつけたのはサムシング社の方が早いでしょうね。
木村建設に紹介された96年の時点で姉歯氏が偽造という方法まで知らされていたかどうかは不明ですが、サムシング式「限界設計」の妖しい魅力に、少なくとも木村建設は気づいていた可能性がある(サムシング設計物件の施工を通じて)、と思います。
姉歯氏に強く圧力を加えたのは木村建設東京支店長の篠崎氏だったそうですが、その圧力の裏には、サムシング社の「限界設計」があったのではないでしょうか。つまり、福岡のサムシング社にできるのなら関東の構造設計士にも出来て当たり前だ、と。

しかし私には、姉歯氏がサムシング社式「限界設計」を真面目に「学んだ」とは想像しにくいのです。サムシング社の方式は単純・杜撰・乱暴なもので、築二年で床がたわむような代物でした(この床のたわみが、住民・管理組合の不審を招き、構造調査→偽装発覚へ繋がったのです)。そうした設計思想を一級建築士の誇り高い姉歯氏が易々と継承したとは思えません。実際、姉歯氏が「単純な」偽造を始めたのは偽造活動も佳境に入った2002年以降でした。
同じ強度偽装をする(せざるを得ない)にしても、もうちょっと一級建築士らしい「まともな偽装」(=矛盾していますが、あえて)を、と、姉歯氏は模索したような気がします。
その結果が、初期の「巧妙な」偽装であり、何年経っても特に不具合もなく住人が住み続けていた偽装物件群・・・なのではないでしょうか。築七年経っても姉歯氏本人が計算書偽造を告白するまで行政も偽装と認定できなかった「グランドステージ池上」は、姉歯氏の偽装上のポリシーを象徴的に表しているように思います。

ただし、その姉歯氏も、2002年以降は計算書差し替えという「単純な」手口に移っています。
その移行の動機がなんだったのか、報道されるようにイーホームズ社など民間確認機関の審査の杜撰さに安心したためか、あるいはほかの要因も影響していたのか(たとえば設計件数が増えるに従い一件一件に手間暇を掛けられなくなったとか、慣れから手抜きに走ったとか?)・・・は、わかりませんが、たとえ手口自体は単純でも、姉歯氏設計の偽装物件では、少なくとも「エイルビィラ門松駅前」のような暴露の仕方はしていないのです。
私はここに、偽装設計士としてのプライドの一端を見たような気がしたのですが、考えすぎでしょうか・・・(謎
(もっともグランドステージ藤沢のような例もありますから、ごく最近の物件は、また別かもしれませんね。私の抱く姉歯氏像についてはこちらをご覧ください →【姉歯秀次氏という人】)

また、私は以前、別エントリで「強度偽装、計算書偽造、というテクニックは、少なくとも現時点での報道を見る限り、姉歯氏の独創的な発見だったと私は思っています」と書いていますが、サムシング社という先例と姉歯氏との接点がありうる、とわかったのですから、完全に独創的である、とは言えないかもしれませんね(汗
今時点の私の感触では、計算書偽造という思想自体は彼のオリジナルでない可能性が否定できず、一方で「巧妙な」偽造のテクニックの方は彼の工夫と努力の結果と思われる・・・という感じです。努力も工夫も、誤った方向に追求されていたのは言うまでもありません。念のため。



【 ま と め 】


以上、姉歯氏を木村建設に引き合わせた「九州の鉄骨業者」についてあれこれと書きました。
真相は結局わからずじまいで、物足りないと思う方もおられるでしょうが、当BLOGが扱うのはフィクションではなく、私自身も探偵ではないので、どうぞご容赦ください(汗

ただ、木村建設を産み出した九州という土地で(熊本と福岡の違いはありますが)、サムシング社という企業がかなり酷い(しかも広範な?)構造設計の偽装を行っていた。それも(おそらくは)姉歯氏より先行してやっていた・・・。この事実を知って、私にはなにか引っかかるものがあったのです。さらにそのうえ、私の信頼する人の情報によれば、同じサムシング社は「鉄骨製作もしていた」らしいとくれば、もう・・・(汗

福岡という地名からはもうひとつ、重要なキーワードが思い出されます。最後にそれを引用して、締めとしたいと思います。

平成17年(2005年)3月20日福岡県西方沖地震(M7.0) 最大震度6弱・・・。
「被害が大きい同じ大名・今泉地区でも、並んでいるマンションで一棟は被害が発生し、他のマンションは被害が発生していないといった現象が生じています。しかも、損傷したマンションは、竣工後4年〜7年の建物であり、隣りの無傷の建物は、築30年です。」
http://www.fukukan.net/paper/050408/topic_chiku30.html

「 福岡市では、3月の福岡県西方沖地震で半壊と認定された8棟の福岡市内のマンションについて、構造計算に問題がなかったか点検を行う模様です。

 西方沖地震で福岡市内のマンションは10棟が半壊と認定されましたが、そのうち、8棟が昭和56年6月以降のいわゆる新耐震基準により設計されたマンションでした。

 当会では、地震直後から「同じ場所で築30年のマンションがほとんど無傷であるのに、なぜ築1年から8年のマンションに被害が多かったのか、行政や研究機関で原因を解明すべき」と主張していましたので、姉歯事件が契機であろうともそれが実現できることは喜ばしいと考えています。」
http://www.fukukan.net/paper/051205/topic_fuku8.html
 いずれも【マンション110番−福管連−】より)


真実は究明されねばなりません。
建築確認機関は誤魔化せても、天からの審査である地震そのものを誤魔化すことはできないのですから。

人命が失われてからでは遅すぎます。日本の国土は、阪神大震災のような地震がいつ、どこで、起きるかもしれない土地なのです。
事態のあまりの広がり具合、その根深さに、私も含め、多くの人が、もう嫌気を差してしまっている・・・のが実情ではないでしょうか。どうせこんなもんだ、仕方ない・・・と諦めるのもひとつの「知恵」なのかもしれません。しかしここで追求を止めてしまえば、今後も同じような「耐震基準を満たしているはず」の実は欠陥高層ビルが建てられ、それらはいつの日か、首都圏で、地方都市で、それ自体が多くの人命を押し潰す巨大な凶器と化すでしょう。
その時、そのビルに偶然居合わせてしまったのが、私やあなた、そしてその家族でない保証は、どこにもありません。



※関連エントリ

外部ファイル版【姉歯偽装物件時系列一覧
耐震強度偽装問題・・・資料編(12/21現在)

渡辺朋幸氏という人
時系列で耐震強度偽装事件を見ると
姉歯秀次氏という人
偽装事件は小さな政府を大きくするか?
耐震強度偽装問題・・・意見・感想編
全裸で自殺・・・の謎 耐震強度偽装問題


posted by 水無月 at 10:07| Comment(16) | TrackBack(3) |   ◇耐震強度偽装問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月29日

渡辺朋幸氏という人

一生懸命時間を遣り繰りしているのですが、なかなか十分にBLOGへ時間を割くことができません。おそらく年内は今夜が最後のチャンスと思われますので、がんばって更新してみます(笑



【 データ 1 イーホームズ社藤田氏 】


【イーホームズ社 公式ホームページ】
http://www.ehomes.co.jp/SITE1PUB/sun/6/news/report70.html?t=1132554461326
http://www.ehomes.co.jp/SITE1PUB/sun/6/news/report60.html?t=1132554461327

上で述べられている内容のうち、重要と思われる点を以下のテーブルに要約します。
この内容はすべてイーホームズ社藤田東吾社長の証言である点をお含みおきください。藤田氏またはイーホームズ社社員は以下のように記憶し証言している、ということです(ただし括弧書き管理人注とした部分を除く)。


@ アトラス設計社渡辺朋幸代表の行動・発言

 ◇2005年10月18日 イーホームズ社へ電話。同社社員が受ける。
  ・ 「『北千住』の物件に構造的に疑義がある」と発言。
 (※管理人注 渡辺氏によればこれに先立つ10月14日の時点でイーホームズ社に電話していた。【読売新聞】http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5500/news/20051205i308.htm

 ◇10月21日 同社を訪れ、同社の構造担当部長と課長に会う。
  ・ 『北千住』の物件で具体的な偽造の箇所を指摘。
  ・ 「『北千住』物件に対し「計画変更確認」を行えばよい」と発言。→A
  ・ 2年半前の『グランドステージ稲城』も偽造であることを指摘。→B
  ・ 「『稲城』物件を公表しなければマスコミに通報する」と発言。

 (◇10月26日 イーホームズ社、国土交通省へメール通報)
 (◇11月10日 千葉県が姉歯建築設計事務所へ立入調査)
 (◇11月17日 国土交通省が偽装の事実を公表)

 ◇11月21日 渡辺氏イーホームズ社へ。藤田氏と初対面。
  ・ 「姉歯さんが偽造をしていたことを御社に伝えたのは私だということを知っていましたか?この経緯を公表しないのは良くなくはありませんか?」と発言。
  ・ 「偽造に関しては、今から約1年ほど前に、日本ERIで確認を下ろした物件の施工に際し、施工会社から設計内容がおかしいので構造設計の内容を調べてほしいと言う依頼があった。その結果、姉歯設計事務所が偽造をしていたことを知り、技術者として激しい怒りを覚えた。偽造について日本ERI社に対し指摘したにも関わらず公表されずに隠されてしまった。あの時に公表されていたらその後の被害は防げたはずだ。そして、近頃、イーホームズでも姉歯設計事務所が関与する物件がいくつかあると聞いたので気をつけられたし、と伝えた」と発言。
(※管理人注 約一年前の物件とは「港区赤羽根橋」のマンションのこと)

 ◇12月7日 国土交通省参考人質疑
  ・ 渡辺氏は日本ERI社鈴木氏を「とても意識」し「言動が不自然」だった。
(※管理人注 日本ERIが「港区赤羽根橋」物件を計画変更確認で処理したことに対し、渡辺氏は「(違法物件が建てられなくて)良かったと思った」と発言しています。この発言と、それ以前の渡辺氏の発言「日本ERIは事件を隠蔽した」との間には開きがありますから、それをもって藤田氏は「不自然」と感じたのではないかと思います)
(※管理人注 渡辺氏はまた、次のような答弁もしてしています。「一度目に気づいたのは、一年半前に港区(赤羽根橋)の物件で、私が意匠事務所(=千葉設計)さんから構造の監理を委託されました。そのときに、図面と計算書を見比べて発見しました。二度目に発見したのが、施工会社の志多組さんから、北千住の物件で鉄筋が少ないので調べてほしいと依頼を受けました。図面を見ておかしいと思ったので、計算書を取り寄せてもらうようにお願いして、そのとき、計算したのが姉歯さんだと聞いて、とても驚いた次第です」)

 ◇12月15日 藤田氏がアトラス設計へ渡辺氏を訪ねる。
  ・ 渡辺氏、上記の10月19日のA、Bが事実と認める。


A 藤田氏の疑惑

渡辺氏の目的は、イーホームズ社に「北千住」物件の計画変更確認をさせることだったのではないか。数日後の10月24日に国土交通省からイーホームズ社へ「予告なしで緊急立ち入り検査」が入っているが、もし違法な計画変更確認を行っていれば、そこで発覚し、イーホームズ社は「即刻指定取り消し、全ての資料も没収」されていたに違いない。
イーホームズ社(と姉歯秀次元建築士)を陥れ、偽装事件を発覚前から闇に葬ろうとするなんらかの力があったと思う・・・。


B 渡辺氏・志多組に関して(引用)

「渡辺氏の話などから、志多組は宮崎県の地場最大の中堅ゼネコンです。熊本の木村建設のように、宮崎の志多組というような関係で九州圏では競争が激しい関係だそうです。木村と姉歯氏の関係のように、志多組と渡辺氏という仕事の依頼を受ける関係のようなものです。」



イーホームズ社公式HP内における上記の藤田証言を読んで、私が最も興味を惹かれたのは渡辺氏の行動の不可解さでした。渡辺氏は本当に、藤田氏の疑うように、イーホームズ社を陥れるため、どこかから遣わされた使者だったのでしょうか?
もしそうだとすると、「『稲城』物件を公表しなければマスコミに通報する」と渡辺氏が発言したのはなぜでしょう。説明できません。この発言が示す事実は、素直に考えれば次の二点です。

 ◇1 渡辺氏は二年半前の「稲城」物件の偽装を知っていた。
 ◇2 渡辺氏は「稲城」物件の偽装の事実を公表したがっている。

◇1から、藤田氏は、渡辺氏が偽装関与組織(?)の一員であろう、という方向へ想像力を働かせたのでしょう。しかしその想像は、どう考えても◇2とは矛盾します。「闇の勢力」がもし存在するとして、彼らが事件を表沙汰にしたくないのであれば、「マスコミに公表」されて困るのは、ほかならぬ彼ら自身のはずだからです。

私はここから、今回の渡辺氏の行動は組織的な指示の下での行為でなく、渡辺氏自身の個人的な動機に基づくものだと考えました。
そもそも、「マスコミへ通報する」とは、バックのある人間が口にする言葉ではありません。ほかに誰も味方がいない人間が、最後の手段で言うセリフですからね。

では、渡辺氏の目的は事実の公表そのものだったのでしょうか。
けれども、そうすると今度は「『北千住』物件に対し「計画変更確認」を行えばよい」と示唆したことが理屈に合いません。もし渡辺氏が不正を憎む正義の設計士であるなら、なぜ日本ERIと同じ「隠蔽」であり「不正」であるはずの計画変更確認を勧めたのか・・・。
私はこの「理屈の合わなさ」自体からも、渡辺氏が個人で行動していることを確信したのですが(個人だからこそ、会話の中で態度が揺れてしまうということもありそうです)、とりあえずまだ、謎は謎としておきましょう。ただ、この藤田証言だけからでも、渡辺氏という人が複雑な動機を胸に秘めてイーホームズ社を訪れたのだろう、ということは推測できると思います。



【 データ 2 渡辺氏と志多組と・・・ 】


前項の藤田氏証言から、渡辺氏と志多組との間に結びつきがありそうだということがわかります。
では、渡辺氏や志多組と偽装事件とはどういう関係にあるのでしょう。それを次に整理してみたいと思います。


◇1996年頃  姉歯氏と木村建設が九州の鉄骨業者の紹介で知り合う。

◇1998年? 「グランドステージ池上」建築確認
  現時点で判明している最古の偽装物件であり、かつ、木村建設、ヒューザーの関わった偽装物件の中でも最古のもの。
  建築主=ヒューザー、設計者=下河辺建築設計研究所、構造設計=姉歯建築設計事務所、施工者=木村建設、建築確認=大田区。

◇2003年2月 「グランドステージ稲城」建築確認
  現時点で管理人の知り得た最古の志多組施工のヒューザー物件。偽装。
  建築主=ヒューザー、設計者=スペースワン建築研究所、 構造設計=姉歯建築設計事務所、施工者=志多組、建築確認=イーホームズ。

◇2003年12月 「グランドステージ川崎」施工
  建築主=ヒューザー、設計者=下河辺建築設計事務所、構造設計=アトラス設計(渡辺氏)、施工者=志多組、建築確認=?
  渡辺氏の構造設計で偽装はなし。

◇2004年1月 「港区赤羽根橋」のマンション建築確認
  渡辺氏がはじめて姉歯氏の偽装を知ったと公式に認めている物件。
  建築主=?、設計者=千葉設計、 構造設計=姉歯氏から渡辺氏へ変更、施工者=木村建設?、建築確認=日本ERI。
  当初この物件には、元請の千葉設計の下、アトラス設計(渡辺氏)が構造担当として関わっていた。が、途中で施主の意向、つまり工費を下げたいということから、総研・木村建設・平成設計の三者が千葉設計を訪れ、構造設計を姉歯氏に替えることとなった(渡辺氏は仕事を横取りされた格好)。
  出来上がった構造設計書を千葉設計は(千葉設計HPによれば「念のため」、報道によれば「ビルの総工費が約7族円から約3000万円も安くなったことを不審に思った」ため)、アトラス社渡辺氏に検証するよう依頼した。こうして渡辺氏は姉歯氏の計算書偽造を知る。
【千葉設計】http://www.chiba-aa.jp/kinkyu/kinkyu1207.htm
【読売新聞】http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5500/news/20051201i201.htm

◇2004年3月 「港区赤羽根橋」マンションに関し、千葉設計と渡辺氏が総研・木村建設・平成設計・姉歯氏と会議。偽装行為を追及。

◇2004年4月 「港区赤羽根橋」マンションに関し、日本ERIは「計算ミス」として計画変更確認処理。この時の構造設計書は渡辺氏の計算し直したものだった。渡辺氏は日本ERIに「姉歯氏がこれを他でやっていたら大変なことになりますよ」と伝えるも無視される。

◇2005年10月 「グランドステージ北千住」建築確認
  建築主=ヒューザー、設計者=スペースワン建築研究所、構造設計=姉歯建築設計事務所、施工者=未定、建築確認=イーホームズ。
  施工者は公式には未定のはずだが、志多組との情報がある。情報の出所は渡辺氏自身で、上記別テーブル内既述の通り、12月7日国会参考人質疑にて「施工会社の志多組さん」と答えている。



上記の内容に、前項で書いた藤田証言を加えてみます。つまり

 ◇3 木村建設と志多組は同じ九州の中堅ゼネコンでライバル関係であった
 ◇4 渡辺氏は(木村建設にとっての姉歯氏のように)志多組から仕事をもらう立場であった

ここまで整理すると、私には、渡辺氏の胸中が理解できる気がするのですが・・・どうでしょう?(笑


つまり、志多組と木村建設はライバル関係だったのです。それは当然、グランドステージシリーズで大当たりしたヒューザー物件受注競争においても、微妙な影を落としていたはずです。
実際には、大きく報道されている通り、ヒューザー物件の多くは木村建設が受注しています。
もう少し正確に言うと、1998年確認の「池上」物件以降、ヒューザー物件の多くに木村建設が関与するようになりました。名義貸し(元請けからの丸投げ)分を合わせると、その数はさらに増えます。おそらく30件を下ることはないでしょう。
一方の志多組は、「稲城」「川崎」「北千住」の3件しか(今のところ判明分では)、関与できていません。そして姉歯氏の関与した2件は偽装物件であり、渡辺氏の設計した「川崎」はシロでした。

志多組は、木村建設がなぜこれほど急成長できたのか、その経済設計の秘密を知っていたのでしょうか? あるいは、知ろうと努力し、もしそこに秘密の知恵があるなら学び(盗み)たいということも、もしかしたら考えたかもしれませんね。
まあ、それはどちらでもいいのですが、私が想像するには、おそらく志多組は、「稲城」偽装物件を施工した後で、お抱え構造設計士の渡辺氏に、姉歯並の「経済設計」はできないかと持ちかけたに違いないと思うのです。つまり、「稲城」を施工した体験で、木村建設の強さの秘密(の一端)が構造設計にあることに気づき、それが偽装とまで知ったかどうかはともかく、次の姉歯氏非関与「川崎」物件では、渡辺氏に同じレベルの「経済設計」を依頼(要求)した、のだと。
志多組が企業として木村建設に対抗してゆくつもりなら、それは当然のことのように思えます。
構造設計士の立場は弱く、競争は厳しいと聞きます。施工者からの要求があれば、渡辺氏も仕事を失うまいと必死になるでしょう。そうして姉歯式設計(「稲城」)を分析する中で、あるいは志多組の要求内容を分析する中で、彼は「稲城」の偽装に気づいたのではないでしょうか。

あるいは、もっと単純に考えるなら、志多組にとって初のヒューザー物件であった「稲城」の構造設計書を、志多組もまた千葉設計のように、渡辺氏に検証依頼したのかもしれません。実際、「北千住」の物件では、渡辺氏は志多組から依頼されて姉歯氏の設計書を見た、と証言しているのですから。


◇1で藤田氏が呈示した疑問、なぜ渡辺氏は「稲城」物件の偽造を知っていたか、の答えは、志多組にあると思います。
志多組経由で、彼は真実を知ったのでしょう。
もっとも、それがいつのことか、まではわかりません。もし、「稲城」の施工段階で志多組が渡辺氏に検証を依頼していたなら、彼は二年半前に知ったのでしょうし、「川崎」の設計段階で知ったのであれば、約二年前ということになります。


藤田氏は、「稲城」の偽装を知りつつこれまで黙っていた渡辺氏の「正義感」に疑問を呈していますが、おそらく志多組の意向もあったものと私は想像しています。千葉設計は真実を知ると総研や木村建設を呼び出して事実をはっきりさせましたが、「北千住」の件ではっきり真実を知ったはずの志多組が、これまで表立って動いた形跡は一切ありません・・・。
志多組は、「気づいても気づかないふりをする」道を選んだのだと思います。少なくとも、「北千住」ではそうでしたから、それ以前の「稲城」物件でも、もし気づいたとしてもなにもしないことを選んだだろう、と想像できるわけです。
志多組にとってはライバル会社、木村建設の「お抱え経済設計士」の不法行為。これを表沙汰にすることはいたずらに波風を立て、双方にとって害が多いと判断した、というような「大人の」(もしくは「裏社会」の)知恵が働いたような気がします。
とにかく、志多組は沈黙していたいらしいのですね。とすると、そういう施工者の下にいた渡辺氏も、また沈黙を余儀なくされたのではないか、とする推測は、それほど意外ではないでしょう。



【 渡辺氏 VS 姉歯氏 】 〜 構造設計界の死闘 〜


さて、このようにして「稲城」の偽装を知っていた渡辺氏ですが、一年半前の「港区赤羽根橋」のマンション物件で、またも姉歯氏とぶつかってしまうわけです。これはもう、渡辺氏が姉歯氏と同じく関東周辺で活躍する構造設計士であった以上、もはや避けようのない宿命だったのかもしれません。


「アトラス設計は2005年10月にまたも同じようなことを別の場所で遭遇することになり、今回の告発へ至った、と渡辺氏から聞いております。これがまた別の建築士であったら、たぶん今でも闇の中かも知れません。何かこのあたりにアトラス設計の運命のようなものを感じます。」
(【千葉設計】HPより http://www.chiba-aa.jp/kinkyu/kinkyu1207.htm


千葉設計の千葉氏は、これのさらに一年後の「北千住」物件について上記のように述べていますが、千葉設計が(志多組と違って)事態の黙殺に向かわなかったのは、渡辺氏にとって大いなる救いとなったはずです。

渡辺氏の気持ちになれば、姉歯氏を許せない思いが限界まできていたことでしょう。なにしろ姉歯氏は、「港区赤羽根橋」物件での渡辺氏の仕事を奪ったのですからね。それも、違法な計算書偽造という手口によって。


「姉歯設計事務所が偽造をしていたことを知り、技術者として激しい怒りを覚えた。偽造について日本ERI社に対し指摘したにも関わらず公表されずに隠されてしまった。あの時に公表されていたらその後の被害は防げたはずだ。」
(【イーホームズ】HPより 渡辺氏11月21日藤田氏に語る)


この怒りは、渡辺氏が姉歯氏と同じ構造専門の設計士であり、過去に仕事を奪われていた、という事実まで知って、はじめて正確に理解できるのだと思います。
藤田氏は、おそらくそれを知らないでいたのでしょう。だから、この怒りを清廉な技術者の正義の怒り、と解釈してしまった・・・。ゆえに、「計画変更確認を行えばよい」という発言が理解できないのです。
渡辺氏が、計画変更確認を示唆したのは当然のことです。「港区赤羽根橋」の物件では、ほかならぬ渡辺氏が、自らの設計で日本ERIから計画変更確認を受け、そのまま構造担当者の地位に返り咲いたのですから。

計画変更確認が違法であるとか不法である、ということは知識としては知っていたかもしれませんが、渡辺氏の頭の中では「悪いこと」ではなかったはずです。彼もそれによって恩恵を受けているのですからね。従って日本ERIが「港区赤羽根橋」の物件に関して計画変更確認を行ったことは、渡辺氏にとって「善いこと」なのです。
ではなぜ、彼は日本ERIを「隠蔽した」と責めるのか。
これももはや明確ではないでしょうか。
彼が許せないのは「港区赤羽根橋」以降の物件でも姉歯氏が偽造を続けていること、です。日本ERIが事態を公表してくれれば、姉歯氏は設計の仕事は続けられないはず・・・。そうすれば渡辺氏の仕事が奪われる危険もなかったでしょう。にもかかわらず姉歯氏は偽造計算書を書き続け、現に「北千住」の物件では志多組施工なのに姉歯氏が構造計算をしている!のです。

ここまで考えると「あの時に公表されていたらその後の被害は防げたはずだ」という渡辺氏の発言も、多義的に読めてくるから不思議です。「被害」を受けた人の中には、単に一般の住宅購入者だけでなく、彼自身もが含まれていたのかもしれません。
渡辺氏は抽象的に、住宅購入者の被害や正義の憤りを語っているつもりで、実は自身の被害や怒りを表現していたのではないでしょうか。



【 渡辺氏 VS 藤田氏 】 〜 合わない視線 〜


渡辺氏がイーホームズへ電話をかけ、数日後には単身乗り込んで事情を説明した・・・。この動機も、もう十分理解できることと思います。
志多組は、千葉設計と違って、事態を公開しないのです。千葉設計は、偽造であることを知ったのちは、構造担当をアトラス社へ戻してくれました。しかし志多組はそれをし(てくれ)ない。となれば、今後志多組系の仕事は大幅に減るかもしれません。・・・志多組は動かない。日本ERIも動いてくれない。ならば自分で動くしかないじゃないですか!

渡辺氏の告発は、こうした文脈の中でこそ、はじめて理解できると思います。
姉歯式(偽装)経済設計をこれ以上のさばらせておけば、渡辺氏の仕事は減る一方です。対抗するにはそれこそ計算書偽造に手を染めねばならないでしょう。しかしもちろん渡辺氏に、それだけはできないのです。
正しい設計をしている自分がなぜ冷遇され、偽造設計士が高級外車を二台も三台も乗り回しているのか・・・。
渡辺氏がイーホームズへ姉歯氏を告発した目的は、今後これ以上偽装設計をさせないこと、できれば姉歯氏の設計士生命を絶つこと・・・あたりにあったと思います。それが告発の動機なのです。

将来のため・・・。
日本の建築界の将来のため、構造設計士全体の将来のため、しかし実は我が身の将来のため、だったのだと思います。姉歯氏が不法な設計をやめるか、設計業界から足を洗うかすれば、おそらくそれで渡辺氏は満足だったのでしょう。けれどもそこには、すでに建てられてしまっている違法建築物に住まわされている住人達がどうなるか、という過去への視点はありませんでした。そしてこの点で、藤田氏と渡辺氏とは決定的に違っていたのです。

渡辺氏が当初、藤田氏(イーホームズ社)に期待していたのは、「北千住」物件を差し戻すこと、だったのではないでしょうか。確認機関であるイーホームズからNGが出れば、志多組は姉歯氏を使うことを諦め、渡辺氏に構造設計を依頼してくるかもしれません。私は、渡辺氏はその可能性は相当高いと踏んでいたように思います。
計画変更確認を示唆したのは、「港区赤羽根橋」物件と同様、自分が姉歯氏の後釜に座ることを念頭に置いていたからなのでしょう。そして「稲城物件を公表しろ」と迫ったのは、あくまで志多組や総研に対して公表せよと迫ったものと解釈できます。国に公表すれば自動的にマスコミにも公表されるわけですから、後半の「でなければマスコミに通報する」というのが辻褄が合いませんから。
つまり渡辺氏は、イーホームズ → 総研・志多組 のルートで、圧力をかけることを望んでいたのです。なんの圧力かって? 当然、もう姉歯氏を使わないようにという圧力です。

要するに渡辺氏は、千葉設計主導で行われた「港区赤羽根橋」会議の再現を期待していたのです。この会議で姉歯氏は偽装を認め、結果、姉歯氏が奪った仕事は渡辺氏の許へ戻ってきました。今回は志多組が動かないから、イーホームズ社に期待したのです。
けれどもイーホームズ藤田氏は、一介の設計事務所でもなければ、日本ERIや志多組のような「見て見ぬふりが大人の知恵」的な人物でもありませんでした。
藤田氏は渡辺氏抜きでヒューザー・平成設計などと会議をし、事実関係を確認した後は国へ通報してしまいます。

渡辺氏の目論見は大きく外れました(笑
姉歯氏の設計士生命を絶つことはできたかもしれませんが、直接的な利益はなにもありません。「北千住」物件は建築確認取り下げで、もはや変更確認どころでない騒ぎです。
長らく「横浜の設計会社」として匿名を希望し続けた千葉設計とは対照的に、渡辺氏のマスコミへの露出度の多さ・・・が、当初から私は気になっていましたが、それも、こう考えるとなんとなく見えてくるような気がします。
なにしろ渡辺氏は、イーホームズに「勇気ある告発」をした見返りがなにもなかったのですからね(笑
イーホームズが「大人の態度」を取っていれば得られたはずの「北千住」物件の代わりに、せめて社会的な名誉や賞賛を浴びたい・・・と、彼が考えたかどうかはわかりませんが、もしかしたら渡辺氏には、もはや目立つことで宣伝をする道しか残されていなかったのかもしれません。少なくとも、目立たぬことが利益に繋がると判断した千葉設計より追い詰められた立場なのは確かでしょう。
どうやら案外狭いらしい構造設計業界ですから、最初の告発者が渡辺氏だったことは関東周辺の業界内では早くから知られてしまい、その結果、志多組はじめ「大人の」業者達が彼を敬遠する素振りを見せた・・・ということも考えられます。



【 ま と め 】


このように、藤田氏を困惑させ悩ませた渡辺氏の一見不可解な行動・・・は、謎を解こうと周囲を調べるうちに、私には自然と解釈できてしまいました。
渡辺氏は、巨大な陰謀とは対極の位置にいる人物だと思います(笑
彼の視野は狭い。藤田氏よりなお狭いです。おそらく彼は純粋に、彼の目に見える範囲の人々の幸福を願うタイプなのでしょう。

イーホームズ社の関係者が拙文を目にすることがあるとも思えませんが、もしそういう機会があれば、どうぞ藤田社長には、以下のように伝えて欲しいと思います。
「少なくとも渡辺氏は『陰謀』の加担者ではありません。
 彼はあなた同様『純粋な』志を持つ人物と思われます。ただ、あなたよりもほんの少しだけ、視野が狭いか、もしくは見る方向が違っていた・・・かもしれませんが。
 だからこの件に関しては、どうかこれ以上つまらない疑心暗鬼にかかずらうことのありませんように。
 そして事件の再発防止のためには今後なにが必要か、また過去にはなにが必要だったのか、真摯かつ謙虚に熟考することの方を、どうぞよろしくお願いします。(せめて、御社の『悪くなかった』理由を探しだす情熱の1/10程度は、そちらへ割いてくださることを国民一同期待しております)」


さて、ここまで書くうちにとっくに夜が明け、午前中まで終わってしまいそうです(汗
九州の鉄骨業者に関しても書きたかったのですが、それは来年に回すほかないようで・・・。

どうぞ皆様、よいお年をお迎えください。
来年の日本に昇る朝日が、少しでも希望と喜びに満ちた光と感じられますように。



最後に、このエントリを書くのに複数の箇所で以下のサイトを参考にしましたので紹介します。
 【建築よろず相談__耐震強度偽装問題時系列】
  http://www.shou.co.jp/yorozu/naibu/gisou.htm
 【東急不動産・東急リバブル不買運動__耐震強度偽装問題、日本ERI、アトラス設計渡辺朋幸代表】http://rain.prohosting.com/~rain7/eri.htm
 【千葉設計__12月7日の衆院国土交通委「建築物耐震強度偽装問題」参考人質疑において、当社名が実名 にて発言されたことについて】http://www.chiba-aa.jp/kinkyu/kinkyu1207.htm


※関連エントリ

外部ファイル版【姉歯偽装物件時系列一覧
耐震強度偽装問題・・・資料編(12/21現在)


時系列で耐震強度偽装事件を見ると
姉歯秀次氏という人
偽装事件は小さな政府を大きくするか?
耐震強度偽装問題・・・意見・感想編
全裸で自殺・・・の謎 耐震強度偽装問題


posted by 水無月 at 11:48| Comment(2) | TrackBack(4) |   ◇耐震強度偽装問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月26日

時系列で耐震強度偽装事件を見ると

イーホームズ社のTOPIX】で知ったのですが【建築よろず相談】提供の【耐震強度偽装問題時系列】ページは良いですよ♪ 大変参考になります。特に偽装が発覚する今年秋口からの流れ・・・は、私自身も一度整理したいと思っていた内容でした。このページのお陰で再び徹夜の地獄は見ずに済みそうです(笑

というわけで話を少し戻しますが、先日、【姉歯偽装物件時系列一覧(12/21現在)T】、【同 U】を整理しました。これは当初予想もしていなかった「SeesaaBlogの一記事あたりの容量オーバー」という障壁のため、やむなく二つにわけてあります。が、一覧表示というのが私のもともとの計画でしたから、近々別の形でUPし直すことを考えています。
※UPしました → 外部ファイル版【姉歯偽装物件時系列一覧】 最新情報への更新もこちらで行っています。

それはともかく、時系列に整理したのはそれなりに目的があったからです。
以下、この時系列一覧表示から現時点で私の気づいたことをまとめておきます。



@ 「時間が経つに従って偽装がエスカレートしていった」は正しくない。

まず、私自身が12月9日の【偽装事件は小さな政府を大きくするか?】の中で「大まかに、過去の物件の方がマシで、偽装を重ねるに従い、姉歯氏の偽装が大胆に、なりふり構わ造ものへと変化している」と述べています。が、このエントリを書いた後で次々と明らかになった過去の物件の資料から、最初期のものであっても強度=0.32のグランドステージ赤羽(1999年5月27建築確認)のような物件があることがわかりましたので、訂正しておきます。

偽装設計士・姉歯氏はその偽装活動の当初から大胆な偽装を行っていたようです。



A ホテルと共同住宅(マンションなど)で偽装の度合いが異なることはない

ホテルの強度とマンションの強度・・・単純に平均を取ればホテルの方が確かに数値が高いのですが、一方では、パークホテル高山(強度=0.23)、エースイン松本(同 0.31)のような例もあります。
一般に、各部屋が細かく壁で仕切られているホテルの方が、開放部の多いマンションよりも強度を確保しやすい、ということを考慮すれば、ホテル物件での0.23(現時点での強度偽装ホテルの最低例)という数字はグランドステージ藤沢の0.15(共同住宅での最低)に匹敵する恐ろしい数字ではないでしょうか。



B 公の審査機関と民の審査機関で偽装の度合いが異なることはない

@と同様、これも私自身が【偽装事件は小さな政府を大きくするか?】の中で次のように述べていました。
「民間検査機関の審査する物件では、自治体検査の物件よりも大胆に(荒っぽく)偽装を行った、という可能性はありそうです」
しかしこの件に関しても、前述のグランドステージ赤羽(北区)、パークホテル高山(岐阜県)、エースイン松本(松本市)といった0.3台以下の物件を地方公共団体の検査機関が通している実例から、正しくないことがわかります。

そしてこのことは逆に、地方公共団体の検査機関とイーホームズや日本ERIに代表される民間検査機関とで検査能力に差はなかっただろう、ということを強く示唆するものです。もしイーホームズを無能とするならば、公の検査機関もまた無能・・・なのでしょう。
現在、国土交通省は地方公共団体の審査能力を調査する方針を固めたそうですが
http://www.asahi.com/special/051118/TKY200512240343.html
実に妥当な措置であろうと思いますね。

事件当初、建築確認業務を民間に開放したからこうなったのだ、というような論調がありましたが、それは正しくないばかりでなく、イーホームズ社が散々訴えているような、「悪意あるスケープゴート(=イーホームズ社)叩きだった」との主張に一定の信憑性が与えられるような気がします。

公の検査機関の無能さを如実に示す記事としてこれも挙げておきましょう。
このうち、東京都足立区、葛飾区、新宿区、大田区では各2件、中央区、文京区、品川区、豊島区、名古屋市は各1件と、計9自治体の13物件が、最終期限の26日までの報告は無理な見通しという。

 9自治体は、いずれも構造計算ソフトを持っておらず、自力で再計算できない。外部の専門家に発注しているが、足立区の場合、いまだに依頼先が見つからない状態。同区は「偽装物件が首都圏に集中しているためか、数社に頼んだが断られた」と説明。文京区も「当初、偽装は単純なものという認識しかなく、出遅れた」と話す。
(【読売新聞】http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5500/news/20051224i106.htm
ちょっと驚いてしまいましたが、自力で再計算できないのだそうです。
ソフトにも多種類あるそうですから、別の種類のソフトは持っているということかもしれませんが、記事中の「外部の専門家」は「数社」とある通り民間企業ということでしょうから、こうした事態そのものが公より民の方が優れている証拠と受け取れるような気がします。



C イーホームズ社の強弁

ところで、スケープゴートとして叩かれている(らしい)イーホームズ社も黙って叩かれているわけではなく、HP上にてリアルタイムで反撃しています(笑)。ネットがこれほど普及したからこそできることで、これ自体、私には非常に興味深いのですが、イーホームズ社提供の情報を鵜呑みにするのも危険なのです。
以下、そのことを述べます。

同社が2005年12月13に公開した【新たな偽造2物件についての質問、現段続での物件リスト等】ですが、ここで同社は【12月12日時点での偽装物件時系列一覧】を公開しています。実はこのページこそ、私が偽装物件時系列一覧リストを自分でUPしようと思ったきっかけでした。

この表の下部で同社は
約1年半前に日本ERI社が偽造を隠蔽せずに公表していたら、偽造グループの物件が弊社に申請がなされず、ほとんどは偽造として生じなかったことはずです。被害が広がったという点で、日本ERI社の責任は重大であると考えます。
と主張しています。しかし肝心の表を見ると、「日本ERI社が公表していたら防げたであろう物件」と左端に注釈つきでマークしてある矢印が、「グランドステージ稲城」を差しているのですね。つまり日本ERI社が偽装を公表していたらグランドステージ稲城以下の偽装物件の被害は防げたであろう、と読めます。グランドステージ稲城は、12月12日時点でイーホームズ社が扱った偽装物件の最古から二番目でした。最古の物件は(12日時点でも現在でも)グランドステージ千歳烏山ですが、なぜかグランドステージ千歳烏山は表中に記載されていません(笑
つまりイーホームズ社提供の表を見る限り、日本ERI社が社会正義にのっとって正しく行動していればイーホームズ社の偽装見逃しという失態は(ほとんど、でなく)すべて避けられたはずだ、と読めてしまいます。
では、グランドステージ稲城は本当に、日本ERI社が偽装をアトラス設計社渡辺氏に指摘されて知り得たはずの約一年半前の物件なのでしょうか?

私は12日の時点ですでに国土交通省提供の偽装物件一覧をローカルに取り込んでおり、時揃列ソートも飽きるほど繰り返していましたからすぐに気づいたのですが、グランドステージ稲城は約二年半前の物件、なのです。
実際には、日本ERI社が偽装を知り得た約一年半前の段続で、イーホームズ社は12日時点に判明しているだけで7件の偽装を見逃していた、のが事実です。
けれどもイーホームズ社提供の表を見ているだけでは、それには絶対に気づけません。なぜなら、時揃列と言いながら、ソートキーとなるはずの項目が「姉歯設計作成年」なるものとなっており、月日の省略された「平成○年」表示となっているからです。
姉歯氏の設計年をなぜイーホームズ社が把握できるのかも謎ですが(笑)、「建築確認日」が国土交通省公表のデータに明記されているにもかかわらずこれを示さず、あたかも7件の自社見逃しの事実を隠微するかのように「日本ERI社が公表していたら防げたであろう物件」の矢印を二年半前に持ってくる・・・イーホームズ社の態度は、どうなのでしょうね?(呆

単なる間違いでなく、目的を持った情報操作と看做されても仕方ないのではないか、と思いますよ?

12月26日現在、イーホームズ社は最新の【12月26日時点での偽装物件時系列一覧】を公表しています。
この中では、「日本ERI社が公表していたら防げたであろう物件」の開始矢印は、正しく一年半前に繰り下がっています。そのかわり
「そもそも認定プログラムが改ざんできないように大臣認定していたら全ての被害は生じなかった」
「行政が発見していたらこの後の被害は防げた物件」
「国土交通省が日本ERI業務停止時に行った精査で偽装を発見していたら被害の拡大を防げた物件」
という三つの注釈が、いわば三重にイーホームズ社の偽装見逃しを擁護する仕組みです(笑

しかしながら、「日本ERI社が偽装を一年半前に知り得たにもかかわらず公表しなかった」疑惑と、上記三つは別の性質の事柄だと私は思います。
日本ERI社の偽装隠しは、もしそれが事実なら立派な犯罪であり、当然に糾弾されねばならないでしょうが、「大臣認定プログラムの不備」「行政確認機関の不備」「国土交通省精査の不備」は、偽装の背景や拡大の要因ではあるでしょうが、それ自体は罪ではありません(罪を犯したのは姉歯氏などでしょう)。

つまり、行政の不作為や不備は、イーホームズ社の偽装見逃しと同様に問題である、ということであって、決してイーホームズ社の偽装見逃しを擁護する意味は持たないのです。

イーホームズ社は「そもそも構造計算認定プログラムが編集(改ざん)不可能な形での申請/審査のシステムで評価認定されていれば、この偽装事件が生じることはなかったのです」
http://www.ehomes.co.jp/SITE1PUB/sun/6/news/report82.html?t=1132554460715
と繰り返し訴えています。が、たとえそれが真実であったとしても、同社の「偽装見逃しという失態の責任」は消えません。
タイトルにつけたイーホームズ社の強弁、と私が感じるのは、あたかも自社の失態はすべて外部に要因がある、かのように同社が主張することです。その主張はやはり、責任逃れのように聞こえます。

イーホームズ社は(検査機関としては)無能であり、同じ程度にほかの民間検査機関も、行政も、公の検査機関も無能であった(とりわけ日本ERI社は無能であるばかりでなく悪質だった疑いがある)、というのが正確なところだろうと思います。
だからどうすればいいのか・・・。ここから先が、日本社会や政府が対応しなければならない問題でしょうね。

そしてもうひとつ、大事なこと。
この時系列一覧表を巡って私は、イーホームズ社は民間企業であり、同社の提供する情報は同社にとって都合の良い内容に限られている(時には都合よく脚色されているかもしれない)、という当たり前のことを強く意識しました。だからこそ、自前で時系列一覧表示を作成したのですけども。
イーホームズ社も当事者なのですから、必死に弁明すること自体は当然ですし、私はそれを批判するつもりもありません。むしろすべての当事者が、自己の正当性をアピールするためにネット上で情報合戦を繰り広げてくれたら、と望んでいます。
ただ、積極的に情報を公開しているイーホームズ社ですが、同社もまた、決して正義の味方ではないのです。情報提供には必ずその裏に目的があり、動機があります。
一覧表での情報操作などは、国交省の情報もあり見破るのは容易ですが、裏づけの取れない同社提供の情報については、真偽を確かめるのは至難の業です。

イーホームズ社提供の情報には同社に有利なように、とバイアスがかかっていることを、情報を受け取る際には常に意識すべきなのだと思いました。



D 「偽装の最初はホテルから」という姉歯氏証言は正しくない

最後に、姉歯氏の証言との矛盾点をまとめておきます。
姉歯氏は2005年12月14日の国会参考人質疑で「偽装の最初は1998年のグランドステージ池上。当初はホテルが中心だったが2003年ごろからはほとんどがマンションだった」と述べていますが、実際に彼の仕事ぶりを確かめてみると、証言とは逆に、偽装最初期の1999年にはほとんどがマンションだったことがわかります。

1999年は興味深い年ですね。この年はマンションがほとんどで、逆に2000年以降ホテル物件が急激に増えます。姉歯氏はまた「4、5年以上前、総合経営研究所のセミナーで講師をした」とも述べています。講師をした頃から、急にマンションの設計受注が増えたということになります。

姉歯証言についてはこの記事も記録しておきましょう。

耐震強度偽装事件で、姉歯秀次・元一級建築士(48)が偽装を始めたとされる1998年、木村建設(熊本県八代市、破産手続き中)の施工物件で姉歯元建築士が構造計算を担当したのは一件だけだった可能性の高いことが21日、分かった。

 姉歯元建築士は衆院国土交通委員会の証人喚問で、木村建設の篠塚明・元東京支店長(45)から鉄骨量を減らすよう指示されたと証言。「仕事の90%を木村建設から請け負っており、(仕事が)なくなると生活できないのでやむをえず(偽装を)やった」と話していたが、実際は木村建設系以外の物件も多かったとみられ、構造計算書偽造の動機をめぐる証言のほころびが明らかになった。
(【日経NET】http://sumai.nikkei.co.jp/special/gizo/index.cfm?i=2005122109975s8

この先はただの私の推測ですから信憑性はありませんが、もしかしたら姉歯氏は、原因と結果が彼自身にもうまく整理できないまま、発言しているのかもしれません。
彼が偽装をしたのは「木村建設から圧力を受けたため」。これが本人の弁。
しかし実際は「圧力を受け入れて偽装をしたからこそ、木村建設からの受注が増えた」。

強度偽装、計算書偽造、というテクニックは、少なくとも現時点での報道を見る限り、姉歯氏の独創的な発見だったと私は思っています。木村建設から無理難題を押し付けられ、苦し紛れに生み出した「コロンブスの卵」だったのでしょう。そのコロンブスの卵は、姉歯氏個人に多大な恩恵をもたらしたはずです。
木村建設からの受注増や、経済設計のできる設計士という賞賛、総研でのセミナー講師。そうして舞台はホテルへと広がってゆく・・・。

彼の偽装を見逃したり促したりした人々を追及するのももちろん大切なことですが、事件の原点となった姉歯氏という人は、やはりどこか特殊な人であったことも間違いないだろうと思います。
姉歯氏の生み出した「コロンブスの卵」的新発想が、木村建設や総合経営研究所を経由して別の設計士達に受け継がれていないことを祈るばかりです。



※関連エントリ

外部ファイル版【姉歯偽装物件時系列一覧
耐震強度偽装問題・・・資料編(12/21現在)
姉歯秀次氏という人
偽装事件は小さな政府を大きくするか?
耐震強度偽装問題・・・意見・感想編
全裸で自殺・・・の謎 耐震強度偽装問題
posted by 水無月 at 16:46| Comment(8) | TrackBack(0) |   ◇耐震強度偽装問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月24日

姉歯偽装物件時系列一覧(12/21現在)U


姉歯偽装物件時系列一覧(12/21現在)T】からの続き。

 
建築確
認日*1
物件名 *2
建築主
 *3
設計
者 *4
施工者
 *5
建築確
認 *6
Qu/
Qun
 *7
46 03/09/06 GS 東向島 ヒューザ SSA 木村建設 イーホー 0.31
47 03/09/25 GS 川崎大師 ヒューザ スペワ 太平工業 イーホー 0.30
48 03/11/08 マルコもちづきH マルコも 平成 都市計画 イーホー
49 03/11/11 サンホテル大和郡山 総研BH 豊國一 豊國建設 日本ERI 0.47
50 03/11/28 京王プレッソ五反田 京王電鉄 平成 木村建設 イーホー
51 03/12/10 湊町中央ビル サン中央 姉歯 サン中央 イーホー 0.31
52 03/12/19 くれたけイン・浜名湖 喜良久 中村組 中村組 イーホー
53 03/12/22 GS 住吉 ヒューザ スペワ 木村建設 イーホー 0.37
54 04/01/07 初台2丁目マ シノケン シノ建 シノケン イーホー 0.78
55 04/01/10 GS 弁天橋 ヒューザ 森田 ヒューザ イーホー 0.41
56 04/01/20 船橋本町3丁目ビル サン中央 姉歯 サン中央 イーホー 0.39
57 04/03/05 東麻布1丁目マ シノケン アーキ シノケン イーホー 0.45
58 04/03/31 西早稲田3丁目マ シノケン シノ建 シノケン イーホー 0.43
59 04/04/01 芝浦2丁目マ シノケン シノ建 シノケン イーホー 0.44
60 04/04/30 GS 八丁堀 ヒューザ SSA 木村建設 イーホー 0.41
61 04/06/21 京王プレッソ茅場町 京王電鉄 木村建 木村建設 イーホー 0.26
62 04/06/22 芝大門2丁目マ シノケン シノ建 シノケン イーホー 0.26
63 04/06/24 GS 藤沢 ヒューザ 森田 木村建設 イーホー 0.15
64 04/08/06 ロセット喜多見 ハウ大興 井上企 勝村建設 イーホー 0.74
65 04/09/27 湊町2丁目中央ビル サン中央 姉歯 サン中央 イーホー 0.37
66 04/10/14 ビジネスホテル黒崎 菅原不 醇建築 木村建設 日本ERI 0.87
67 04/11/04 ホテル新永別館 新永セ 平成 木村建設 日本ERI 1.0〜
68 04/11/10 エクセリ浅草田原町 シンアイ 井上企 未定 台東区
69 04/12/27 セントレジアス船橋 ヒューザ スペワ 丸運建設 イーホー 0.39
70 05/01/24 ラ・ベルドゥーレ白井 東日本住 木村建 木村建設 イーホー 0.73
71 05/01/25 GS 船橋海神 ヒューザ 下河辺 木村建設 東日本住
72 05/03/26 奈良市三条本町SGホ 増富 平成 木村建設 イーホー
73 05/06/08 ビジネスホテル苅田 オオハシ KSM 木村建設 日本ERI
74 05/06/16 都筑佐江戸町マ エルクリ 田口 木村建設 ビューロ
75 05/07/06 セントラルH伊万里 武雄ボ 木村建 木村建設 日本ERI 0.85
76 05/07/19 GS 竹ノ塚 ヒューザ スペワ ヒューザ イーホー
77 05/07/25 GS 町田 ヒューザ SSA 未定 イーホー
78 05/08/25 TKアセットビル 不明 KSM 不明 イーホー
79 05/09/07 本厚木ホテル 厚木ホ KSM アトリ建 イーホー
80 05/10/06 GS 北千住 ヒューザ スペワ 未定 イーホー
81 不明 不明 不明 不明 不明 横浜市 1.0〜
82 不明 不明 不明 不明 不明 横浜市 1.0〜

   *1 すべて「西暦下二桁/月/日」表示。

   *2 建築確認時。現在の物件名は管理人の知り得た分のみ(現)と補足。(仮)は省略。
   略称は以下の通り。 GS=グランドステージ ダイナコ=ダイナコートエスタディオ H=ホテル
   SGホ=SGホテル マ=マンション 京王プレッソ=京王プレッソイン ヴィアイン新大阪ウ=
   ヴィアイン新大阪ウエスト パークホテル高山=(現)カントリーホテル高山 舞鶴SGホテル=
  (現)プラザホテル舞鶴 岡崎伝馬SGホテル=(現)岡崎サンホテル 伊勢崎大手町SGホ=(現)
   伊勢崎サンホテル 平塚・明石町SGホ=(現)パークイン平塚 峰山ビジネスホテル=(現)
   シティーホテル峰山 GS川口原町=(現)GS川口 SGホテル(前橋)=(現)グレースイン前橋
   三交イン桑名=(現)三交イン桑名駅前 エースイン大府=(現)アズイン大府 コニファーコ
   江古田=コニファーコート江古田=(現)ROSSET江古田 アルカン和田町駅前=アルカンシェル
   和田町駅前=(現)レジーナ和田町エスタシオン 羽村市駅前SGホ=(現)プラザイン羽村
   マルコもちづきH=(現)三交イン静岡 湊町中央ビル=(現)サン中央ホームNo.15 初台2丁目
   マ=(現)フォルトゥナ代々木初台 GS弁天橋=(現)コンアルマーディオ横濱鶴見 船橋本町
   3丁目ビル=(現)コルギーS船橋 東麻布1丁目マンション=(現)STAGE麻布 西早稲田
   3丁目マ=(現)スカイコート西早稲田 芝浦2丁目マ=(現)ドルチェ芝浦弐番館 GS八丁堀
   =(現)GS茅場町 芝大門2丁目マ=(現)STAGE大門 ビジネスホテル黒崎=(現)
   アルクイン黒崎 エクセリ浅草田原町=エクセリア浅草田原町 奈良市三条本町SGホ=(現)
   サンホテル奈良 TKアセットビル=(現)沼津TKアセットビル

   *3 *3-1…小俣組・システムプランニング (株)は省略。略称は以下の通り。
   世紀東急=世紀東急工業 ヒューザ=ヒューザー=(旧)ハウジングセンター 岡部マ=岡部
   マイカ工業所 JR西日DS=ジェイアール西日本デイリーサービスネット NVFサ=NVFサービス
   三菱UFJ=三菱UFJ信託銀行 東洋観光=東洋観光事業 オオハシ=(有)ホテルオオハシ
   アサヒプ=アサヒプランナーズ 半田電工=半田電化工業 JR=ジェイアール ヒサコー=
   ヒサコー観光求@名鉄不=名鉄不動産 フリ福井=フリックイン福井 グランビ=グランビル
   ハウ大興=ハウジング大興 マルコも=マルコもちづき 総研BH=総研ビー・エイチ企画
   サン中央=サン中央ホーム シノケン=(旧)シノハラ建設システム 菅原不=菅原不動産
   新永セ=新永センター 東日本住=東日本住宅 エルクリ=エルクリエイト 武雄ボ=虚雛Y
   ボーリングセンター 厚木ホ=旧木ホテル

   *4 (株)は省略。略称は以下の通り。 平成=平成設計
   世東ー=世紀東急工業活鼡煙囃z士事務所 下河辺=下河辺建築設計事務所
   木村建=木村建設 岡田=岡田建築設計 森田=森田設計事務所 豊國一=豊國建設活鼡
   建築士事務所 スペワ=スペースワン建築研究所 SSA=エスエスエー建築都市設計事務所
   姉歯=姉歯建築設計事務所 シノ建=シノケン=(旧)シノハラ建設システム 井上企=井上
   建築企画研究所 アーキ=アーキグラム 醇建築=醇建築・まちづくり研究所 KSM=
   KSM一級建築士事務所 田口=田口設計

   *5 *5-1…木村建設・進藤建設 *5-2…木村建設・鵜川興業 *5-3…窪田建設・丸山工務所
   *5-4…三交ホーム・豊國建設JV (株)は省略。支店は省略 略称は以下の通り。
   世紀東急=世紀東急工業 浅井工務=浅井工務店 沢田工務=沢田工務店 小野里工=
   小野里工業 シノケン=(旧)シノハラ建設システム 都市計画=都市計画工業 サン中央=
   サン中央ホーム アトリ建=アトリウム建設

   *6 (株)は省略。略称は以下の通り。 日建総=(財)日本建築総合試験所
   イーホー=イーホームズ UDI確=UDI確認検査 東日本住=東日本住宅評価センター 
   ビューロ=ビューロベリタス

   *7 赤字は0.5以下。未…調査中で未判明のもの。
   OK…木造建物でQu/Qunはなし。特定行政庁等が現地調査し耐震性に問題がないことを確認。
   中…中規模で損傷。 −…建築確認取り下げ。



※関連エントリ

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時系列で耐震強度偽装事件を見ると
耐震強度偽装問題・・・資料編(12/21現在)
姉歯秀次氏という人
偽装事件は小さな政府を大きくするか?
耐震強度偽装問題・・・意見・感想編
全裸で自殺・・・の謎 耐震強度偽装問題
posted by 水無月 at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) |   ◇耐震強度偽装問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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